ビュースルーコンバージョンが示すweb集客のヒント

「ビュースルーコンバージョン」という指標をご存知でしょうか?社内で徹底的に利用しているところもあれば、全く利用していないというところもあるようです。今回は、ビュースルーコンバージョンの意味や指標としての使い方についてご紹介します。

ビュースルーコンバージョンとは?

ビュースルーコンバージョンとは、メディアサイトに表示されたアドワーズ広告を、その場でユーザーがクリックしなかったものの、別ルートを利用してWebサイトに訪問し、コンバージョンに至った数を表します。

検索画面に表示されるアドワーズ広告について

ビュースルーコンバージョンについて深く知るためには、広告の仕組みについて知っておくことも大切です。そもそもアドワーズ広告とは、Googleの検索画面に表示されている広告のことで、メディアサイトに表示させることもできます。

検索画面に表示されるアドワーズ広告は、ユーザーが自らキーワードを入力し検索することで広告表示が行われています。キーワードと広告内容が合致することが多くクリックスルーレートは、メディアサイトに表示される場合よりも高い傾向にあります。

しかしながら、ユーザーの検索キーワードに、広告表示回数が制限を受けてしまうため、検索数の少ないキーワードに入札していると、表示回数が少なくなります。

メディアサイトに表示されるアドワーズ広告

検索画面ではなく、メディアサイトに表示されるアドワーズ広告は、ユーザーの検索キーワードに関係なく広告表示が行われます。

そのため、ユーザーの訪問意図と表示内容が合致しないことが多く、上記の検索連動型広告と比べるとコンバージョンも低い傾向にあります。

しかしながら、アクセス数の多いメディアサイトであれば、かなりのユーザーが広告を目にすることになるため、商品やサービスの存在について訪問者に対して意識づけることができます。ちなみに、広告表示回数の掲載効果について判断するために使われる指標がビュースルーコンバージョンとなります。

ビュースルーコンバージョンは、広告効果を数値化したもの

ビュースルーコンバージョンについて改めて分かりやすく説明します。ユーザーは、メディアサイトなどで広告を見たものの、何も行動を起こしませんでした。

しかし、広告を何度も見ることによって頭に意識づけられ、自然検索などを利用してサイトに訪問し、コンバージョンに至ったものを数値化したものがビュースルーコンバージョンとなります。

リスティング広告で使われるようなコンバージョンは、一般的にクリックによる直接効果を表すことが多いですが、ビュースルーコンバージョンでは、インプレッション(広告の表示回数)の間接効果によるコンバージョンを数値化した指標だと言えるでしょう。

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ビュースルーコンバージョンでユーザー行動を可視化

マーケティング担当者であるならGoogleアナリティクスを使って、アクセス解析業務を毎日のように行っていると思います。アクセス解析を見れば、訪問者が利用しているデバイスや参照元のサイト、セッション数、滞在時間など、ありとあらゆることが数値データとして分かります。

ある意味では、Googleアナリティクスさえあれば、他のアクセス解析を利用する必要はないようにも思います。しかしながら、ビュースルーコンバージョンの概念を理解すれば、クリックの連鎖だけで広告効果を判定することは、難しいと言わざるをえません。

例え、ディスプレイ広告をその場でクリックしなくても、検索エンジンにキーワードを入力し、流入してくることは十分にありえます。これを通常の自然検索と同様に考えるのは、明らかに間違いと言えるでしょう。

そのため、マーケティング担当者として、コンバージョンに至るまでの流入を正しく判定するためには、ソーシャルメディアやメルマガ、リスティング広告、マス広告など、あらゆることから全体的に評価づけていく必要があるということです。これによって、Googleアナリティクスに限定したウェブ解析では難しかったユーザー行動の可視化が可能となりました。

ビュースルーコンバージョンが示すアドワーズ広告の間接効果

マーケティング担当者の間でビュースルーコンバージョンの指標の重要性が注目されるようになり、アドワーズ広告の間接効果が売上に対して一定の影響を与えていることが分かってきました。

アドワーズ広告を掲載した時、その場で広告がクリックされることなく、ユーザーが別のページに遷移したとしても、その商品やサービスが存在するという事実を訪問者に対して意識付けられることを発見できたことは、マーケティングに関する新しい考え方が生まれた瞬間と言っても過言ではないでしょう。

ビュースルーコンバージョンの正しい使い方

ビュースルーコンバージョンに関する概要を把握したうえで、実際に使い方について説明していきます。

広告効果を定量的なコンバージョンデータとして得る方法

クリックコンバージョンとビュースルーコンバージョンの計測期間を変更することで、どちらも同程度の価値を有することをとらえる方法があります。

一般的にクリックコンバージョンは、システムによる大きな違いがなければ、30日、60日、90日などの期間で定まっていることが多いです。こちらはシステムによりますので、計測する前に確認しておいてください。

まず、クリックコンバージョンとビュースルーコンバージョンを同日に設定すると不明瞭で納得のいかない数的データとなってしまいますので注意が必要です。どういうことか分かりやすく説明すると、クリックコンバージョンを30日間で設定したと仮定しましょう。次に、ビュースルーコンバージョンを4日と仮定することで、どのような定量的なデータが得られるでしょうか?

もし、メディア上に表示された広告を見て、4日以内にコンバージョンしたのであれば、広告効果によってコンバージョンした可能性が高いということです。

最終接触時間を利用してビュースルーコンバージョンを計測する

ビュースルーコンバージョンを計測する際、最終接触時間を利用すれば、具体的な広告効果を算出することができます。

例えば、1時間以内にコンバージョンした場合、ビュースルーコンバージョンを1として計測します。次に、3日以内にコンバージョンした場合は0.5と計測します。1週間以内にコンバージョンした場合は、0.3と最終接触時間から数的データを算出することで、広告効果を定量的なデータとして得ることができます。

まずは、自社分析を行いビュースルーコンバージョンの計測時に設定すべきだと思われる最終接触時間を設定してください。そこで決定されたルールに従って独自にカウントすることで、自社専用の広告効果データが作成できます。

広告効果が注目されるようになり、計測の歴史が変わりつつある

Web解析士業界でも具体的な広告効果を算出するためには、従来型の直前にクリックされた広告を評価するような方法では正しいデータを得ることができないと論じられるようになってきました。

そのため、新しい分析の考え方としてアトリビューション分析と呼ばれる考え方が導入されるようになり、コンバージョンに至る直前にクリックされた広告に限定することなく、それ以前にクリックされた広告全体を評価することが正しい広告効果を算出する上で重要なことだと考えだしたのです。

具体的な広告効果を算出する方法は、まだ存在しませんがビュースルーコンバージョンなどの考え方が浸透するにつれて着実に数的データの計測の歴史が変わりつつあります。

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