成果を増大させるFacebook広告のターゲティング秘策3つ
Facebook広告の成果を高めるために重要な要素となるのが、ターゲティングです。
ターゲティングとは、どこの どのようなユーザー層(Facebookを使っている人たち)に、広告を配信するのか、もしくは、配信しないのか、を設定することです。
突然ですが、あなたがFacebook広告を配信する目的は何ですか?
新しいサービス・商品を広く多くのユーザーに知ってもらうためですか?
ウェブサイトでお問い合わせしてもらうためですか?
どのような目的のケースでも、あなたの目的に合わせた適切なターゲティング設定をしないと、Facebook広告で望む成果を得るのは難しいでしょう。
そのためには、Facebook広告で設定できるターゲティングの種類や活用法を知っておく必要があります。
そこで、ここでは、Facebook広告のターゲティングの種類から、成果を増大させるためのターゲティング活用法、そして、注意点までをご紹介します。
本記事を参考にしていただくことで、Facebook広告の成果を向上させることができます。
※本記事のスクリーンショットや公式ヘルプページ情報は、2018年6月末時点のものです。今後のアップデートにより、画面が異なる可能性があります。
Facebook広告のターゲティングの種類3つ
Facebook広告で設定できるターゲティングの種類は、大きく分けて3つあります。
- コアオーディエンス
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
Facebook広告では、広告配信するユーザー層、もしくは、広告配信から除外するユーザー層を「オーディエンス」と呼んでいます。
3種類のオーディエンスの使い分けが、Facebook広告を成功させるうえで非常に重要となってきます。
結論をお伝えすると、下図のようにファネルに合わせて3種類のオーディエンスを使い分けます。(ファネルとは、マーケティングで よく使用されるパーチェスファネル・購買ファネルを指します)
- 認知を獲得、興味を抱いてもらうためには、コアオーディエンス
- ユーザーをコンバージョンへ導くためには、カスタムオーディエンス
- 新規見込み客を拡大するためには、類似オーディエンス
一つずつ、概要を見ていきましょう。
認知を獲得、興味を抱いてもらうターゲティング【コアオーディエンス】
1つ目のターゲティング種類は、「コアオーディエンス」です。
コアオーディエンスとは、主にユーザーがFacebookに登録している情報に基づくターゲティング種別で、認知を獲得する目的に適しています。
コアオーディエンスで設定できる情報一例
これらの情報を使用することで、以下のようなユーザー層をターゲティングできます。
- 千葉県に住んでいる40歳以上の男女
- 東京都世田谷区に住んでいる30代女性、既婚
- 大阪府に住んでいる30代男性、ダイエットに興味がある など
「千葉県に住んでいる40歳以上の男女」のように、少し広めのユーザー層を設定して、多くのユーザーに自社のサービス・商品を認知させたり、「●●に興味がある」などを追加して、自社のサービス・商品に興味を抱いてくれそうなユーザー層に絞り込みをかけたりすることもできます。
したがって、ファネルでいうところの「非認知」層のユーザーに、自社のサービス・商品を認知させて、興味・関心を獲得する目的のときに、コアオーディエンスが適しています。
コンバージョンへ導くターゲティング【カスタムオーディエンス】
2つ目のターゲティング種類は、「カスタムオーディエンス」です。
カスタムオーディエンスとは、過去に自社と何かしらの接点があったユーザーをターゲティングできる種別で、コンバージョンを獲得する目的に適しています。
「何かしらの接点があったユーザー」とは、例えば、以下のような接点を指します。
- 自社のFacebookページにアクセスしたことがある人
- Facebookに投稿した動画を再生した人
- 自社ウェブサイトのウェブフォームの入力ページを閲覧したけど離脱してしまった人 など
このようなユーザーは、自社を認知済み、且つ、自社のサービスや商品に興味・関心を示してくれた可能性が高いです。
カスタムオーディエンスを活用することで、上記のように興味・関心を示してくれたユーザーだけを狙って、コンバージョンへ導くための広告(魅力的なオファー)を、効率よく配信できます。
新規見込み客を拡大するターゲティング【類似オーディエンス】
3つ目のターゲティング種類は、「類似オーディエンス」です。
類似オーディエンスとは、カスタムオーディエンスで設定したユーザーと、年齢・性別や興味・関心などが共通の特徴を持った別のユーザーをターゲティングできる種別で、新規見込み客の獲得を狙っていく目的に適しています。
例えば、以下のようなユーザーをターゲティングできます。
- 自社の顧客データベースに入っている人たちと、似たような特徴を持つ別のユーザー
- 自社ウェブサイトのウェブフォームを送信完了した人たちと、似たような特徴を持つ別のユーザー
このようなユーザーは、既存顧客や、自社のウェブサイトでコンバージョンした人たちと共通の特徴を持っているので、比較的、自社のサービス・商品に関心を持ってくれる可能性が高いです。
したがって、優良な新規見込み客を拡大・獲得していく目的の場合に、非常に有効なターゲティング種別なのです。
Facebook広告の成果を増大させるターゲティング活用法
1章では、Facebook広告のターゲティング種類と概要をご紹介しました。
ターゲティングは単体で使用しても良いのですが、3種類を連携させていくことで、Facebook広告の成果を増大させることができます。
ここでは、その活用法をご紹介していきます。
冒頭でも掲載しました、下図を改めてご覧ください。
3種類を連携させていくというのは、図の青い矢印の流れを構築していくことを指します。
(1)コアオーディエンスで、多くのユーザーに広告を配信する
↓
(2)その中で広告にアクションしてくれたユーザーをカスタムオーディエンスでターゲティングする
↓
(3)カスタムオーディエンスでターゲティングしたユーザーに、コンバージョン獲得目的の広告を配信する
↓
(4)コンバージョンしたユーザーの類似オーディエンスを作成する
↓
(5)類似オーディエンスのユーザーに対して、広告を配信する
↓
(6)(2)のステップに戻る
自社のサービス・商品を知らないユーザーから認知を獲得して、コンバージョンへと導き、コンバージョンユーザーのデータを基にして、新しい優良な見込み客をさらに狙っていく、というイメージです。
これを実現するために、具体的な設定のポイントを見ていきましょう。
コアオーディエンスは、少し広めの設定で認知獲得をめざす
まず、コアオーディエンスで認知と興味・関心を獲得するステップにおけるポイントです。
ポイントは、「オーディエンスサイズは少し広めにする」という点です。
オーディエンスサイズとは、広告マネージャで、コアオーディエンスの属性に該当する「地域」や「年齢」「性別」「趣味」などをセットしたときに、画面右側に表示されるメータ(推定値)のことを指します。(下図がサンプルです)
オーディエンスサイズは、「ターゲット層が少々広すぎます。」がオススメ
コアオーディエンスで認知獲得をめざす際のオーディエンスサイズは、「ターゲット層が少々広すぎます。」をオススメします。
その理由は2つあります。
1つ目は、Facebook広告の「最適化」機能を有効活用するためです。
Facebook広告には「最適化」という機能が備わっていて、オーディエンスで設定したユーザー群の中から、Facebookのシステムが、効果が見込めそうなユーザーを探し出して、優先的に、その人たちへ広告配信してくれます。
最適化をうまく機能させるためには、そもそものユーザー母数が多く、収集できるデータ量も多い方が望ましいです。
2つ目は、カスタムオーディエンスへとつないでいくユーザー数を多くしたいためです。
もし、認知と興味・関心を獲得するステップの段階で、ユーザーをふるいにかけて除外しすぎてしまうと、次のステップ「カスタムオーディエンス」のユーザー数も少なくなってしまいます。
カスタムオーディエンスのユーザー数が少なくなってしまうと、コンバージョンに至るユーザー数を増やすのが難しくなります。
したがって、コンバージョンを獲得するためには、Facebookの最適化機能に加えて、そもそもの広告配信対象者も広めに確保して、次のステップ「カスタムオーディエンス」のユーザー数を増やしておくのが理想です。
以上の理由から、コアオーディエンスで認知と興味・関心を獲得するステップでは、「オーディエンスサイズは少し広めにする」ことがポイントになります。
なお、広告マネージャ内で、コアオーディエンスの属性に該当する項目は、下図のオレンジ色枠部分です。
カスタムオーディエンスは、興味・関心度の高いユーザーを狙う
続いて、カスタムオーディエンスでコンバージョンへと導いていくステップにおけるポイントです。
ポイントは、「興味・関心度の高いユーザーを狙う」という点です。
興味・関心度とは、例えば、以下のようなことを指しています。
コアオーディエンスで、動画広告を配信していた場合
動画時間の25%まで再生したユーザーよりも、動画時間の95%まで再生したユーザーの方が、興味・関心度が高い。
コアオーディエンスで、クリックしたらウェブサイトへ遷移する広告を配信していた場合
ランディングしたウェブページだけ見て すぐに離脱したユーザーよりも、お問い合わせや資料請求ページを閲覧したユーザーの方が、興味・関心度が高い。
どちらの場合も、興味・関心度の高いユーザーに対して広告を配信しましょう。
それは、なぜか?
理由は簡単で、興味・関心度が高い、つまり、他のユーザーと比較して、モチベーションがコンバージョンに近い距離にある可能性が高いからです。
興味・関心度が高いユーザーを抽出して、背中を一押しする広告を届ける
コアオーディエンスで広く集めてきたユーザーの中から、カスタムオーディエンスの設定によって、「動画を95%まで再生したユーザー」や「お問い合わせや資料請求ページを閲覧したユーザー」といったユーザーを抽出することができます。
抽出したこれらのユーザーに対して、「期間限定キャンペーン情報」や「サービスを利用されたお客様の声・事例」など、コンバージョンへの背中を一押しできるようなコンテンツを、広告で届けることにより、効率的にコンバージョンへ導いていけるのです。
カスタムオーディエンスを設定するためには、「カスタムオーディエンスリスト」というリストを作成する必要があります。
上記の例だと、以下のようなカスタムオーディエンスリストを作成して、配信対象としてセットします。
- 動画を95%まで再生したユーザーリスト
- お問い合わせや資料請求ページを閲覧したユーザーリスト
なお、カスタムオーディエンスの詳細な設定方法は、別記事で紹介しておりますので、ご参照ください。
類似オーディエンスは、コンバージョンユーザーのオーディエンスサイズ1%を使用する
続いて、類似オーディエンスで新規見込み客を拡大していくステップにおけるポイントです。
ポイントは、「コンバージョンユーザーのオーディエンスサイズ1%を使用する」という点です。
類似オーディエンスにおける「オーディエンスサイズ」とは、基になるカスタムオーディエンスリストに対して、どれぐらいの幅で類似度を広げるか、という条件指定のことを指します。
オーディエンスサイズは、1%~10%の範囲で選択できます。
基になるカスタムオーディエンスリストのユーザーと、年齢・性別や興味・関心などが最も類似して精度も高い(類似度が高い)のが、「1%」という指定になります。
類似度は高いですが、含まれるユーザー数は少なくなります。
今回ご紹介している活用法において、「基になるカスタムオーディエンスリスト」は、「コンバージョンしたユーザーのリスト」を使用します。
したがって、コンバージョンユーザーリストのオーディエンスサイズ1%を作成して広告配信しましょう、ということになります。
それは、なぜか?
理由は簡単で、精度が高いため、新規見込み客ユーザーが広告に対して反応してくれる可能性も高まるからです。
1%で成果が良かった場合、且つ、使える広告予算があるのであれば、2%、3%へサイズを広げて検証するのも良いでしょう。
なお、類似オーディエンスも、詳細と設定方法などを別記事で解説していますので、ご参照ください。
ターゲティングにおける注意点4つ
Facebook広告のターゲティング種類と、成果を増大させる活用法をご紹介してきましたが、最後に、オーディエンスを設定する上で、注意しなければいけない点を4つお伝えします。
3-1.オーディエンスを絞り込み過ぎない
3-2.オーディエンスのandとor設定を間違えない
3-3.広告セット間でオーディエンスを重複させない
3-4.類似オーディエンスに余計なターゲット設定を追加しない
一つずつ見ていきましょう。
オーディエンスを絞り込み過ぎない
1つ目の注意点は、「オーディエンスを絞り込み過ぎない」ことです。
これは特に、コアオーディエンスで認知を獲得しようと考えているときに、陥りがちな注意点です。
広告を無駄に配信したくない、という気持ちが強くなりすぎて、配信対象ユーザーを絞り込み過ぎる状況はよろしくありません。
オーディエンスを設定する際は、広告マネージャの「オーディエンスサイズ」メータに注目しましょう。
赤い色のレンジになって「ターゲット層が狭すぎます。ターゲット層を広げてください。」という状態の場合は、ターゲティングで設定した条件を少し緩和して、緑色のレンジにおさまるように調整することを推奨します。
理由は2つあります。
すべてのユーザーが自分の情報を登録しているわけではない
1つ目の理由は、「すべてのユーザーが自分の情報を登録しているわけではない」からです。
性別と生年月日は必須項目ですが、それ以外の「交際ステータス」や「住所」「職歴」「出身校」などは、すべてのユーザーが登録しているわけではありません。
したがって、『東京都八王子市に住む30代男性。未婚。大卒。ゴルフに興味がある』のように絞り込んだ場合、本当は「大卒」なんだけど、Facebookに大学を登録していないユーザーを除外してしまうことになります。
上記の「オーディエンスサイズ」メータを確認しながら調整しましょう。
Facebook広告の最適化機能に影響が出る
2つ目の理由は、「Facebook広告の最適化機能に影響が出る」からです。
【2-1.コアオーディエンスは、少し広めの設定で認知獲得をめざす】で ご紹介した通り、Facebook広告には「最適化」という機能が備わっていて、オーディエンスで設定したユーザー群の中から、Facebookのシステムが、効果が見込めそうなユーザーを探し出して、優先的に、その人たちへ広告配信してくれます。
例えば、動画の再生数を増やして認知を獲得しようと考え、広告を配信した場合、デフォルトの設定だと、動画を見ている傾向が強いユーザーに優先して広告が表示されます。
しかし、オーディエンスを『東京都に住む30代女性。既婚。子どもがいて、テニスとイタリア料理に興味がある』のように絞り込み過ぎた場合、この限定的なユーザー群の中には、動画を見ている傾向が強いユーザーの数も、かなり少ないはずです。
結果、最適化機能を有効活用することができない状態に陥ってしまいます。
「オーディエンスサイズ」メータを確認しながら調整しましょう。
オーディエンスのandとor設定を間違えない
2つ目の注意点は、「オーディエンスのandとor設定を間違えない」ことです。
これは、広告マネージャでオーディエンス設定する際に、設定間違いによって、意図としないターゲティングとなってしまうケースです。
具体的には、and条件(A且つB)で設定したかったのに、間違って、or条件(AまたはB)と設定してしまうケースです。
例えば、ゴルフに興味がある、且つ、フィットネスにも興味があるユーザー、を設定したかったのに、ゴルフもしくはフィットネスに興味があるユーザーを設定しないように注意しましょう。
間違った設定
ゴルフもしくはフィットネスに興味がある
正しい設定
ゴルフに興味があって、且つ、フィットネスにも興味がある
and条件の設定方法
and条件(A且つB)を設定する際は、「オーディエンスの絞り込み」をクリックしなければいけません。
広告セット間でオーディエンスを重複させない
3つ目の注意点は、「広告セット間でオーディエンスを重複させない」ことです。
複数の広告セットを使用していた場合、それぞれの広告セットで似たようなユーザー層を設定していると、オーディエンスが重複してしまうケースが発生します。
例えば、以下のような状態はオーディエンスが重複しています。
広告セットBの「30歳~50歳の女性」の中には、広告セットAの「既婚 女性」も含まれてしまっています。
オーディエンスが重複していると、自社の広告同士が競合して、インプレッション単価やクリック単価が高騰しないように、Facebookのシステムが過去のパフォーマンスに基づいて、パフォーマンスの良い広告のみを配信します。
その結果、配信されない広告は配信の機会さえ得られずに、パフォーマンスが低下することがあります。
したがって、オーディエンスは重複していない状態が望ましいです。
類似オーディエンスに余計なターゲット設定を追加しない
4つ目の注意点は、「類似オーディエンスに余計なターゲット設定を追加しない」ことです。
類似オーディエンスには、カスタムオーディエンスリストに含まれるユーザーを基にした、年齢・性別や趣味・関心などの特徴となる情報が既に含まれています。
ここへ、さらに詳細なターゲット設定を追加することで、Facebookシステムが混乱してしまうため、「●●に興味がある」「●●業界に勤務している」などの追加設定はオススメしません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここでは、以下をご紹介してきました。
- Facebook広告のターゲティングには、コアオーディエンス、カスタムオーディエンス、類似オーディエンスの3種類がある
- 成果を増大するには、ターゲティングを連携して活用する
- オーディエンスの絞り込み過ぎ、and・or設定間違い、オーディエンスの重複、類似オーディエンスへのターゲット設定追加に注意する
本記事が、Facebook広告を配信する上での参考になりましたら、幸いです。