マーケティングオートメーションツールの活用例とメリットデメリットとは?
メール配信、リスト管理、Web最適化など、マーケターの方は効率的なマーケティングを展開するため日夜頭も体も動かしていると思います。
「もう少し業務効率化して戦略に注力出来たらなぁ…」なんてこともたまには思うでしょう。
実はそんな悩みを解消し、かつ効果的なマーケティングを展開出来るのが「マーケティングオートメーション」です。
国内でも2015年頃から露出が増えてきたのでまったく知らないという方はいないと思います。
しかし、「結局のところマーケティングオートメーションて何?」と詳しくは知らないという方が多いようです。
そこで今回は、マーケティングオートメーションについて改めて解説していきます。
マーケティングオートメーションとは
マーケティングオートメーションとは、メールマーケティングやソーシャルマーケティングなど、これまでマーケターの手によって施行されてきたマーケティングを自動化するためのツールです。
さっそくですが、分かりやすいように具体的な例を出してみましょう。
≪BtoB企業における活用例≫
コンサルティングサービスを提供するA社のホームページでは、メルマガ配信によるリード獲得や成約獲得を積極的に展開しています。
あるときA社のサービスに興味を持ったB社がホームページからメルマガ登録しました。
マーケティングオートメーションではこのB社のメールアドレスとIPアドレスを関連付け動向を追います。
数日後、メルマガに添付されたURLから再びA社のホームページを訪れたB社が資料請求をしたことをきっかけに、マーケティングオートメーションから自動的に個別のフォローメールを配信。
フォローメールを受け取ったB社は資料請求だけでなく電話による問い合わせをし、A社は効率的かつ効果的にホットリードを獲得するに至りました。
ざっくりとした例ではありますが、このようにマーケティングオートメーションは顧客の行動に合わせて都度最適なマーケティングを展開することが出来ます。
なぜ必要とされているのか
「テレビCMや広告を打ち出せば売れる」というマスマーケティングの時代は終わり、ユーザーのニーズは年々多様化しています。
特にインターネットやPC・スマホが普及した現代ではユーザー自身で情報収集をし、各サービスの比較をすることが可能になっているので、ユーザーとの「One to One」によるアプローチが何よりも重要です。
マーケティングオートメーションとはそんな課題を解消しつつ、常に最適なタイミングでユーザーにアプローチすることが出来るのです。
ちなみに、米フォーチュン500では既に70%以上の企業に導入されています。
主な機能
主な機能としてはメール配信、リスト管理、リード履歴管理、シナリオ設定、Web解析、登録フォーム作成などです。
従来はこれらの機能を別々のツールで導入するのが当たり前でしたが、マーケティングオートメーションはマーケティングに必要な機能を包括的に備えたツールだと言えます。
これらの機能で実現することに関しては後述します。
導入効果
マーケティングでは常にPDCAサイクルを回し、計画・実行・評価・改善の繰り返しが当たり前ですね。
マーケティングオートメーションを導入することでPDCAサイクルの「Do(実行)」の部分を大幅に効率化することが出来ます。
これはマーケターの負担が軽減するだけでなく「Do(実行)」以外のパートに注力出来るようになることで、より高度なマーケティングを展開することが可能です。
さらに、ツールによってマーケティングを展開することから人的エラー・ミスを無くすことが出来ます。
リードの行動履歴管理により潜在ニーズを把握出来るのも、マーケティングオートメーション導入の大きな効果でしょう。
マーケティングオートメーションで出来ること
各ベンダーが提供するマーケティングオートメーションによって機能や出来ることは異なりますが、以下に共通して実現出来ることを紹介していきます。
リード管理
マーケティングにおいてリード管理は最も重要な部分であり、適切な管理でより大きな効果を生むことが出来ます。
マーケティングオートメーションでは自社サイトへのアクセス状況やメール開封率など、総合的にリードの行動を記録・管理することが可能なのです。
また、トリガーを設定することでリードの行動に応じてベストなタイミングでアプローチすることが可能。
マーケター自ら施行
最近のマーケティングオートメーションでは、登録フォームやWebサイト自体を直感的に作成・修正出来る機能を包括したツールが登場しています。
つまり、従来プログラマーやデザイナーに依頼していた施策を自ら施行出来るようになります。
「依頼する」という部分を効率化出来るのでよりスピーディーにマーケティングを展開出来ますね。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは日本語にすると「見込み客育成」なのですが、現代マーケティングにおいては重要な概念です。
ユーザーと積極的に接触することで信頼性を高め、初期見込み顧客を自社サービスを利用するようなホットリードへと育成させます。
スコアリング
適切なタイミングでアプローチするためにはユーザーのニーズを把握するための指標が必要です。
マーケティングオートメーションはユーザーの行動履歴の応じてスコアリングすることで、その指標を提供します。
ユーザーのニーズを数値化することで「セールスをかけるべきホットリード」が一目で判断可能。
基本的な実現出来ることを見るだけでも、マーケティングオートメーションが現在注目されている理由が分かるのではないかと思います。
マーケティングオートメーションのメリット・デメリット
マーケティングのトータルサポートを提供するマーケティングオートメーションではどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
様々なメリットの中でも注目したのが「リストの適切な管理」です。
実は従来のマーケティングではリストをしっかりと管理出来ていないことから、多くのビジネスチャンスを取りこぼしてしたことをご存じですか?
セミナーやイベントで獲得したリストのうちすぐにアプローチ可能なリストは全体の25%です。
残りの75%に関しては適切な管理がされずに放置状態というケースが多いでしょう。
しかし、残りの75%のうち80%は2年以内に何らかのアクションの起こすと言われています。
リストを1000件獲得したとするとすぐにアプローチできるのが250件、2年以内に何らかのアクションを起こすのが600件。
つまり、実に半分以上もの潜在顧客を逃してしまっていたのです。
マーケティングオートメーションではリストを適切に管理することで取りこぼしを無くし、効率的に売上げ向上につなげることが出来ます。
デメリット
デメリットというよりも当たり前のことですが、マーケティングオートメーションはマーケティングの全てを自動化出来るわけではありません。
メール配信やリード管理などツールの機能に依存する部分は自動化出来てもマーケティングの発案やコンテンツ作成など、人の手が必要不可欠な部分に関しては自動化出来ません。
これを理解していないがために「導入に失敗した!」というケースも珍しくないので把握しておくことが大切です。
マーケティングオートメーション導入で注意すべきこと
マーケティングオートメーション導入時にはいくつかの注意点があります。
クラウドかオンプレミスか
マーケティングオートメーション導入の際は、初めに「クラウドで導入するか?オンプレミスで導入するかの2択があります。
ちなみにクラウドとはインターネット経由で利用するサービスで、オンプレミスは自社サーバを設置してシステムを構築します。
企業によって適切な運用方法が異なるので一概にどちらに優位性があるとは言えませんが、最近ではクラウドでの導入が主流です。
というより現在提供されいてるマーケティングオートメーションのほとんどがクラウドで提供されているんですね。
ちなみにクラウドは自社サーバの設置が必要ないことから、全ての企業でメリットを享受することが出来ます。
スモールスタート
マーケティングオートメーションは即効性のあるツールではなく、あくまで長期的な運用により効果を出すツールです。
なので、いきなり全社的に導入すると費用対効果を実感しないまま運用を諦めてしまうというケースが少なくありません。
まずはスモールスタートで少しずつ、マーケティングオートメーション導入による効果を実感していってください。
コンテンツを充実させる
マーケティングオートメーションで効率的かつ効果的にアプローチするためには、充実したコンテンツが必要不可欠です。
どんなにマーケティングを自動化して適切なタイミングでアプローチ出来たとしても、魅力的なコンテンツがなければ利益を生み出すことは出来ないでしょう。
運用体制の構築
マーケティングオートメーションの導入でこれまでの環境は一変し、マーケティング部と営業部の連携強化などが求められます。
なので導入に伴い運用体制を構築することで、失敗のない導入が可能になります。
まとめ
いかがでしょうか?
今回マーケティングオートメーションについて総合的に解説しました。
念を押しておきますが、マーケティングオートメーションはマーケティングに関する全てを自動化する魔法のツールではありません。
あくまで自動化出来る部分を自動化し、皆さんのマーケティングを「サポートするツール」です。
今後マーケティングオートメーションの導入を検討されている企業では、この点をしっかりと理解しておいて欲しいと思います。
マーケティングオートメーション元年となった2015年に続き、今年は多くの企業で活用が目立つ年になると予測されているので、今後の動向に注目です。