マーケティング戦略とは?STPとそのポイントを解説
皆さんにとって「マーケティング」とは何でしょうか?
実はこの言葉は抽象的に使われることが多く、人によって広告活用だったり企業WEBサイトだったりと認識はバラバラです。しかしいずれもマーケティングとして正解です。なぜなら、ピーター・ドラッガーによればマーケティングとは「顧客から始まるビジネス思考」と定義されています。
顧客から始まる~ とはつまり、顧客視点に立って趣味趣向やニーズを把握して、戦略を立てるということです。さらにドラッガーはこうも言っています。
ビジネスにおいて価値を生み出す活動は、マーケティングとイノベーションの2つだけで、その他はすべてコストである
マーケティングは企業活動の中でもかなり重要な位置にあり、マーケティング戦略を徹底していれば販売努力は不要とさえ断言しています。
確かに、最近ではマーケティング戦略に力を入れることで営業活動を省略化して、効率良くビジネスの成功を収めている会社が増えています。
弊社リードプラスもテレマやセミナー活動、展示会などのアウトバウンド主体のマーケティングは一切行っておらず、インバウンドマーケティングのみを実践しています。ほとんどのお客様が弊社のWebサイトをしっかりとご確認いただいているため、昔のような会社紹介から営業活動を開始することは少なくなりました。感覚的には従来型の営業活動の60%近くがWebサイトに置き換えられて省略されています。つまりインバウンドマーケティングのおかげで受注までのサイクルが極端に短くなっています。
もちろん、会社が扱う商品やサービスによっては営業を配置しなければビジネスが成り立たないというケースも多々あります。ただし、マーケティング戦略を徹底すれば、これまでの営業活動とはまた違った形でビジネスを形成できるはずです。
今回は、マーケティング戦略とは何か?そのポイントについて解説します。
マーケティング戦略の基本
マーケティング戦略の基本としては「STP」と「マーケティングミックス(4P)」がよく知られるところです。本稿では、STPについて細かく解説します。
STPとは?
STPとは「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の頭文字を取った言葉で、それぞれマーケティング戦略を設計する上で大切なポイントです。
セグメンテーション
最初のセグメンテーションは「市場を細分化すること」です。市場は一つの塊として捉えられがちですが、実際は複数のグループが寄り集まって形成されています。たとえばサプリメント市場においては「健康になりたりい」「ダイエットしたい」「何らかの症状を緩和したい」など様々なニーズが入り混じっています。さらに老若男女が購入する商品であり、地域によっても購入の特長が出やすいものでしょう。
こうした市場全体を相手に製品やサービスを売ろうとしても、恐らく失敗します。市場を細分化(セグメンテーション)して、適切なビジネススペースを決める。それがセグメンテーションです。 ますます多様化する現代社会においては必要不可欠な考え方と言えるでしょう。
ターゲティング
市場を細分化したのちはそれぞれのグループを評価して、適切なターゲットとなるグループを決定します。いわゆるターゲティングです。ターゲットを決める上では「無差別型」「差別型」「集中型」を意識するとよいでしょう。
・無差別型
特定のターゲットを決めず不特定多数のユーザーに対して製品やサービスをアピールします。マスマーケティングの考え方と同じで、効率良く多くのユーザーに訴求できるのが利点です。しかし、ユーザーのニーズが多様化している現在において、このターゲティング方法でビジネスの最終的な目標である「売上」に繋げることは難しいでしょう。
・差別型
複数のグループをターゲットとして、それぞれのグループのニーズに合致した製品やサービスを提供する方法です。非常に理に適ったターゲティングですが、グループごとに異なるマーケティング戦略が必要なためコストは増大します。経営資源が豊富な会社でないと実行困難でしょう。
・集中型
1つ~3つ程度のグループをターゲットとして、そのグループのニーズを満たすために経営資源を集中させる方法です。広範囲に製品やサービスを訴求できないものの、特定のグループへの理解度が高くなるためその中で高いシェアを獲得できる可能性があります。中小企業など、経営資源が限られている会社に適しています。
ポジショニング
最後にポジショニングは、「ユーザーのマインド(心)の中に、どのようにブランドを位置付けたいか」を設計するマーケティング戦略です。市場を細分化しターゲットとなるグループを決定したら、そのグループにおいて自社ブランドをどの位置に置くべきかを明確にします。
ブランドとはユーザーのマインドが自然と形成していくものと捉えられがちです。しかし、実際は会社側の働きかけによって形成されるケースがほとんどであり、マーケティング戦略を展開する会社はそれを理解しなければなりません。
ユーザーのマインドに任せたブランド形成は往々にして想像する位置とは別の方向に進み、競合に対して優位に立つことが難しくなります。対して自社ブランドの位置を明確にしておけば、ブランドを形成するための取り組みを精力的に行えます。思い通りのブランドポジションを確立するためには、「重要性」「独自性」「優越性」を意識することが大切です。
[RELATED_POSTS]マーケティング戦略設計のポイント
基本(STP)の解説が長くなりましたが、基本は何事においても大切です。基礎が無ければその上には何も積み上げられません。積み上がったとしても不安定過ぎて、いつ崩れるかも分からないでしょう。ですので、マーケティング戦略設計のポイントを知る前に、できればもう一度基本について読み頭に刷り込んでいただきたいと思います。
ここで紹介するマーケティング戦略のポイントは5つです。特に中小企業など資源が限定されている企業を想定してポイントをご紹介します。
ポイント1.ターゲットをグッと絞る
先述のように、不特定多数のユーザーは複数のグループをターゲットとすることは非効率であったりコストが増大します。限られた資源の中でマーケティング戦略を実行する場合、やはりターゲットをグッと絞り資源を集中させるというやり方がべストです。
ポイント2.ターゲットを理解する
ターゲットを絞り込んだら次は理解するためのアクションに移ります。主な方法としては「ペルソナ設計」や「カスタマージャーニーマップ作成」があります。いずれもユーザーの思考や嗜好、購買行動などを理解するための方法です。これらを駆使してユーザーを理解し、適切なマーケティング戦略を設計していきます。
ポイント3.ビジネスをひとことで言い表す
マーケティング戦略におけるメッセージはシンプルなほど強力です。なぜなら、シンプルでないとユーザーはビジネスコンセプトを理解できず、それを伝えることも難しいからです。たとえば「一杯の美味しいコーヒーのために」という一文と、「私たちは一杯の美味しいのコーヒーのために、日夜努力を重ね、皆さんに快適なひと時をお過ごしいたきたいと思っています」という一文では、力強さや与えるインパクトが違います。後者は長ったらしくて、結局何が言いたいのかと考えさせてしまいます。
ポイント4.ベネフィットを訴求する
ベネフィットとは製品やサービスを利用することで得られる「恩恵」や「便益」です。つまり、製品やサービスが持つ特徴を訴求するのではなく、利用することで「○○といった効果が得られますよ」というベネフィットを訴求します。
ポイント5.競合を明確にする
競合はいないに越したことはありません。しかし、ほぼ全てのビジネスで少なからず競合企業はいるはずです。競合を明確にすることは自社製品やサービスをより深く理解することに繋がります。競合に対して自社製品やサービスの強みや弱みは何か、訴求すべきポイントや改善点は何かなどが見えてくるため、より効果の高いマーケティング戦略を設計できるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本稿を読まれている方に中には、現在のマーケティング戦略に疑問を感じ課題を抱えている方が多いのではないでしょうか?そうした方は、一度弊社リードプラスまでご相談ください。インバウンドマーケティングのプロフェッショナル集団が、貴社のマーケティング戦略をトータルサポートいたします。