Web制作会社はどう選ぶ?コンテンツマーケティングの第一歩
デジタル上のマーケティングと言えば今や“コンテンツマーケティング”は外せない施策となっていて、多くの企業がユーザーにとって有益なコンテンツを配信することで潜在的な顧客との接点を作り、関係性を築いて顧客化に貢献しています。
そんなコンテンツマーケティングの中でも中心になるのがオウンドメディア(企業ブログなど自社所有のメディア)ではないでしょうか?
企業ブログを運営するとなると、当然ですが、まずブログを公開するためのWebサイト制作が必要になります。皆さんホームページはお持ちだと思いますが、既存のホームページにコンテンツを追加するだけでは効果が上がらず、ホームページの見直しや別の専用サイトの構築を合わせて検討することが多くなっています。そこで制作会社選びという課題が出てくるのです。
満足のいくWebサイトに仕上げるためにはこの制作会社選びとクライアント主体のプロジェクト進行が欠かせません。
今回はこのうち制作会社選びに焦点を当ててお話していきたいと思います。
数ある制作会社から“いい会社”を選ぶということ
簡易的なWebサイト制作ならば、最近は豊富なテンプレートも用意されており、それほど専門的な技術がなくてもWebサイトを作ることはできてしまうでしょう。
そのため、現在Web制作を事業としている企業は大企業から小規模な企業まで数多く見つけることができます。
しかしながら、"コンテンツマーケティングを成功させる"という観点で考えると、必ずしもすべての会社がそれに見合うスキルを持っているとは限りません。なぜなら、Webサイトといってもその目的によって必要なことが異なるからです。そのため、その目的に合ったスキルや経験を持った制作会社を選ぶことが重要なのです。
そこで、ここでは目的に対して適切なコストでサービスを提供する会社を選択するためのポイントをお伝えします。コンテンツマーケティングを成功させるためには、適切な制作会社を選ぶことは不可欠な要素です。
Webサイトを制作する目的を明確にする
Webサイトの制作を行う上でまず重要なのがその“目的”です。たとえば"コンテンツマーケティング"を行い、Webサイトを通じて見込み客との接点を作り、有効なコンテンツを提供することで顧客化してゆく、という目的を明確にします。そして、どのくらいの期間で何件くらいのリードを獲得するか、案件を創出するかといった数値目標も持ちます。目的が明確になれば、構築すべきWebサイトの要件や必要な要素が見えてきます。
従ってコンテンツマーケティングを始める企業がまず行わなければいけないのは“制作会社選び”ではなく“目的の明確化”です。現在は、インバウンドマーケティングのコンセプトを実現するためにコンテンツマーケティングを実践することが増えています。
「企業ブログを持つのが当たり前だから」といったあいまいな目的でコンテンツマーケティングを始めるケースも少なくありませんが、それではうまくいきません。なぜなら、Webサイトは制作して終わりではなく、そのあと継続的にコンテンツを提供してゆくことが重要だからです。つまり、サイトの制作は始まりなのです。
このようなコンセプトや目的を明確にするとともに、継続的なコンテンツの作成や改善を見据えた運用を想定することが必要です。
制作会社選びの基本的な選定基準とは
それでは制作会社選びにおける基本的なポイントをご紹介しましょう。
会社規模
制作会社としての規模が大きいほど安心するという心理が働くと思いますが、会社の規模とスキルや経験は必ずしも一致しません。
まず、Webサイト制作における工数というのは大手であろうが中小であろうが大きな差はありません。
たしかにブランドネームがあると安心感はあると思います。ただ、大手の制作会社は費用が高くなりがちであることや、体制がプロジェクトごとに異なることが多いため、品質が場合によって異なる場合があるなどの点に注意が必要です。
大規模なECサイトなどとは異なり、コンテンツマーケティングの観点では会社の規模はあまり関係なく、各社のスキルや経験とを検討するべきでしょう。
過去の実績
過去の実績は依頼側からすれば大きな判断材料なので、制作会社で公開している事例を参考にすることも多いでしょう。しかし、大切なのは数ではなく、どのようなサイトの制作と運用をしているかです。うまくいっていればサイトは継続していることが多いので、実際のサイトを見てみましょう。そうすれば、どのようなコンセプトで制作や運用を行っているのか理解できるでしょう。
また、コンテンツマーケティングでは、コンテンツの品質や更新頻度もわかります。自社のイメージに近いかどうかを確認してみましょう。
ただ、クライアントごとに位置づけや目的も異なるため、個々のサイトのコンセプトや制作会社の請け負っている範囲なども合わせて確認しましょう。
提案の明瞭性
通常は複数の制作会社に見積もり依頼をします。するとヒアリングを行った上で提案書を提示してくれます。ここでは、価格もさることながら、提案の“明瞭性”を確認します。
制作期間やコスト、制作方針などをクライアントに対しどれだけ明確に伝えているかということが重要なポイントになります。
また、依頼側に制作知識がない場合、それを踏まえた上で提案書作成しているかというのも注目すべきポイントです。コンテンツの制作まで含むと、どうしても自社のビジネスや強み、競合に対する理解が必要になってきます。またクライアントがなにを準備するべきかなども含め、責任範囲も明確になっていることが好ましいでしょう。
いずれにせよ、クライアント側の課題や目的、体制を理解して明確な提案をしていると同時に、柔軟に対応できるかといった点を確認します。会社の姿勢を含めて確認しましょう。
Webディレクター
Webディレクターとはヒアリングから納品までのすべての工程を管理する者であり、実はデザイナーやエンジニアの技術よりもWebディレクターとしてのスキルがWebサイトの品質に大きく影響します。
優秀なWebディレクターの見分け方として端的に表れるのが“コミュニケーションの密度”です。
Webサイト制作というものは依頼側と制作側の密なコミュニケーションのもと進めていくことで初めて目的にかなったWebサイトに仕上げることができます。
つまり“適切なコミュニケーションを取れる”というのはWebディレクターとして絶対的に必要なスキルなのです。また、それに合わせて体制についても確認しましょう。Webサイト開発のエンジニアやコンテンツ制作のライターなど、実際の制作には多くの役割が必要です。
これらのリソースをWebディレクターが把握し、管理できるかなどは運用フェーズも含めて重要なポイントになります。
コストを取るか?品質を取るか?
Webサイト制作に限らずものづくりの世界ではコストと品質というのは一般的に相関関係にあります。
つまりコストを多くかけるほど品質の高いものは作れますが、逆にコストを抑えたい場合は品質で妥協する部分が出てくるでしょう。
制作会社を選ぶ以前に、どのような予算の考え方も用意しておきます。先述の通り、コンテンツマーケティングのためのWebサイトでは、構築よりも継続的な運用が重要です。きらびやかなサイトを構築することよりも、常に鮮度の高いコンテンツを提供したり、市場の変化に合わせて改善してゆくことのほうがはるかに重要なのです。
つまり、制作時に大きな予算を取るのか、制作時の予算を抑えながら、継続的な運用にも予算を取るのかという選択をすることでもあるのです。最近ではテンプレートの使用により、質の高いWebサイトを低コストで制作することもできます。
また、“グロースドリブンデザイン”と言って“運営しながら改善していく”というスタイルを取ることで、初期の制作コストを抑えつつ質の高いWebサイトへ仕上げていくこともできるのです。
同じ予算であれば、Web制作時よりも継続的な運用の予算に配分してゆくほうが、コンテンツマーケティングの成果は出やすいでしょう。
コンテンツマーケティングに強い制作会社か?
単なるコーポレートサイトを制作するのであれば問題はありませんが、コンテンツマーケティングを目的としてWebサイト制作を依頼するのであれば、Webサイト制作よりもコンテンツマーケティングに強い制作会社を選ぶことが必要です。
コンテンツマーケティングとはWebサイトを制作して終わりではなく、戦略の策定やそれに沿ったコンテンツ作成、結果のトラッキングなど様々な業務が必要なマーケティングです。
しかも短期的に効果の出るものではないので、確実な運用体制が必要になります。
制作会社がコンテンツマーケティングに強い会社であり、コンテンツに関するコンサルティングも請け負ってくれる会社なら、初めてのコンテンツマーケティングでも良いアドバイスを受けながら成果を出してゆけるでしょう。
制作会社としての実績だけでなく、コンテンツマーケティングのコンサルティングやコンテンツ作成としての実績も詳細に確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしょうか?今回はコンテンツマーケティングを始めたい企業のための制作会社選びについて紹介しました。
ポイントを明確にし、目先の費用面だけではなく目的や運用まで考慮して検討することで、より質の高い制作会社を選定することができるでしょう。それこそがコンテンツマーケティング成功への近道です。
もちろん、制作や運用を制作会社に丸投げするようでは、どれだけ質の高い制作会社でも継続的な成果を上げることは難しいでしょう。そのため、お互いパートナーとして進めていける会社を選ぶという観点も重要です。ぜひ、このようなポイントを参考にしてみてください。