導入企業が陥りやすいマーケティングオートメーション4つの落とし穴。失敗する前にポイントを解説
2016年も活気づくマーケティングオートメーション(以下MA)市場。2019年までに年率8.55%で成長するとも言われており、今後さらに規模が拡大していく模様です。
中小・大企業やベンチャーを問わず普及が進んでいるMAですが、実はいくつかの落とし穴が存在します。2015年は「MA元年」ということもあり透明化されていなかった部分が、2016年になり多くの企業でその問題は浮き彫りになってきています。
その落とし穴とは何か?対策と共に紹介していきたいと思います。
運用がマーケティング部で完結している
MAと言えばマーケティング部が活用するツールとして認識している方が多いと思います。事実、リード獲得や育成によって案件化できるリスト(ホットリード)を営業に引き渡すのが役目のツールです。
しかし、だからと言って運用がマーケティング部だけで完結しているのは好ましくありません。なぜなら営業に関する知識がなければホットリードの定義やスコアリングが非常に難しくなるからです。
ホットリードとは言わば成約に繋がる可能性のあるリードです。では、ホットリードの明確な定義を持っているのは誰でしょう?それはもちろん、営業部ですね。つまり営業部の意見を取り入れてホットリードの定義やスコアリング基準を作っていくことで、より実践に近いMAを構築していくことができます。
しかしこれがなかなか難しい。営業部に協力を仰ごうにも目の前の業務にいっぱいになっていることが多く、実現するのが困難です。マーケティングと営業が連携できない理由は、以前ご紹介させていただきましたが、両者間に摩擦があるのは当たり前のことなのかもしれません。
ただ、せっかくMAを導入する、もしくは導入したわけですからこれからは営業との連携が必要不可欠と考えたほうが良いでしょう。
そのために必要なことがスマーケティング(SMARKETING)という概念です。営業とマーケティングの融合こそがMA導入成功への鍵といっても過言ではありません。その両者間が連携できない理由とスマーケティングをマーケッターは理解した上で以下のことを実践してみてください。
MAのメリットを訴求する
営業部がMAを利用するメリットをきちんと理解していない可能性は多いにあります。もしもMAにより効率的に質の高いホットリードを抽出する仕組みを作ることができれば、営業部からしても願ったり叶ったりです。
従ってマーケティング部としては営業部にMAのメリットを理解してもらい、協力を仰ぐことが重要でしょう。また、クラウド型MAを営業部と共有して連携性を高めるというのも選択肢の一つです。
コンテンツを改善していない
MA導入において見落としがちなのがコンテンツです。コンテンツとはリードに対するコンタクトポイントであり、訴求ポイントでもあります。言わば記事一つ一つが「デジタル営業パーソン」といったところですね。
リアルな営業担当は日々業務の中で成長しています。成功や失敗の中から多くのことを学び、今日不可能だったことを明日可能にしていくでしょう。
ではデジタル営業担当はどうでしょう?成功や失敗はあっても、自然に成長していくことはありません。マーケターが学んだことを反映し改善していくしかないのです。
しかし改善されないコンテンツのままMAを運営しているケースが多く、MA運用が上手くいっていない原因がコンテンツにあると気付かないままとなっています。日々、コンテンツを改善していくことはSEO的にも良いためマーケッターが用意したコンテンツの監査は必ずするようにしましょう。
データをもとに継続的な改善を
MAにおいてコンテンツは営業担当です。そしてその営業担当が成長し効果を上げていくには、マーケターによる改善が必要不可欠です。
従ってアクセス解析を駆使しデータをもとに、積極的にPDCAサイクルを回していきましょう。人にもコンテンツにも限界はありません。
上手く成長させていくことができれば、自動的にホットリードをつくり上げる強力な営業エンジンになります。
リードジェネレーションがストップしている
MAの導入によりリードナーチャリング(見込み客の育成)に注力するようになったのはいいことです。コンテンツが優良なユーザーを引きつけて、自社製品やサービスを導入するように醸成することができるようになります。
しかし、その分リードジェネレーション(見込み客の獲得)がストップしてしまっているケースが少なくありません。MAによりホットリードを効率的に抽出できるようになったとしても、ある程度の母数は絶対的に必要です。
マーケッターはより効率の高いリードジェネレーションにフォーカスするようにしましょう。リードナーチャリングの仕掛けは多種多様です。コンテンツマーケティング、イベント、セミナー、テレマなど多数あります。労力が少なくて質の高いリードを獲得できるリードジェネレーションに集中すれば良いわけです。
リードナーチャリングを出来る限り自動化する
MAの真骨頂とはコンテンツを用意しシナリオを設定しスコアリングすることで、自動的にリードナーチャリングを行いホットリードを抽出していくことです。にも関わらずMA導入と同時にマーケター自身がリードナーチャリングに注力し過ぎてしまう傾向があります。
これではリードの母数を確保することができないので、コンテンツの強化やシナリオ設定で極力リードナーチャリングを自動化しましょう。
そうすることでこれまで通りリードジェネレーションに注力することができます。MA導入の本質は、マーケティングプロセスをいかに自動化するかということを忘れないようにしましょう!
コストと工数が増加してしまう
とある企業ではMAを導入したにもかかわらず超高級メルマガ配信ツールになっているなんてことも見受けられます。もったいない限りです。
また見落とされがちですが、MAを導入することでマーケティングの工数とコストが増加してしまうことが珍しくありません。
原因はMAを効果的に運用していくためにはデータ分析などその他のツールも同時に導入する必要があるからです。これはMAを導入してから気付くという企業が多いでしょう。
結果として複数のツールを導入することになりコストは増加。また、各ツールのデータ統合などを手作業で行うため工数も増加します。
もう一つの弊害は、ツールが分断されてしまうことでROIの測定が難しくなるということです。正確なROIが測定できないとマーケティングの効果も曖昧になってしまうため、MA導入が適切だったのかどうかすら怪しくなってしまいます。
統合されたマーケティングツールの導入
こういった問題をクリアするためには必要なツールを包括的に統合したマーケティングツールの導入が重要です。
各ツールが一つに統合されていればコストや工数の肥大化を避けつつ、正確なROIを測定することができます。まずは適切なMA運用には複数のツールが必要になるということを理解するのが大切ですね。
Hubspot(ハブスポット)という“マーケティングプラットフォーム”
今回紹介したMAの落とし穴のうち最初の3つはマーケター自身が改善していくものです。しかし、最後の落とし穴に関してはマーケターの力量でどうこうなる問題ではありません。
やはり必要になってくるのは統合されたマーケティングツールの導入です。
そこで紹介しておきたいのがHubspotという“マーケティングプラットフォーム”です。HubspotではリードナーチャリングやスコアリングなどMAが提供する領域以外に、データ分析ツールやSEツールなどマーケティングに必要な領域を包括的に提供しています。 そして何と言ってもコンテンツマーケティングによるリードジェネレーションの機能が豊富な点が強みとなっています。
だからこそ“マーケティングオートメーション”ではなく“マーケティングプラットフォーム”なのです。HubspotならMAにおけるシステムとしての問題を解消しつつ、最適なマーケティングを実現することができます。
まとめ
いかがでしょうか?マーケティングオートメーション運用は意外なところに落とし穴があるので注意していなければ足をすくわれ、あっという間に引きずり込まれてしまい今後導入を予定しているからには、まずこれらの落とし穴をしっかりと認識していただきたいと思います。
また、今後ニーズが高まっていくのは“マーケティングオートメーション”ではなく“マーケティングプラットフォーム”であることは確実です。
従って製品選定の際は包括的なマーケティングツールを意識し、他の製品と比較してみてください。比較するほどHubspotなどマーケティングプラットフォームの有効性を実感できるはずです。