企業ブログはWeb集客の基本。BtoB企業のビジネスブログ事例6選
ユーザーに見つけてもらうためのインバウンドマーケティング。その中心となる施策がコンテンツマーケティングです。そして、コンテンツマーケティングといえば真っ先に思い浮かぶのがブログですね。
そして、多くの企業がブログを実践していなかったり、やってはいるけど中途半端だったりと行った状況ではないでしょうか。
そういった企業の多くは、ブログの効果に懐疑的であったりします。
しかし、これだけWebが私たちの身の回りで当たり前になっている現代においてブログをやらないのは、ビジネスをしていないのと一緒と見なされてしまうかもしれません。正確に言うと検索で見つけてもらえないWebサイトは、宝の持ち腐れでありビジネスをしていないのと同等といえます。
それでは検索して見つけてもらうためには何をすれば良いのでしょうか。
その答えはビジネスブログ(企業ブログ)です。
消費者の90%は購入前にWebサイトを検索しています。そして昔と違い営業活動の約60%はWebサイトが担ってくれます。
この記事ではその回答となる、BtoBの一般企業がブログをうまく活用している事例を紹介していきます。
ビジネスブログ(企業ブログ)の定義
まずはビジネスブログの定義について、整理しておきましょう。
ブログという言葉は一般用語ではありますが、人によりイメージするものが違うかもしれません。
そこであらためてブログの定義について検索して調べてみました。
正直多様な意見がありましたが、大きくは2つに落ち着きます。
最初のポイントは「継続して情報発信がされている」です。
コーポレートサイトにはサービスに関連するノウハウ、基礎知識といったコンテンツが昔から存在しています。たとえば鉄鋼業の会社であれば「鉄鋼の歴史」「鉄鋼が使われている製品」などの読み物コンテンツが用意されています。
これは継続的に追加されていくものではなく、特別な新技術が加わった場合や、サイトリニューアルをする時にのみ更新されるのが一般的です。
ビジネスブログとは毎日、毎週、月ごとなど、継続的に情報発信をしていると定義する方がいいでしょう。
次のポイントは「内容がテキストが中心」のものです。
図やグラフ、写真などが一緒に掲載されていても、もちろんOKです。同様に動画が使われているものも入ります。ただし、図の方が主役のインフォグラフィックスや、動画の補足としてテキストが書いてあるといった、主従が逆転したものはここではビジネスブログには入れません。図や写真、動画などはあくまでもテキストを補足する存在とします。
キーワード検索からの事例
では実際の事例を見ていきたいと思います。
インバウンドマーケティングで必要なのは「ユーザーに見つけてもらうこと」ですので、ビジネス寄りのキーワードで検索して、上位にヒットしたビジネスブログをピックアップしてみました。
「海外進出 支援」
海外進出・海外ビジネス支援プラットフォーム Digima〜出島〜
「海外進出 支援」というキーワードを使っての検索は、ビジネスの目的でないとまずおこなわないでしょう。
この検索結果上位に、ビジネスブログとして非常に良いサイトがヒットしました。「Digima(出島)」という、海外でのビジネスをサポートするため企業が運営するサイトです。
コーポレートサイトは別であるので、形式としては狭義の意味でのオウンドメディアです。
「海外進出 支援」というキーワードで上位に表示され、まず見た感じが非常に好印象です。コンテンツはもちろん中身が重要ですが、ビジネス向けのブログですからビジュアルデザインも大切です。
中身に目を移すと、「フロー型記事」「ストック型記事」の二つがあります。
「ビジネスニュース」というカテゴリがあり、これがフロー型記事になります。一方、「コラム」というのがストック型記事です。
この二種類の記事構成は、大きなポイントです。
個人の日記ブログであればフロー型と言えますし、それでも問題はありません。
しかしビジネスブログは専門知識を伝えること、ユーザーの課題を解決することが重要です。専門的な知識はすぐに内容が変わっていくわけではないので、時系列でどんどん後ろに追いやられていくフロー型ではなく、ストック型を用意する必要があるのです。
一般的にブログというとフロー型記事をイメージするため、数をこなしていくだけで手一杯になり、失敗してしまいます。
こうしたことを防ぐ意味でも、ストック型とフロー型記事を見極めながら設計していくことが重要です。
「食材調達」
こちらのサイトは「食材調達」というキーワードで検索して、ダイレクトに表示されたわけではありません。コーポレートサイトが表示され、そのページ内にバナーがあり、それで見つけたビジネスブログです。
URLを見てもサブディレクトリで展開されています。コーポレートサイト内に作られたブログという体裁です。
新着情報やニュースリリースなどを除けば、コーポレートサイトはそれほど頻繁に更新やコンテンツ追加がおこなわれるサイトではありません。
ビジネスブログでコーポレートサイトのコンテンツをどんどん増やしていくというのも、検索エンジンに評価されやすい方法と言えるでしょう。
ブログで集客し、グローバルメニューを固定することでコーポレートサイトへと誘導する鉄則中の鉄則を守っている優秀な構成と言えるでしょう。
2.3 「オフセット印刷仕組み」
オフセット印刷とは?解説!オフセット印刷の仕組みと原理(ASOBO DESIGN)
かつては業界用語や専門知識に関する、辞書や用語集といったコンテンツが流行しました。
「オフセット印刷とは~」といった形の、数百文字程度の用語解説などです。
しかしユーザーにとっては、「もっと知りたいことがあるのに載っていない」という物足りなさがあります。そのため同じ言葉や違う組合せのワードで再度検索するのですが、なるべくなら一度で済ませたいものです。
そのために、知りたいことの内容が網羅されたコンテンツの方が好まれるようになってきました。
「オフセット印刷仕組み」と検索した場合も、オフセット印刷の仕組みが詳しく紹介された記事コンテンツが上位にヒットしました。ASOBO DESIGNというサイトです。
このビジネスブログが面白いのは、サービスサイトでありながら全体がブログ風に作ってあるということです。
自然な形で更新していくコンテンツがサービス内容と融合していますので、大いに参考になります。
また各グラフィックの美しさも秀逸です。
目的による事例
ビジネスブログを作成する際は「目的」をハッキリさせないといけません。
それが明確にあってターゲットユーザー、記事の内容、デザイン・・・が決まってきます。
次は目的のハッキリしたビジネスブログ事例です。
新卒採用
最近の企業は、少子高齢化による人手不足から採用にもインバウンドマーケティングの手法を取り入れています。
そして、新卒採用は各社ユニークな取組みを毎年おこなっています。丸紅株式会社はかなりガッチリとした採用サイトを制作していますが、その中に「ブログ」というカテゴリが存在しています。内容は新卒者へ向けてのものです。
この時点では更新が始まったばかりで「これから来年度の新卒者へ向けてメッセージを発信していきます」という宣言のみですが、どういった内容になっていくのか楽しみです。
この他にも新卒向けのビジネスブログは、先輩が日々の業務への取組みを発信していくなど、各社工夫を凝らしたものが多いので参考になるはずです。
なおこの場合は、以前のコーポレートサイトに載っていたような格式ばったインタビューでなく、日々悩んだり楽しかった思いを発信している方が、生の情報として受け入れやすいようです。そして、学生たちもそのような記事に共感していくことが予想されます。
採用
新卒者向けだけでなく、採用全般にブログ活用している事例もあります。四つのカテゴリ(メニュー)があるのですが、そのすべてがブログ形式になっているのもビックリです。
「freeeについて」というカテゴリは本来であれば固定メニューのはずですが、ブログ記事の体裁で社員インタビューやトピックスが掲載されています。
会社の動きと、社員の生の声がわかるユニークな構成と言えるでしょう。
経理
「経理ドリブン」は経理業務に就いている人に向けた、オウンドメディアです。経理というと専門性が高く、数字が中心になり堅いジャンルといったイメージです。
しかしそうした専門分野向けにこそ、ブログでライトな解説が必要とされているのかもしれません。
何しろ今の時代はわかりやすさが主流。人も変わってきているので、昔のようなお堅い専門書で勉強していくというのは、抵抗を示されるでしょう。
また経理はシステムの導入、それに逐次おこなわれている制度改正などの情報をキャッチアップしておく必要があります。
その意味でも継続的な情報が発信できるビジネスブログは、有効な手段と言えます。
ビジネスブログ成功のポイントまとめ
いくつかの事例を交えてBtoB企業のブログへの取り組みについてご紹介してきました。例えば弊社のお客様の事例をご確認ください。どのような成果が出てきたのかが数字でわかります。
参考:リードプラス 「インバウンドマーケティング事例」
ビジネスブログのポイントを整理してみましょう。
- 検索で上位表示され、ユーザーに見つけてもらえるようにする
- 継続して情報発信する
- 「フロー型記事」「ストック型記事」の二つがある
- コンテンツ設計が重要
- サービスサイト(コーポレートサイト)の継続的なコンテンツ増加にも活用できる
- 専門知識を網羅的に解説している内容が高評価
- 目的をハッキリさせて作っていく必要がある
- 発信者の生の声、生きた情報を飾らずに伝えていく
- 固定的な情報でも、ブログ形式にすることで身近な情報になる
- 専門知識をわかりやすく、最新情報を継続しても伝えやすい
なお記事コンテンツはBtoBなどふだん身近でない情報を伝えることにこそ、効果を発揮しやすいというメリットがあります。
しっかりとした取組みができている企業は、まだまだ少ないので、他社に先駆けてコンテンツマーケティングを実践してみてはいかがでしょうか?その際にはリードプラスにお声がけいただければ嬉しいです。