【参入前に必見!】SNS広告運用で失敗する10の要因と対策

最近Web広告のCPC(クリック単価)高騰を受け、リスティング広告やディスプレイ広告などからSNS広告へと配信プラットフォームをシフトしている企業が多いのではないでしょうか。SNS広告は比較的若い市場であり、国内でも多くの成功事例があることから注目されています。

しかし“成功の陰に失敗あり“。これからSNS広告に参入しようという企業はこの言葉を念頭に置き、失敗しないための広告出稿を目指さなくてはなりませんね。

そこで今回は、SNS広告で失敗する主な要因をまとめてみました。

対策も合わせて解説していくので、今後SNS広告への出稿を検討されている企業は是非参考にしてくだい。

盛り上がりを見せるSNS広告

Web広告の市場規模は現在1兆円を既に超えており、尚も2桁の成長率で推移しています。そんな中、今最も盛り上げっているのがまさにSNS広告です。SNS広告が注目されている大きな理由は、やはりそのリーチ数にあるでしょう。

国内の各主要SNSのアクティブユーザー数(アカウント数ではなく、実際にSNSを利用しているユーザー数)はざっと以下の通りになります。

≪Facebook≫

世界:16億5,000万人
国内:2,500万人

≪Twitter≫

世界:3億2,000万人
国内:3,500万人

≪Instagram≫

世界:4億人
国内:810万人

≪LINE≫

世界:2億1,500万人
国内:2,200万人

国内ではTwitterが他を圧倒し人気を博していますね。日本語は他言語よりも表現が豊かであり“140文字の制限内でつぶやく”というスタイルに相性の良さがあるようです。古来から俳句や和歌など、日本人は制限がある中で表現するというのが好きなのも理由の一つかもしれません。

また、LINEに関して言えば広告という広告はなく、LINEスタンプを活用するのが主な用途になります。ですのでSNS広告と言えばFacebook、Twitter、Instargramが主な配信プラットフォームです。

今回紹介する失敗要因に関してもLINEは当てはまらないので、その点を考慮した上で参考にして頂きたいと思います。

それではいってみましょう。

SNS広告で失敗する10の要因

1. キャンペーンの案内が不十分

SNS広告でキャンペーンを展開する際は、ユーザーに専用アプリをインストールしてらったり外部キャンペーンサイトにて応募・登録してもらう必要があります。しかし、普段こういったキャンペーンに慣れていないユーザーからすれば何をどしたらいいのか分からず、途中で諦めてしまうケースが多いようです。

こういったユーザーが母数の多くの占めているので、明らかな機会損失を生んでしまっています。

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対策

「こんなキャンペーン開始しました!」と告知するだけでなく、ユーザーに寄り添った動線引きを行うことが大切です。応募・登録の手順を説明文で解説したり、インフォグラフィックにするなど詳しく案内することで離脱を防ぎましょう。

2. SNS広告の規約に違反している

各ソーシャルメディアにはSNS広告運用に関するガイドラインが策定されています。このガイドラインに従うことは絶対条件であり、規約に違反する場合は予告なしで配信停止やアカウント停止もあり得ます。

実は規約違反による失敗事例は意外と多いのです。

対策

各ソーシャルメディアが策定しているガイドラインを予め確認しておきましょう。規約違反で広告・アカウント停止は一番つまらない失敗理由でもったいないので、十分注意しましょう。

3. スパムと思われるような広告

Facebookでは以前、「いいね!」やアプリを使用したユーザーの友達を大量にタグ付けし、情報を抜きとるというスパムが流行っていました。SNSユーザーはこうしたスパムに敏感なので、少しでも疑われてしまうとスパム扱いされリーチ数が減少してしまいます。

≪対策≫

スパムではないかと思われるような広告や挙動に注意し、ユーザーの安心を与える広告出稿を考えてください。

4. ユーザーセグメントができてない

SNS広告最大の強みである精巧なターゲティングですが、これをしっかりと活用していない場合失敗する確立が高まります。セグメントせずに出稿することでリーチ数は確かに多くなりますが、その分無駄なインプレッションも増えてしまうことを理解しておかなければなりません。

セグメントはターゲットを正確にアプローチするためだけでなく、無駄なコストを生まないためにも重要です。

対策

まずはペルソナを作成し、ターゲットとするユーザーを正確にセグメントしましょう。また、セグメントだけでなく検索キーワードの設定なども重要です。

5. マスメディアと同じ感覚でキャンペーンを実施

SNS広告は一方的に情報配信するマスメディアと違い、ユーザーと対話(コミュニケーション)することがとても重要です。

数年前に某コーヒーメーカーではTwitterにおいて、ユーザーとの対話を無視したキャンペーンを展開してしまい炎上したという事例があります。後の会見では責任者が「マスメディアとソーシャルメディアを混同していた」とコメントしていました。

SNS広告へと新たに参入する企業にありがちなケースです。

対策

まずは「マスメディアとはまったく違うものだ」というのを理解し、ユーザーとの対話を意識したキャンペーン設計を行いましょう。また、各SNSによってもユーザーの特徴や活用目的が違うので、そこら辺の理解も重要です。

6. 表現が不適切

SNS広告に限った話ではありませんが、不適切な表現によってユーザーの反感を買うケースです。特に拡散力の強いソーシャルメディアとの相性は最悪で、1時間もしないうちにあっという間に拡散しブランドイメージが崩れてしまいます。

対策

常識の範囲内や節度ある表現を心掛け、出稿前に問題点はないか入念にチェックしましょう。万が一不適切な表現で拡散されてしまったら、すぐにキャンペンーンを停止して誠実な対応を心掛けてください。

ユーザーへの謝罪や対応が無い場合は事態が悪化します。

7. 設定キーワードが少な過ぎる

Facebookならユーザーが検索したキーワード、Twitterならユーザーがつぶやいたキーワードを設定することができますが、設定キーワードが少なすぎるとリーチ数が伸びず思うような成果が上がりません。

多くの機会損失を生んでしまっている可能性があるので、非常にもったいないケースです。

対策

初期設定では関連キーワードを最低でも30個設定し、効果検証を行ってください。効果の高いキーワードを徐々に絞っていくことで効率的にユーザーへアプローチできます。

8. ターゲティングの範囲が狭すぎる

ターゲティングは広すぎると無駄なコストを生んでしまいますが、狭すぎると十分なリーチ数が確保できません。こちらも多くの機会損失を生んでしまっている可能性があります。

対策

ターゲティングはSNS広告を成功させるための鍵でもあります。コストとユーザーの確度を考えてのことでしょうが、逆効果です。まずは広めにターゲットをセグメントしておき、各セグメントの効果によって徐々に狭めていきましょう。

9. 入札額が低すぎる

SNS広告がまだ若いプラットフォームだからといって、必ずしも低い入札額でインプレッションされるとは限りません。人気のあるキーワードに関しては、それなりの入札額がなければ競合に取られてしまうのはリスティング広告同様です。

どんなに素晴らしい広告でも表示されなければ意味はないので、入札額の設定は非常に重要なのです。

対策

初めてSNS広告を出稿しまだ相場が掴めていない場合は、入札額を多少高めに設定しておきましょう。様子を見て徐々に調整してくことで最適なコストで出稿することができます。

また、相場を早めに掴んでくことで今後の予算も組みやすいでしょう。

10. クリエイティブが少数で比較検証できない

リスティング広告が「運用型広告」と呼ばれてるのと同じように、SNS広告も継続的な効果検証と改善により成果を徐々に上げていきます。配信プラットフォームや広告形式の違いはあれど、本質的な部分は変わらないんです。

そこで重要になるのが“複数のクリエイティブを用意して比較検証を行いつつ最適なものを残していく“ことです。つまり、A/Bテストを繰り返していくということですが、これがなければSNS広告の成長はストップしてしまうと言ってもいいでしょう。

対策

最低でも3つ程度はクリエイティブを用意し、どれが最も効果的かを検証しましょう。また、ターゲットによってクリエイティブを変えるという施策も効果的です。その際は「どのターゲットにどのクリエイティブが最適なのか?」という視点で比較検証を行っていください。

まとめ

いかがでしょうか?今回はこれからSNS広告に参入する企業に向け、失敗する10の要因を紹介しました。もちろん、これから参入する企業だけでなく「既に失敗した…」という企業にも参考にして欲しいと思います。

SNS広告は多くの可能性を秘め、盛り上がりを見せている配信プラットフォームではありますが、正しい理解と適切な設計がなければ成功することはありません。そうした理解と設計を今回の失敗要因から学んで頂ければ幸いです。

また、リスティング広告のCPCが高騰しているからといった安易な理由ではなく、SNS高校を出稿するとどれくらいの効果があるかを予め測定して参入を検討してください。

以下はSNS広告に関する事例などを紹介しているので、合わせて参考にして頂ければと思います。

≪Facebook関連≫

≪Twitter関連≫

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