Webサイト制作ってどうやるの?依頼からできあがるまでの流れ
デジタルマーケティングの領域での柱になるのがなんといってもWebサイトでしょう。さらに「コンテンツマーケティングと言えば企業ブログ」といえるほど、ブログ運営を中心としたコンテンツ重視のマーケティングも浸透してきました。
もちろんソーシャルメディアや動画コンテンツなど、コンテンツマーケティングとして有効なアイテムは多数ありますが、これらはWebサイトへの誘導を行い、コンバージョンを促してゆくための入り口として活用するほうが自然でしょう。
さまざまなチャンネルが出てきているものの、コンテンツマーケティングやその根底となるインバウンドマーケティングのコンセプトを効果的に実現させるためにはWebサイトが中心的な役割になるのは異論はないと思います。そこで今回はそのWebサイトの制作の流れについて紹介していきます。
基本的な流れについて知りつつ、Webサイト制作を成功させるためのポイントについても理解していきましょう。
Webサイト制作の流れ
Webサイトのコンセプトを決める
いまやすべての企業や組織がホームページと呼ばれるWebサイトを公開しているといってもよいでしょう。しかし、あるのが当たり前だからと言って、なんとなく他社の真似をして作ってみているということはないでしょうか?
ホームページなどのいわゆるコーポレートサイトであっても、コンテンツマーケティングに特化したオウンドメディアサイトの形態であっても、そのコンセプトは非常に重要です。コンセプトにはサイトの目的やビジネスゴールも含みます。これによって、あとの設計や運営が大きく変わってきます。
そのため、ほとんどの制作会社では契約の前段階から顧客に対してヒアリングを行い、制作するWebサイトの全体像を把握しますこれをもとに制作スケジュールや費用の見積もりをしていくわけですが、この時点でコンセプトや目的をしっかりと伝えておくことが重要です。
これにより、Webサイトのポイントや機能をある程度想定することが可能になり、より正確な制作スケジュールと見積もりができるでしょう。依頼側としても制作側としても今後の制作活動をスムーズに進めていくことができます。
そして契約に至ると本格的なコンセプトの明確化と設計に入ります。Webサイトのイメージ、目的、ターゲット、競合との差別化、実装する機能、コンテンツのタイプなどを決定していきます。Webサイトは制作するにしたがって、そのデザインなどの見た目にこだわりが出てきてしまうことが多いですが、ここで共有されたコンセプトと目的に常に立ち返って本末転倒な結果とならないように気を付けましょう。
Webサイトの基本的な設計
コンセプトと目的が明確になったら基本的な設計に入ります。まず設計するのはサイト設計です。具体的には作成するコンテンツやページと、そのディレクトリ構造、メニュー構造などです。限られたトップメニューから、どのようにサイトの訪問者に効率よく情報を提供するのかを検討します。
従来は製品カタログのWeb版のようなサイトも多くみられましたが、Webサイトを通じて見込み客を生成することが目的であれば、顧客の視点でメニューの構成をすることをお勧めします。具体的には、検討の段階に沿って、一般的な課題感とそれに対する解決策、そして自社の製品やソリューションの特徴やメリットを訴求してゆきます。もちろんある程度すでに製品やサービスに関心をもって訪問してくる方に対しても必要な情報を提供し、検討中の見込み客をコンバージョンにつなげるための導線も意識しましょう。
またディレクトリ構造もSEOの観点からは重要です。どのようなキーワードでSEO対策をするかも意識しながら設計します。またディレクトリ構造はあとから変更しにくいので、慎重に検討しましょう。
ページのデザイン作成
Webサイトの構造とともに設計しなければいけないのが各ページの構成を決めます。トップページ、ランディングページ、下層ページ、ブログなど、ページごとのデザインを作成していきます。
デザインというと見た目にこだわってしまうかもしれないですが、Webサイトの目的を考えると、まずは各ページに持たせる機能を重視して検討しましょう。それぞれのページの役割を考え、どのような機能を配置するのかを検討しましょう。
各ページのデザインを行うのに使用するのが"ワイヤーフレーム"です。効率的に行うツールの活用や、すでにあるテンプレートの活用も検討します。ある程度の機能の配置に関するベストプラクティスも盛り込まれている場合もあるので、ゼロから作るよりも効率的に機能的な設計が可能です。
そして、見た目としての企業のブランディングやコーポレートカラーなどをベースに使用するフォントやロゴ、色合いなどを決めましょう。テンプレートなどを使用しても色やフォントの変更は簡単にできることが多いので、機能を重視しながら自社のイメージを盛り込みましょう。
ページのコーディング
コーディングとはHTMLといったマークアップ言語を使用し、Webサイトに“装飾”を施していくことです。つまり設計したデザインを視覚化していきます。また、JavaScriptなどで動的機能を追加していくのもコーディングです。
先述のテンプレートなどを利用して効率化する場合にも、独自の動作などカスタマイズが必要なこともあります。その際にはコーディングをして要件を実装してゆきます。一般的には制作会社が行いますので、依頼側として行うことはほぼありませんが、制作会社の技術的なレベルにも左右されるので技術者の体制などは事前に確認しておきましょう。
また、こまめに確認しながら正しく実装されているのを確認しながら手戻りを減らし、効率よく進めましょう。
システムへの実装
コーディングが完了したらCMSなどのシステムへ組み込んでいきます。現在主流となっているのはWordPressですが、他にも様々なシステムが提供されているので、自社にとって最適なものを選ぶことが大切です。
たとえばHubSpotはマーケティングオートメーションのツールとして認識されていますが、インバウンドマーケティングを効率的に実施するためにCMSの機能もあります。テンプレートも用意されているため、ページの作成や取り下げなども簡単にできます。
動作環境のチェック
システムへの組み込みが完了すればいよいよ佳境です。WindowsやMacといったOS環境、GoogleChromeやFirefoxといったブラウザ環境、PCやモバイルといったデバイス環境など、複数の環境においてWebサイトが正常に表示・動作するかを確認します。
この時点で何か問題があれば修正し、再び動作環境チェックを行い、リリースできる状態へと近づけていくことが目的です。
リリース
ここまでの作業がすべて完了して晴れてリリースとなります。Webサイトの規模にもよりますが、一般的には2ヵ月程度から3ヵ月程度の制作期間がかかります。
テンプレートを使用するなどして制作期間を短期化し、あとから順次修正してゆくという考え方も可能です。Wenサイトのコンセプトや目的に合わせて検討しましょう。
その後の保守運用
Webサイトは作ったら終わりではなく、その後の保守運用が効果を上げていくために何より重要なポイントです。
最近ではアウトソーシングでパートナーに一任し、コンテンツ作成だけに関与するというユーザーも少なくありません。
アクセス解析やSEO対策などを継続的に繰り返し、継続的に改善を繰り返す"グロースドリブンデザイン"で運用し、市場環境の変化に合わせて変更してゆきましょう。そのためにもCMSの使いやすさは重要です。分析、改善を繰り返しながら継続的に最適化を図っていくことをお勧めします。
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Webサイト制作成功のポイント
制作段階からユーザーを意識した設計を
コンテンツマーケティングにおけるWebサイトの立ち位置というのは、ユーザーとの接点を作り、長期的な関係性を築き、利益をあげていくためのものです。
従ってコンテンツ作成をユーザー視点で行うことはもちろん、その手前のWebサイトの構築段階からユーザーを意識した設計が求められてきます。
設計段階でペルソナを明確にし、ユーザー視点に立ってWebサイト制作に取り組むことで、マーケティング効果をより高めていくことができるのです。
こういったWebサイト制作を行ってくれるかどうかは、制作会社の手腕にもよるので、そのアプローチや実績を確認してみてください。
コンセプト設計から制作会社に丸投げしない
Webサイト制作に成功する企業というのは、必ず依頼側主体でプロジェクトを進めています。
制作に関する知識や技術に関して制作会社に方が高いのは当然ですが、あくまで制作するのは依頼側のWebサイトです。
企業のビジネスや顧客に理解しているのはやはり依頼側ですので、それをしっかりと反映させるためにはやはり依頼側主体で進めていく必要があります。それをいかに効果的にWebサイトの設計やコンテンツ、継続的な運用に落とし込めるのかは制作会社の力量によるでしょう。あくまで両者の協働によってWebサイトを作ってゆくという意識は非常に重要です。
まとめ
いかがでしょうか?今回紹介したWebサイト制作の流れはあくまで基本的なものですので、Webサイトの種類や制作会社によってプロセスが異なることもあります。一般的には見た目のデザインよりも機能の設計を重視し、それをサポートしてくれる制作会社を選びましょう。
また、制作段階からユーザーを意識し、決して制作会社に丸投げしないことでWebサイトを成功させ、効果の高いコンテンツマーケティングを目指してください。そしてWebサイト制作は作って終わりではありません。Webサイト制作はコンテンツマーケティングのスタートラインです。ぜひ継続的な取り組みをしてください。