MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説
MAとは、マーケティングに関係する業務を自動化し、効率を上げるツールのことです。企業が売上を上げ続けるためには、顧客の管理は必須。この記事では、より多くの見込み顧客を獲得し、成約率を上げる場面で効果的に使えるMAについて徹底解説しています。
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マーケティング手法の選択肢が増えた一方、新規顧客の獲得や、既存顧客の囲い込みの難易度がより一層上がってきています。インバウンドマーケティングで成果を上げるためにも、施策の実施や効果検証がしやすいツールの活用が必要です。
マーケティングツールの導入を検討している方へ、これまでHubSpotの導入支援および運用サービス、包括的なインバウンドマーケティング支援を行ってきたリードプラスが、HubSpotの機能やできることを簡潔にまとめた『HubSpotまるわかり完全ガイド』をお届けしています。
ツールの導入を検討しているが、導入の決め手に悩んでいる、HubSpotでどんなことができるかわからないとお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
MA(マーケティングオートメーション)とは?
マーケティングオートメーション(Marketing Automation、MA)とは、マーケティングに関係する業務を自動化し、効率を上げる仕組みやツールのことを指します。
マーケティングオートメーションが求められるようになった背景には、デジタルファーストの考え方が浸透したことがあります。また、ITの普及によって人々の購買行動は「気になる商品を検索して購入した後、インターネット上に商品の感想を書き込む」といった、いわゆる「AISAS」と呼ばれるプロセスを経るようになりました。顧客ひとりひとりのニーズに合わせた「One to Oneマーケティング」を行う上で、顧客を理解することは非常に重要となり、SNSなどの新しいチャネルや新技術の活用は欠かせないものになっています。
しかし、新しい技術を導入して顧客の行動を細かく把握するとなると、マーケティング担当者の業務負荷は増加してしまいます。また、意思決定からアクションまでを迅速に行う必要があります。そこで必要になるのが、マーケティングオートメーションによる業務の自動化なのです。
なぜMAが必要なのか?求められる背景
では、なぜ、今、MAが注目されているのでしょうか?その背景を解説していきます。
①時代による営業スタイルの変化
1番の理由として挙がられるのは、従来型の商談開拓手法が限界に近づいていることです。インターネットの普及により、顧客が情報収集が簡単に行えるようになりました。わざわざベンダーを読んで情報収集をする必要性がなくなってきているのです。以下のように、ベンダーにコンタクトする前に、購買者の約6割は検討段階を終えているという調査データが出ています。2020年以降のコロナ禍においては、その動きはより顕著に加速しています。
また、別の観点として、顧客企業における検討プロセスが以前のトップダウンから現場主義であるボトムアップ型へシフトしているという点もあります。トップダウンアプローチが有効だった時代には、キーマンのところに通って関係性を構築するのが、一番有効な手法でした。しかし、現在は商材も複雑化しており、トップダウンだけでは導入ができません。顧客企業は、担当者に検討させるボトムアップ型で導入を進めるのが一般的になってきています。顧客企業の推進リーダークラスだと30~40代がメインであり、業務が忙しいため、昔のような「御用聞き営業」ではなく、メールやWebなどの効率的な方法で、必要な情報を提供して欲しいと思っています。
以前だと、リストを購入して上から順番に電話をかける、「テレアポ」を行っていました。しかし、現在は、テレアポからの商談化率もどんどん低くなってきていますし、若年層の営業担当者は効率の悪いテレアポを嫌がることもあり、多くの営業組織で、テレアポ頼みの商談開拓を変えたいという強いニーズが現れています。
実際に以下の調査結果からも分かる通り、顧客は新規取引先の選定で「役に立つ情報を提供してくれたかどうか」を重視しており、ただ営業を受けただけの会社はは、あまり評価していないのが実態です。
上記のような理由から、従来のアウトバウンド営業から脱却したインバウンドマーケティングを目指す会社が増えてきています。
②ログデータの取得・分析技術の向上
MAを設置しているサイトに見込み顧客が訪問すると、訪問者の企業名や個人名だけではなく、資本金や従業員数といった企業データまでを取得可能な場合があります。
さらに、その見込み顧客がサイト上でどういう行動を取ったのか、閲覧ページや閲覧順、滞在時間、ページ読了率、流入元情報、訪問回数などの詳細な分析まで取得できます。
MAにはメール配信機能がついているものも多く、メール開封率やURLクリック率だけでなく、メールをクリックしてサイトに流入した見込み顧客のサイト上の行動も分析可能です。
さらに、データを取得するだけでなく、先述したデータをグラフや分析レポートとして可視化できるので、自分たちがおこなっている施策に効果があったのかを検証するために分析機能は非常に有効です。
MAでできる「4つ」のこと
マーケティングオートメーションにはカバーするべき領域があります。以下の4つのできることを確認していきましょう。
- リードジェネレーション(見込み顧客の創出)
- リードナーチャリング(見込み顧客の醸成)
- リードクオリフィケーション(見込み顧客の購買意欲の確認)
- リードマネジメント(見込み顧客のリスト管理)
①リードジェネレーション(見込み顧客の創出)
「リードジェネレーション」は、見込み顧客の獲得や創出を意味する言葉です。自社のサービスや商品について、興味を持つ見込み顧客(リード)を取り込むことがリードジェネレーションの出発点となります。
近年のリードジェネレーションは、展示会への出展やセミナーの開催など、見込み顧客が会場に直接足を運ばなければならない手法から、インターネットを活用する方式へと変わってきています。新型コロナウィルス感染症の流行も後押しして、セミナーもWeb上で行うウェビナーという形が定着しつつあります。
また、オウンドメディア(自社の製品やサービスを紹介するホームページやブログなど)に、人々の気を引くような魅力的なコンテンツを掲載するという手法も当たり前になりました。ホームページやブログに掲載された良質な記事には、読者に対して商品に興味を持たせるよう訴えかける力があるからです。
さらに、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSと連携することで、自社の商品やサービスに関する情報を自然に拡散できるので、効果がよりアップします。ホームページやブログを利用してコンテンツマーケティングを行う際には、Googleのような検索エンジンで上位に表示されるように、検索エンジン最適化(SEO)対策にも力を入れましょう。Web広告を利用して、自社のホームページに見込み顧客を誘導するという方法も効果的です。
加えて、検索エンジンやWeb広告から自社のWebサイトにアクセスした際、最初に表示されるランディングページを整備すると、インターネット上でのマーケティング機能がより強化されます。ランディングページの訴求力が弱ければ、顧客はすぐに去ってしまいます。最初に見せる情報次第で、Webサイト全体の内容をどれだけしっかり見てもらえるかが変わってきます。
リードジェネレーションとは?7つの手法と成功事例を紹介!
リードジェネレーションについては「リードジェネレーションとは?7つの手法と成功事例を紹介!」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
②リードナーチャリング(見込み顧客の醸成)
リードジェネレーションでは見込み顧客が獲得されますが、あくまでも「見込み」なので、それだけでは意味を持ちません。意味を持たせるためには、獲得した見込み顧客の購買意欲を高め、成約率を上げることが必要です。このようなマーケティング活動を「リードナーチャリング」といいます。
これは、見込み顧客ひとりひとりのニーズに合わせた有益なコンテンツを継続的に配信し、自社製品やサービスに対してより大きな関心を持ってもらうように誘導するプロセスです。
リードナーチャリングの段階では、メールマガジンやステップメール、SNS、ブログ、セミナー、eBook、リターゲティング広告といった手法がよく使われます。たとえば、開催したウェビナーや配信したメールマガジンから、自社で制作したeBookやブログへ誘導できると効果的です。
③リードクオリフィケーション(見込み顧客の購買意欲の確認)
リードナーチャリングの次に行われるのが「リードクオリフィケーション(見込み顧客の購買意欲の確認)」です。見込み顧客の中から購入の可能性がより高い人たちの層を選別するプロセスを指します。
営業担当者がすべての見込み顧客に対して営業活動を行うのはあまりにも負担が大きく、非効率であるため、効率化するためにリードクオリフィケーションを行います。
自社のターゲット層にふさわしい見込み顧客に絞ってスコアリングを実施し、購買意欲が十分に高いかどうかを判定するとよいでしょう。ここでいう「スコアリング」とは、見込み顧客を属性や行動情報によってロジックを作り、評価する方法のことです。たとえば、価格ページを見たら10点、学生だったら5点といったように、特定のWebページの閲覧回数やメールの開封率、注目する属性などに応じて点数を付けていきます。営業の声も聴いてロジックを作ったスコアリングで見込み顧客を見極め、それを営業にパスすることによって、パス基準が明確になり、一貫性が出てくるでしょう。
④リードマネジメント(見込み顧客のリスト管理)
見込み顧客に関する全情報を一元管理してデータベースを作成することを「リードマネジメント」と呼びます。
リードマネジメントは、見込み顧客のリストを作成して適切にリストを管理することが必要になります。また、CRM(顧客管理システム)との連携をはじめ、申し込みフォームとの連携や、アクセスログ管理などをベースに柔軟なリストを定義することが重要です。さらに、リードジェネレーションからリードナーチャリング、商談に至るまでのリードライフサイクルをマネジメントする「ステージ管理」を行うためにも重要なものです。
MAにはどんな機能が?代表的な15つの機能を紹介
マーケティングでは見込み顧客の獲得およびその育成、そして選別をした上でアプローチをかけ成約を得るというのが大きな流れでした。マーケティングオートメーションには、そうした活動をサポートする多様な機能が搭載されています。
ここからは、マーケティングオートメーションが提供する代表的な15つ機能を紹介します。
①見込み顧客・リードの管理
見込み顧客(リード)の管理は、マーケティングオートメーションの機能の中でも重要度が高く、そして基礎的な機能でもあります。Webサイトから入力された情報や名刺情報など多くの情報を管理することができるものです。たとえば、購入履歴やイベントへの参加情報、Webアクセス情報、連絡先、アンケートの結果など、一人の顧客に対して大量の情報を管理する場合もあります。システム上ですべて管理すれば、情報を共有することや、その情報を基に分析し、顧客の動向を調査することなどに生かすことも容易です。リードナーチャリングやリードクオリフィケーションを行う場合でも、見込み顧客の情報が必要です。まずは見込み顧客と接触し情報を入手・管理することで、具体的なマーケティング活動ができるようになるのです。
②トラッキング・解析
トラッキングは、Webサイト上でユーザーがどのような動きをしたのかを追跡する機能のことです。ユーザー個別の動向を解析でき、パーソナライズのための情報収集として役立てることもできます。この機能があることで、それぞれの見込み顧客がどの時間にどのページを見たのかが分かります。トラッキングし、フォームに登録してくれた見込み顧客の傾向を調べることもできます。そうすることで、実際に問い合わせてくれるケースをパターンとして知ることができます。この機能によってWebサイトの最適化が支援されます。さらにここで得たデータはさまざまな分析に使われ、パーソナライズやメール配信、広告との連動にも役立つことになってきます。
③シナリオ作成
メール内容の設計および配信は、マーケティングオートメーションによって自動的に行われます。しかし、その土台にはシナリオが必要です。
マーケティングオートメーションにおけるすべての機能がシナリオに基づかなければ機能しない、というわけではありません。たとえばメール配信でも、シナリオに基づいて個別に作成された内容を配信する場合や、単に一斉配信する場合など、さまざまな形式があります。しかし、特にパーソナライズさせたいアクションなどはシナリオの作成が必要になります。
また、このシナリオを最適化することこそがマーケティングオートメーションにおいて重要な過程になってきます。シナリオの内容がふさわしくないと、あまりマーケティングのためにならなかったり、いたずらに分析を複雑化させてしまったりすることにもなりかねません。まずはシナリオを使用せず、いくつかのパターンを試しながらマーケティングオートメーションを運用し、徐々にシナリオとして自動化していく方法もあります。マーケティングオートメーションを行う担当者は、どのようにシナリオを作成するのかを考えていくことになります。
④スコアリング
見込み顧客の獲得ができ、それぞれの情報がまとまってきたら、スコアリングによって見込み顧客の評価をしていきます。ここまでで集められた情報を基に、見込み顧客を点数化していくのです。属性や行動履歴などから成約達成できる確率の高さを分析し、高いものから優先的にアプローチをかけることで効率的に営業活動していきます。
見込み顧客としてこれまで自社のWebサイトを訪問し、セミナーなどに参加していたとしても、成約に至る可能性が低い場合、その見込み顧客に多くの時間を割いていては効率的ではありません。多くのユーザーを見込み顧客として保有している企業では、特にその選別が重要になります。できるだけ入り口を広げて見込み顧客を獲得することは、最終的に成約を得るために大切ですが、リンクのクリック回数やページの滞在時間など、細かい情報から傾向を読み取り選別していかなければなりません。マーケティングオートメーションによって、一定の条件で点数化する作業を自動化することが可能になります。
⑤キャンペーンの管理
キャンペーンの管理は、前述のシナリオ作成と連動する重要な機能です。作成されたシナリオを基に、どのタイミングでどのような対策を行うかというプランを設計していきます。シナリオに沿った一連の施策のことをキャンペーンと呼びますが、この管理をすることで、あるシナリオを状況に応じて適切なタイミングで実施できるようになります。
⑥パーソナライズ
パーソナライズとは、見込み顧客の検討度や属性に合わせて、提供するコンテンツを振り分ける機能のことを指します。たとえば、ランディングページの作成はパーソナライズのひとつであるとも考えられます。どのような過程で自社のWebサイトにやってきたのか、アクセスしてきたユーザーに合わせてページ内に表示させるものを変えられます。パーソナライズが効果的にできれば、見込み顧客の獲得確率が上がるでしょう。さらにランディングページの作成機能には、顧客情報を入力してもらうためのフォームを設置する機能が備わっていることが多く、サイト管理者が一から構築する必要はなくなります。
また、パーソナライズでは新規のユーザーに対するものだけでなく、リピーターに対する効果もあります。初めてWebサイトを訪れたユーザーと、訪問履歴のあるユーザーとでアクションを変えるよう設定し、異なるデザインやバナーを見せることもできます。インターネットを活用した集客が大きな力を持つ現代では、パーソナライズをすることがマーケティングにおいて重要になってきます。
⑦ブログ、ランディングページ・フォーム作成
ランディングページの作成では、顧客情報を入力してもらうためのフォームを設置することになります。またランディングページに限らず、マーケティングオートメーションではWebサイトそのものを構築する機能が備わっているものもあり、必要に応じてフォームが設置できるようになっています。
フォームの作成機能は複雑なものではありませんが、ここから顧客の情報を得ることになるため、マーケティングを行う上では大切です。シンプルな機能ですが、どのようにフォームを作成するのか、設置までの操作やデザインについてはマーケティングオートメーションの種類によって変わってきます。初めからある程度デザイン性のあるフォームが作成できるようになっている場合や、CSSなどを使って自分でカスタマイズする必要のある場合などさまざまです。ツールを操作することになる担当者の能力に応じて、マーケティングオートメーションの機能で補完するタイプ、カスタマイズ性の高いタイプ、いずれかを選択していくと良いでしょう。
⑧SEOのアドバイス
リードジェネレーションの段階では、SEO(検索エンジン最適化)を意識する必要があります。SEO施策ができているWebサイトほど検索結果の上位に表示され、結果として多くの訪問者が期待できるようになります。そして自社のWebサイト等に訪れた見込み顧客をトラッキングすることで、より正確なユーザーの動向を知ることにもつながります。SEOを行うことは、多くの見込み顧客獲得だけでなく、マーケティングの最適化にも効果を発揮することになります。
ページ内のコンテンツを充実させることも有効なSEO施策となります。マーケティングオートメーションでは良質なコンテンツを作成する機能のほか、SEOについてアドバイスをしてくれる機能もあります。これに付随し、キーワードごとに流入数の管理をする機能なども備わっています。また、ブログ記事の作成・リライトを強力に支援する機能も搭載されています。
⑨メールの配信
見込み顧客の育成やその後の施策まで、各段階でアプローチの手法はさまざまです。その手段のひとつとしてメール配信があります。マーケティングオートメーションでは、登録されたユーザーに情報提供するためメールを自動で配信する機能があります。しかし、ただユーザー全員に一斉送信するだけではありません。
見込み顧客管理機能によって管理されている情報を利用し、それぞれの見込み顧客の動向や趣味、検討度などに合わせて、配信するメールの内容を変えることもできます。フォーム作成同様、メールの中身を設計できるものもありますが、多くの場合はテンプレートが用意されており、初めからある程度デザインが整えられています。
⑩チャットボット
Webサイトの訪問者と自動的に会話を行うチャットボットを活用すれば、有望な見込み顧客かどうかを見極めることが可能です。もし自社のWebサイトでチャットボットを利用した見込み顧客が有望だと判断されたら、担当者に引き継いだり、顧客リストやワークフローに追加したりすることが可能です。チャットボットが集めた情報は、チーム全員で共有できます。
また、ミーティングの予約やよくある問い合わせへの回答などといったタスクを自動化できるため、優先度の高い顧客とのコミュニケーションにより多くのリソースを割けるようになります。
⑪A/Bテスト
A/Bテスト(スプリットテスト)は、Webマーケティングのための実験手法です。用意された2つ以上のバリエーションのそれぞれに訪問客を振り分けて、どのバリエーションがより良い結果になるかを検証します。
A/Bテストの結果に基づいて、ランディングページやメールなどの内容をわずかに調整しただけで、見込み顧客の獲得数が大きく変化することは少なくありません。A/Bテストを適切に行うことによって、Webサイトへのトラフィックを増やしたり、購入や問い合わせなどの成果に至る件数の割合を上げたりすることが可能になります。
⑫レポーティング
マーケティングオートメーションの数々の機能によって得た情報から、見込み顧客の動向などを分析し、キャンペーン分析やファネル分析の結果などのデータを簡単に得ることができるのがレポーティング機能です。マーケティングオートメーションは、マーケティングに関する広い範囲の情報を一元管理します。そのため、今後のマーケティング活動の方針決定や軌道修正に役立つレポーティングが期待できます。
⑬ソーシャルメディア関連
近年では、マーケティングを行う過程におけるソーシャルメディアの活用が欠かせません。マーケティングオートメーションにも、ソーシャルメディアへのアクションを管理する機能が備わっています。具体的には、ソーシャルメディア上に投稿された情報に応じてアプローチをかけるような機能や、ソーシャルメディア上に広告を表示するような機能です。ソーシャルメディアを積極的に活用する場合、ログイン作業や決まった投稿をするような作業は、自動化したほうが効率的です。また、この機能によってソーシャルメディアから顧客の反応を知ることもできます。
⑭広告管理・連動
広告管理機能では、広告の内容など、広告そのものを管理しやすくするだけでなく、広告によってどのような効果が得られたのかを調べることもできます。出稿された広告に対し、見込み顧客がどのように触れて、どれほどの割合で成約にまでたどり着いたのか、といったことを知ることが可能です。このように広告と連動して見込み顧客のデータを取得することで、コンバージョン率(成約率)などを調べられます。さらに各広告のクリック回数や、見込み顧客のデバイスがどのようなものであったのかを把握することで、今後のより効果的な広告出稿に役立てられます。レポーティング機能とも関係し、広告に対する媒体ごとの比較といったデータ分析ができるようになります。
⑮SFA・CRMとの連動
企業で導入される業務システムはマーケティングオートメーションに限りません。マーケティング以外の分野では、それぞれに効果的なツールを使用していることもあります。しかし、個々のシステムが業務をサポートする上で非常に有能なものであったとしても、企業全体で見たときに連携できていなければその良さを生かしきれません。マーケティングオートメーションと連携する必要性の高いものとして、代表的なのは営業支援システム(SFA)、そして顧客管理システム(CRM)です。
SFAは営業担当者のための情報管理や業務自動化を行うシステムです。マーケティングオートメーションによって得た情報をSFAと共有することで、営業部の業務も効率化が図れます。マーケティングオートメーションにはその内部にSFAの機能を一部備えているものもありますが、ツール選別の際には別ツールとの連携機能の有無は調査しておかなければなりません。
CRMでも顧客の情報を管理しますが、マーケティングオートメーションとは役割が異なります。これらのツールは一連の流れとして使っていくのが効果的で、マーケティングオートメーションは見込み顧客の獲得という入り口の段階で主に機能するものになります。見込み顧客の育成やスコアリングなどを通して成約につながりそうな見込み顧客を絞っていき、その先で営業活動および受注を担当するのが営業部です。ここで、SFAがその活動を支援することになります。CRMはこうして得られた顧客の情報を管理し、その後のリピート化を目指して適切な活動ができるようサポートしてくれるものです。
大きな流れとしてはこのようになっており、マーケティングオートメーションとSFA、CRMは本来相性の良いもの、良くなければならないものと考えられています。この活動の流れを滞らせないためには、ツール相互の連携が求められるのです。そのためマーケティングオートメーションは他ツールとの連携が可能なものが多いですが、自社にすでに導入しているツールがある場合は、それと連携ができるかどうか、必ず事前に確認しておきましょう。
MAのメリット・デメリット
マーケティングオートメーションにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。
<メリット>
マーケティングオートメーションを導入することで得られるメリットを以下に5つピックアップしました。
- 質の高いリードを提供
- 顧客との関係性の強化
- 属人的なミスの大幅削減
- 業務効率の圧倒的な向上
- データドリブンな意思決定
質の高いリードを提供
1つ目のメリットは、質の高いリード(見込み顧客)を提供できることです。
マーケティングオートメーションを用いることで、スコアリングを通じてリードを厳選することが可能です。また、PDCAサイクルを回すことにより、より多くの見込み顧客を獲得できるようにリードジェネレーションの精度をチューニングしていくことが可能です。
顧客との関係性の強化
2つ目のメリットとして、顧客との関係性強化が挙げられます。
マーケティングオートメーションを用いることによって、顧客属性、アクション、過去の施策効果などをベースに、最適なものを最適なタイミングで伝えていけるので、関係性の強化につなげやすくなります。
属人的なミスの大幅削減
属人的なミスを削減できることも、特筆するべきメリットです。
人間の手による作業が増えるとそれに伴ってミスも増えるリスクが生じますが、マーケティングオートメーションによる自動化で軽減できます。たとえば顧客へのメール配信では、自動送信設定によって適切なタイミングでメールを配信することが可能です。メール配信のたびに人力で作業をせずに済むので、送り忘れるミスを減らせます。
業務効率の圧倒的な向上
次に、業務効率の向上が挙げられます。
マーケティングオートメーションの利用によって業務効率が向上すれば、単純作業を極力システムに任せることができるため、各マーケティング担当は戦略的・生産的作業により多くのリソースを費やすことが可能になります。その結果、従業員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
データドリブンな意思決定
5つ目のメリットは、データドリブンな意思決定です。
データドリブンとは、得られたデータに基づいて、合理的で論理的なアクションを導き出し、そのアクションを実行することをいいます。マーケティングオートメーションを用いれば、マーケティングの目標に対して自動的にレポーティング結果を得ることができ、それをデータドリブンな意思決定に生かせます。
<デメリット>
マーケティングオートメーションの導入では多くの成果が得られることでしょう。しかしデメリットがないわけではありません。導入に先立ち、以下のデメリットを把握しておくことが大切です。
- コストが発生する
- 効果が薄い場合がある
- ツールを扱える人材が必要になる
コストが発生
当然ながら、マーケティングオートメーションをツールとして導入したり、効果を最大化したりするにはコストがかかります。うまく導入し、効果的に活用できればコストを上回る利益が得られるでしょう。しかし料金体系もツールによってさまざまです。費用対効果をしっかり見極めていかなければなりません。
効果が薄い場合がある
マーケティングそのものの重要性は変わりませんが、マーケティングオートメーションがすべての企業で絶対に必要とは限りません。実際にWebマーケティングやコンテンツマーケティング活動を行っており、作業が煩雑であったり人手を介する作業に忙殺されていたりするような企業では自動化による大幅な業務効率化が想定されます。逆に今まで活動を行っていない場合にはマーケティングオートメーションを導入しただけでは効果が出ません。
ツールを扱える人材が必要
マーケティングオートメーションを導入するメリットとして人件費の削減を挙げましたが、マーケティングオートメーションを理解し、ツールを扱える担当者は必要です。
このような業務システムの導入にあたって失敗するパターンとして、ツールを使いこなせていないケースがあります。導入の必要性があり、かつツールの機能が十分であっても、それを使いこなせなければ意味がありません。導入するだけで効率化が図れるものではありません。
最近は操作しやすいツールが普及していますが、それでもある程度使いこなすには時間がかかります。マーケティングの知識があってもITにあまりに疎い人しかいなければ、従業員の教育から始めなければならないかもしれません。
MA・SFA・CRMの関係
マーケティングオートメーションについて情報収集していると、あわせてSFAやCRMという言葉を耳にする機会が増えてくるでしょう。
MA・SFA・CRMはそれぞれ異なる特徴を持っており、各ツールは下記の通り、得意とするマーケティングや営業の段階があります。
- MA:リード(見込み顧客)の育成、選別のプロセス
- SFA:商談開始から購買・成約までのプロセス
- CRM:既存顧客との関係維持・向上のプロセス
それぞれのツールが持つ役割をしっかりと理解し、適切に使い分ける事によって、社内の顧客資産を最大限に活用できるようになります。
MA・SFA・CRMの違いと連携させるメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
導入事例
マーケティングオートメーションを実際に導入すると、どのような成果が出るのか2つの事例を見てきます。ここでは弊社が導入支援をしている「HubSpot」の導入事例について解説するので、MAツールの効果の参考にしてください。
①富士フイルム株式会社
公式サイト:https://www.fujifilm.com/jp/ja
目的:ソリューション特化サイトを構築
HubSpotの機能をフルに活用した、MAツール一体型のWebサイトを構築しました。
②サークレイス株式会社
公式サイト:https://www.circlace.com/
サービスサイト:https://www.circlace.com/circlace-platform
目的:マーケティング活動の見える化
Web作業に必要な作業をアウトソースし、MAツールの導入で現状を見える化し、戦略やコンテンツに集中できるようになりました。
MA導入の流れ
マーケティングオートメーションの導入には、いくつかの段階を経た上で慎重に行う必要があるため、ある程度の時間が必要になることを理解しておきましょう。場合によっては数か月から半年ほどかかるかもしれません。
ステップ①解決したい課題の明確化
何も考えずにツールを導入しても効果は期待できません。まずは現状を把握し、何が課題なのか認識することが必要です。「個々の見込み顧客に対して適切な情報を届けられていない」「営業にパスするLeadの質が悪い」など解決したい課題を洗い出し、同時にマーケティングオートメーションの導入効果を知っておくようにしましょう。定量的な指標を併せて意識するとよりよいでしょう。
明確な目的意識がないまま導入するのは失敗のもとであり、逆に非効率的な作業を増やす結果につながりかねません。
ステップ②見込み顧客の把握とシナリオ設計
自社にとって、どのような人物が関心を持つことになるのかを考えます。そしてシナリオ設計として、どんなコンテンツをどのタイミングで提供することが成約に至る確度を上げるのか考えていきます。
ステップ③機能精査
マーケティングオートメーションにはさまざまな機能が備わっています。しかしすべての機能がすべての企業で必要とは限りません。オプションとして追加料金がかかる機能もあるため、上記のシナリオを実行するためには具体的にどんな機能が必要なのか考え、不要な機能については省くことで費用削減につなげていきます。
ステップ④営業部との役割分担
マーケティングオートメーションを最大限に生かすには、営業部など他部署との連携も重要になってきます。たとえば、顧客管理はマーケティング部のみが把握し管理するものではありません。特に営業部とは円滑に情報共有できる必要があります。どのように役割を分担していくのかを考えておく必要があるでしょう。
ステップ⑤トレーニング
ツールの機能が十分でその後のビジョンが見えていたとしても、使いこなせなければ意味がありません。導入支援としてメーカーがトレーニングを行っている場合もあるので、実際に操作をしながら本稼働までに不自由なく扱えるようにしておきましょう。また、すでに導入しているシステムとのデータ連携の確認や、シナリオ設計の内容をツールに設定しておきましょう。
導入後は運用しながら効果測定を行う
実際に導入したあとは、運用しながら必要に応じて軌道修正を加えていくことになります。想定していた通りの流れになっているか、期待する効果が得られているのか、効果測定を行いましょう。
MAの導入でよくある失敗6事例と原因
マーケティングオートメーションの導入時や運用開始後によく起こってしまう失敗とその原因としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。以下に、ありがちな失敗とその原因について説明します 。
- MAでできることを過大評価している
- 目標をきちんと決めていない、意識できていない
- 導入時に知識・ノウハウ不足で行き詰まる
- 運用フェーズのことまできちんと考えていない!
- 新規の見込み顧客を創出する仕組みが弱い
- マーケティング部門と営業部門の壁がある
①MAでできることを過大評価している
まず、マーケティングオートメーションでできることを過大評価することによって起こる失敗が挙げられます。「マーケティングオートメーションを導入することで、わずらわしいことは全部自動化できる」といったような過大評価は捨て、マーケティングオートメーションでできることをきちんと見極めることが大事です。
マーケティングオートメーションは既存の業務を自動化できる機能が多く、それを上手に利用できれば非常に効果的です。しかし、人の手でやらなければならない部分も多くあります。たとえば、「Web広告で誘導した先のコンテンツを用意する」「メールの文面を考える」などは、人の手で行わなければなりません。したがって、何を自動化して何を人が行うのかを、導入前にきちんとイメージしておくことが非常に重要になります。そして、マーケティングオートメーションの導入後にはPDCAを繰り返して常に改善を続けることで、大きな成果へとつながるのです。
②目標をきちんと決めていない、意識できていない
マーケティングオートメーションを運用し目標を達成するためには、KGI(Key Goal Indicator)を明確に決定していく必要があります。KGIとは掲げた目標に対するゴールのことで、一般的には「経営目標達成指標」と訳されます。KGIを明確にすることで、何をもってビジネスがゴールに至ったのか、その指標が明確になります。それでは、Web上のマーケティングにおけるKGIについていくつか参考例を挙げます。
- Webサイトからの資料請求を、毎月数5件から15件に増やす。
- コンバージョン件数を1ヵ月15件、3カ月後に50件に増やす。
- 1年間でオンラインからの売上を100万円増やす。
- コンテンツの流入から得られるメルマガの会員登録数を1日5件に増やす。
- サービスの見積もり件数を1カ月で20件に増やす。
- お問い合わせフォームからの連絡を1日7件に増やす。
ビジネス上のゴールというとコンバージョン件数や売り上げを想定しがちですが、お問い合わせ件数やメルマガの登録数の増加もKGIに設定できます。
ビジネス上のゴールを決定する際は、必ず数値化してください。「売り上げを伸ばす」や「お問い合わせ件数を増やす」では、目標の達成に必要な行動量が明確になりません。ゴールを数値化することで、目標の達成に必要な広告料やコンテンツ量、必要な期間が把握できるようになります。もし、Webマーケティングの計画書の作成や解析改善が不得意であるのなら、専門家やコンサルティング業者に相談すれば、現実的な数字を導き出せます。
③導入時に知識・ノウハウ不足で行き詰まる
マーケティングオートメーションの導入時に、知識やノウハウ不足で行き詰まるというのはよくあることです。手順書を読んで指示通りに進めていけば、パソコン初心者でもツールを稼働させることが可能です。しかし、マーケティングオートメーションの特性をきちんと理解した上で設計やプロジェクトを進めていかないと導入に時間がかかり、設計が複雑になると業務は楽になりません。事業を成功に導くためには、高い知識と経験を有する業界に精通した人材がいた方が心強いでしょう。外部から人材を登用したり、実績のあるベンダーに入ってもらったりするのも有効です。
もし、業界に精通した人材がチームにいれば、問題が生じる前に、将来起こりうるリスクを想定し、施策の設計をどのような方針で決めていくことが本来ベストなのか、といった判断を下せるようになります。知見の高い社員がいれば、必ず目標を達成できるというわけではありませんが、問題へ迅速に対応できることは間違いありません。
④運用フェーズのことまできちんと考えていない!
「マーケティングオートメーションを導入したものの定着しない」「マーケティングオートメーションの継続的な運用が難しい」といった声がよく聞かれます。
本来は導入前の初期段階で全体の設計をしておくことが望ましいのですが、残念ながら設計が完了する前に運用してしまうケースがよく見られます。運用中に思いついたことを方針やルールを定めずに次々と設定していくと、設計がどんどん煩雑になってしまい、かえって手間がかかるようになってしまうこともよくあります。さらに、時間の経過とともにコンテンツがたまってくると、運用負荷が想定以上にかかり、リソースが足りなくなる事態も起こり得ます。事前に運用フェーズをしっかり検討した上で設計しておかないと、運用開始後に大変なことになるでしょう。
⑤新規の見込み顧客を創出する仕組みが弱い
新規の見込み顧客を創出する仕組み(リードジェネレーション)が弱いために、マーケティングオートメーションの運用に失敗するケースもよくあります。そもそもマーケティングオートメーションツールは、獲得した見込み顧客を効率よくリードナーチャリングすることを目的として開発されたものであり、必ずしもリードジェネレーションに特化したものではありません。
どれだけ優れた施策を設計しても見込み顧客の創出が少なければ、計画を実行に移すことはできません。そのため、事前に設計した施策を実行に移すためにも、新規の見込み顧客を創出していく必要があります。ツール導入と併せて、継続的に見込み顧客を獲得していく施策も検討していきましょう。たとえば、定期セミナーを開催して、定期的に名刺情報を収集していくことも有効ですし、また、多少時間は必要となりますが、オウンドメディアの立ち上げを併せて検討することで、安定的に新規コンタクト獲得を目指していくことも重要です。
⑥マーケティング部門と営業部門の壁がある
マーケティングオートメーションの運用で目標を達成していくためには、顧客に商品やサービスを購入してもらうための長期間にわたる施策が必要です。マーケティング担当者が遂行する業務としては、サイトの基本設計からコンテンツ制作、品質管理、スコアリングなど多岐にわたります。しかし、マーケティング部門と営業部門の間に壁があると、これらの業務はうまくいきません。
営業部門が必要な情報をマーケティング担当者が認知できていなければ、必要な情報が引き継がれず、業務に混乱を与えかねません。そのため、それぞれを独立した部門として捉えるのではなく、統一性のある部門として社内体制を整えていく必要があります。マーケティング部門と営業部門がお互いに協力しあい、施策の設計や見直しを継続的に行うことが目標の達成には必要です。
MA選定時に明確にしておくべきこと【3選】
マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入にあたって生じる疑問にはどのようなものがあるのでしょうか。以下に、よくある3つの疑問について考えていきましょう。
- 自社の施策状況と課題
- 活用できるリソース
- 使用中のツール・運用フロー
①自社の施策状況と課題
まずは、自社のマーケティング状況をある程度、把握・整理しておきましょう。「リード獲得」「リードナーチャリング」「ホットリード抽出・商談獲得」のプロセスでどんなことをしているかと、成果や課題が把握できていると望ましいです。
そうすることで、ツール導入で改善すべきポイントや、ツールに求める機能も自然と見えてきます。
②活用できるリソース
MAツールの導入前に、運用担当者のリソースや、マーケティングのスキルも把握しておきましょう。
十分なリソースがない場合や、担当者のマーケティングスキルがあまり高くない場合は、高度なツールを導入しても使いこなせないことがほとんどです。
最初から難しいことや完璧な施策を求めすぎず、自社にできることや本当に必要なことから始めるようにしましょう。
③使用中のツール・運用フロー
リード獲得〜商談獲得までの活動で使っているツールを洗い出し、「見込み顧客データ」の流れを確認しておきましょう。
例:
営業の名刺 :名刺管理ツール
セミナー参加者:エクセル
商談履歴 :SFA
自動連携できる方が楽ではありますが、ツール選定条件が狭くなる可能性もあります。MAツールは全自動化できるツールではないので、あまり自動連携にはこだわりすぎず「本当に必要か」を考えて決定しましょう。
MA運用時に気を付けること
MAを運用するにあたって、その業務をこなすには多くの注意点が存在します。
- 社内コミュニケーション(情報の共有と作業の役割分担)
- データマネジメントおよびマーケティングの知識
- 分析とトライ&エラー
前提として、自社商材の強みやターゲットの理解は必要です。
その上でMA運用時には、上記3つはスムーズな運用を行う上で、常に念頭に置いておくべきポイントです。順に解説していきます。
①社内コミュニケーション(情報の共有と作業の役割分担)
MAを導入するにあたっては、マーケティング、営業、IT、法務など、様々な部門の担当者とのやりとりが必要になります。KGIで設定した目標を達成するにあたって、各部署が優先的に取り組むべき課題が異なるのは、ありがちなことです。そうした場合、部署同士で衝突してしまうことが多く、目標達成に時間がかかる、または失敗してしまう恐れがあります。
これを避けるためには、MAの導入・運用を担う責任者を明確に決めておきましょう。また、MAで得られた結果を活用する営業部やMAで得た情報の取り扱いをチェックする法務部など、他部署と的確にコミュニケーションを取れる環境も整えておきましょう。
②データマネジメントおよびマーケティングの知識
(1)データマネジメントの知識
データはMA運用の基盤になります。氏名・メールアドレスなどの基本的な属性データはもちろんのこと、資料のダウンロード状況・メルマガの開封率・お問い合わせなど、顧客の行動データを管理しなければなりません。加えて、データベースや自社システムの構造を理解し、どのようにデータを取り扱うかも把握しておく必要があります。
(2)マーケティングの知識
MAを運用し、成果を上げるためには、オンラインマーケティングなどの周辺知識を身に着けることも重要です。メルマガ運用、SEO対策、SNSの活用、リスティング広告運用など、目標やカスタマージャーニーマップの内容に応じて適宜ノウハウを身に着けておくと良いでしょう。
③分析とトライ&エラー
MAを導入し実践したからといって、必ずしも売上に直結する、成功するとは限りません。もちろん失敗もあります。ターゲティングやセグメンテーションを行い、どんなアクションを取るのか、そして得られた結果を検証・分析し、成功と失敗の原因を特定しなければなりません。結果を理論的に受け止め、忍耐強く取り組み続けることが何よりも重要です。
MA導入にむけてよくある疑問は?
マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入にあたって生じる疑問にはどのようなものがあるのでしょうか。以下に、よくある3つの疑問について考えていきましょう。
- MAツールをどのように選べばよいか?
- 現在、メール配信システムを使っているが、MAに切り替えるとどのようなメリットがあるのか?
- MAの経験がないので自社で進めるのは不安がある
①MAツールをどのように選べばよいか?
MAツールをどのように選べばよいかで悩むケースは多いでしょう。まずは、現在から将来までを含めた用途をイメージして、MAツールがその業務範囲をカバーできるかどうかを考えてみることをおすすめします。たとえば、「メール配信から始めるけれども、後からオウンドメディアを立ち上げたい」「インサイドセールスと連携したい」などの将来的なニーズがある場合には、それをある程度視野に入れて検討する必要があります。
他には、使い勝手の良さやサポート体制の充実なども、MAツール選びの重要なポイントとなります。また、自社と近しい会社の導入実績はぜひとも参考にしたほうがいいでしょう。ビジネス形態によって導入すべきMAツールも変わってくるからです。
②現在、メール配信システムを使っているが、MAに切り替えるとどのようなメリットがあるのか?
MAツールもメール配信システムも、メール配信機能があるという点では同じですが、それぞれの目的や機能には大きな違いがあります。MAツールは、メール以外のマーケティング全般に関する業務も効率化できるという強みがあります。
MAツールに切り替えることで、マーケティング業務のうち、ルーティン作業の自動化が可能になるというメリットがあります。新規見込み顧客の獲得のために活用できるほか、お問い合わせフォームや資料ダウンロードページの作成、ブログ更新の自動通知といった機能を使用することで、能動的なマーケティングが実現できます。また、自動化ができることにより限られた人員でOneToOneマーケティングの実現を行うことも可能となります。
③MAの経験がないので自社で進めるのは不安がある
自社に初めてMAツールを導入するケースでは、マーケティングオートメーションに関する経験がないため、いろいろと不安に思うことがあるでしょう。そのような場合は、マーケティングオートメーションの設計や導入について知見を持っている協業パートナーと共に進めるのがおすすめです。
運用開始後は、マーケティングオートメーションに関する業務をそのまま協業パートナーに任せて、生産性の高い業務にフォーカスしてもよいですし、自分たちで行う業務領域を少しずつ増やしていくのもよいでしょう。
まとめ
マーケティングオートメーションを導入すれば、マーケティング活動を自動化して、見込み顧客に対する営業活動を効率化できます。しかし、運用を開始する前にきちんと設計しておかないと、逆効果になりかねません。実績のある協業パートナーのノウハウを活用する選択肢が有効でしょう。リードプラスは、BtoB企業を中心に培った数多くの実績とノウハウを生かし、ビジネスパートナーとして最大限のサポートを提供します。
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