購買意欲を高めたいと思う前に考えてほしいこと
「カスタマーの購買意欲を上手に高めるためにはどうればいいのか?」マーケターや企画担当の方は日夜こんな課題を抱えているかと思います。
答えは明確。カスタマーの購買意欲が高まるタイミングを知り、ベストなタイミングで購買意欲を掻き立ててあげればいいのです。
実はWebサイト運営や広告出稿でなかなか効果が出ないという場合、カスタマーの購買意欲を意識出来ていないケースが多く見受けられます。
こちらが伝えたいメッセージばかりを詰め込んだり、カスタマー視点で考えてられていないんです。
そこで、そもそも購買意欲とは何なのか?カスタマーの購買意欲が高まるときは?そして、購買意欲を掻き立てるために意識したいことを総合的にまとめてみました。
購買意欲とは
購買意欲とは、サービスや製品に対して「利用したい!」「欲しい!」という欲求であり、人により多種多様な欲求を抱えています。
PCやスマホといったITガジェットに目がないという人もいれば、反対にそれらにはまったく興味がなく常にファッション商品に目が行ってしまうという人もいます。
また、対象が同じでも欲求の度合いがも人により様々ですね。
このように1人1人が違う購買意欲を抱えてる中で、どのようにしてカスタマーの購買意欲を掻き立てればいいのか?を考える必要があります。
購買意欲を高められない原因
カスタマーの購買意欲を上手に高められない場合、ほとんどのWebサイトや広告で共通の原因が存在します。
それは「誰に向けたメッセージなのかが不透明」だということ。
先ほど「購買意欲は人によって多種多様、欲求の度合いも違う」と説明しましたが、ここがかなり重要なポイントです。
極端な話ですが「ITガジェットが大好き!」という方にファッション商品をアピールしても購入に繋がるでしょうか?
逆に「ファッション大好き!」という方に「高スペック!低価格!」とITガジェットをアピールしても購入に繋がるでしょうか?
答えは「限りなくゼロに近い」ですね。(まったくのゼロということはあり得ないので)
つまり、しっかりとターゲットが絞れていないがために、メッセージを届けるべきカスタマーに届いていないんです。
「テレビCMや広告を出稿すれば売れる」というマスマーケティング時代は既に終焉し、現在求められているのはカスタマー1人1人にパーソナライズされたマーケティングやサービス。
不特定多数を対象としたWebサイトや広告では「売れない」時代なんです。
もしも「カスタマーの購買意欲を掻き立てられていないな…」と感じているのであれば、「施策が悪いのかな?」と考える以前に「ターゲットはしっかりと絞れているか?ターゲットに対しWebサイトや広告は最適化されているか?」をまずは考えてみてください。
原因は案外足元に転がっているかもしれません。
購買意欲が高まるとき
では次に、カスタマーの購買意欲が高まるときはどんなときか?を考えてみましょう。
01.サービス、商品内容が明確
サービス・商品内容が不明確なものに対してカスタマーが抱くのは「不安」「恐い」といったマイナスの感情です。
何が起こるか分からない未来に対し不安を抱くのと同じですね。
しかし、「サービス・商品」と「未来」で違うのは「立ち止まって考えることが出来るか出来ないか」です。
どんなに不安を抱いていても、またどんなに悩んでも未来は必ずやってきます。
しかしサービスや商品であれば、不安を抱いたり悩んだりしたときに「利用・購入するか否か」を立ち止まって考えることが出来ますね。
なので、サービス・商品内容が明確なものでなければカスタマーの購買意欲は高まりません。
逆に内容が明確になっていて安心出来るサービス・商品であれば自然と購買意欲が高まっていくのです。
02.不安が解消されている
ここで言う不安は「サービス・商品内容が明確か否か」ではなく、「このサービス・商品を利用することで本当にメリットはあるのか?」ということです。
どんなに内容が明確なものでも、実際に利用してみないことにはそのメリットを実感することは出来ません。
なので不安を抱くのは当たり前なんですね。
そんな不安が解消されていると、カスタマーの購買意欲はより高まることになります。
03.単純に見た目がいい
どんな外観が好みか?は人によりそれぞれですが、「見た目がイイ!」と感じると多少の機能性の悪さには目をつぶる傾向があります。
しかしこれは大多数の話であって、徹底して機能性にこだわるカスタマーもいるので注意してください。
「商品の見た目」は単純明快ですが、「サービスの見た目」というのは少々分かりづらいですね。
これはWebサイト上で提供されているサービスで考えると分かりやすいと思います。
インターネットに接続する際は必ずブラウザを使用していますが、皆さんが使用しているブラウザはInternet Explorerですか?それともGoogle Chromeですか?もしくはFirefoxやOperaあたりでしょうか?
これは多くの方が「ブラウザの見た目」で決めているかと思います。
ちなみに国内のWebブラウザシェア率はトップがGoogle Chromeで、次いでInternet Explorer、Firefoxと続きます。
Googleさんのデザインはいつも洗練されていてお洒落ですよね?
このあたりにカスタマーの「見た目がいいものに購買意欲が高まる」という心理が出ていると思います。
04.コストパフォーマンスがいい
ビジネスにおいては「費用対効果」という言い方もしますが、コストパフォーマンスが良ければカスタマーの購買意欲は高まります。
例えば「1,000円と安価だけど、含有成分は一般的な化粧水A」と「5,000円と高価だけど、保湿成分がたっぷり入っている化粧水B」では、化粧水Bに魅力を感じる方が多いと思います。
これは「支払った額に対してどれだけの対価を得られているか?」をカスタマーは自然と算出するためですね。
単純に低価格なものが良いと言うのであれば化粧水Aで構わないのですから。
05.問題や課題解決に繋がる
誰しも日々何かしらの問題を抱えています。
カスタマーであれば「最近薄毛が気になる」「肌荒れが気になる」といった身体的なコンプレックスが多いでしょう。
企業であれば「コスト削減がなかなか出来ない」「業績が悪化している」「もっとマーケティングを効率化したい」といった経営に関する問題が多いですね。
もしもそんな問題が解決出来るサービス・商品があれば、「利用したい!欲しい!」を思うのが当然の心理ですね。
だからこそ人は商品やサービスを契約するわけです。
カスタマーや企業が抱えている問題にフォーカスして解決するためのソリューションを提供するのは、ビジネスの基本中の基本でもありますね。
06.自分の欲求を満たすことが出来る
前述したように欲求と言うものは人それぞれで、ITガジェットが好きという人もいればファッションにしか興味がないという人もいます。
そんな欲求が満たされるサービス・商品に遭遇したとき、カスタマーの購買意欲は極限まで高まります。
ここに内容の明確さやコストパフォーマンスといった要素が加われば、多少無理をしててでも購入に至るでしょう。
以上がカスタマーの購買意欲が高まるときですが、こうして改めて考えてみることはカスタマーの行動心理を理解するために非常に大切なので、ときどき思い出してみてください。
購買意欲を掻き立てる
オフラインビジネスなら「Face to Face」でビジネスが展開されるので、相手の反応を伺いながら提案内容を変更していくということが出来ます。
しかしオンラインではWeb解析でカスタマーの行動を分析することは出来るものの、カスタマー1人1人にフォーカスして提供するものを変えていくのは難しいのが現実です。
もちろん、カスタマーの行動によって配信するコンテンツやサービスなどをカスタマイズすることは出来ますが、完全とは言えませんね。
そこでカスタマーの購買意欲を掻き立てるためには「カスタマー心理」と「“色”が持つ効果」を意識する必要があります。
カスタマー心理を意識する
「売れるWebサイト・広告」では、必ずカスタマー心理を上手に突いてマーケティングを展開しています。
つまり心理学を用いてWebサイトや広告を制作しているんですね。
以下に、Webサイトや広告で取り入れられている5つの心理学を紹介しておきます。
01.マッチングリスク意識決定回避の法則
サービス・商品に対しカスタマーは常に何かしらの不安を感じています。そこで「利用者の声」や「よくある質問」などを取り入れることで不安が解消される効果があります。
02.損失回避の法則
カスタマーは利益よりも損失を重視するという心理があります。「この化粧水を使用すれば肌年齢10歳若返る」よりも「この化粧水を使用しなければ肌年齢が衰えていく」の方がカスタマーに響くのです。
03.ハロー効果
カスタマーは一番初めに目にした情報を後々まで引きずる心理があります。例えば有名大学出身なら、その人をまったく知らないにも関わらず「仕事の出来る人」と認識するといったものです。
04.認知的不協和
「痩せたいけど…食べたい!」という相対する感情に対しカスタマーはストレスを感じます。「たくさん食べても痩せられる!」などこのストレスを解放させることで、購買意欲を最大化することが可能です。
05.カリギュラ効果
禁止されていることをついついしたくなってしまう、いわゆる「パンドラの箱」を開けてしまう心理です。広告などでの実績が多いですね。
このようにカスタマー心理を意識し、Webサイトや広告に心理学を取り入れることでカスタマーの購買意欲を高めることが出来ます。こちらの記事「【超厳選】購買意欲を掻き立てるカスタマー心理学26選」でも詳しく紹介しているので興味がある方はご覧ください。
“色”が持つ効果を意識する
「青は渡れ、黄色は注意、赤は止まれ」子供から大人まで誰もが知ってている信号の常識ですが、実は“色”が持つ効果を上手に取り入れているいい例です。
青は人に安心感を与え、精神を安定させる効果があります。
黄色は遠くからでも認識出来る色で、本能を刺激し危険を意識させる効果があります。
赤は注意喚起させる色で、人をドキドキさせたり緊張させる効果があります。
このように信号一つ取っても“色”が持つ効果は絶大であり、Webサイトにおける研究では配色にって売上げが大きく変動するとも言われているくらいです。
“色”が持つ効果を意識することで、カスタマーの購買意欲をより高めることが出来るでしょう。こちらの記事「【購買意欲を高める色彩心理学】“色”が持つ特性と活用のポイント」も合わせてご覧ください。
まとめ
いかがでしょうか?今回はカスタマーの購買意欲について改めて考えてみましたが、意外な発見などがあったのではないかと思います。
また、基本的なことに関してもときどき思い返すことで、マーケティングの方向性を見失わずに済みますね。
本稿を最後まで読んで頂いた皆さんはきっと、既にカスタマーの購買意欲を意識していることでしょう。