SEOでささやかれる神話と事実を回答(日本語URLは有利? 他)

SEOには真偽の定かではない情報が、数多くささやかれます。

それこそ都市伝説的なもの、信憑性の低いものなど玉石混交です。中には「昔はそうだったけど、今は違う」というものもあります。最も恐ろしいことは、それら意味のない施策を信じて時間を費やして対応してしまうことではないでしょうか。

この記事ではSEOに関する疑問について、Q&A形式でお答えしていきたいと思います。

SEOに関する疑問

Q.WordpressはSEOに有利と聞きます。本当でしょうか。

A.WordpressそのものがSEOに有利、ということはありません。

しかし誤ったことをしにくい、という意味では有利ともいえるでしょう。

誤ったことをしにくいというのは、まず内部構造的にGoogleのガイドラインに準拠するように作られているというのが挙げられます。Wordpressを使うことで、自ずとGoogleが推奨する作りのサイトが手に入ることになります。

またプラグインの充実もメリットと言えます。SEO用のプラグインというのも、チェックしてみるといいでしょう。しかしそれを使ったからといって、決定的にSEOに有利というほどではありません。

多くのCMSはサイト構造を保つために作られているので、多かれ少なかれ誤った作りは避けやすくなります。CMSはSEOに有利ということから、メジャーなCMSであるWordpressがSEOに有利というように広まったと考えるのが妥当です。

実際に他のCMSで作られたサイトも、上位表示が多くされています。WordpressがSEOに有利といっても多少は、というレベルですので、自サイトに適したCMSを選ぶようにしましょう。なおWordpressを使っているとはいえページの読み込みが遅かったり情報設計がめちゃくちやだと、当然評価は下がります。

Q.ドメインやURLに日本語を使うのは有利に働きますか。

A.日本語を使っても、SEOへの効果はほとんどないようです。

日本語ドメインや日本語URLがSEOに与える影響はほぼ有りません。ただし、日本でのみ閲覧されるようなコンテンツですと日本人的にはわかりやすいのかもしれません。「UX的に良いよね」という人はいますが、もちろん気持ち悪いという人もいるでしょう。

UX的に良いといっているGoogle関係者が多々言っていますが、それと検索順位をあげることとはイコールでは有りません。あるいはまったく個人的な意見で発言していることも。こうした情報が一人歩きしてしまうケースがあるので要注意ですね。

なお日本語のドメイン、URLはリンクを貼られた際に文字化けのようになってしまうことがあるので要注意です。SNSでシェアされたり誰かに教える際に、警戒してクリックされないということも起こります。こうした面を考えるとUX的に必ずしもベストな選択、とは言えないのではないでしょうか。

Q.動画はSEOに有利になりますか。

A.動画を使ったからといって、検索順位は上がりません。なぜならクローラーは、動画の中身を解析することはできないからです。

しかしGoogleは何年も前から動画コンテンツの評価を高めたい、という意向は持っています。実際に海外では動画コンテンツを上位に表示させる試みを近年多くおこなっていると聞きますし、動画の中身を解析するための技術研究にも力を入れているようです。

動画はテキストの何倍もの情報を持ちますので、ユーザーの理解や満足度も高まります。Webで動画を見ることに抵抗を感じる人も、もうほとんどいないでしょう。

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動画が使えるなら、つかった方がいいです。その際には動画の中身を説明するテキストもきちんと添えること。それが質の高いコンテンツを作ることになり、SEOにも効果的です。

また、動画をページに埋め込むことで動画を視聴する時間が有りますので、自ずと滞在時間が増えてきます。これは、SEO的には有利に働きます。

Q.ソーシャルメディアで多く拡散されれば、SEOに効果的ですか。

A.まず被リンクが増えるので効果的ではないか、という意見に関しては基本的にはNOです。

Facebook、Twitterといった主要SNSのリンクには、nofollow属性が設定してあります。nofollow属性はリンク先へ評価を渡さないという設定ですから、いくらリンクが貼られてもGoogleは評価できません。

多くリンクが貼られているのだから良いコンテンツのはずだ、というのがもともとの被リンクの考え方です。それでいくとSNSでの拡散こそもっとも評価されるべきですが、仕組み上できないというのが現実です。Googleに対しても何度もこれに対する質問がされていますが、被リンク効果はないというのが基本的な回答です。

私も数年前に検索上位サイトがどれくらいの拡散がされているかを調べましたが、目立って数が多いものはなく関連性は見当たりませんでした。

技術的にはSEO効果はないといえますが、次の二つの理由でソーシャルメディアの拡散は検索順位に影響を与えます。

  • ソーシャルメディアで多く拡散されることで、一般のサイトからの被リンクを得るチャンスが広がる。
  • SNSで拡散されるようなサービスやコンテンツは、もともとかなり力が入れられ質が高い。
  • リンク先のページのセッション数が多くなる

直接的なSEOへの貢献はなくてもSNSでの拡散は検索順位のプラス要素になり得る、と考えておくといいでしょう。

Q.一度決まった順位はあまり変動しませんか。

A.検索順位は、上位の3位くらいまでは一定期間で続けるとあまり変動しないようです。

しかし1ページ目の下の方から2ページ目以降は、わりと順位が入れ替わります。上位に来ているページが順位変更すると影響が大きいため固定される、というのも一因にありそうです。

またサイトやページが新規で追加された場合には、順位の入れ替わりが頻繫に起こる場合があります。

よく「1ページ目の下位でも表示はされたから、SEOがうまくいった」という声を聞きますが、上のような理由から大きく喜ぶのは危険です。なお上位表示のページでも検索のアルゴリズムが大きく変わると、順位が大きく入れ替わることがあります。

Q.スマホにきちんと対応できていないページは、上位表示されませんか。

A.MFI(モバイルファーストインデックス)以降、多く出る問いです。

実はそうでもありません。特にBtoBサイトでWebの訴求にそれほど力を入れていない業界だと、スマホへ最適化されていなくても上位に出てくることがあります。

これは同業界の中でほとんど対応がされていないからか、それともスマホでのアクセスや検索が少ないからか、明確な理由はわかりません。ただスマホからアクセスをするユーザーも多少はいるので、可能ならば最適化対応はするようにしておきたいものです。それがSEOにもつながります。

Q.Googleは直帰率など、ユーザーの行動を見て検索順位を決めているのですか。

A.検索順位の要因として、ユーザー行動は見られています。

かつてのSEOは「内部施策」「外部施策」の二本立てでした。これは技術的にこの二つの柱を中心にするしかなかったからです。

内部施策はユーザーにわかりやすいページを、外部施策は良いコンテンツなら他の関連サイトでも紹介されるだろうというのが、基本の考え方です。

これらは根本的には、「ユーザーの利便性を最優先に考え、役に立つものを提供する」ということにつながります。

以前はテクニカルにサイトの作りや被リンクでしか評価できなかったものの、現在はユーザー行動も合わせることが可能になっています。「ユーザー行動は追っていない」という意見もありましたが、それは数年前の話です。

Googleは大量のログを持っていますし、それを利用するためのAIも急速に進化しています。この研究開発のトップレベルにあるGoogleが、ユーザー行動のデータを取り入れていないわけがありません。

ただし直帰率や滞在時間で単純に優劣が決まるというわけではありません。そのサイトのジャンルにより、それらは変わってきます。Googleアナリティクスのベンチマークレポートなどを参照し、自分たちに近しいデータと比較することは一つの指針になるでしょう。

Q.Google広告を出しているところが検索でも上位にくる?

A.これはまったくの都市伝説です。

自然検索の順位と広告の出稿とは、関係がありません。これは新聞などのオフラインのメディアでも「広告を出している所の記事を優先するんでしょう」といわれましたが、そんなことはありませんでした。こうした利益優先をメディアがおこなえば、信頼性が崩れ価値を損なってしまいます。大手メディアの記者と広告担当者は分かれていましたが、Googleも検索と広告とでは完全に違うといいます。

実際にGoogleの検索結果とGoogle広告の内容を見比べ、そうした相関関係が見られることはほとんどないはずです。

Q.被リンクはもう効果がないですよね?

A.いいえ、あります。

以前に悪質な外部リンクが大量に貼られたサイトの順位が大きく下落したこと、あるいはコンテンツの質というのが多くいわれるようになったために、こうした考えが広がったようです。しかし被リンクは今も、大きなランキングの要因です。もちろん質の高い、関連性のあるサイトからリンクされるというのが基本です。

Q.キーワードをページの前の方に入れるって、大切なの?

A.意外と大切なようで、多くの場合で前の方に入っているページの評価が高いようです。

もちろん日本語や文章としておかしくならないことが大前提ですが、記事コンテンツの場合には意識的にキーワードを前の方に入れるようにするのがいいでしょう。

Q.メタタグ内のkeywordsってまだ必要ですか。

A.必要ありません。

Googleがサポートするmetaのリストからも外れてしまっています。とはいえ、記載しているmetaがすべてではないという注釈も入っているので、念のため設置しておいても無駄にはならないはずです。

keywords を考える時間を多くとるより、他のことに時間を割く方がよほど有効です。またメタタグでいえばdescriptionを最適化していないケースは多いので、こちらに関してはきちんと対応するようにしましょう。

まとめ

Q&A形式としたので、意識的に言いきる書き方にしました。しかし実際の所はGoogleが公式に発表している情報ではありませんし、検索のアルゴリズムは日々変化しています。

当ブログでもSEOに関する検証記事を掲載していますが、対策をする場合には競合やターゲットワードをもとに、実際のGoogleの検索結果から分析をするのが一番です。

検索のトレンドはそこにあるわけですし、ジャンルによる検索傾向の違いも反映されています。もちろんそうした分析や検証に時間を割くことはできない、という方がほとんどでしょう。そうした場合には専用のツール、あるいは専門家に相談して、効率よく対策するようにしましょう。

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