検索上位に表示される記事コンテンツの特徴と工夫を調査!教科書には載っていないポイントとは?

自然検索で上位表示させるための記事コンテンツの書き方、テクニックといったものについては、教科書的な情報で溢れかえっています。その中にはSEO的な情報も多く、コンテンツマーケティングを重視する担当者にとっては、それらの情報を自社のサイトに適用することに追われているのではないでしょうか。

そして、そのほとんどはテクニカルなものが多く、結局は似たり寄ったりのコンテンツになるのではないかと最近強く思っております。

それでは似たサイトにならないためにはどうすれば良いのでしょうか。特色を出してユーザーの心を掴むサイトにするのはどのようにすれば良いのでしょうか。そこで今回は、実際に検索ボリュームが多そうなキーワードで検索をおこない、そこで上位に出てきたコンテンツの「工夫されているな!」「こういう見せ方があったか!」というポイントを解説していきます。

面白い企画はSEOに強い!

面白い企画はSEOに強い!

この記事を書いているタイミングで夏は終わろうとしていますが、暑い日には特に恋しい「ビール」で検索。サジェストに「ビール 種類」と出ましたので、その検索上位ページを深く見てみます。

【ビール入門】ビールって何種類ある?みんな知らない「スタイル」の話。

【ビール入門】ビールって何種類ある?みんな知らない「スタイル」の話。イラストで学ぶビール入門(ビール女子)

https://beergirl.net/beer-beginner-guide-04_c/

予想をしていなかったユニークな記事コンテンツが1位に表示されました。ビール好きの女子のためのサイト&コミュニティだそうです。

まずはメイン画像が、とってもキャッチーですね。興味をひきますし、「どんなことが書いてあるんだろう?」と気持ちが高まります。昔のようにファーストビューに重要な要素をつめこむ、ということは近年薄れてきていますが、スクロールしてもらうために最初の表示を意識するというのは今も大切なことです。

なおスマホではメイン画像は入りませんでしたが、コラム執筆者の女性アイコンがあるので、タイトル文字だけより強い印象を与えます。

このページはタイトルまわりがよく工夫されていると感じました。

上から順に、要素をあげてみましょう。

  • サブタイトル
  • 記事タイトル
  • アイコン+コラム執筆者名
  • 日付
  • ソーシャルボタン
  • ブックマークボタン
  • メイン画像

「アイコン+コラム執筆者名」と「ブックマークボタン」以外は、他の記事コンテンツの多くでも上部にある要素ではありますが、配置の妙で非常に印象に残ります。すべてが中央揃えになっています。視線が一点集中になって、要素がすべて目に飛び込んでくるのが好印象です。

執筆者名にアイコンがセットになっているのは先ほども紹介しましたが、ソーシャルボタンもサイトのトーン&マナーに合わせてあります。SNSの標準カラーのまま配置しているコンテンツが多い中、参考になります。

またブックマーク登録ボタンですが、こちら要ログインになっています。記事コンテンツは匿名から個人情報を得る、つまりリード獲得がマーケティング的には一つのポイントですが、こうやって自然な形でコンバージョン(≒登録)に促す方法は大切です。

さて記事本文をスクロールしていくと、意外にもイラスト画像が多用されていて、序盤の文字はそれほど多くはありません。こうした書き方はSEO的にはあまりよくない、というのは多くの方の共通認識のはずです。

さらにスクロールを進めると、ポイントとなりそうな箇所がありました。

記事コンテンツ

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ビールの種類を擬人化して、さらに詳細な解説ページへリンクが貼ってあります。1つのコンテンツに情報を網羅する、という最近の傾向とは異なるものの、楽しんで読んでいくことができますし、興味のあるビールについて深く知ることができます。

SEOのため、Googleで検索上位に表示させるためという意識が強すぎるとこうした遊び心が薄れてしまいますが、実は楽しさをプラスしたコンテンツというのは昔から検索上位にあがっているものです。忘れがちなポイントですね。

SEOの原則にこだわり過ぎたり、正当な書き方に縛られるのではなく、こうした遊び心を加えてみるのも良いのでしょう。ユーザーの関心をひく、ということこそGoogleが上位にあげていきたいというコンテンツでもあります。

この記事は下段にも、「人気の記事ランキング」「おすすめ記事」などが多く掲載されています。きれいな画像もセットで、これだけで関心をひきます。

検索上位に出て来るページも、それだけ読んで終わりというケースがとても多くあります。もちろんビジネス的には成果が得られませんので、こうした場合は残念な結果へと向かうことが多くなります。他の記事も読んでいってもらう、次もこのサイトに来たいと思う仕掛けはとても大切です。

Googleの検索ロジックについて、細かな点についてもふれておきましょう。

記事タイトルには「種類」はなく、「スタイル」と入っています。ワードそのものを必ず記事タイトルに使う必要はない、という一例ですね。

次に実際のビールの種類を指定、「ビール スタウト」というワードでも検索してみました。

ビール スタウト

スタウトとは?ビールの種類をイラストで解説!| ビール女子

https://beergirl.net/beerchara/chara04/

すると一番に出てきたのは、先ほどのビール女子からリンクされていたスタウトのページです。このように下層のページ単独でも強いわけで、「ビール 種類」という多く検索されるワードで1位表示されるというのも納得できます。

面倒臭がらないで表や図版でわかりやすく解説!

次に同じく種類、しかし対象はまったく異なるジャンルで調べてみましょう。「屋根 種類」というワードで検索です。

屋根 種類

【保存版】屋根の種類は結局どれがいい?種類別の特徴・費用・メンテナンス(ヌリカエ)

https://www.nuri-kae.jp/column/articles/137

タイトルに【保存版】といった見出しを入れるのは、以前からよくある手法です。この記事には繰り返し参考にしてもらえる内容があります、というのを伝えてくれる書き方です。掲載日だけでなく、記事の更新日を書くのもよくある手法です。この記事は、実際に掲載から1年で更新がされているようです。

見出し画像にも、やはり力が入っています。画像自体はイメージカットですが、文字でそれを補っています。本文のテキストと同じく、要所に置く画像は作成する体制を整えておくといいでしょう。

この記事は屋根の種類について、原則通り知識を網羅して書いてあることが伺えます。文字数にすると、なんと1万字近く! 内容がしっかりしていれば文字数がかなり多くても評価されるといいますが、それを証明するようなコンテンツです。

ただし単に文字数が多いというだけでは、もちろんありません。記事内には画像や表が多く使われています。

【保存版】屋根の種類は結局どれがいい?種類別の特徴・費用・メンテナンス(ヌリカエ)

見やすい表はもちろんですが、画像もイメージカットは一つもなく、どれもわかりやすい図解など意味のあるものです。画像作成までなかなか手が回らないという声はよく聞き、実際にイメージカットの掲載が多いページが目立ちますが、本気で上位掲載を狙うならここまでする必要があるのかもしれません。

また記事内でより詳しい解説ページへのリンクが貼ってありますが、これも画像や見出しテキストを使い訴求力抜群。単にリンクを貼るというだけではいけないのかもしれない、と思わせる力の入った見せ方です。

下段には関連記事とアクセスランキングを設置、またSEOには直接関係しませんが、CTAとなる「相場を確認したい方は以下のリンクから確認できます」というリンク誘導もその間にさりげなく設置してある、心にくい作りです。

BtoBサイトはどうすれば良いのか?

最後はBtoB寄りのキーワードで検索してみました。「合弁企業作り方」です。

合弁企業作り方

ジョイントベンチャーの設立手順とは|設立のポイントもあわせて解説(企業法務弁護士ナビ)

https://houmu-pro.com/establish/43/

BtoBのワードでは、多く検索上位にくる有名サイトのコンテンツが出るケースが目立ちます。そんな中で上位表示されたのが、この記事ページ。タイトルの横に「専門家監修記事」と入り、さらにその下に監修者の名前と写真が掲載され、信頼を高めています。

またソーシャルメディアのボタンと並び、お気に入り追加ボタンが用意されていて、これも会員登録をするようになっています。最近はこうした作りでリードを獲得するという仕組みが増えているようです。

本文では図表の画像も使われていますが、契約書などの項目はテキストで作られています。手間をかけないという意味ではこちらも画像で作りたいところですが、こうした使い分けがしっかりとされています。

ジョイントベンチャーの設立手順とは|設立のポイントもあわせて解説(企業法務弁護士ナビ)

全体的には基本にのっとった記事ページといえますが、各項目がきっちりと見出しで分けられていて、目次からだけで内容がさっとイメージできます。基本にのっとった作りに加え、監修者をきちんと出すことで信頼性が高められている好例といえそうです。

なおこのサイトは、PC画面だとサイドカラムの情報もよく整理されています。新着コンテンツと人気コンテンツのリストが画像つきで並び、各カテゴリもアイコンでわかりやすくなっています。これらの内容はスマホでは見当たらなくなりますが、こうした情報の探しやすさという点も評価を高めている理由でしょう。

まとめ

3つの好事例を紹介してきました。三者三様ではありますが、目立ったポイントをまとめてみましょう。

  • キャッチーなメイン画像で、興味関心を高めている。
  • ファーストビューで著者や監修者をきちんと出す、という方法も多く取られている。
  • 一記事内ですべてを網羅するというだけでなく、別の質が高いページへリンクをすることでも価値あるコンテンツとなっている。
  • きちんとした章立てがされ、読みやすいものはやはり高評価。
  • 画像は意味あるもの、特に図表などを使う方が良さそう。

SEOに強い記事の書き方といった情報は多くありますが、検索のアルゴリズムは日々進化しているので、今回紹介したように検索上位のページから得られる知見というものが正直一番です。またユーザーが読みやすいというのが大原則ということになります。

今回紹介したように上位表示されている記事は一つひとつが丁寧に、かなり力を入れて作られています。

コンテンツマーケティング、記事を使ったインバウンドマーケティングをやっていく場合には、こうした作り込みを継続してできる体制も必要になってくるでしょう。

Webサイトのリニューアル時に 絶対おさえておきたい SEO対策10のポイント