サブドメインとサブディレクトリ。SEOに有利なのはどっち?
SEOの世界において、ずっと昔からどちらが良いか議論がされていながらもハッキリとした答えが出ていないものが多くあります。
「SEOを考慮した場合に、サブドメインとサブディレクトリはどちらが良いの?」もアヤフヤなものの一つではないでしょうか?
今回は、この答えを提示したうえで検証もおこなってみたいと思います。
サブドメインとサブディレクトリの違いとは?
「そもそもサブドメイン、サブディレクトリって何?」という説明をしておきましょう。
サブドメインとは
https://●●●.□□□.co.jp
この形式のものを、サブドメインと呼びます。
具体例を見ていきましょう。
Yahooの例:
Yahooジャパン
https://www.yahoo.co.jp/
Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/
Yahooショッピング
https://shopping.yahoo.co.jp/
お馴染みのYahooジャパンです。Yahooは、サービスごとにサブドメインで展開されています。
通常のドメインは「https://▲▲▲.co.jp」ですが、▲▲▲の前に「●●●.」とつくとサブドメインとなります。
「https://▲▲▲.co.jp」を本体ドメインとして、
https://●●●.▲▲▲.co.jp
https://○○○.▲▲▲.co.jp
https://□□□.▲▲▲.co.jp
これらはすべて、サブドメインです。
ちなみにこの形式を見て、「アレ?」と思った方もいるかもしれません。
https://www.▲▲▲.co.jp
のwww.がある場合はどうなんだ、ということです。
www.▲▲▲.co.jpの本体ドメインは▲▲▲.co.jpです。
つまり厳密にはwww.▲▲▲.co.jpもサブドメインですが、昔からwww.付きのURLが多く、これがセットで本体ドメインのように認識されているのです。
サブディレクトリとは
https://□□□.co.jp/●●●/
同じ本体ドメインの中に、ディレクトリをきって設定してあるのがサブディレクトリです。
例として、有名不動産サイトのSUUMOで見てみましょう。
SUUMOの例:
トップページ(全国版トップ)
https://suumo.jp/
北海道カテゴリ
https://suumo.jp/hokkaido/
関東トップ
https://suumo.jp/kanto/
地域ごとに、サブディレクトリが分けられています。
なおサブドメインではYahooジャパンを、サブディレクトリではSUUMOを例として紹介しましたが、それぞれのドメインの付け方がしっくりくると感じた人も多いのではないでしょうか。この感覚が実はSEOを考えるうえでも大切になってきますので、後半まで覚えておいてください。
ここまでの説明で、今回メインテーマとなるサブドメインとサブディレクトリについては理解したと思います。
別ドメイン、マルチドメインとは
ついでに「別ドメイン」「マルチドメイン」についても紹介しておきたいと思います。別ドメインとは、本体ドメインが別にあることです。
株式会社ゼンショーホールディングスは複数の外食チェーン店を経営しています。
株式会社ゼンショーホールディングスの例:
すき屋
http://www.sukiya.jp/
ココス
https://www.cocos-jpn.co.jp/index.html
と、ブランドごとにドメインはまったく違います。
これが別ドメインです。
サブドメイン、サブディレクトリと比較してみます。
・サブドメイン(本体ドメインの前に●●●.が付く)
https://●●●.□□□.co.jp/
・サブディレクトリ(本体ドメインの中に/●●●/というディレクトリがきってある)
https://□□□.co.jp/●●●/
・別ドメイン(別の本体ドメイン、▲▲.co.jpがある)
https://□□□.co.jp/
https://▲▲.co.jp/
違いは一目瞭然ですね。
マルチドメインは少し性格が違い、同じサーバーで複数のドメインが管理されている状態を指します。見え方としては別ドメインで、どちらかと言えば裏側(開発側)の仕組みです。
別ドメインとはいえサーバーが同じなのでSEO的にはどうなるかという議論もありますが、サブドメインやサブディレクトリほどは明らかになっていないところなので、この記事では「マルチドメインというものがある」というまでに留めます。
SEOの視点でのサブドメインとサブディレクトリ
それでは本題となる、SEOの観点で見ていきましょう。
有利なのは?
まずSEOに有利なものについてです。
これはずばり、下記の順番です。
別ドメイン > サブディレクトリ > サブドメイン
※(重要な注釈)ただし、これですべてが決まるわけではありません。
SEOに有利なドメイン順はこの通りなのですが、注釈について必ずセットで認識しておきましょう。
検索順位を決める何百通りもの条件のうち、これはたった一つの要素に過ぎません。
それでは、どうして上の順番がSEOで有利な並びなのかを解説していきましょう。
別ドメインが一番良い理由
別ドメインが最上位にくるのは、わかりやすいでしょう。やはりオリジナルのドメインを持つのが一番です。ただし使い方を誤ると、逆効果になる可能性があります。SEO以外でのデメリットも発生するかもしれません。
サブドメインよりもサブディレクトリが有利
ポイントはサブドメインよりもサブディレクトリの方が有利という点でしょう。
これは現在、コンテンツが重視されてきているためです。サブディレクトリとしてそのドメイン内にコンテンツを足していけば、プラスに働く可能性が高くなります。
以前はサブディレクトリよりもサブドメインの方が有利、と言われた時期がありました。リードプラスのブログも https://blog.leadplus.net/で運営していた時期がありました。
それはYahooカテゴリ登録がまだあったからです。Yahooカテゴリに登録されればYahooで順位が上昇するということではなく「Yahooという強力な被リンクを獲得できる」というのが理由でした。
登録審査には人の目も入っていたため、信頼も高いリンクと認識されていたと言います。この時に、サブドメインを使っていると別サイトとして登録審査に出せました。
たとえば映像配信サービスの会社ならば「映画」「スポーツ」「ドキュメンタリー」などジャンルごとにサブドメインでサイトを作れば登録審査に出せたのです。
現在はYahooカテゴリが廃止になり、さらに被リンクも以前ほどは効力が無くなりました(まったく効力がないわけではないというのは強調したい点です)。
このためサブドメインにする理由は少なくなっています。
今は同ドメイン内でコンテンツを増やしていくサブディレクトリ型の方が、SEOとしては有利に働くケースが多いとされています。
なおこの場合も質の悪いページはNG、ただコンテンツを足していけば良いというわけではないというのは、重ねて強調しておきます。
使いどころ
サブドメインでYahooジャパン、サブディレクトリでSUUMOの例を出しましたが、それぞれの使い方はしっくりくるのではないでしょうか。
それは、次のような理由からです。
Yahooジャパンの場合
同じYahooとはいえ、ニュースやショッピングなどは独立したサービスという印象が強いですよね。
そのためドメインが独立していても違和感はありません。しかし同じYahooというブランドなので、まったく異なるドメインではなく「□□.yahoo.co.jp」となっている方がブランディング上も良いと言えるでしょう。
SUUMOの場合
北海道や関東などはSUUMOという目的が同じの不動産サイト中のカテゴリ分けなので、「https://suumo.jp/□□/」と同じドメイン内で展開される方が自然に感じます。
SUUMOについては同じサイトとはいえ、ロゴのそばに「関東版」「北海道版」と記載していますし、規模から言ってもサブドメインを使って独立したサイトを作ってもおかしくはありません。しかしまったく同じブランド、サービス内容で展開しているのにそこを分けるのは違和感の方が大きいでしょう。
このような背景から一般的には、ビジネスの理屈的(目的など)にも、感覚的にも合うやり方でドメインを選んでいくのがベストと言えます。
また実際の設定や運用で考えると、一番楽なのは同じドメイン内でサブディレクトリを作っていくやり方です。リソース的にも十分対応できる、無理のない選択をするのが良いでしょう。
SEO検証
実際にサブドメインを持っていそうなジャンルに対して、任意のキーワードで検索してみました。
まずは「中古マンション 東京」と検索してみました。
先ほどのSUUMOを筆頭に、サブディレクトリを使ったページが上位の5つでした。
次に「薬剤師 転職」です。
上位5つの中には独自ドメイン、サブドメイン、サブディレクトリと混在して表示されました。
わずか二例ですが、ドメインによる絶対的な優位を見ることはできません。
そのURLを見てユーザーがどんなサイトかを感覚的に分かるという方が、遥かに重要と言えるかもしれません。
まとめ
○SEOでのURLの付け方は、以下の順で有利と考えられる。
別ドメイン>サブディレクトリ>サブドメイン
○ブランディング、サービス内容を考えて違和感のない選び方をするのがベスト。
○運用の工数やリソースも加味すると、さらに良い選択となる。
意外と運用を考えて選ぶというところが重要で、複数のドメインを無理に運用していると、管理が追い付かず思わぬミスが発生することがあります。単純にミスが起こっているサイトなので、ロジックうんぬんではなく検索エンジンが評価を落とす可能性が出てきます。
そうしたケースは案外多いので、十分な管理ができないようであれば、その意味でもシンプルなサブディレクトリを使うのがオススメです。
ただしまったく違うブランド、サービス内容を同じドメインでディレクトリを分けただけだと、ユーザーに違和感を持たれる場合もあるのにも考慮は必要です。