経営者が知っておきたい「シェア拡大」のために考えるべきこと
誰だって自社の売上拡大や市場におけるシェア拡大はしたいものです。しかし、経営者や営業責任者は日々の業務の忙しさから、売上拡大やシェア拡大についてじっくりと考える時間がないという実情があるでしょう。
実は、売上拡大・シェア拡大のための考慮するポイントは3つしかありません。
それが「新規顧客の増加」「流出顧客の減少」「客単価の向上」です。「客単価の向上」はさらに「利用頻度増加」「購入点数増加」「商品単価向上」と分けられます。
ちなみに「在庫圧縮」「人件費削減」といった取り組みは、あくまでコスト削減によるキャッシュフローの改善や利益率の拡大を目的としてもので、直接的に売上拡大・シェア拡大に繋がるものではありません。
今回は、この売上拡大・シェア拡大のために考慮する3つのポイントを視点に、経営者が今考えるべきことについてご紹介します。
多くの経営者が考える「営業力強化」とは?
売上拡大・シェア拡大という目的に対し「営業力強化」に取り組む会社が多いかと思います。営業はいわば会社のストライカーであり、営業が仕事を取ってくるからこそ経営が成り立つと言っても過言ではないでしょう。しかし、その「営業力強化」が売上拡大・シェア拡大に直結しないことが少なくありません。
たとえば効率化ツールを利用して営業担当者が営業コアタイム(顧客や見込み客とのコミュニケーション)に時間を費やせるようにしても、営業担当者自体のスキルアップに繋がっていないことや、確度が高い見込み客を引き込めていないことで売上拡大・シェア拡大を実現できていません。しかし営業力強化は、3つのポイントである「新規顧客の増加」「流出顧客の減少」「客単価の向上」のためには欠かせません。
経営コンサルティング企業のアクセンチュアが行った調査では、大多数の営業領域の上級役員は、営業に対し多数の投資をしているにも関わらず、次年度の増収が見込めず、営業パフォーマンスが低下していると実感しているようです。
引用:アクセンチュア「売上拡大と収益力向上を同時に実現するための5つの絶対条件」
では、経営者は営業力強化という取り組み以外に、何をすればよいのでしょうか?
「新規顧客の増加」のために考えるべきこと
新しい顧客を引き込むことは、多くの企業が計画するものの、なかなか成果が上がらない領域でもあります。
「新規顧客が増えない=営業の頑張りが足りない」と決めつけ、営業に肉体的負担と精神的負担をかけてしまっているケースもあるかもしれません。
しかし、よほど営業力が足りないという会社でない限り、新規顧客を引き込めない原因はそのプロセスにあります。
たとえば「確度の高い見込み客を獲得できていない」「営業プロセスが非効率で顧客のニーズに応えられない」「見込み客を熟成させるプロセスが確立していない」などの具体的な原因が考えられます。
「確度の高い見込み客」とは、会社の製品やサービスに対して興味を示している、あるいは会社の製品やサービスをもって解決できる悩みを持っている見込み客のことです。
確度が高ければ、その分、営業担当者が営業活動にかける負担が少なくなり、効率良く新規顧客が獲得できるようになります。
しかし、ただ待っていても「確度の高い見込み客」は訪れません。イベントやセミナーに訪れたからといって「確度の高い見込み客」とは限りません。そこで、計画的に「確度の高い見込み客」を引き込むための施策が必須になります。
最近は見込み客獲得のために「インバウンドマーケティング」に取り組む会社が増えています。テレマーケティングなど能動的なマーケティングに対し、見込み客が自ら会社に問い合わせるような受動的なマーケティングです。
具体的には企業ブログやメディアサイト、あるいはSNSアカウントを運用して様々なコンテンツを発信し、そのコンテンツがターゲットに対して適切に届くように(見つけてもらえるように)設計をして、ターゲット自らアクションを起こさせます。そうすれば、「確度の高い見込み客」は自然と集まります。
例えば弊社のお客様であるマイクロソフト様はインバウンドマーケティングを実践して有望見込み客を初年度6倍以上増やしました。事例の詳細は「インバウンドマーケティング事例:マイクロソフト株式会社様」をご確認ください。
さらに、インバウンドマーケティングは見込み客を熟成させるためのプロセスも設計するのが基本なので、新規顧客獲得のための効果的な取り組みが行えます。すると営業負担も軽くなるので、営業プロセスを見直すきっかけにもなるでしょう。ちなみにインバウンドマーケティングをしっかりと運用すれば営業活動の60%を代替できると言われています。
「流出顧客の減少」のために考えるべきこと
いくら新規顧客の獲得に成功しても、既存顧客が流出していけば思うように売上拡大・シェア拡大は実現しません。「流出顧客の減少」に取り組むことで客数を維持して、新規顧客拡大の効果を最大限に高められます。
「流出顧客の減少」とは言い換えればリピーターを増やすことです。では、そのための取り組みとは何でしょうか?
リピーター増加に取り組むための話の中で「東京ディズニーランドのリピート率は90%以上だ」として、その数々の事例を取り入れようとする会社が少なくありません。しかし冷静に考えると、日本において「ディズニー」の名が付くテーマパークは唯一無二です。つまり東京ディズニーランドに事実上の競合は存在しません。さらに、施設が設立されている場所も都内近郊なので、人が集まりやすい環境です。従って一般企業が東京ディズニーランドといったテーマパークの事例を参考にすること自体間違っています。
「流出顧客の減少」を実現するためには、間違いなくカスタマーサービスの最適化が重要です。製品やサービスに対する問い合わせへのレスポンスを早める、保守サービスを有料化してサービス内容を充実させるなど、様々な取り組みが考えられます。
ただし根本的に必要なことは「労働生産性の向上によるカスタマーサービスの充実度アップ」ではないでしょうか。カスタマーサービスを充実させたくても、人的リソースが足らず止む無く諦めている会社も多いかと思います。
しかし、それでは顧客の流出を食い止められないので、ITを活用して労働生産性を向上させてカスタマーサービスへ注力できる環境を整えます。
「客単価の向上」のために考えるべきこと
先述の通り、「客単価の向上」は「利用頻度増加」「購入点数増加」「商品単価向上」の3つの要素から成り立っています。利用頻度と購入点数の増加に関しては、カスタマーサービスを充実させつつ、営業によるクロスセル・アップセルを展開していくことで実現します。しかし、商品単価向上に関しては別の取り組みが必要です。
具体的には「製品やサービスに付加価値を付ける」ことが大切です。ただ商品単価を上げるだけでは顧客は離れていきます。そこで、保守サービスを充実させるなどの付加価値を付けた上で商品単価を向上すれば、顧客の流出を食い止めつつ商品単価を向上できます。
まずはインバウンドマーケティングに取り組んでみよう
インバウンドマーケティングに取り組めば、今まで以上に広範囲に多くのターゲットへ自社製品やサービスをアピールできます。ただ企業サイトを作るだけではいけません。コンテンツを充実させ、重要なキーワードで検索結果上位に表にされるよう、戦略的にマーケティングを設計していく必要があります。
ただし、インバウンドマーケティングは効果を発揮すれば確度の高い見込み客を効率良く獲得し、営業効率を高められます。インバウンドマーケティングが気になる方はぜひ、リードプラスまでご連絡・ご相談ください。