Facebookカルーセル広告の効果って実際どうなの…!?
Webマーケティングに携わる方なら恐らくほとんどの方がFaecbookの「カルーセル広告」をご存知かと思います。一つの広告枠内に複数の画像が設定でき、訴求性の高い広告展開が可能なことで有名ですね。
しかし、実際に活用しているかどうかと聞かれれば「まだ活用していない」という企業の方が多いのではないでしょうか?リリースからまだ一年余りという日数を考えれば仕方のないことではありますが、正直活用しないのは非常にもったいないと言えます。
ただやはり「どれくらいの効果があるのか?」を理解していなければなかなか活用には踏み出せませんね。そこで今回は、Facebookカルーセル広告の活用事例を集めてみました。
食わず嫌いだったカルーセル広告を理解し幅広い施策を展開するためにも、是非参考にして頂きたいと思います。
カルーセル広告のおさらい
まずは簡単にカルーセル広告についておさらいしておきましょう。
カルーセル広告の魅力
1.多彩な表現ができる
カルーセル広告とは通常の広告と違い、広告枠内に3~5枚の画像(もしくは動画)を設定することができる広告フォーマットです。
表示された広告はくるくると回転し一つの広告で様々な表現をすることができます。
例えばECサイトのレコメンド広告に使用したり、ストーリー性を持たせることで企業ブランディングにも活用できます。
単一画像の広告では不可能な訴求ができるので、工夫次第で活用方法は無限大です。
2.各画像にリンク・CTAボタンを設置できる
カルーセル広告では全ての画像に同じリンクを設定することも、それぞれ異なるリンクを設置することも可能です。
複数商品を掲載する場合は各商品の購入ページをリンク設置することで効果的な動線引きができますね。
また、CTAボタン(Call to Action:購入や申し込みなどを促すボタン)も各画像ごとに設置できます。
ちなみに設置できるボタンの種類は「購入する」「予約する」「詳しくはこちら」「登録する」「ダウンロード」「他の動画を視聴する」「申し込む」「お問合わせ」の8つです。
広告に適したCTAボタンを設置することで効果を最大化できるでしょう。
3.スマホアプリのインストール広告にも利用できる
カルーセル広告ではリンクを設置するだけの通常広告だけでなく、スマートフォンアプリのインストール広告としても利用できます。
4.スワイプで広告が回転する
表示された広告はユーザーがスワイプすることで回転するのでインストール広告で利用できる点も考慮すると、スマートフォン向けの広告で大きな効果を発揮すると言えます。
Instagramとの連携
実はFacebook傘下であるソーシャルメディアInstagramもカルーセル広告を提供していて、双方間での連携が可能です。
Instagramは素人でも簡単にお洒落な画像撮影ができることで有名ですが、Facebookとのカルーセル広告連携での効果は未知数です。
また、推奨解像度の違いなどいくつか相違点があるので注意が必要となります。
Instagramとの詳しい違いや、カルーセル広告の詳細はこちら(【CPA50%削減!?】Facebookのカルーセル広告とは何か)の記事で紹介しているので気になる方はご参照ください。
それでは、カルーセル広告を活用した事例を紹介していきます。
カルーセル広告を活用した6つの事例
1.フリマアプリ提供B社
活用効果
- 通常広告と比較してCPI(インストール単価)を59%削減
- 通常広告と比較してCTR(クリック率)が2.7倍増加
- Facebook広告で獲得したユーザーのLTV(顧客生涯単価)が40%増加
国内初のスマートフォン向けフリマアプリを提供しているF社では、中心層であった女性ユーザーではなく男性ユーザーの獲得が目標でした。
そこでFacebookのスマートフォンアプリインストール広告を採用し、カルーセル広告形式で出稿。
「カスタムオーディエンス機能」を使用してアプリを既にインストールしているユーザーへは広告非表示に。
アプリへの関心度が高いユーザーをセグメントし効率的に広告配信しました。
キャンペーンは2ヵ月展開され、CPI59%削減などコスト削減や売り上げ増加に大きく貢献しています。
2.ECサイト制作支援B社
活用効果
- 通常広告と比較してCPIを50%削減
- カルーセル広告導入後の売上げが10%増加
- カルーセル広告導入後のアプリインストール数3倍
個人や中小企業など、ノウハウがなくても誰でも簡単にECサイトを立ち上げられるよう支援しているB社では、低CPIを維持しつつより多くのアプリダウンロード達成が目標でした。
広告内で複数の画像を使用しユーザーに訴求するのはもちろん、20種類のクリエイティブを制作。
また、「ウェブサイトのオーディエンス機能」を利用して、広告から自社サイトを訪れたユーザーに対しリターゲティングを展開しました。
目標であった低CPIの維持とアプリダウンロード数の増加を達成し、売り上げも10%増加という結果に。
3.クラウド型予約システムC社
活用効果
- CPA(顧客獲得単価)が50%改善
- Webサイト訪問者へリターゲティングした際のコンバージョンが1.7倍増加
- スマートフォンアプリ広告からのインストール数が5倍増加
クラウド型予約システムを提供するC社では、首都圏のユーザーを中心にサービス利用者と予約数の継続的な増加が目標でした。
広告フォーマットとしてはスマートフォンアプリのインストール広告を選択しカルーセル形式を採用。
「類似オーディエンス機能」で既存ユーザーの属性に類似しやユーザーへ広告を配信しました。
広告内にはサービス画像を3~5枚設定し、CPAやインストール数に大幅な改善が見られました。
4.会員制宿泊予約サービスR社
活用効果
- CVR(コンバージョン率)が20%増加
- CPAが50%改善
- CTR(クリック率)が5倍増加
一流旅館やホテルのみを紹介している会員制の予約宿泊サービスを提供しているR社では、予約数の増加が目標でした。
R社はカルーセル広告と合わせてダイナミックプロダクト広告を併用。
ダイナミックプロダクト広告とは、複数の商品広告をFacebook独自のアルゴリズムでユーザーごとに配信する広告フォーマットです。
商品点数が多かったり複数のセグメントへ配信する際に効果的な広告フォーマットであり、カルーセル広告と併用することで効果を最大限引き出すことに成功。
キャンペーンを掲載した2ヵ月間では、CVTが20%増加し目標を達成しました。
5.アパレルブランドM社
活用効果
- カルーセル広告導入後のCTRが85%増加
- カルーセル広告導入後のコンバージョンが3倍増加
米国でファッション用品・化粧品・美容用品・ファッションインテリアを提供しているM社では、ファッション用品の売上げ増加が目標でした。
カルーセル広告ではシューズやバッグなどの春コレクションを、数々の美しいクリエイティブで掲載してユーザーへ直感的に訴求。
キャンペーン中のCTRが85%増加し、コンバージョンは3倍にも増加しました。
6.WebマーケティングコンサルティングF社
活用効果
- カルーセル広告導入後のCVRが17.9%増加
- カルーセル広告導入後のCTRが2倍増加
- カルーセル広告導入後のCPCを60%削減
Webマーケティングコンサルティング会社として大手であるF社では、Facebook広告強化によりカルーセル広告を採用。
会員登録促進を目標として、「類似オーディエンス機能」で既存会員に属性が類似したユーザーに広告を配信しました。
結果としてCVRが17.9%増加し、CTRは2倍増加。CPCは60%削減と目標以上の成果を得ることができました。
カルーセル広告活用のポイント
今回紹介した事例をもとに、カルーセル広告を活用する際のポイントをまとめてみました。
- 画像枚数は最大の5枚がより効果を発揮する
- 「類似オーディエンス機能」などでユーザーをセグメントする
- 既存顧客・会員ユーザーへは広告非表示にすることでCPCをダウンできる
- 動画ではなく画像を活用する
- クリエイティブを複数制作し、セグメントによって使いわける
CPA・CPIの改善やCVRなどの増加が見られる事例では、ほとんどがこれら5つのポイントを押さえています。
意外なのが動画を活用している広告が見られないということですね。
コンテンツとしては動画の方が訴求力が強いように見えますが、一つの広告内に複数のコンテンツを掲載するカルーセル広告とは相性が悪いのかもしれません。
単にあまり活用されていないだけかもしれませんが、動画広告を配信したい場合は単一掲載で出稿した方がよさそうですね。
まとめ
いかがでしょうか?今回紹介した事例の中には、皆さんのマーケティングを展開する上で参考になるものがいくつかあったのではないかと思います。
また、カルーセル広告を活用する上でどれくらいの効果があるのかを理解していただけたのではないでしょうか。
もちろん、カルーセル広告を出稿すれば必ずしもこれらの事例のような効果が表れるわけではありません。
他の広告プラットフォーム同様に適切なKPIの設定やユーザーセグメント、PDCAサイクルを回し続けることはとても大切です。
活用のポイントを押さえつつ、改善と効果検証を繰り返していけば最大限の効果を得ることができるでしょう。
今回はFacebookのカルーセル広告にフォーカスして事例を紹介しましたが、Facebook広告では様々な広告出稿が可能です。
その他の広告フォーマットに関する事例は別記事の「Facebook広告の効果を9つの事例から学ぶ」でまとめているので、合わせて確認すればFacebook広告についてより深く理解できる内容になっています。