ステップメールの効果的なシナリオの作り方
メールマーケティングでトランザクションが安定するようになったら、いよいよステップメールの作成に入ります。
ステップメールというと、自動的にメルマガが送信されて、楽に物が売れるといったようなイメージを持たれているマーケティング担当者も多いでしょう。
もしくは、過去にステップメールを自分なりに作成してみたものの、売上が発生することがなく、途中で作成を諦めてしまったという方もいるでしょう。
ステップメールを利用して、今よりも売り上げを伸ばしたいと考えるならシナリオの作成方法について正しく学ぶ必要があります。今回は、ステップメールの基礎的なところから売れるシナリオの作成方法まで説明していきます。
ステップメールとは?
ステップメールとは、メール配信システムの機能の1つで、事前に登録しておいたメールの文章を決まった日時やタイミングに配信してくれる便利な機能のことです。
送り先としてメールアドレスを登録しておくと、決められたメールが配信されるためメール配信業務を効率化してくれる機能として多くのマーケティング担当者に利用されています。
しかし、ステップメールの機能は、メール配信システムなら絶対に搭載されているわけではないので、利用する際は確認が必要です。もし、機能一覧からステップメールの機能が見つからなければ、メール配信システムの変更を検討します。
その際には、単なるメール配信システムではなくマーケティングオートメーションツール(MAツール)の導入を検討すべきでしょう。
マーケティングオートメーションツールには、標準でッステップメールの機能が備わっておりユーザーの細かな属性やアクションに応じたステップメールが配信可能になります。
ステップメールはナーチャリングメールなどとも言われます。
ステップメールを作成する目的とは?
ステップメールという便利な機能があることが分かりましたが、この機能が利用される本来の目的についてご紹介します。
多くのマーケティング担当者は、「自動で商品やサービスを売るためですよね?」と回答します。それは、ステップメールを利用することで得られる結果の話であって、本来の目的ではありません。ステップメールを利用する本来の目的は、たった1つしかありません。
「見込み客と信頼関係を築き上げる」
これがステップメールを利用する本来の目的です。
スマートフォンの利用率が高まり、見込み客はどんなところからでも自分に必要な情報を探し出せる時代です。つまり、何を学び、何を買うのか消費者が決定します。
そのため、どの会社も同じような価格帯で、同じような提案内容だった場合、「誰から購入するのか」ということが非常に大切な要素となってきます。
だからこそ、ステップメールを利用して信頼関係を築き上げ「あなたから購入したい!」と思ってもらえるように仕組みを作成していくということです。
それが、ステップメールを作成する本来の目的なのです。
ステップメールを作成するメリット
シナリオを作成する前に、ステップメールを作成するメリットについて簡単に説明しておきます。メリットが分かれば、どんな使い方をすることで高い効果が得られるかということも分かってくるでしょう。
自動で信頼関係を築き上げることができる
一般的に、お客様と信頼関係を築くためには、丁寧な対応をして直接対面する必要があると考えるかもしれません。ステップメールを利用すれば、見込み客と信頼関係を築く過程を非対面で自動化できてしまいます。
メルマガ配信が自動化できる
ステップメールを導入するメリットの1つとして、メルマガ配信が自動化できるということが挙げられます。メルマガを配信していると、「これって、毎日同じことを書いていないかな。」または、「定型文のようなメッセージだから、簡略化できたら良いのにな。」と思うような場面にたくさん遭遇すると思います。ステップメールを利用すればメールを配信する上で無駄な時間を簡略化できますので、ぜひ文書の書き方を習得していただきたいと思います。
半自動で売り上げが発生する仕組みが完成する
ステップメールを有効に利用すれば半自動的に売り上げが継続的に上がる仕組みを作成できます。メルマガの内容も定期的に更新しなければ反応率が下がってしまうため、多少の手間はあるものの見込み客を集客できれば安定的な収入が得られるようになります。
ステップメールを作成するデメリット
一方、ステップメールを作成するデメリットとは何でしょうか。ステップメールを作成するデメリットについて説明していきます。
リアルタイムなことが配信しづらい
メルマガを配信していると、今日あった出来事などを、文章として取り入れることが多々あると思います。ステップメールでは、同じ文章を長期間利用する必要があるため、リアルタイムな情報を入れることが非常に難しいです。
定期的にステップメールの内容を監査して書き直す必要があるでしょう。
一斉送信なので個人的なメールが送りづらい
メルマガは、数百件まとめて一斉送信するため、個人的な内容を書くことが非常に難しいです。多少、セグメントすることで対象範囲を狭めることはできるものの、個人的なメールを送ることとは異なるため、ステップメールの機能の欠点と言えるでしょう。
HubSpotなどのマーケティングオートメーションツールなどを利用すれば、あらかじめ設定しておいた条件に応じたユーザーごとにシナリオごとのパーソナライズメールが送れるようになります。
ステップメールの定期的な修正が必要
メルマガの内容は、時間の経過とともにどうしても古くなってしまいます。今は安定的に売り上げが発生していても、何も修正しなければ1年後全く売れない仕組みになっているかもしれません。そのため、ステップメールには完成という概念がなく、定期的な更新が必要だと覚えておきましょう。
ステップメールのシナリオの作り方
ステップメールの作成自体は、非常に簡単です。しかし売れるかどうかは、効果測定をしてみなければ分かりません。売れるステップメールには、基本的な型というものがありますのでご紹介します。
①読み手に対して興味性のある文章を書く
まず、メルマガの1文目は、読者が最後まで興味を持って読みたくなるような文面にしてください。これから紹介することは他では絶対に知ることができないということを強くアピールしていきます。そして、簡単な自己紹介に進んで行きます。
②信念や夢(未来)について書く
次に自分がメルマガを書くに至った経緯を書いていきます。どんな信念のもとに読者にメッセージを送っているのか、その思いを丁寧に書いていきます。信念は、顧客から共感が得られるように書いていきましょう。読者から「私と同じような問題を抱えている。そういった人のために、情報発信するなんて素晴らしい。」と思ってもらえる文面を目指してください。そして、将来の夢について話します。つまり、読者が抱える問題が解決できれば、どんな明るい未来が待っているのかということです。同時に問題を解決するための手法を知っていることを、全面的に出して行きましょう。
③商品内容と独自性について書く
次に、読者の課題を解決できる商品の詳細を全て書いていきます。そして、他では絶対に購入できない商品であることを具体的に書いてください。
マーケティング用語で行ってしまうとUSP(Unique Selling Proposition)を明確化しておくということです。
④提案と後押しを行う
最後に、購入していただくための提案を行いましょう。この提案(営業活動)は2度行います。2度目は、「後押し」とも呼ばれていて、購入することに躊躇してしまう人に対して、買ってもらえるように促します。「あなたが購入しようとしているものは、非常に価値の高いものであること」を伝えて、成約数を1件でも上げていきましょう。
その提案は営業活動である必要はありません。資料ダウンロードであったりセミナー集客であったりする場合もあります。
クリック率が4%を下回ったらステップメール/ナーチャリングメールを検討しよう
もしメルマガ配信システムを利用していれば配信するたびに、そのメルマガの成果がわかるはずです。開封率やクリック率などを常に見るようにしてください。
もし、あなたのメルマガ配信におけるクリック率が4%を下回っている場合には一度立ち止まってください。迷惑に思われている可能性があります。
その場合には、興味がある人に興味がある内容のメールを配信する必要があります。一般的にはパーソナライズメールと呼ばれるものを活用します。
「クリック率を改善したい方のための失敗しないメルマガの書き方、進め方」に詳しい内容を書かせていただきましたのでご興味がございましたら確認いただければ幸いです。
ステップメールの作成で気をつけなければならないこと
ステップメールの作成は、想像以上に難しいです。
最初から物を売ることを考えて作成すると、途中で完成させることを諦めてしまうかもしれません。
ステップメールは、必ずしも物を売る必要がないので、まずは自己紹介や会社紹介をステップメール化することから始めてみると良いでしょう。信頼関係が築けるようになったのなら、その上でセールス活動の文章を追加するようにすれば良いだけです。
1つずつの過程を分けて考えることで、売れるステップメールが最終的に完成します。