Facebook広告入門。リスティング広告の違いや想定される効果を解説

ネット広告の代表的なものとして有名なのが「リスティング広告」「ディスプレイ広告」。これらはGoogleやYahoo! JAPANが提供する広告です。そして、もうひとつ無視できない存在がSNS広告です。特にFacebook広告は、SNS広告の代表的なもので海の向こうではGoogle広告とFacebook広告が大部分を占めるとされています(Yahoo! JAPANとTwitterが多く使われる日本は、このあたりの事情が少し異なります)。

そこで今回は、SNS広告の代表であるFacebook広告の基礎知識について、リスティング広告との比較も交えながら解説していきます。

Facebook広告の基礎知識

Facebookについてのおさらい

そもそもFacebookは、実名・リアルな繋がりが基本となるSNSです。アメリカ発で世界中に広がり月間アクティブユーザーは28億人とされています(2020年末時点)。日本国内では約2,600万人が利用されておりSNSとしては4位に位置付けられています。日本国内ではFacebook傘下のInstagramがものすごい勢いで伸びており抜かれましたが、それでも巨大なサービスであることに変わりはありません。また単純な数の比較ではなく、Facebook広告においてはターゲティングの精度など質の部分で高く評価されています。

Facebook広告から期待できる一般的な効果とは

まずはFacebook広告の効果について紹介していきましょう。

一般的には、

リスティング広告は

顕在層へ向けるもの≒直接のコンバージョンが獲得しやすい

ディスプレイ広告

潜在層へ向けるもの≒ブランディングや認知拡大に向いている

とされています。

それではFacebook広告は?

答えは「やや潜在層向け」です。

つまり効果としては、ブランディングや認知拡大に力を発揮しやすいネット広告といえます。しかし実際には顕在層に対する効果、つまり直接のコンバージョンも取りやすい面もあります。

これを理解するために、そもそもリスティング広告がなぜ顕在層向け、直接のコンバージョンが獲得しやすい広告となっているかを今一度考えてみましょう。

リスティング広告は検索エンジンに自らがキーワードを入力し、それをもとに広告が表示されます。ユーザーが考えていることを文字にして入力をしますので、意識としてはすでに顕在化しています。そんな層にアプローチをするのですぐコンバージョンにつながりやすいのです。

その一方でディスプレイ広告は、キーワードを入力して検索という作業をしていない時に、ユーザーが関心を持っていそうな広告を表示します。そのためまだニーズが高まっていない潜在層に向けた広告となるのです。

しかし、最近ではディスプレイ広告もターゲティングが強化され、一人ひとりの興味関心や行動に合わせて広告が表示されるようになりました。従来は「このコンテンツを見ているので、似た内容に関心があるだろう」という薄い予測での配信でしたが、よりユーザーの個々に合わせた配信となることで、直接のコンバージョンが出やすくなってきています。

つまりターゲティングが進化しているわけですが、Facebook広告はこのターゲティングの精度がさらに高い広告と言えるのです。ターゲティング精度が高い、つまりは直接のコンバージョンも出やすくなっているのです。

Facebook広告の特徴

それではFacebook広告の具体的な特徴を、いくつかポイントを絞りご紹介致します。

1.ターゲティング

Facebook広告の最大の特徴が、ターゲティングです。

これを実現しているのが登録、実名で利用するサービスという点です。年齢や性別といったデモグラフィック情報はもちろん、経歴や趣味といったデータも保持しています。こうした登録データだけでなく、ユーザーの利用履歴もトラッキングしています。

Facebookはこうしたターゲティングを「オーディエンス」と呼び、次の三つに分類しています。

コアオーディエンス:

Facebookに登録された各種データや、ユーザーの行動履歴をもとにした情報

カスタムオーディエンス:

企業が保有するデータをもとにした情報

類似オーディエンス:

既存の優良顧客と傾向が似た商品やサービスに関心を示すと思われる情報

ターゲティングについては、Google広告も非常に高いものがあります。実際にディスプレイ広告はかなり精緻に、またリスティング広告(検索で表示される広告)でも一部ターゲティングが利用できます。しかしログインが必須ではないこと、基本的には匿名で使えるサービスなので推計値が多くなりFacebook広告の方がより高い精度が出せるのです。

2.配信面

リスティング広告がGoogle、あるいはYahoo!の自然検索結果以外にも表示されるように、Facebook広告も複数の配信面を用意しています。

Facebook

Facebookそのもの。Webやアプリに表示されます。

Instagram

すでに利用者数がFacebookを上回ったInstagramは、Facebookと同じ企業のSNSのため同一の管理画面から設定がおこなえます。

Facebook Messenger

Facebook利用者とダイレクトにコミュニケーションをとることができる、メッセージアプリ。

Audience Network

Facebookが提携しているモバイルアプリ群への配信が可能。世界規模では10億/月を超える人が同ネットワーク経由で広告を目にするとされ、日本ではグノシーなども配信対象です。

Instagramは規模も大きくInstagram広告として独立した特徴を持っていますので、別格と捉えておきましょう。規模だけでなく利用ユーザー(比較的に若年層)、強い商材(コスメやファッション)などFacebookと違いますし、これに合わせて広告クリエイティブも変わってきます。Facebook広告とInstagram広告は一緒に設定できるという程度の捉え方をしておくと良いのかもしれません。

3.広告フォーマット

Facebook広告は複数の広告フォーマットが用意されています。テキスト広告だけのリスティング広告に比べ、クリエイティブでのPDCAが大きく成果を変えます。主なフォーマットのタイプは、下記です。

  • 画像
  • 動画
  • カルーセル
  • インスタントエクスペリエンス(キャンバス)
    ※スマホでタップすると、フルスクリーン表示になるフォーマット。
  • コレクション
    ※複数の商品を表示できるフォーマット。ユーザーからの反応があって表示される。

この他にも「Messenger誘導」などを加え、10以上の広告フォーマットがあると紹介されることもあります。

手軽に用意できるのは画像ですが、動画広告も伸びが大きいジャンルです。多彩なフォーマットが利用可能なので、目的に合わせて最適なフォーマットを選び、クリエイティブの質を高めていきましょう。

4.出稿方法

Facebook広告もリスティング広告と同じ運用型広告ですが、広告を出稿するためには「ビジネスマネージャ」というFacebookのビジネス管理ツールを作成する必要があります。

Googleアカウントがあれば出稿できるGoogle広告に比べるとこれを作成する手間はかかりますが、広告をはじめとするビジネスの管理がしやすくなるというメリットがあります。具体的には複数人での利用を前提としているため管理や役割分担がしやすい、仕事とプライベートを分けることができるなどです。

5.課金方法と予算

Facebook広告には、二つの課金方式があります。

クリック課金(CPC):

広告がクリックされるたびに料金が発生する方式。

インプレッション課金(CPM):

広告表示が1,000回表示されるごとに料金が発生する方式。

この二つを広告出稿の目的、あるいはFacebook広告の運用に合わせて利用していきます。たとえば商品やサービスのリーチを増やした場合にはインプレッションを最大化させたいのでCPM、トラフィックを集めたい場合はCPC。運用に慣れてきたらCPCからCPMへの切り替えるといったこともおこなわれます。

リスティング広告にもインプレッション課金の仕組み自体はありますが、定番はCPC(クリック課金)です。

なおFacebook広告はリスティング広告と同様、表示の機会ごとにオークションが発生します。オークションは、「入札単価」「推定アクション率(いいねなど含めたもの)」「広告の品質」をもとにします。

次に全体予算、つまり最低出稿額はいくらでしょうか。

Facebook広告の最低出稿額は100円/日です。なおGoogle広告には最低出稿額というものは規定されていません。しかし実際にFacebook広告を100円で出稿しても、ビジネス的なリターンはまずありません。あくまでもこれぐらいの予算感でも出稿できるということだけ認識するようにしてください。

6.目的の種類

Facebook広告は、複数の目的が設定できるようになっています。

○認知度

  • ブランドの認知度アップ
  • リーチ

○検討機会

  • トラフィック
  • エンゲージメント
  • アプリのインストール
  • 動画の再生数アップ
  • リード獲得
  • メッセージ

※Messenger、Instagram Directなどでの繋がり。

○コンバージョン

  • コンバージョン
  • カタログ販売 
    ※ECのカタログ商品を掲載しての売上アップ。
  • 来店数の増加

このようにリスティング広告の直接的な成果と、ディスプレイ広告の認知、ブランディング両方の目的を持つ広告というのがわかります。

小・中規模ビジネスでFacebook広告をどのように生かすのか

Facebook広告を実際にどう利用すれば良いのでしょうか。特に小~中規模の事業ではどう取り組むべきでしょうか。

ベストなのはリスティング広告とディスプレイ広告(GoogleのGDNとYahoo!のYDN)、それにFacebook広告も出してどれが一番効果的かを見ることです。しかし現実問題として複数の広告を出す予算がない、といった場合も多いでしょう。またクリエイティブなどの運用が中途半端になるのでは、といった懸念もあるはずです。

定番ということもあってか、こうした場合はリスティング広告を優先しがちです。しかしCPCが高騰しているジャンルも多くあり、費用対効果が見込めないケースが増えています。また基本的にはキーワードにより表示されるリスティング広告よりも、限られたターゲットに向けたビジネスの場合には、Facebook広告の方が有効なケースも多くあります。

Facebook広告はすでに長い歴史がありますので、広告会社の中には多くの知見が存在します。それを参考にしてリスティングにするかFacebook広告のみに絞るか。あるいはそれぞれに出してみるかなどを検討してみるのもいいでしょう。

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