【HubSpot導入支援】失敗しないパートナー選定の3つのポイント
自社のデジタルマーケティングをさらに進化させるために、HubSpotの導入を検討している会社やマーケティング担当者はますます増えています。特にBtoBの事業を展開している企業において、デジタルマーケティングを効率的に実施するためのプラットフォームとして導入を検討されている企業が増えています。
一方で、様々な機能がオールインワンに備わっているHubSpotだけに、何から始めたらいいのか、具体的な導入方法が分からず、お困りの方もいらっしゃると思います。
そのような悩みは、HubSpotのパートナー企業が行っている導入支援サービスを利用すれば解決できます。導入までのサポートだけでなく、自社にあった運用方法まで提案してもらえるでしょう。
本記事では、そもそもHubSpotの導入支援を受けるべきなのか、また受ける場合のパートナーの選定ポイントについて詳しく解説します。
HubSpotの導入を円滑に進め、貴社の売上増加のための一助になりますと幸いです。
HubSpot導入におけるよくある課題
HubSpotは見込み客を見つけて育成し、顧客にするインバウンドマーケティングとセールスのためのツールです。非常に強力なツールでインバウンドマーケティングというHubSpot社が独自に提唱した、マーケティング理論を基に設計されています。慣れていない企業では、導入に時間がかかることが多いのも特徴です。
スムーズに導入でき、運用を開始することが理想ですが、現実問題として下記の3つの課題に直面する企業や担当者の方も多いようです。
- 自社に最適化した設計ができていない
- 日本語に違和感を抱くときがある
- 無料プランで利用できる機能に限界がある
①自社に最適化した設計ができていない
ツール全般に共通していますが、初めてツールを使用する場合は、自社に最適化した設計が重要となります。
その上で、最適化した設計には導入目的や課題、重点的に効率化すべき作業を明確にすることが重要です。導入前に社内で確認しておくと、重要度の高い項目を優先的に改善するための設計を作ることができます。HubSpotは使いやすさに定評があるため、自社に最適化した設計ができれば、効果を実感できるはずです。
また、設計してからがスタートであり使いこなせることにより価値を生み出すツールなので、自社で完結できない場合は、運用まで行えるパートナー企業からの支援を受けることも検討してみましょう。
②日本語に違和感を抱くときがある
HubSpotはアメリカ製のサービスなので、日本語の表現に違和感を抱くことがありました。ただ、直近では大幅に改善しており、日本語使用の使いやすさも増しています。
以前は英語を直訳したようなものや、日本人があまり使わない表現があり、意味が分かりづらいことも少なくありませんでした。
また、外部の顧客から見える広告やテンプレートは正しい日本語に翻訳されているため、顧客に失礼になるような事態はまず起きません。外資系ツールに慣れていない方も、導入初期前に無料版でHubSpotをトライアルすることで、使いやすさを実感できるはずです。
③無料プランで利用できる機能に限界がある
HubSpotには複数のプランがあるため、上位モデルほど機能もグレードアップします。無料プランでもかなりの機能を網羅していますが、利用できる機能には限界があります。例えば、マーケティングやヘルプデスクの自動化、SEO対策やA/Bテストツールなど、各施策の運用効率を最大化できる機能は、Professionalプラン以上でないと使えません。
目的に応じて、有料プランや他社ツールの検討が必要となるでしょう。
インバウンドマーケティングとは?BtoBでの成功事例や手法を紹介
インバウンドマーケティングの手法については「インバウンドマーケティングとは?BtoBでの成功事例や手法を紹介」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
HubSpotが提供している5つのサービス
HubSpot最大の特徴は、LPやブログなどCMS(コンテンツ作成機能)が充実しているところです。コンテンツの力でリードを生み出し、見込み顧客の購買活動を後押し(ナーチャリング)することができます。
また、HubSpotは5つのツールから構成されており、インバウンドマーケティングの一連の流れである見込み客獲得から顧客の満足度向上までを、一元管理できます。
- Marketing Hub
- Sales Hub
- Service Hub
- CMS Hub
- Operations Hub
また、一元管理できるからこそ、チーム間の連携をスムーズに進められます。マーケティング、営業、顧客のサポートや管理などを別のツールで行うと、データの参照や分析が煩雑になります。ひとつのツールで包括的に管理すれば、一貫したサービスを手間なく行えます。
インバウンド手法では、顧客の動向が重要です。顧客に興味を持ってもらい、選んで購入してもらい、満足度が向上することで口コミを広げてもらいます。顧客に対し、どの段階でのアプローチにも役立つ機能が、HubSpotには揃っています。
5つのツール、全て無料版が準備されているので、まずは無料版で使い方を確かめてからニーズに合うプランに変更するのもおすすめです。本章では、それぞれのツールの特徴と料金を解説します。
Marketing Hub
Marketing Hubは、マーケティングに関わる機能やツールを集約したものです。
- ブログ
- ランディングページ作成ツール
- 広告のトラッキングと管理
- ソーシャルメディア管理
- マーケティングオートメーション
- ウェブチャット
- リードのトラッキングと管理
- マーケティングアナリティクス
Marketing Hubを用いると、目にした人を惹きつけるようなブログや動画、広告の制作をしたり、SEOでより上位に表示させるようアプローチしたりすることが可能です。オーディエンスが見込み客へと転換するよう、Eメールマーケティングやウェブチャット、CTAなどのツールを活用できます。さらに、キャンペーンレポートやアトリビューションレポートの作成、ウェブサイトのトラフィック分析などができます。
基本的な使い方
基本的な使い方として、以下の3つが挙げられます。
- 訪問者を惹きつける
- リードの転換を促進する
- レポートとカスタマイズ
Marketing Hubであれば、マーケティング関連のすべてのツールとデータを集約できます。レポート機能やSalesforce連携などで一元化による時間の短縮だけでなく、チャットボットや動画を活用することで、1人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを提供できるため、自社の商品やサービスを必要としている訪問者を惹きつけて顧客になってもらうことができます。
※YouTube公式チャンネル:【HubSpot Marketing Hubのご紹介】マーケティング関連のすべてのツールとデータの一元管理を実現
Sales Hub
Sales Hubは、短期間でより多くの契約を成立させるための機能を備えた、営業支援CRM(Customer Relationship Management)です。
- コールのトラッキングと記録
- Eメールトラッキング
- ウェブチャット
- セールスアナリティクス(分析)とレポート
- ABM(アカウント ベースド マーケティング)
営業活動を効率化するためにGメールやOutlookと連携したり、メール送信などの自動化を設定したりできます。また、「Engage」の段階での見込み客とのコミュニケーションツールや情報提供ツールが揃っています。営業案件の進捗についてパイプライン管理をし、担当者の生産性とパフォーマンスを記録したり、取引の予測をしたりできます。
基本的な使い方
基本的な使い方として、以下の4つが挙げられます。
- 顧客とのコミュニケーションの実現
- 顧客との信頼関係の強化
- 案件進捗の管理
- 場所を選ぶことなく顧客に合わせたコミュニケーションを実現
営業としてよくある「この資料ってどこにある?」「この顧客のステイタスは?」このような業務の停滞が起きるような事態を解消することができます。Sales Hubは、営業チームのさまざまな業務プロセスに必要な情報と優れた機能を集約した使いやすいプラットフォームです。Sales Hubを使用することで煩雑な業務から解放されるだけでなく、何よりも大切な「顧客」に合わせたコミュニケーションが中長期的に行えるようになります。
※YouTube公式チャンネル:【HubSpot Sales Hubのご紹介】業務プロセスの摩擦を解消する営業支援ツール
Service Hub
Service Hubは、特に「Delight」の段階での顧客に対するサポート業務を支援するツールです。
- カスタマーポータル
- ウェブチャット
- カスタマーサービスの自動化
- 顧客アンケートによるフィードバック収集
サポート業務をするチームとサポートのチャネルを一元管理するために、ウェブチャットやチケット管理など、さまざまなツールが用意されています。また、チケット管理やタスクは自動化もでき、サポート体制の拡大や強化も可能です。顧客へのアンケート調査はもちろん、クローズまでの時間やクローズされたチケットに関するレポートの作成などにより、製品やサービスに対する顧客の印象を把握し、改善に繋げられます。
基本的な使い方
基本的な使い方として、以下の3つが挙げられます。
- 顧客との関係強化
- チームの業務効率化
- 顧客対応を行うチーム間の連携
Service Hubを導入すると、全ての顧客データを一元的なCRMプラットフォーム上で管理できるようになり、顧客への支援提供、顧客の維持率の向上、および顧客基盤の拡大が容易に可能になります。また、顧客の抱えているニーズや悩み別に、ナレッジベースなどで解決できるよう後押しすることで多くの顧客の満足度を高めるだけでなく、自社の業務効率化にも寄与します。
※YouTube公式チャンネル:【HubSpot Service Hubのご紹介】顧客満足度と維持率の向上を実現するカスタマー サービス ソフトウェア
CMS Hub
CMS Hubは、特に「Attract」の段階において、情報を発信するためのコンテンツを効率よく作成・管理・運用するためのシステムです。
- SEO推奨(アドバイス)
- ローカル環境でのウェブ開発
- 統合型のCRM
- ドラッグ&ドロップエディター
- コードアラート
- 無休体制のセキュリティー監視と脅威検出
- 標準のSSL
- ウェブサイトのパフォーマンス監視
魅力的なウェブサイトを簡単に制作するため、ドラッグ&ドロップエディターなどの機能が備わっていたり、ローカル環境でのウェブ開発が可能だったりします。ウェブサイトの最適化とパーソナライズを行うためのチャットやレポート作成などのツールもあり、SEOに関するアドバイスも受けられます。拡大するチームやウェブサイトを管理するためのさまざまな監視ツールなどもあります。
基本的な使い方
基本的な使い方として、以下の3つが挙げられます。
- マーケティング担当者:ホームページを簡単に作成
- 開発者:快適な開発環境
- IT担当者:セキュリティーの不安を解消
CMS Hubは、訪問者に合わせたコミュニケーションとしてウェブページのパーソナライズ、デスクトップとモバイルの各顧客に対して転換を促進するデバイス別最適化といった機能を備えた、優れたCMSです。
よくある開発者との工数や擦り合せなどの摩耗も起きづらい仕様になっており、柔軟に編集できるテーマを設定にしておくことで、マーケティング担当者による更新作業がスムーズになります。
また、ウェブサイトの安全性や信頼性に関しては、HubSpotのセキュリティーチームが無休体制で見守っているため、IT担当者も安心して導入・運用ができるでしょう。
※YouTube公式チャンネル:【HubSpot CMS Hubのご紹介】ウェブサイト管理の負荷を減らし、顧客体験の向上に注力することを実現
Operations Hub
Operations Hubは、顧客データの同期、ビジネスプロセスの自動化などに活用できるオペレーション支援ソフトウェアです。
- データ同期
- プログラマブルオートメーション
- チーム管理とユーザー権限
顧客データが部署ごとに個別で保存されていると、他部署との共有ができずサイロ化されてしまいます。各部署で保存する顧客データを同期して最新のデータを整理、データ集合の定義など、これまで手動で行っていたビジネスプロセスをひとつのCRMプラットフォーム上で自動化します。組織全体のデータを共有、データのクリーンアップ、カスタムプロパティーなど、さまざまな処理が行える統合型のツールで業務の効率化、データの整合性向上を目指せます。
基本的な使い方
基本的な使い方として、以下の3つが挙げられます。
- 顧客データの同期と整理
- あらゆるプロセスの自動化
- データ集合の定義とレポート作成
Operations Hubを導入すると、アプリ連携、顧客データ整理、データ集合の定義などの情報を自動的に1つのCRMプラットフォーム上で対応できます。
例えば、企業が成長する上でよくある「社内システムの間にひずみ」を解消できるのです。データが集積されていたとしても、一部門だけのデータとなっていては、本当の意味で会社の資産とはなりません。他部門へもシームレスにデータを連携する必要があるのです。
その点、Operations Hubであれば、組織全体を俯瞰する経営部門から営業部門のような特定機能の担当部門まで、その規模や体制にかかわらず効果的な連携 / 活用が可能です。その結果、ビジネスの効率、整合性、適応力を向上し、ひずみのないスムーズな顧客体験を提供するプロセスを生み出すことができます。
HubSpotの導入をオススメしたい企業の4つの特徴
※引用:ココナラ
ここまでHubSpot CRMでできること、7つの機能を解説してきましたが、結局「自社にHubSpotが合うの?と思われている方もいらっしゃるかと思います。
そこでHubSpot CRMが自社で合うかどうかを判別する4つのポイントについて紹介します。
- コストを抑えたい
- SEO対策に力を入れていきたい
- MAツールを導入していない
- ツール導入後の運用に不安を感じている
①コストを抑えたい
コストを抑えてツールを導入したい企業に、HubSpot CRMはオススメです。
有料契約をして理想と異なっていた場合、解約をして新たなツールを探すなどの手間がかかります。効率的なマーケティングを行いたい企業にとって、避けたい状況です。
ツール導入初心者でいきなり結果を求めるよりも、まずはお試し感覚でツールを利用して様子を見たいという人はHubSpot CRMを利用してみてください。
また、HubSpotの場合、無料で使える機能の多さと必要な機能を選定して導入できる点は非常に魅力的でしょう。
無料のツールとしては十分な機能が備わっていますが、慣れてきてもう少し機能の幅を増やしたいという方は、スタータープランという有料版もあります。
さらに、自社が提供したいサービス内容に合わせて、ツールの組み合わせを行えるのも、HubSpot CRMのメリットなので、必要な機能だけを導入でき、コスト削減が可能です。加えて余計な機能がないプラットフォームとなり、使いやすさを感じられます。
コストを抑えながら現在の課題をクリアしたい人は、試しに使ってみると良いでしょう。
参照:HubSpot価格表
②SEO対策に力を入れていきたい
検索エンジンのオーガニックな検索結果において、特定のウェブサイトを上位に表示したい企業にも、HubSpot CRMはおすすめです。
HubSpot CRMには、Webサイトや記事などのコンテンツ制作機能ができるツールもあり、自社サービスや顧客に有益な情報発信が可能となります。
コンテンツに興味関心をもってくれた顧客が自ら、自社に接触してくれるケースも生まれるため、人的コストを削減できるのです。また、サイトのパフォーマンスを測定・分析するためのアナリティクス機能など必要なものが含まれているため、ブログなどを寄稿するだけでなく、PDCAをより早く正確に回すことができ、中長期的にも施策が成功する確率が上がるでしょう。
まずは知っておきたい!SEO初心者がするべきことを徹底解説
SEO対策については「まずは知っておきたい!SEO初心者がするべきことを徹底解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
③MAツールを導入していない
初めてMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入検討している企業は、HubSpotから使い始めることをおすすめします。
他のMAツールからHubSpotに変更したことで作業効率がアップしたという口コミがあるように、全体的に他のMAツールよりも評価が高く、実績も申し分ありません。
特に、マーケティングで重要な顧客情報の収集に関する機能が豊富で、自動的に記録してくれる機能は、営業担当者からすると作業の負担は減り嬉しいポイントではないでしょうか。
メールや電話、チャットなど顧客とのコンタクトツールも多く、周辺作業のサポートをしてくれるので、一人ひとりの作業負担が少なくなるのは大きなメリットと言えます。
また、マーケティングやセールス、カスタマーサポートなどMAツールの全てが揃ったオールインワンパッケージですが、用途に応じて段階的に導入したり、一度にまとめて導入したり、どちらも選べる点も初心者にとって嬉しいポイントです。
さらに、Hubspotには潜在顧客の中からリード(見込み客)を見極めるために便利な機能があるので、顧客を絞って対応をすることができます。
優先順位をつけて顧客対応をすることができるので、重点的に顧客になりうるリードを対象にセールスできるのです。
業績をアップさせるには、いかにリードから顧客に発展させられるかが重要なので、効率良く結果を出したいなら必要な機能ではないでしょうか。
MAに必要な機能を自分で揃えるにはハードルが高いので、初めて使う方こそHubSpotから利用することをオススメします。
MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説
マーケティングオートメーションについては「MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
④導入後の運用に不安を感じている
ツールを導入後の運用体制やノウハウについて不安がある企業は、HubSpotだと導入後その不安を感じることは少なくできるでしょう。
HubSpotは、有料・無料ユーザーどちらでも使用できる、公式コミュニティがあります。
HubSpot販売パートナーや、連携アプリ開発者とコンタクトをとれるため、感じた不安点を解消したり、より円滑な運用方法を学んだりできるのです。
日本語版コミュニティもあるので、英語がわからないユーザーも安心してコミュニティを利用できるでしょう。
HubSpot導入支援〜失敗しないパートナー選定の3つのポイント
HubSpotのパートナー選定については「HubSpot導入支援〜失敗しないパートナー選定の3つのポイント」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
HubSpotを導入する2つの方法
上記で、HubSpot導入における課題と4つのサービスを説明しました。
そして、いざHubSpotを導入するとなると2つの方法があります。
- 自社で導入をする
- パートナーに相談をする
それぞれ、メリット / デメリットがあるため、自社に合った形でHubSpotの導入を進めていきましょう。
自社で導入をする
メリット
HubSpotを自社で導入するメリットは、3つあります。
- コミュニケーションコストが低い
- 素早く動くことができる
- 外注によるマージンが取られない
自社で導入する場合は、社外の方と話すことに比べてコミュニケーションコストが低く、社内の現場の声を素早く反映できるというメリットもあります。
実際に利用するのは現場で働く従業員であり、その声を拾い上げずして自社に最適化されたシステム環境を構築することはできません。直接的なコミュニケーションによって細かいニュアンスを汲み取れるため、自社に最適化された仕様を実装できる可能性が高まります。
また、自社で導入すれば外注によるマージン分がなくなるため、より安価なコストで導入を進めることができるでしょう。
デメリット
一方で、自社で導入するデメリットは、以下の2つです。
- 専門的な知識を有する高度な人材を集めなくてはならない
- リソース不足でコア業務に支障が出てしまう
専門的な知識を有する高度な人材を集めなくてはならない点です。高度な人材がいない場合、自社に最適化した戦略設計ができていないために「ツールを導入して終わり」となってしまうケースも多くあります。また、人的資源を開発業務に割く必要があるため、業績向上に直結するコア業務に投入できるリソースが減少するというデメリットがあります。そして、HubSpotは正しく運用し続けて価値を生み出すツールなので、専任が退職する等の状況になった際に運用が継続できなくなる可能性があることも念頭に置いておきましょう。
パートナーに相談をする
HubSpotには、数多くのパートナー企業が存在します。
もし、自社でノウハウやリソースの確保が難しい場合は、パートナーに相談することをオススメします。そこで、パートナーに相談する場合のメリット / デメリットを確認していきます。
メリット
HubSpotをパートナーから導入するメリットには、大きく3つあります。
- 戦略(シナリオ)設計や、検証・改善の提案が受けられる
- 成功パターンや詳細なナレッジを最大限享受できる
- 導入方法や利用方法など、不明な点についてサポートを受けることができる
最も大きなメリットはMA戦略の設計や、検証・改善の提案が受けられることにあります。
HubSpotを導入し目標を達成するには、自社に最適化した戦略の設計が必要ですし、パートナーという立場上、色々な会社を支援しているからこそ、成功パターンやナレッジが蓄積されており、最大限利用できる点も大きなメリットでしょう。
また、戦略通りに実行した各施策の検証や改善も正しく行わなければなりません。
これら一連のPDCA業務に関して、豊富な経験から提案を受けることは最短で成功するためには欠かせません。
またHubSpotは、もともと使いやすいUIとなっていますが、それでも使い方に困ることもあるでしょう。そのような時にもパートナーは心強いパートナーになってくれます。
このようにHubSpotをパートナーから導入するメリットは大きいのです。
デメリット
一方でパートナーを利用する場合は、自社のビジネス内容や事業環境をパートナーに把握してもらう必要があります。
それに必要なコミュニケーションに時間がかかってしまうことがデメリットになりえます。
そのため、HubSpotを導入してすぐに戦略設計や設定に取り掛かることは困難です。
とはいえ、自社に最適化した戦略設計ができていなければ、バケツに穴が空いた状態と同じです。
そのため、自社で最適化した戦略設計が難しい場合は、パートナーに相談することも視野に入れましょう。
パートナーの選び方|3つのポイント
HubSpotの導入する2つの方法についてご紹介をしてきました。では、実際に自社がパートナーに相談してHubSpotを導入する際には、どのような視点を持ちながらパートナー企業を選び、サポートを依頼すれば良いのでしょう。ここでは選び方のポイントとコツをHubSpot Premium正規パートナーである弊社の見解から解説します。
1. 自社の課題解決にマッチした導入支援をおこなってくれるか
HubSpotでどんな自社の課題を解決したいのか?、さらに、どの部分は自社のリソースで対応できて、どの部分を導入支援パートナーのリソースやノウハウに期待しているのか、役割分担を明確にした上で、相談することをおすすめします。
パートナーによっては、実態は御用聞き(オペレーション代行等)の場合もあるので、自社の課題に対して改善パターンを提示できるナレッジや体制が整っているのかも確認できると良いでしょう。
また、HubSpotの導入支援ができる正規パートナーといっても、それぞれの会社によって得意な領域が異なります。
コンテンツを作成してインバウンドマーケティングを行いたいなら、SEO対策やWEBサイト運用に強いパートナー企業を選ぶべきです。オンライン広告から集客した見込み客を効率良く育成したいならば、運用型広告を得意とするパートナー企業にサポートを依頼すべきです。マーケティング戦略の策定から支援を受けたいなら、コンサルティングの知見を持ったパートナー企業を探すべきでしょう。
まずは、優先度の高い課題は何で、どの部分の支援を依頼するのか、整理してから導入支援パートナーを探したほうが、目的が明確なため比較検討しやすく、結果、自社に合ったパートナーを選ぶことに繋がります。
そのため、自社の課題解決のための見積もりを依頼する際には、簡易的で良いので、事前に自社の状況を把握するための洗い出しを行うことをオススメします。
2. 自社の課題やニーズに近い支援実績があるか
得意分野から候補に上がったパートナー企業が、どのような支援実績があるのか確認しましょう。HubSpotは日本に本格上陸してから約7年と、まだ新しい部類のツールです。豊富な実績を持ち、ノウハウを蓄積している企業は多くはありません。
ただし、パートナー企業になってからの年数であったり、これまでに支援した会社の数だけで判断するのは危険です。多くの導入支援実績数があっても、HubSpotをただツールとして導入設定のみを行なっている場合には、実績としてベストかは疑問が残るでしょう。
一番大事なのは、自社の課題やニーズに近い支援実績があるかどうかです。また、自社がHubSpotを導入する目的や現在利用しているツールや組織体制、マーケティング戦略から相談してみて、パートナー企業の実績を判断できるとより良いです。
また、実際にパートナー企業がHubSpotを取り入れているかも確認しておくと良いでしょう。なぜなら、実際に導入しているためユーザーの立場として課題感や悩みを理解することができるため、ユーザーに寄り添ったサポートを受けることができます。
あくまで一例ですが、弊社リードプラスの場合、BtoB企業でインバウンドマーケティングを始めたい企業での支援実績と自社でもHubSpotを使っているノウハウが豊富にあります。
そのため「弊社はBtoBだけど、今後アウトバウンドの”押しの営業”は辞めて、時代に即したインバウンドマーケティングで”引きの営業”をやっていきたい」のようなニーズがある企業の方には非常にマッチシている可能性があります。
3. サポートしてほしい範囲に対して費用面が適切であるか
自社の課題解決にマッチした導入支援を行ってくれるのか、自社の課題やニーズに近い支援実績があるか、この2点に加えてサポート範囲での費用面も確認が必要です。
HubSpot導入支援と言っても、初期設定して使い始められれば終わりというわけではありません。実際に運用段階に入っても、パートナー企業とは取引が続きます。そのため、HubSpotの導入支援フェーズの、どこまでの範囲をカバーした見積もりになっているか、不明な点は導入支援パートナーに詳しく聞いた上で、事前に見積りの内容をきちんと理解しておくことをおすすめします。
また、できれば、導入支援後の運用段階のサポートなども一定期間支援してもらう予算もあらかじめとっておくこともおすすめします。
自社の計画とパートナー企業のサポート内容をすり合わせたうえで、年間予算や月額予算で見て、無理のない金額で受けられるサービスを選びます。
HubSpotの導入事例4選
ここまで、パートナーの選び方について解説してきました。本章では、弊社でHubSpotの導入支援を行った企業様での事例をご紹介していきます。
- リードプラス株式会社
- ヒューマンセントリックス
- Microsoft
- Box Japan
1.リードプラス株式会社
リードプラス株式会社は、HubSpotを活用した包括的なインバウンドマーケティングの支援を2015年から提供しています。ウェブサイトの構築からデジタルマーケティングの企画、設計、導入、運営およびコンテンツ制作などを支援しながら、自社の見込客獲得もHubSpotのブログから行っています。
図内の緑のグラフは、自然検索からの流入数を表しています。詳しい数値はお見せできませんが、ブログマーケティングを始めたところ、圧倒的な集客力を獲得しました。
さらにCTAとして追加のeBookを作成し、ブログ記事を量産する体制を作り始めてからリードの獲得率は約半年間で0.5%から1.0%程度まで上昇、顧客数も3倍以上となりました。
2.ヒューマンセントリックス
株式会社ヒューマンセントリックスは、BtoBに特化した動画制作を提供している会社です。ヒューマンセントリックス様では、ほぼ毎週更新されるブログによって、問い合わせ数や売上の増加に成功しています。
本ブログの魅力は、セミナーや教育、IRといったシーン別の動画制作ポイントなどを分かりやすく紹介している点です。また多数の動画を動画制作コスト別に整理することで、訪問者がサービスの価格や内容を理解し安心感を与えることに成功しています。「リモートワーク時代の動画配信まるわかりガイド」など、ダウンロードコンテンツを厳選して作成している点も注目したいポイントです。
3.Microsoft
Microsoft様は、Windows・Officeなど幅広いソフトウェア製品を開発・販売する世界的企業です。
Microsoft社が販売する「法人向け Microsoft Office 365」 や 「SharePoint Server」 などのソリューション購入を促すことを目的に、オウンドメディア施策を開始しました。
開始後1年で、初年度ROI420%達成。さらに、有望な見込み顧客の獲得数が年末時点の6〜7倍になり、そのうち約20%の方が購買に至るという成果を上げました。
他にもMicrosoft様では、パートナー企業とインバウンドマーケティングを活用したエコシステム※を構築・運用しています。本エコシステムでは、パートナー企業がマイクロソフト社製品に関わるWebサイトの開設・セミナー開催などを行います。その上でリードパスがパートナー企業に行われます。
現在、本エコシステムに関連するポータルサイトは、以下のように製品別・目的別に公開されている状況です。
製品名・目的 |
サイトURL |
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Microsoft Dynamic365 |
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Microsoft Azure |
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Microsoft 365 |
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Digital Transformation |
※エコシステムとは
ビジネスにおけるエコシステムとは、国や業界を超え複数の企業が連携し合うことにより、互いに収益をあげる仕組み・構造のことです。
上記サイトでは、様々な業務課題・IT課題の解決に役立つ知識やソリューション情報を提供しています。上記で獲得したリードについては適宜パートナーと共有することで、互いの成果を高めています。本サイトの運営の中で、個々のパートナー向けに別途月次報告会やアンケートを実施し、オペレーション面での改善も継続しています。
日本マイクロソフト株式会社 事例
事例記事「日本マイクロソフト株式会社 開始後1年でROI420%を達成!」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
4.Box Japan
Box Japan様はコンテンツ管理プラットフォーム「Box」の、日本におけるグローバルパートナーです。Box Japan様ではBoxのオウンメディアや、「デジタルワークプレイス」をテーマとしたコミュニティサイトを運用しています。
Box Japanでは企業規模に応じたセグメントを定義して、営業・マーケティング活動の連携を図っている状況です。たとえば営業の注力企業に獲得したリードを速やかに渡したり、セグメント分析から改善をはかったりといった活動を続けています。これら活動が売上に大きく貢献していることから、インバウンドマーケティングの注目したい事例の1つです。
導入がゴールではなく、あくまでスタート
HubSpotは見込み客を見つけて育成し、顧客にするインバウンドマーケティングとセールス一体型の非常に強力なツールです。
しかし、現在インバウンドマーケティングという考え方は、まだまだ一般的に普及しているとは言えません。そのため、HubSpot導入のハードルも高いのが現状です。
そこで検討を視野に入れたいのが、パートナーへの相談です。
自社だけでリサーチをしても難しい専門性のある領域や、HubSpotの一歩進んだ活用方法についてもサポートを受けることができます。
また、一番重要なのは、HubSpot導入後です。例え導入ができたとしても運用が出来なければ、極論「溝にお金を捨てる」ことと同義になってしまいます。自社の本質的な課題を明確にしながら、HubSpotでの課題解決方法を模索し、PDCAをまわしていくといった、プロジェクトマネジメント体制を作り上げていきましょう。
HubSpotの導入支援は、このPDCAを回すための第一ステップであり、大切なのはその後の運用です。
つまり、パートナーに相談する際には、導入時だけでなく、その後の運用パートナーとして中長期的に付き合っていけるのか、という視点で選ばれることをオススメします。