集客にも使える!キュレーション、アグリゲーション、まとめサイトについて
「キュレーションサイト」「アグリゲーションサイト」「まとめサイト」といった言葉を、耳にされたことがある方は多いはずです。こうしたサイトは非常に多く存在していますので、意識することなく、自然に使っているかもしれません。
この記事ではこうしたサイトが何か、具体的にどういったサイトがあるのかの紹介します。またインバウンドマーケティングの集客方法として、どういった使い方があるのかを解説していきます。
「キュレーションサイト」「アグリゲーションサイト」「まとめサイト」についての説明
まずは3つのサイトそれぞれの特徴について、違いも含めて解説していきましょう。
1.キュレーションサイトとは?
キュレーションサイト(メディア)は、「特定テーマの情報を集めてわかりやすく編集し、提供するサービスやメディア」と定義することができます。もともとの名称がキュレーター(curator)という、その分野に対する専門的な知識を持つ人達から取っていますから、多くの場合は人が介在します。
2.アグリゲーションサイトとは?
アグリゲーションサイト(メディア)は、「複数のWebサイトの情報を、一つに集めて提供するサービスやメディア」を言います。
名称のもとになる言葉が集合や集団を意味するアグリゲーション(aggregation)から来ているため、内容に対する編集が入ることは基本的にはありません。
3.まとめサイトとは?
まとめサイトは、「ニュース以外にソーシャルメディアや掲示板といった、Web上のあらゆる情報も含めてまとめたサービスやサイト」です。
名称からもわかる通りまとめサイトの意味は幅広いため、キュレーションサイトやアグリゲーションサイトは、まとめサイトの一形態といえます。
「キュレーションサイト」「アグリゲーションサイト」「まとめサイト」それぞれの違いについて
キュレーションサイト、アグリゲーションサイト、まとめサイトの三つについて、実際のところ明確な定義は存在していません。
キュレーションサイトとアグリゲーションサイトは概念的に重なる部分もあるため、一般的にキュレーションサイトと言われていても、アグリゲーションサイトと理解していてもおかしくはないのです。
敢えてキュレーションサイトとアグリゲーションサイトの違いをあげるとすれば、次のようになります。
- キュレーションサイトは集めるだけでなく、内容を理解しやすくしたり編集者の意図が入る。アグリゲーションサイトは情報がそのまま集められて提供されている。
- キュレーションサイトは人が集めたり編集することが多いが、アグリゲーションサイトはプログラムによる自動収集が主。
- キュレーションサイトは、サービスやメディアの特色やコンセプトが色濃く反映されたもの。アグリゲーションサイトはそういった主観的なものはあまり入らない。
- 上記の違いもあり、キュレーションサイトはメディアが多く、アグリゲーションサイトはサービス提供の形態を取ることが多い。
ただしAIの発展によりアルゴリズムも人に近づいてきていますので、一般的にキュレーションサイトと呼ばれているものも、プログラムで情報を自動的に収集しているといったケースは多くあります。
これら二つとまとめサイトの違いをあげるとすれば、まとめサイトはSNSや掲示板といった、個人個人が自由に発言した情報を集めているものを指すケースが目立ちます。
いずれにしてもユーザー側がどういう言葉でそのサイトやサービスを認識しているか、というイメージで分けられることが多いと言えるでしょう。
代表的な「キュレーションサイト」「アグリゲーションサイト」「まとめサイト」サイトのご紹介
それでは具体的に、これらのWebサイトやメディア、アプリについて代表的なものを紹介していきましょう。
前章で解説したようにまとめ方の種類で明確に分けることはできないため、情報の種類に応じジャンル別に紹介していきます。
なおこうしたまとめサイトの数はかなりにのぼるため、ビジネスに近しいジャンルで、代表的な一部のもののみをピックアップしていきます。
趣味、ライフスタイル
キナリノ
ファッション、雑貨、インテリアなどの情報が集まったサイト。コンセプトに沿った情報の収集と発信がされています。
MERY
ファッションやヘアスタイル、美容から旅、恋愛まで若い女性に向けた情報を集めたメディア。
Smartlog
男性向けの情報メディア。ファッションやボディメイク、恋愛まで幅広い情報をカバーしています。
ビジネス
NewsPics
ビジネスパーソンや就活生に向けた、ビジネス系のキュレーションメディア。経済を中心にテクノロジーやキャリアまで、幅広くビジネスに関する情報を集めています。著名人による投稿記事やオリジナル動画配信も特徴的です。
Startup Times
新規事業をテーマに、起業家や投資家に向けた情報を集めたメディア。スタートアップのインタビューが豊富に掲載されていることが特徴で、その数は1,000本以上。掲載の敷居を下げることにより、事業をスタートさせたばかりの企業や経営者にとっても頼もしいメディアとなっています。
テクノロジー、IT
GIZMODO
最新のガジェットに関するトピックスを中心に、幅広くテクノロジーの話題を掲載したメディアです。「ギズモード・ジャパン」として日本版が運営、人気面では本国のアメリカに次ぐという注目度の高いサイトとなっています。
ITmedia
主にビジネスパーソンに向けた、ITに関するニュースを幅広く集めたメディア。技術や製品の紹介だけにとどまらず、提供会社が描くロードマップまでを網羅した情報を配信しています。事業や業務プロセスの変革といった、テクノロジーをいかにビジネスの中で活用していくかといった切り口もあり支持されています。
ニュース総合
Smartnews
オフラインでもサクサク読めるニュースアプリとして、日本のみならず海外での利用も高まっています。じっくりとニュースをチェックするというよりも、話題のニュースや関心があるジャンルを素早くチェックする、という使い方で人気です。
グノシー
幅広い情報を独自のアルゴリズムで集めてくる、キュレーションサービスの代表的な存在。ややエンタメ寄りの内容になっています。メインとなるユーザー層も、若めの年齢構成ということです。
Yahoo!Japan
今は検索エンジンとしてではなく、ポータルサイトとしての存在価値が高いYahoo!Japan。ニュースのまとめとしてはYahoo!ニュースが中心となっていて、Webサイトおよびアプリの両方で多くのユーザーを持ちます。
その他、まとめ系
Indeed
世界中の求人情報を集めたサービス。アグリゲーションサイトの典型的なものとして紹介されます。集められた求人情報をindeed内で検索できるようになっていて、ユーザーの検索履歴などにより返す結果を変えるという、求人用の検索サービスとしても注目されています。
Togetter
ツイートをまとめることができるサービス。
あるテーマに基づいたツイートを一か所に集める、という機能でまとめサイトの基本ともいえるサービスになっています。
その他
Google Discover
Googleが、ユーザー個々の関心に応じたフィードを集めて提供するサービス。何回かの名称変更を経て、アップデートを繰り返しています。ユーザーによる興味関心のカスタマイズや、表示をしないといった設定も可能。Googleは検索ではなく、ここからの流入も増加しています。
自社のマーケティングでの利用方法
最後にここで紹介したまとめ系のサイトを使い、自社サイトへの流入を増やすなど、マーケティングに役立つ利用法を解説しましょう。
大前提として、自社が発信する情報が取り上げてもらえるよう、質の高さを担保することが大切です。今回紹介したような人気のサイトに掲載された場合、爆発的に流入が高まります。
まとめサイト、特にキュレーションメディアへの掲載については広告を別にすると、広報に近いものがあります。つまりキュレーター(人、プログラムを問わず)に選んでもらえるかどうかというのが、重要になります。そのためのポイントをいくつか紹介しておきましょう。
SNSで多くシェアされるようにする。
まとめサイトやキュレーションメディアは、SNSでの反応が重視されているといわれます。これを実現させるためには、記事コンテンツの質の高さが重要になることは言うまでもありません。
サイトに対して、フィードを送信する。
掲載して欲しいメディアにフィードを送り、情報に気づいてもらいやすくするのも有効です。これはメディアがフィードに対応している場合に使えます。
専門性、権威性、信頼性は重視。
SEOでは「E-A-T」と呼ばれるものです。数年前にキュレーションメディアがネガティブな方面で話題になったのは、特に信頼性の低さといったことが原因でした。しっかりとしたまとめサイトでは、これらも掲載の可否を左右する要素になっていると考えられます。
まとめ
今回はキュレーションサイト、アグリゲーションサイトを含んだ、いわゆるまとめサイトの紹介を中心にしてきました。インバウンドマーケティングの取り組みとしては、最後に紹介したマーケティング利用がもっとも重要な知識です。
これは作成したコンテンツをいかにユーザーに届けるか、つまり「コンテンツディストリビューション」の手法のひとつとなります。
コンテンツディストリビューションにおいては、まとめサイトからの流入も大きなカギになります。こうしたサイトに掲載されることは流入の増加という面だけでなく、SEOに対してもGoogleの評価を向上させるという点で有効です。
ただし流入は増加しても、コンバージョンになる確率は低いというのが一般的です。まとめサイトをきっかけに認知したユーザーを、どれだけリピーター化できるかといった戦略も重要になります。