facebookのコレクション広告とは? 3つの特徴と宣伝効果を出す方法4つ!
facebook広告では、「モノ」の商品からサービスまで幅広い商材を、「リーチ」や「来店数の増加」といったマーケティングの目的に合わせて作成して宣伝できます。
そんなfacebook広告には、商品ブランドの認知度アップからコンバージョン(商品の購入や問い合わせなどの成果)まで一連のアクションをユーザーに促せる広告の種類が存在します。
それが、「コレクション広告」です。
本記事では、facebookのコレクション広告の概要と特徴、宣伝効果を高めるコレクション広告の出し方とコレクション広告の導入事例をご紹介します。
「facebookで自社商品ブランドを多くの人に知ってもらって、成約につなげたい!」と考えている方の参考になれば幸いです。
※本記事のスクリーンショットや公式ヘルプページ情報は、2019年5月時点のものです。今後のアップデートにより、画面が変わる可能性があります。
1. facebookコレクション広告の基本情報
facebookのコレクション広告は、2017年にリリースされた比較的新しい広告です。
facebook広告は、画像や動画、スライドショー1枚で作られるのが一般的ですが、コレクション広告は、メイン広告+商品カタログ(インスタントエクスペリエンス) の2部構成になっているのが特徴です。
メイン広告はユーザーが最初に目にするもので、クリエイティブ(メディア)として画像や動画、スライドショーを使うことができます。
商品カタログは、メイン広告の下にある商品のサムネイル(商品カタログの縮小版)をタップすると、表示されるしくみになっています。
コレクション広告は、複数の「モノ」の商品をfacebookで宣伝したいときに有効です。たとえば、洋服やジュエリーといったコレクションがある商品や、宣伝したい商品とその関連商品などが該当します。
イメージの引用元:Facebookの「コレクション」でショッピングがもっと楽しく
1-1. コレクション広告の掲載場所
コレクション広告は、facebookのニュースフィード(ユーザーがフォローしている友達やfacebookページの投稿が表示される場所)に配信されます。
投稿と混ざって表示されるので、認識してもらいやすいのが特徴です。
イメージ引用元:facebookコレクション広告のフォーマット
※イメージは英語版の広告サンプルです。ご了承ください。
1-2. コレクション広告の要件
コレクション広告のメイン広告と商品カタログに使用できるクリエイティブの要件は、次の通りです。
【メイン広告】
- 画像の場合
- 動画の場合
- スライドショーの場合
【商品カタログ】
商品カタログには、画像と動画、スライドショーの3つのクリエイティブを入れることができます。そして、最低4つの商品を載せる必要があります。
商品画像は、幅1,080ピクセルの画像が使えます。動画は、ファイル形式が.mp4もしくは.mov、2分以内の動画を使うことが推奨されています。スライドショーは、最大10枚の画像や動画を使って作成できます。
※1. アスペクト比のイメージは、以下を参考にしてください。
イメージ引用元:配置でサポートされるアスペクト比
- “Full Landscape”:フルスクリーンの横長
- “Square”:正方形
- “Vertical”:縦長
- “Full Portrait/Vertical”:フルスクリーンの縦長
2. コレクション広告の特徴3つ
コレクション広告には、主に3つの特徴があります。
2-1. 商品ブランドの認知からコンバージョンまでつなげられる
コレクション広告の最大の特徴は、「商品ブランドの認知からコンバージョンまでつなげられること」といえます。この特徴は、コレクション広告の構造を見れば理解できます。
1. facebookコレクション広告の基本情報で説明したように、コレクション広告はメイン広告+商品カタログの2部構成になっています。
ユーザーはまず、ニュースフィードでメイン広告を目にすることになります。
ニュースフィードでユーザーにメイン広告を見てもらえたら、「こんな商品を売っている企業があるんだ!」と認識してもらいやすくなります。これが、「商品ブランドの認知」です。
そして、このメイン広告の下にある商品のサムネイルをタップすると、商品カタログが表示されることも1. facebookコレクション広告の基本情報で説明しましたが、実はこの商品カタログでユーザーは、商品を購入できるWebサイトやアプリなどにアクセスして買い物ができるようになっています。これが、「コンバージョン」です。
イメージ引用元:製品の閲覧を簡単にする
※イメージは英語版の広告サンプルです。購入Webサイトやアプリに飛ぶリンクのテキストやその場所は、配信するコレクション広告の種類によって異なります。
つまり、コレクション広告は、広告でありながらも、まるでショッピングをしているかのようにユーザーを楽しませることができる広告なのです。
コレクション広告を見て商品購入まで至らなくても、ブランドの存在は知ってもらうことができます。ユーザーの広告想起率のアップにもつながるでしょう。
2-2. 目的に合った商品カタログを簡単に作れる
コレクション広告の商品カタログは、目的に合わせて簡単に作成できます。facebookには、コレクション広告を配信して期待したい成果が達成されるような商品カタログのテンプレートが用意されているからです。
facebookで用意されている商品カタログのテンプレートは、5つあります。
1. インスタントストアフロント
インスタントストアフロントは、商品カタログの基本のテンプレートです。画面を格子状に分けて商品を紹介します。
イメージ引用元:facebookインスタントエクスペリエンス
インスタントストアフロントを使うと一画面で多くの商品を掲載できるので、商品ブランドの認知度アップを高められます。
2. インスタントフォーム
インスタントフォームは、広告を見たユーザーに対して自社への問い合わせを促せるテンプレートです。メイン広告をタップすると、商品カタログではなく、資料請求フォームが表示されます。
イメージ引用元:facebookインスタントエクスペリエンス
※インスタントフォームのイメージは、英語版広告のサンプルです。問い合わせフォームは、作成する広告によって異なります。
インスタントフォームは、ユーザーが商品に対して知りたい内容をすぐに入手できるようなしくみが整っているのが特徴です。
3. インスタントに顧客を獲得
「インスタントに顧客を獲得」は、ランディングページを表示してコンバージョンを増やすために使われるテンプレートです。
イメージ引用元:facebookインスタントエクスペリエンス
※「インスタントに顧客を獲得」のイメージは、英語版広告のサンプルです。
ランディングページとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに表示される広告(リスティング広告)やWebサイトにある広告のリンクをクリックすると表示されるWebページのことです。インターネットで商材を宣伝して売り上げを伸ばしたいときに使われます。
ランディングページには、広告を配信するターゲットが知りたい情報を入れたり、商品の購入や問い合わせができたりするフォームなどを入れます。こうすることで、わざわざユーザーに自社の公式サイトへ訪問してもらわなくても済むようにするのです。
【ランディングページの例】
「インスタントに顧客を獲得」のテンプレートを使用すれば、このようなランディングページをfacebook上で表示させることが可能になります。
商材の情報提供から購入・問い合わせまで全て行えて、新たな顧客を獲得できる可能性が高まります。
4. インスタントストーリーテリング
「インスタントストーリーテリング」は、商材をストーリー仕立てで宣伝できるテンプレートです。
イメージ引用元:facebookインスタントエクスペリエンス
※インスタントストーリーテリングのイメージは、英語版広告のサンプルです。
インスタントストーリーテリングは、商品やブランドの立ち上げまでのヒストリーを紹介して、商品ブランドの認知度アップにつなげたいときに適しているでしょう。
5. インスタントカタログ
「インスタントカタログ」は、宣伝したい商材を実際に使っている様子を撮った画像や動画を使うテンプレートです。
イメージ引用元:facebookインスタントエクスペリエンス
※インスタントカタログのイメージは、英語版広告のサンプルです。
インスタントカタログは、宣伝したい商材の活用例を示すことができて、購入意欲を掻き立てやすいのがメリットといえます。
2-3. 広告の宣伝効果が分かる
facebookのコレクション広告では、「アウトバンドクリック」を確認することができます。
アウトバンドクリックとは、コレクション広告の商品カタログを閲覧したあと、自社のWebサイトにアクセスしたユーザーがどのくらいいるのか、その人数を示す指標のことです。コレクション広告の宣伝効果を具体的な数値で確認できるのです。
配信したコレクション広告のアウトバンドクリックを分析すれば、反応が良いコレクション広告が分かるので、次回異なる商材でコレクション広告を出すときの参考材料になります。
なお、このアウトバンドクリックは、facebookで配信する広告を作ったり、配信後の広告のパフォーマンスを確認できたりする広告マネージャで確認できます。
広告マネージャについて詳しくは、TENJUKU掲載の以下の記事で紹介しているのでご覧ください。
★facebook広告マネージャとは?3つの特徴と基本機能を紹介!
3. コレクション広告の効果を出す方法4つ
コレクション広告は、次の4つの方法で作成すると宣伝効果を高められます。
3-1. メイン広告に動画を使う
ユーザーがニュースフィードを見ていてまず目に入るコレクション広告のメイン広告には、動画を使うと良いです。画像や写真などの静止画が多いニュースフィードにある音声と動きのある動画は、ユーザーの目に留まりやすいからです。
現にfacebookは、広告に動画を使うことを推奨しています。というのも、今はスマホなどのモバイル機器で動画を観る機会が増えて、動画がより身近な存在になっているからです。
facebookは、「2020年までにモバイルデータ通信量の75%が動画になると予想されています。」(※)と言及しています。
今後も、スマホなどのモバイル機器で動画を観る機会はますます増加することが予想されるので、広告には動画を使ったほうがユーザーの印象に残しやすいといえるのです。
※引用元:動画で人の心を動かしましょう
3-2. 商品のサムネイルには厳選した商材を載せる
メイン広告の下に表示される商品のサムネイルには、厳選した商材を載せると良いです。サムネイルは、ユーザーがコレクション広告を見たときに最初に目にするメイン広告の一部だからです。
商品のサムネイルには、商材画像が4点表示されます。
イメージ引用元:コレクション広告で製品の発見と購入を促す
商品のサムネイルに表示される4つの商品画像は、facebookが自動的に人気順やユーザーが買ってくれそうな商品順で配置してくれます。
しかしこちらで、商品のサムネイルに表示させる4商品を手動で選択することも可能なのです。
商品のサムネイルでおすすめ商材や新商品、ブランドの魅力が伝わる商材など、ユーザーに知ってもらいたい商品画像を選べば、自社ブランドの特徴や商品の基本情報をより知ってもらえる可能性が高まります。
3-3. カタログに50点以上の商品を載せる
商品カタログには、多くの商品を載せると良いです。カタログに商品を多く提示すればするほど、ユーザーに自社商品を知ってもらえるからです。
facebookでは、商品カタログに50点以上の商品を載せることを推奨しています。50点以上なくても、自社で展開している商品をなるべく多く載せるとブランド認知を高められるでしょう。
3-4. テンプレートを活用する
商品カタログを、自力ではなく2-2. 目的に合った広告を簡単に作れるで説明したテンプレートを活用するのも良いでしょう。
テンプレートを使用すれば、「どのように商品カタログを作れば宣伝効果があるか?」を考える時間や広告制作時間を短縮できるのはもちろん、コレクション広告を配信して得たい成果を達成できるような商品カタログを作成できます。
また、コレクション広告の作成で使う広告マネージャでは、商品カタログのテンプレートのヘルプを参照できます。
ヘルプには、各テンプレートの概要と、どのようなときに使うといいかが明確に記されています。
宣伝したい商材や求める成果に応じてテンプレートを選べるようになっているのは、大変便利なことではないでしょうか。
4. コレクション広告の導入事例
最後に、コレクション広告を配信して成功した世界的に有名なスポーツウェアメーカー・adidasの事例をご紹介しましょう。
イメージ引用元:adidas | Facebook for Business
adidasは、コレクション広告配信によって「コンバージョンにかけるコストを43%削減」と「広告費用対売り上げが5.3倍増加」を実現したそうです。
adidasがfacebookに出したコレクション広告は、次の通りです。
【コレクション広告で実現したいこと】
- アスリート向けのウェア “Z.N.E Hoodie” を魅力的な動画を使って宣伝したい
- Z.N.E Hoodie関連商品も一緒に宣伝したい
- Z.N.E Hoodieの使用イメージを沸かすため、人物を使って宣伝したい
【コレクション広告に凝らした工夫】
- メイン広告に動画を採用した
- 防音効果などZ.N.E Hoodieの革新的な特徴を伝えるため、映画のような動画広告を作成した
- スウェットパンツや靴など、Z.N.E Hoodieの関連商品を商品のサムネイルに載せた
ユーザーが最初に見るメイン広告の動画を映画のワンシーンのように躍動感を持たせて作ったことが、ユーザーの目を惹かせた勝因といえるでしょう。
また、Z.N.E Hoodieの関連商品も併せて訴求したことも、成功ポイントといえるかもしれませんね。
思わず手を止めて見てしまうような動画をメイン広告とし、メイン商材と併せて関連商品を複数宣伝することが、コレクション広告の配信を成功させるといえそうです。
まとめ
facebookのコレクション広告は、メイン広告と商品カタログ(インスタントエクスペリエンス)の2つで構成される広告です。
商品ブランドの認知度アップからコンバージョンまで一連のアクションをユーザーに促したいときに、適している広告といえます。
自社で展開している複数の商品や商品のコレクションをfacebookで宣伝したいときは、コレクション広告を活用してみてくださいね。