SEOの重要項目とされる「titleタグ」、その有効性と効果的な記述方法
Googleの検索順位を決めるアルゴリズムは、200以上あると言われます。実際には機械学習などによりそれはもっと多くなり、複雑化しているでしょう。
そんな中、どういったTitleタグがGoogleに評価されているのか、という調査結果がありました。
今回はSEO視点で見たTitleタグ、それに今回紹介する調査結果も踏まえて、実際に検索順位の検証を試みたいと思います。
Titleタグとは
はじめにTitleタグの基礎知識です。
HTMLのhead要素内に< title >*****</title>という形で記述します。
実際のページに表示されませんが、検索エンジンの検索結果画面には、見出しとして大きく表示されます。その他、ブラウザのタイトルバーやブックマークをする際も、Title内の記述が表示されます。
このようにページ上の表示はなくても実際のWebページの内容を表す大切な要素なので、必須項目となっています。
TitleタグとSEOとの関連
Titleタグに関するGoogleの考え
Googleはウェブマスター向けガイドラインの中で、このTitleタグの重要性について明記しています。
以下、ウェブマスター向けガイドラインからの抜粋になります。
「Googleがページを理解できるよう手助けする」の項目に以下の記述があります。
<title> タグの要素と alt 属性の説明をわかりやすく正確なものにします。
短い記述ですが、ページ内の1つの要素をわざわざ抜き出して言及している事から、検索エンジンがインデックスするのに今も重要な要素となっていることが想像できます。
またSearcConsole内にも、「HTMLの改善」内にTitleタグの抜け漏れや重複などを確認するメニューが用意されています。
以前はかなり重要視されたTitleタグ
このTitleタグですが、以前はSEOでかなり重要視されていました。
7~8年ほど前のSEO対策のコンサルティング時には、Titleタグに関して次のような事が真っ先に指示されていました。
- 掲載内容に合わせて全ページユニーク(異なる)形に変えてください。
- キーワードはなるべく先頭に記述してください。
- そのサイト全体で狙いたいキーワードは、全ページのTitle内に入れてください。
- 複数のキーワードを詰め込みすぎるのはNGです。
- 文字数は34文字程度にしてください。
これらを踏まえてたTitle例が、以下のような記述です。
- ネットワーク点検:大企業向け|セキュリティ対策なら〇〇コーポレーション
- ネットワーク点検:中小企業向け|セキュリティ対策なら〇〇コーポレーション
- サーバーの保守、管理|セキュリティ対策なら〇〇コーポレーション
大抵はdescriptionの修正も一緒に指示されましたが、作業の手間等で対応が難しい場合は、「Titleタグからだけでも先にやってください」と言われたものです。
descriptionよりもTitleタグの方が、遥かに重要視されていたのです。
さてその効果ですが、実際に当時はありました。
ページの内容は普通であっても、Titleタグにキーワードがきちんと記述されていれば、そのワードでの上位表示がかなり高い確率で行われていました。
その後、スマートフォンの普及と共に「適切な文字数は20文字前後」という意見も多くなってきました。
Googleのスマホでの検索結果画面には、多くの場合20文字程度の見出しが表示されるようになったからです。
Titleタグ最新の調査
このようにTitleタグに最適とされる文字数も、閲覧環境の変化などで変わってきている昨今、興味深い記事がありました。
検索エンジンは短いtitleタグ・長いdescriptionがお好き――Etsy独自調査【SEO記事12本まとめ】(Web担当者フォーラム:2017年2月3日)
この記事ではTitleタグ、description、h1というSEO対策をする際に真っ先にチェックすべき主要要素に関する調査となっています。
各ポイントをピックアップしてみましょう。
Titleタグ
短いtitleタグの方が効果的。
description
長い方が効果的。
h1
検索に影響がある。
descriptionの文字が長めというのがどのくらいかですが、以前は「140文字前後」とされていました。ですので目安として、今もこれぐらいを想定しておくと良いかもしれません。
なおこの調査は「この3つの要素が検索トラフィックにどのように影響するか」となっています。
つまり「Googleでの検索上位になるか」というのとは必ずしもイコールではなく、やはり「検索エンジンと密接な関係がある」「Titleは短め、descriptionは長めが有効のようだ」という程度に捉えた方が良いかもしれません。
ここから「検索順位と実際にどれぐらい関係があるか」について、メインのTitleタグについて検証していきましょう。
チェックポイントは次の通りです。
- キーワードは入っているか
- キーワードは先頭の方にあるか
- 文字数はどれぐらいか
Titleタグの検証
スキューバダイビング
まずは「スキューバダイビング」というワードで調べてみましょう。
スキューバダイビングというビックワードに対しては、「資格」ニーズが高いようです。
トップに表示されるサイトのTitleタグは、次のような記述になっています。
先頭に「スキューバダイビング」の記述があり、文字数も34文字です。
従来のSEO対策の見本のような記述になっています。
なおこのページはサイトのトップページではなく、「スキューバダイビングの資格の種類」という下層ページがヒットしています。
https://www.marea.jp/scuba/type.html
サイト全体では「ダイビングライセンス」というワードを共通して入れているようなので、このワードでサイトがどのくらいの検索順位にくるかを見てみると、「3位」でした。
ただしトップページではなく、同じく「スキューバダイビングの資格の種類」のページでした。
以前はサイト全体で狙うキーワードはトップページへ集める、という方法が多く取られていました。しかしこの場合は下層ページの方が上位にヒットして、トップページは出現しませんでした。
なおトップページのTitleタグ記述は次の通りです。
他の「スキューバダイビング」で上位表示されたサイトも見てみましょう。
http://www.asoview.com/act/scuba/
こちらもサイトのトップページではなく、下層ページが表示されました。
Titleタグの記述は、次の通りです。
先頭に「スキューバダイビング」が入っていますが、文字数自体は27文字でやや少なめです。
それでは次に、最初の検索ニーズとして出てきた「スキューバダイビング+資格」の組み合わせで検索してみましょう。
1位にくるのは、「スキューバダイビング」で検索した時と同じWebページです。
2位のページのTitleタグを見てみましょう。
こちらについては「スキューバダイビングライセンス」という記述になっていて、「資格」という単語は入っていません。
以前は検索と同じ単語を入れるようにと強めに言われましたが、同義語の場合は気にする必要がなくなってきているのかもしれません。
掃除機 故障
次に「掃除機 故障」という複合ワードで調べてみましょう。
1位にくるのは、パナソニックの掃除機に関する「よくある質問」ページです。
このページのTitleタグは、次のようになっています。
見ての通り、「故障」という単語は記載されていません。
また文字数も17文字で、以前理想とされていた文字数と照らし合わせてみると、遥かに少なくなっています。
次に、2位に表示されたWebページも見てみましょう。
こちらは大手家電メーカーのサイトではありません。
システム会社が運営する家電修理のQAサイトの1ページですが、このページのTitleタグは次のようになっています。
こちらもやはり、「故障」というワードは入っていません。
文字数も17文字と少なくなっています。
しかし、「掃除機」「故障」のキーワードがTitleタグ内にないWebページばかりが上位に来ているかと言うと、そうでもありません。
この二つのワードがTitleタグ内に記述されているWebページも、たくさん上位表示されています。
ただし必ずしも検索ワードそのものがTitleタグに入ってなくても上位表示されるページはある、という現状はよく覚えておきましょう。
以前は「掃除機+故障」というキーワードで上位表示を狙い、かつ「掃除機+修理」の組み合わせでも上位表示させたい場合には、次のようなTitleタグが良いとされました。
「掃除機の修理(故障)について|〇〇情報サイト」
対策したいキーワードを、二つともTitleタグに記述して上位表示を狙うという訳です。
ただ現在はこうした事をしなくても、関連性が高いページと認識されれば上位表示が可能になっています。
なお同じ家電修理事例サイトで扱われている「エアコン」を「故障」との組合せで検索した際、1位に表示されたサイトのTitleタグは、70文字と非常に長いものでした。
このようにTitleタグの文字数についても、ナーバスに一定の文字数に抑えたりする必要は無さそうです。
まとめ
それではTitleタグについて、SEO視点での重要なポイントについてまとめましょう。
- Titleタグは必須
- 各ページの内容を端的に表す記述にする(サイト全体ではなるべく重複させない)
- 文字数は短くても長くてもOK
- 対策したいキーワードそのものがなくても、関連する語があれば上位表示可能
大きなポイントとなるのは、文字数は34文字前後にする必要はない、対策キーワードそのものを必須で入れる必要はないという所です。
このあたりは以前は効果的だったかもしれませんが、本質的なものではないのでその効果は薄まっているようです。
むしろ短く端的に、ユーザーが検索結果に表示された際に「自分の探している情報だ」と気づきやすいテキストにする事の方が遥かに大切です。