どのようなキーワードをユーザーは求めているの?リスティング広告をインバウンドマーケティングに生かす方法
アクセス解析で自然検索のキーワードが分からないのが、すっかり当たり前の状態になりました。しかし自然検索での上位表示、つまりSEOのニーズは今も変わらず高いものがあります。
インバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングという、ユーザーから「見つけてもらう」手法では、自然検索からの流入が集客の柱になります。
そこで今回は、「検索キーワードが分からない現状で、どうやってキーワードを見つけていくか」について、リスティング広告を出稿しての方法を解説していきたいと思います。
また以下の記事にもテクニックが掲載されていますのであわせてご確認しましょう!
関連記事:記事タイトルの付け方 〜Googleで上位表示させるためのSEOテクニックとは〜
現状
現在、基本的に自然検索のキーワードは取得できません。これは検索エンジンがhttps対応をしたためで、Googleからyahooまで、主要な検索エンジンではほぼキーワードが取得できなくなっています。
そんな中、キーワードを得る方法としてGoogle Search Console内の、「検索アナリティクス」機能を利用する方法があります。
こちらは一般的に特別な事情がない限り必ず利用するようにします。
Google検索エンジン単一でのキーワードのみではありますが、現在日本で一番使われている検索エンジンですから、このデータだけでもかなりの価値があります。
ただし、Search Consoleも100%のキーワードが取得されてる訳ではありません。
公式に表明されている「プライバシーに関わるようなキーワード、検索方法」といったものはもちろんですが、データを見ると明らかにこれ以外のキーワードが取れていないケースも出ているようです。
またSearch Consoleでは現状の検索ワードは分かりますが、「ユーザーの潜在ニーズ」「Webページが上位表示されていないため集客ができていない」といった場合には、データとしてあがってきません。
こうしたインサイトを含めたSEO対策をしていくために「リスティング広告」を活用する方法があります。
検索ワード情報を得るための入稿
通常のリスティング広告では、CPAやCPCを低く押さえてROIが高く、効率の良い運用を目指します。
もちろん広告出稿の主題はここになりますが「検索ワードを見つけ出す」という調査ニーズを兼ねる場合は、幅広いキーワードを入稿してみましょう。
もちろん予算が許す限り、というのが前提です。
またそれを行っている期間のリスティング広告への評価は、当然それを考慮します。
さて実際にキーワードを入稿する際ですが、Googe広告(旧:GoogleAdWords)のキーワードプランナーを使い、候補ワードを幅広く見つけます。
ただしキーワードプランナーが優れているとはいえ、自社の商品やサービスと全く関係のないワードが検出される場合もあります。基本となるワードによっては、その数が多くなる可能性もあります。
検索ワードを発見するためという目的があっても、最初から明らかに違うワードは除外しましょう。
また入稿についてですが、広告グループの分け方と、それぞれへの予算の割り振りをきちんと行います。
これは通常のリスティング広告の入稿でも大切なポイントですが、特に予算については各広告グループに十分割り当てておきます。
途中で一日の予算が上限に達して止まってしまい、キーワードによってはインプレッションすらしないというケースが出てくるからです。
リスティング広告を大きな規模でやっていて、豊富な予算が設定してある場合はこうした状況にはならないでしょうが、少ない額で行なっている企業はこうしたケースも頻繁に見られます。
キーワードを見つけ出す
さて、いよいよリスティング広告からのキーワードの見つけ方です。
GoogleAdWordsを例に見ていきましょう。
AdWordsの管理画面では、さまざまなデータを見る事ができます。
「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」が、頻繁に確認される項目でしょう。
ここでは検索ワードを見つけていきますので、「キーワード」を使用します。
管理画面上部のタブで「キーワード」を選択します。
ただしデフォルトのままだと、中のボタンも「キーワード」になっています。
これは自分が設定したキーワードなので、実際に検索されたキーワードとは違います。
検索されたキーワードを確認するには、中にある「検索語句」ボタンを押します。
これで検索語句レポートが表示されますので、ここで実際に検索されたキーワードを確認します。
このレポートでは各キーワードについて、「クリック数」「クリック率」「コンバージョン数」「コンバージョン率」といった指標を見ていきます。
インプレッションが極端に少ないものはあまり検索されないので外し、一定以上の表示があるものからキーワードを探りあてていきます。
キーワードのマッチタイプを部分一致にしておけば、幅広い検索ワードが取れているはずです。人材系の企業の場合を例に見てみましょう。
登録キーワード
- 人材紹介
検索ワード
- 人材紹介会社
- 人材紹介登録
- 職業紹介
- 人材エージェント
- 人材紹介 東京
この中から、自社の商品やサービスにとって有効なものをSEO用のワードとしてピックアップしていきます。
仮に「人材紹介 業界」といったワードが多くあっても、それは一般に人材紹介会社を利用したいという一般のニーズとは違っていそうなので、除外します。
このようにリスティング広告の管理画面から実際の検索語句を見る事で、SEOに必要なワードを見つける事ができます。
なおYahoo!プロモーション広告の管理画面でも同様の事ができますので、両方のリスティング広告を出稿している場合は、こちらも見ていくと良いでしょう。
アクセス解析で深堀する
リスティング広告の管理画面からだけでも、SEOを行うのに適したキーワードを見つける事ができました。
ここでは少しレベルを上げて、アクセス解析と連携してそのキーワードをさらに精査していく方法を紹介していきます。
アクセス解析とリスティング広告のデータを連携する事で、各ワードごとに次の指標も見えてきます。
- 直帰率
- 1訪問あたりのPV数
リスティング広告単体では、使えるのは広告管理のみの機能です。
それにユーザーの行動を把握するためのアクセス解析を加える事で、ユーザーがその検索ワードで実際にサイトを訪問した際の行動を見る事ができます。
具体的な操作について、Google AdWordsとダイレクトに連携ができるGoogle Analyticsを例に見ていきましょう。
Google Analyticsのレポートを開き、集客>AdWords>検索語句と開いていきます。
このレポートで、GoogleAdWordsの検索語句レポートの内容を見る事ができます。
加えて「直帰率」「ぺージ/セッション」といったユーザーの行動に関する指標も出ます。
検索語句に対するコンバージョン数だけだと、実際にページを開いてからの次のようなケースが見落とされてしまします。
- 興味がある情報が無かった(見つけられなかった)。
- すぐに自分の思ったページと違う、とみなされた(直帰率)。
- 何ページかを辿ってみたが、関心を高める事ができなかった(ぺージ/セッション)。
つまりは検索したキーワードに対して、Webページがそれに合ったものになっていなかった、という訳です。
コンバージョン数だけで見るとこうしたページに不備があった際の効果が見落とされてしまいます。
ですからアクセス解析と合わせて、リスティング広告の検索ワードに対する「ユーザー行動」もきちんとチェックするようにしましょう。
ニーズを探り、コンテンツを作っていく
リスティング広告からSEOを行うワードをピックアップした後は、そのワードに対する「ユーザーのニーズ」を探るのが大切なポイントになります。
実際の例で考えてみましょう。
語学学習のスクールを運営しているサイトが、リスティング広告のデータから「スペイン語」というワードでSEO対策をすべき、と導き出しました。
このスペイン語という単ワードに対しては、さまざまなニーズがあるはずです。
その隠れたニーズを探っていく方法を挙げていきます。
リスティング広告の検索語句レポートにあがってきたデータ。
検索語句レポートにさまざまな複合ワードによる検索実績があるはずです。
ニーズをストレートに把握できます。
検索エンジンのサジェスト機能。
実際に検索エンジンで「スペイン語」と検索して、候補の組合せとして出てきたデータを拾っていきます。
実際に検索して1ページ目に出てきたWebページ。
検索エンジンで「スペイン語」と検索して、1ページ目に表示されたページの内容を見ていきます。そこからユーザーのニーズを探っていきます。
「スペイン語」という単ワードに対して、ユーザーのニーズをなぜ深堀していく必要があるかと言うと、単ワードでの検索が増えているからです。
以前だと単ワードよりも2、3語の複合ワードでの検索が主流でした。しかしスマホからの検索が増えている今は、その傾向が変わってきています。
ですから「主となるワード」を見つけ、それに対する見えないニーズを満たせるようにしていくのが検索上位にくるコンテンツを作る際のポイントになります。
まとめ
今回、リスティング広告からのSEOを行うワードの見つけ方を紹介してきました。
これについては以前からも行われている事なので、特に目新しいものではありません。
しかし自然検索のキーワードが全く取れないのに加え、リスティング広告も多くの企業が出稿している事からcpc、cpaの大きな改善はしにくいという状況があります。
それだけにリスティング広告とSEO(自然検索)の両方を同時に意識する運用は、より大切になっています。
リスティング広告の運用はインハウス、または外注する場合もただcpc、cpaを中心に見て広告効率を上げるというだけでなく、それをSEOに応用するという大きな視点でデータを見ていくようにしましょう。