メルマガとは?その形式や配信方法、作り方まで解説!
マーケティング担当者だけでなく、誰でも知っているメルマガはメールマガジンの略であることは既にご存知のことでしょう。しかし「メールマガジン」について全体像を正確に理解して説明できる人は意外と少ないことも事実です。今回は、知れば知るほど奥深いメルマガに関してご紹介します。
メルマガとは
メルマガとは「メールマガジン」の略で、直訳するとメールのスタイルをした雑誌、という意味です。WEBサイトやブログの場合、顧客のアクションを待たないとメディアへのアクセスが生まれません。対してメルマガは配信者側から直接情報を届けることができるので、活用次第で大きな成果を得ることが可能です。
メルマガを配信する目的
うまく活用すれば大きな成果が見込めるメルマガですが、目的なしに何となく情報を送り続けるような使い方は避けましょう。
メルマガを送る目的には多くの要素がありますが、大きく分ければ以下の3つとなります。まず、実際に売り上げに至るまでに行う「教育や啓蒙」、それを通じて理解をしてもらったうえでの「販売の実施や促進」、そして購入をしてくれた顧客に対する「リピートやファン化の促進」です。
メルマガを送るときは、最低でもこのうちのどれかと紐づけて作る必要があります。場合によっては、ひとつのメルマガの中に複数の目的を込める必要もあるでしょう。
メルマガのコンテンツ例
メルマガには、関心を集めるためのコンテンツと、上記で説明した本来の目的である3つの要素を、バランスよく交えて構成することが求められます。さらに、ひとつのコンテンツで、関心を集めながら目的にも合致するような双方を叶えられる内容であれば、一石二鳥ともなるでしょう。
これらを踏まえ、メルマガに掲載するのが望ましいコンテンツの例を、目的別に整理していくつかご紹介します。自社の事業内容などに照らし合わせて、使いやすいものを選んでください。企業によっては、内容ごとにメルマガを作り、同時に複数のメルマガを運用することもあります。
教育や啓蒙が目的の場合
この段階では、自社の商品や業界に対して、必ずしも深く興味を持っていない読者も対象になっています。そのため、基本的な知識や、自社とは直接関係のない話も織り交ぜたほうが読みやすくなります。たとえば、世間的に有名な人や権威やキャリアのある人に取材をしたり、連載形式で原稿を書いてもらったりすると、多くの人に読まれる可能性が高まります。その中で、業界の情報や自社について軽く触れてもらえる機会があれば、自社で宣伝するよりも説得力も出るでしょう。
販売の実施や促進が目的の場合
目的が販売に関わることになってくると、そこに載せるべき内容も自然と決まってきます。とは言え、いきなりセールスを前面に出してしまうと読み手に引かれてしまう可能性もあるでしょう。そこで、既に商品を購入した人の感想や、どのように使っているかという事例を紹介するなど、セールスではなく、あくまで対象のアイテムを情報として伝える目線も必要です。そのうえで、キャンペーンの告知やクーポンの提示、体験版の提供などを行うようにしましょう。
リピートやファン化の促進が目的の場合
この段階では、読者は既に顧客となっていますが、啓蒙の段階と同じく、業界情報や解説記事も読ませるための工夫として欠かせません。また、キャンペーン情報なども、リピート購入を図るために、やはり外せないでしょう。そのうえで、この段階で提供したいコンテンツは、商品やサービスに対するこまめな情報提供です。季節や購入してからの期間に応じた商品活用のアドバイス、機能改善のお知らせ、さらに関連商品の紹介なども読み手にとって有益な情報になります。
メルマガの形式
メルマガを発行する際に用いられる配信形式には2種類あります。ひとつはテキストデータのみを利用したシンプルな形式、もうひとつはHTMLをふんだんに使ったデザイン性の高い形式のメルマガです。
テキスト形式は、一般のメールと同様、文字データをベースにして作成されたメールです。インターネットが現在ほど発達していないころから利用されていた形式で、「_(アンダーバー)」や「.(ピリオド)」「☆」といった記号などを活用して、ある程度のデザイン性を付加できます。受け手の環境を選ばず、確実に届けることのできる配信形式です。
それに対しHTMLを活用したメルマガでは、一般のWEBサイトと同様のタグを使って、画像などを見やすくレイアウトしたデザインが可能です。訴求力のあるバナー的な画像などで見栄えのする画面を作ることができるので、現在では多くの企業がこの方式を採用しています。
メルマガの配信方法
メルマガを実際に配信するにあたっては、いくつかの方法があります。ここでご紹介するのはほんの一例ですが、代表的なものばかり。自社のメルマガの運用方法を踏まえつつ、最適な配信方法を選択するようにしてください。
一般のメール送信機能を使う
パソコンに付属しているメールソフトや、Gmailなどのクラウド環境で使えるものなど、日常的に使っているメール環境を使ってメルマガを配信するのが、もっとも手軽な方法です。この場合、アドレスを通常の送信先に入れてしまうと、受信した同士で他の人にアドレスが晒されてしまうので絶対にNGです。送信先には便宜上、自分のアドレスを入れ、送信先のアドレスはBCCで配信します。そうすれば、アドレスが他の人に知られて、個人情報の漏洩が起こることはありません。
ExcelでOutlookを制御して配信する
BCCによる一括配信ではなく、1通ずつメールを送る方法もあります。ただこれを手作業で行っていては時間がかかってしまいます。そこで活用したいのがExcelとOutlookの連携です。送信先のリストを記録したExcelを使ってメールソフトを制御すると、宛先の会社や担当者の名前などを差し込むことができます。プログラミングの知識は必要になりますが、簡易的なメルマガ配信システムを手元で運用することができます。
Google Apps Scriptを使う
Gmailを使っている場合も、上記の方法と似たような仕組みを自分で開発することができます。GmailではExcelの代わりに同様の機能を持ったGoogleスプレッドシートと、Googleドキュメントを利用します。メルマガの本文はドキュメントを使って作成し、送信先のデータはスプレッドシートで記録します。ただし、メール送信数の上限が設けられており、2000通/1日のメールを送ることはできません。
メール配信ツールを使う
手元の環境を使ってメルマガを送る方法をお伝えしましたが、送信数が多い場合や、より高度な機能が使いたい場合、また自分で環境を作る知識がない場合などは、専用のメルマガ配信システムを使うのが妥当です。
専用の配信システムでは、メール文の制作や名前の差し込み、送信日時の時刻や、送り先の分類など、さまざまな機能が用意されています。また、新しく購読者を得るために必要なアドレスを登録したり、購読を解除するための入力フォームを使ったりすることもできます。また、最近では自動でメールを配信するマーケティングオートメーションツール(MAツール)が注目を集めています。MAツールを導入すると、特定のユーザーに対して自動でステップメールを送るなど効率的にユーザーを育てることが可能になります。
なお、こうしたサービスには機能や配信数などに応じて、無料のものと有料のものがあります。まずは無料のものを試しに使ってみる手もあるでしょう。
メルマガ作成の流れ
実際にメルマガを配信するまでの流れをご説明いたします。これは配信方法に関係なく、どのタイプであっても共通して行うべき流れです。
まず、メルマガの配信先は、送信されることに同意を得ている必要があります。これは法律で決まっているため、勝手に送ると罪に問われてしまいます。多くの会社では商品やサービスの購入や資料請求などのタイミングで、こうした許可を取るのが一般的です。もしそうした履歴を確認できない場合は、その顧客のメールアドレスを配信リストに入れないように気をつけましょう。
次いで、実際に送る相手を決定します。リストにはさまざまな人がいますから、ある程度の整理や選別をしてメルマガの内容を方向づける必要があります。送る相手と内容の方向性が決まったら、本文の作成に入ります。あらかじめ、どのようなペースでどのような内容を送るかの予定表を作っておくと運用がスムーズです。気をつけたいのが、メールのタイトル。関心を引くようなタイトルにしないと、他のメールに紛れて読んでもらえなくなってしまいます。
タイトルと本文が確定したら、配信手配に移ります。システムを使っている場合は予約が可能ですのでセットします。手元の環境から送る場合は、途中で配信がロックされたりしないよう監視しておいたほうが賢明でしょう。
メルマガは有料と無料どちらで配信するべきか
メルマガを読んでもらうとき、それを無料にするか有料にするか、考える必要があります。配信するメールの特徴を踏まえたうえで、どちらにすべきか判断しましょう。
どちらで配信するべきかはそれぞれの特徴を考慮して判断
一般に、企業が顧客に送るメールは無料で配信されることが多いでしょう。ただし、無料なだけに読まれないことも十分に予想されます。それに対し、有料のメルマガは読者がお金を払って利用するため高い購読率が期待できるうえ、直接の売り上げどころか、冒頭で説明した目的の成果も得ることができます。その代わり、金額に見合った内容が必要です。無料メールである程度の範囲を見せておき、ここから先は有料の人のみ見ることができます、といった設定で有料記事に誘導する方法もあります。
有料メルマガと無料メルマガの目的や仕組みの違い
有料メルマガの購読者は発信者の強いファンである場合が多いため、メルマガだけでなく、そこで紹介された他の商品やサービスを買ってくれる確率も高いでしょう。
無料の場合、そこまでの反応は期待できませんが、広告を貼るなどして単独での収益を狙うこともできます。また、先ほども書きましたが、無料メールに有料版の一部を掲載して配信することで、購読へと誘導できます。このように、広く浅く見込み客を購読者として獲得しておくことで、将来の収益源につなげられます。なお有料メルマガの場合、無料と違って、送ってしまえばおしまい、という訳にはいきません。決済手続きが必要となるので、その際は専用のメルマガ配信業者を利用すると手間が省けます。
有料メルマガと無料メルマガのメリット・デメリット
このように有料で送るか無料で送るかは、メルマガの性格を考慮して決める必要があります。有料メルマガは直接的な売り上げが得られますが、いきなり多くの購読者を獲得することは簡単ではありません。無料メルマガは購読者を増やすことにかけては有料よりもはるかに有利となりますが、直接そこから収益をあげるにはいくつかの手間がかかってきます。自社のビジネスモデルなどから考えて、無料のみでいくか、有料にもチャレンジするか、またその双方を発行する場合は、無料から有料にうまくつなぐような工夫をするとよいでしょう。