「なんとなく」から脱却!SEM、SEO、SMOの違いを知ってコンテンツマーケティングへの理解を深める
コンテンツマーケティングが広く浸透してから久しく、多くの企業でオウンドメディアやソーシャルメディア運用といった施策が展開されていますね。皆さんの企業においてもいずれかの施策を取っていることかと思います。
ところで皆さんは、「SEM」「SEO」「SMO」これら3つのマーケティング用語を簡潔に説明することができますか?
恐らく「なんとなくは知ってるけど詳しくは…」という方が多いのではないでしょうか。マーケティング用語は類似しているものも多く、日々ユーザーと向き合っているマーケターの方でも混同することがあるので決して恥ずかしいことではありません。
ただ違いを知っているのと知らないのとでは今後の施策展開に影響が出る可能性もあるので、ここで3つの用語の違いをおさらいしておきましょう。
そもそもコンテンツマーケティングって?
「SEM」「SEO」「SMO」を解説する以前に「コンテンツマーケティングって何だっけ?」という方もいると思います。
コンテンツマーケティングとは“ユーザーにとって有益なコンテンツ(記事や動画など)を配信し、企業ブランディングや新規ユーザー獲得などを目的とするマーケティング手法の一つ”です。
企業が運営するオウンドメディアや企業アカウントで運用するソーシャルメディアなどが一般的な施策となります。
また、コンテンツマーケティングはある程度のコンテンツ数とユーザーとの信頼関係を築くという点から、長期的な目線での運営が必要です。
即効性のある施策ではありませんが、1年後2年後の収益拡大を目指すために運営する価値のあるマーケティングです。
SEMとSEO
それでは本題に移りますが、まずは関連性の強いSEMとSEOについて解説します。
SEMとは「Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング」の略語であり、対してSEOは「Search Engine Optimization:検索エンジン最適化」の略語です。
2つの用語の関連性としては“SEMがSEOを包括したマーケティング施策”と捉えるといいでしょう。
つまりSEMはSEOの他にリスティング広告を含んだ施策を指し、検索エンジンを通じて展開するマーケティング全般を指しています。
リスティング広告とは
リスティング広告はPPC(クリック課金型)広告とも呼ばれ、ユーザーが広告をクリックすることで費用が発生する広告スタイルとなります。
なぜこのリスティング広告がSEMに包括されたマーケティングかと言うと、ユーザーの検索結果画面に表示される広告だからです。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンでキーワードを検索した際に、検索結果上部に表示される広告を目にすると思いますが、それがまさしくリスティング広告です。
一般的にオークション形式による落札で表示される広告が決定されます。
Aさんが「スイカ 美味しい」といったキーワードで検索したユーザーがクリックしてくれるなら100円支払うと設定したとします。
これに対しBさんが同様のキーワードで検索したユーザーに対し200円支払うと設定すると、落札額の大きいBさんの広告が表示されるというわけです。
(他にも品質スコアなどが関与してきます)
リスティング広告は掲載する広告と費用次第でユーザーをWebサイトに誘導することができるため、先に説明したコンテンツマーケティングとは異なり短期的な運営に向いています。
SEOについて
リスティング広告について解説したところで、SEOについても少し掘り下げて解説します。
「検索エンジン最適化」とはいわゆる、GoogleやYahoo!のクローラー(Webサイトやコンテンツを評価するシステム)から高い評価を獲得し、検索結果上位に表示させるための施策です。
以前のSEOは「被リンクを増やせば上位表示できる」と認識されていましたが、ペンギンアップデートやパンダアップデートといった改良を繰り返し、現在では被リンクだけで上位に表示させることは難しくなっています。
また、上位表示のみを目的とした悪質な被リンクはペナルティーを受ける対象となるので注意が必要です。
ただし、被リンクがSEOに対し効果がなくなったというわけではありません。
良質な被リンクが多ければ多いほどWebサイトやコンテンツの評価が上がり、上位表示されやすくなります。
ちなみに良質な被リンクとは一般ユーザーによるソーシャルメディアのリンクシェアであったり、他Webサイトでのリンクなどです。
また、被リンク意外にもSEOには以下のような対策を取ることができます。
- タイトルにキーワードを入れる
- タイトルの文字数を28~32文字程度の収める
- コンテンツ中にキーワードを入れる
- Webサイトの構造を最適化する
- メタタグの設定をする
- タイトルタグにキーワードを入れる
- ロングテールキーワードで評価の底上げをする
などなど、他にもたくさんの施策が存在します。
ちなみにGoogleのアルゴリズムでは実に200を超える評価指標があり、その具体的な内容は公開されていません。
しかし良質なコンテンツを配信し続けることで検索結果上位に表示されることは確かなので、SEOは長期的な目線での展開が必要です。
また、間違えてSEO施策を行ってしまっている場合もあります。以下のEブックにまとめましたので、ご興味があれば合わせてご確認ください。
ベストなSEMとは
長期的な施策であるSEO、そして短期的な施策であるリスティング広告といった両局面を併せ持つSEMのベストな運用方法とは「可能な限り両施策を同時に展開していく」ということです。
SEOはコストも比較的安価で行えるマーケティングではありますが、即効性はないため収益化するまでに時間がかかります。
その間はリスティング広告を活用してユーザーを獲得する必要があるでしょう。
大切なのは両者のバランスであり、SEOの効果が発揮していくにつれ徐々にリスティング広告からシフトしていくことで、コストを最小限に抑え効果のあるマーケティングを展開していくことが可能です。
SMOとは
サービス・製品提供サイドから情報を配信していくコンテンツマーケティングにおいて、重要となるのは何も検索エンジンだけではありません。
「ユーザーは他にどんな経路でWebサイトを訪れるか?」と考えた時、すぐさま浮かぶのがソーシャルメディアではないでしょうか。
そうです、SMOとは「Social Media Optimizaition:ソーシャルメディア最適化」と言って、ソーシャルメディアからユーザーを効率的にWebサイトへと誘導させるための施策となります。
またソーシャルメディアを活用した口コミなどにより、サービス・製品を認知拡大していくという施策も含まれます。
現在主流のソーシャルメディアプラットフォーム
皆さんはソーシャルメディアと聞いてどのサービスがパッと思い浮かびますか?
現在主流となっているのはコミュニケーション系であればFacebook、Twitter、LINEなどですね。
コンテンツ配信系ならYoutubeやニコニコ動画などが主流です。
SMOで大切なのは、まずどのプラットフォームで施策を展開するかということろです。
これは自社サービス・製品の特徴を捉えつつ「ユーザーとのコミュニケーションを重視する必要があるのか?」または「動画などのコンテンツでノウハウなどを発信していくことが重要なのか?」などを検討するということになります。
また、一口にユーザーとコミュニケーションと取ると言っても様々であり、SMOは思ったよりも多様なマーケティングが求められるものなんです。
ステマとの違い
SMOはしばしばステマ(※1)と同一視されることがありますが、決して意図的に口コミを操作するといった施策ではありません。
あくまでユーザー主導のマーケティングであり、その軌道に乗って展開する施策といった意味合いが強いですね。
ただし、アフィリエイターと提携してソーシャルメディア上でサービス・製品を紹介するといった施策は問題ありません。
※1:ステマとは「ステルスマーケティング」の略語であり、企業が一般消費社を装い口コミをコントロールするといった宣伝方法。多くの芸能人がステマとして関与していた「ペニオク事件」が有名。
SMOはSEOにつながる
最後にSEO(検索エンジン最適化)とSMO(ソーシャルメディア最適化)の関連性ですが、SMOを行うこでSEOに繋がり検索結果上位表示に影響を与えることができます。
というのも、SEOの施策の一つとしてソーシャルメディアによる被リンクが有効的と説明しましたが、SMOを行うことでコンテンツのシェアを獲得し被リンクを増やすことができますね。
つまりSEOとSMOは同時に行うのが効果的なのです。
言い換えるならば、オウンドメディアとソーシャルメディアの運営を同時に行うということですね。
また、ここにリスティング広告が加わることでトリプルメディア(※2)運営が実現し、より効果的なマーケティング展開が可能と言われています。
※2:トリプルメディアとは、オウンドメディア(企業ブログなど)とアーンドメディア(ソーシャルメディア運用)、そしてペイドメディア(リスティング広告やその他広告)の3つからなるマーケティング施策。
まとめ
いかがでしょうか?今回は「SEM)」「SEO」「SMO」それぞれの解説と関連性などをまとめました。
今回の解説で、混乱しがちなマーケティング用語を整理できたといのであれば幸いです。
いずれも現代のWebマーケティングには欠かせない施策であり、ビジネスモデルを問わずWeb上でユーザー獲得や収益化を図るのであれば理解は欠かせません。
「SMOを行うことでSEOにつながり、SMOはSEOを包括している」と簡単に説明することができますが、実際は奥が深く多くのマーケターがこれらの施策に日々奮闘しています。
これを機にそれぞれの理解を深め、是非今後の施策展開のために役立てて頂ければと思います。
また、インバウンドマーケテイングについてまとめたEブックをご用意しました。ご興味があれば合わせてご覧ください。