Web制作会社の選び方:5つのポイントで正しく実現する
カスタマーの購買行動の多様化やデバイスの多様化、O2Oマーケティングやマルチチャネルの浸透などにより企業がWebサイトを運営することの重要性がますます高まっています。BtoB・BtoCとビジネスモデルに関係なく、自社Webサイトはカスタマーや顧客との重要なタッチポイントであり、BtoBビジネスにおいても顧客の購買行動がオンライン化しているのが現状です。
このことから、今やほとんどの企業が自社ホームページやオウンドメディアを運用していますね。そして 、最近では今までのWeb制作手法の問題点を克服する「グロースドリブンデザイン」という手法が注目を集めています。
皆さんの企業では、既に自社Webサイトを運営しているでしょうか?中には「これからWeb制作会社に依頼するところ」といった方も多いと思います。
Webサイト運営を成功させるためには制作後の運用が非常に重要ですが、制作自体が及ぼす影響も大きいのが事実です。なので、Web制作会社選定は適切に行いたいですね。
しかし初めて依頼するという企業が適切なWeb制作会社選定をするのは、なかなか難しもの。そこで今回は、Web制作会社の選び方を網羅的に解説していきます。
これからWeb制作会社に依頼する、または以前選定に失敗したという方は是非参考にしてください。
Web制作の流れ
まずは、Web制作の流れを軽く理解しておきましょう。適切なWeb制作会社を選ぶためには、選ぶ側も最低限の知識をつけていなければいけません。
ヒアリング
問い合わせが入ると、まずはWeb制作会社からクライアントへヒアリングを行います。打ち合わせはクライアント側のオフィスで行われることが多いですね。ヒアリングではWeb制作の目的や予算感、どんなWebサイトを制作したいかなど、詳細まで確認されます。
企画・立案
Web制作会社がヒアリング内容をもとに企画・立案し、クライアントへ提出します。この時点でコストは発生せず、Webサイトの大まかな概要やデザイン、予算、スケジュールなどを確認できます。わからないことや変更点があれば、この時点で明確にしておくことが重要です。
契約・発注
企画・立案に問題がなければ契約・発注となります。ほとんどのWeb制作会社では、この時点で着手金として全体費用の30%~50%を請求します。
要件定義
ヒアリングや企画・立案をベースにWebサイトの細部を要件定義していきます。Webサイトのコンセプト、TOPページデザイン、下層ページデザイン、コンテンツの方向性、動線設計、システム要件、クライアントが求める機能、ロゴマークなどなど、決めなければいけないことがたくさんあります。
デザイン制作
要件定義が完了すれば、デザイン制作に入ります。Webサイトに訪れるユーザーが実際に目にする部分なので、Web制作会社とクライアント双方のコミュニケーションが重視される段階です。
システム開発
WordPressやHubSpot COSなどCMS構築、必要な機能の実装などWebサイトの目には見えない部分を開発していきます。この時点でクライアントが特にすることはありませんが、定期的な進捗確認が必要です。
公開前検証
Web制作が完了すればまずは検証を行います。具体的に何をするかと言うと、OSやブラウザ毎の動作状況の確認です。また、クライアント立会いのもと検証が行われる場合がほとんどであり、疑問点や修正点があれば全て指摘しましょう。
納品
検証が完了すると晴れて納品となります。納品が完了した段階で全体費用の残りを請求します。
以上が基本的なWeb制作の流れです。制作するWebサイトの規模にもよりますが、ヒアリングから納品までで最低でも2ヵ月程度はかかると考えてください。
選定前の事前準備
ここではWeb制作会社選定に入る前の事前準備について解説します。適切なWeb制作会社を選ぶためにはとても重要なので、きちんと押さえておきましょう。
Web制作の目的を明確に
何のためのWebサイトなのか?どんなWebサイトなのか?運営する目的やそこに期待する効果、Webサイトの方向性などは予めクライアントが持つべきものです。Web制作会社にも得手不得手というものがあるので、事前準備として目的などを明確にしておかなければ選定に失敗する可能性が高まります。
予算、スケジュールを明確にする
あれもこれもと色々な要望を詰め込むと、あっという間に制作費用とスケジュールは膨れ上がってしまいます。なので、こちらの要望を伝えて制作費用やスケジュールを提示してもらうよりも、予めクライアント側で決めておきましょう。
また、決められた予算内でどのような対応をしてくれるか?も選定基準の一つとなるので、しっかりと明確にしてください。
以上2つがWeb制作会社選定前の事前準備です。実はこれらの項目がフワッとしたままWeb制作会社選びに踏み込む企業が多いのですが、往々にして失敗しています。
そもそもWeb制作本来の目的とは何でしょうか?「今の時代ホームページの一つもないといけないから」「競合他社も運営しているから」など、「なんとなく」な感じであればWeb制作で得られる効果は薄いでしょう。
「Webサイトでこんな経営課題を解決したい」「ホームページを制作してお客様の信頼感を持って欲しい」など、Web制作では必ず経営上の目的がついてまわります。Web制作会社選びに踏み込む前に、あるいはWeb制作を検討する段階からこの目的を明確にしておきましょう。
Web制作会社の選び方
事前準備が完了したら、Web制作会社選定に移ります。全5ポイントに分けて解説していくので、それぞれをしっかりと押さえていきましょう。
デザイン
「どこのWeb制作会社に依頼しようか?」と考えたとき、まずはネットなどでWeb制作会社を検索すると思います。このとき一番重視するのがWeb制作会社のデザインですよね。過去の実績を見て、自分がイメージしているWebサイトにどれだけ近いデザインを施しているか?を判断すると思います。
デザインを確認する際は、単にお洒落なデザインかどうかを重視しないのがポイントです。なぜならWebサイトとは「お洒落なデザイン=効果の出るWebサイト」ではないからです。確かに、あまりに古臭いデザインでは問題かもしれませんが、そうでなければWebサイトの効果に直結はしません。お世辞にもお洒落とは言えないようなWebサイトが、月間数千万PVを達成しているケースも多々あります。
なので、表面上のお洒落さよりもWebサイトの機能性を重視しましょう。各Web制作会社の実績をじっくりと分析してみると、ユーザー視点に立ったデザインが目に付いたりします。そんなWeb制作会社を選ぶと、Webサイトを自然と成功に導くことが可能です。
コミュニケーション
制作中クライアントとWeb制作会社のコミュニケーションはかなり重要です。特にデザイン制作の段階ではほんの少しの認識のズレが、後々の失敗に繋がるかもしれません。なので、しっかりとコミュニケーションが取れることは絶対条件です。Web制作会社の中にはクライアントとのコミュニケーションを疎かにしている会社もあり、またそれに対し制作を丸投げしているクライアントも多く見受けられます。
これでは確実と言っていいほど失敗するので、コミュニケーションは必ず重視してください。
企業規模
Web制作会社の規模はまちまちで、10人未満の会社もあれば数百人規模の会社も存在します。この業界では社員数が30人以上もいれば大きい会社と言っていいでしょう。しかし、企業規模が大きいからといって良いWebサイトが制作できるとは限りません。反対に社員が少数の会社でも、しっかりと成果の上がるWebサイトを制作してくれることも珍しくありません。
なので、制作するWebサイトの規模によって企業規模を決めるといいでしょう。Webサイトの規模が大きい場合は、制作体制が整っている規模の大きなWeb制作会社の方がコストを抑えることができます。規模が小さい場合、柔軟な対応ができる規模の小さなWeb制作会社の方が適していると言えます。
SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)対策はWebサイトを検索結果上位に表示させるためには欠かせない要素であり、Webサイトの成果に直結します。Webサイト公開後に掲載するコンテンツも重要ですが、実はWebサイト自体の構造なども大きく影響してくるのです。
Web制作会社のSEO対策を評価するには、会社が運営するオウンドメディアを確認してください。つまりブログなどです。Web制作会社が運営するオウンドメディアが検索結果上位に表示されるものであれば、その会社にはSEO対策のノウハウがあると言えます。
トータルコンサルティング
Web制作会社には、制作のみを取り扱っている会社と運営サポートやコンサルティングなどをトータルで提供している会社があります。どちらがいいかを一概に判断することはできませんが、トータルコンサルティングを提供している会社の方が運営に関するアドバイスを受けることができるのでおすすめです。
昨今のネットユーザー行動は変化が激しく、この変化に対応できなければ継続的にWebサイトで成果を得ることができません。こういったノウハウは、やはりトータルコンサルティングを提供しているプロの力を借りるのが一番でしょう。また、最近ではグロースドリブンデザインという新たなWeb制作や運用の手法が当たり前になりつつあります。グロースドリブンデザインに対応しているWeb制作会社を選定の一つにする方法もお勧めします。
以上がWeb制作会社の選び方で押さえておきたい5つのポイントです。これらのポイントはどれもWeb制作においてとても重要なものなので、きちんと押さえておきましょう。
まとめ
今回の解説したWeb制作会社の選び方では、「価格」についての項目がないことに疑問を持った方いるかもしれません。これは、「価格を重視し過ぎると失敗する確率が高まる」ということから項目として除外しました。
Webサイト制作では制作コストをできる限り抑えたいと考えるのが経営上自然なことですが、「安かろう悪かろう」という言葉通り安ければ良いというものではありません。むしろ100万円のコストで20%の利益を生むWebサイトよりも、200万円のコストで100%の利益を生むWebサイトの方が当然企業にとってもメリットがあります。
大切なので表面上のコストではなく、効果後の費用対効果をしっかりと算出することです。
まずは価格重視という考えを捨て、今回解説したポイントを押さえてWeb制作会社を選んでみてください。
グロースドリブンデザインについてEブックにまとめました。ご興味があれば以下よりご確認ください。