Googleオプティマイズとは
それでは早速Google オプティマイズについてご紹介していきましょう。
どのようなツールか
ABテストツールであるGoogleオプティマイズは、ウェブサイトを効率化するために有用なツールです。ビジネスサイトの運営においては、常に分析と改善が必要なことはいうまでもありません。運用状況を把握し、分析・改善を繰り返すことでサイトを成長に導き、売上や利益を向上させることが狙いです。
そのために欠かせないのが、PDCAと呼ばれるサイクルです。PDCAは計画と実行、評価、改善の4段階で構成され、このサイクルを繰り返すことで、常にビジネスを改善に導くことを目的としています。
Googleオプティマイズは、このPDCAのプロセスをスピーディーに回す手助けをしてくれます。テスト用のパターンをブラウザ上で作ることが可能で、さらに複数の検証を同時に行うことも可能です。Googleオプティマイズは、検証を繰り返すことでもっともコンバージョンにつながりやすいパターンを見つけられるツール、といってもいいでしょう。では、このツールを利用することで、具体的にどのようなことができるのでしょうか。
使ってできること
すでに触れたとおり、Googleオプティマイズを導入することで、A/Bテストを実行することができます。サイトの改善に欠かせないテストで、ヘッダーやバナーなど、一部分に変更を加えた2パターンのページを用意し、どちらがより成果を上げられるかを検証します。
例えば、Aのページではヘッダーの色を赤に、Bでは青にして、どちらが優れた成果を上げられるのかを検証する…これがA/Bテストです。
サイトを改善するといっても、ただ眺めるだけでは、具体的にどこをどのように変えればいいのかわからないものです。いたずらに手を加えてしまうと、改善どころか改悪になってしまうことも考えられるので、サイトに手を加える場合は「検証」しながら行います。
A/Bテストでサイトを検証すれば、サイトの改善すべき要素を簡単に知ることができます。「サイトの改善はプロでないと難しい」と思われることも多いのですが、このツールを活用すれば、誰でもレベルの高い分析と改善が可能になります。
Googleオプティマイズでは、ほかに「リダイレクトテスト」と「多変量テスト」を行うことができます。
リダイレクトテストは、スプリットURLテストとも呼ばれる検証方法で、A/Bテストの一種です。リダイレクトテストでは、ページの一部の要素を比較するのではなく、全体のデザインや構成などを大きく変更したときにテストを行います。
多変量テストは、あらゆる組み合わせの中から優れたマッチングを見つけるためのテストで、複数要素を持つパターンを同時に検証します。AとBを比較してどちらかを選ぶのではなく、もっとも良い結果が得られる組み合わせを見つけるための検証方法です。
導入のメリット
ウェブサイトのデザインが少し変わっただけでも、アクセスに影響が出ることはよくあります。テキストの配置やフォームの位置など、ビジュアル的な要素が集客に及ぼす影響は、決して小さくありません。
Googleオプティマイズを導入することで、手軽にレイアウトやデザインをテストすることができるというメリットが生まれます。テストを繰り返すことで、もっともアクセスやコンバージョンにつながる要素や組み合わせを見つけることが可能です。
また、プロセスにかかるコストや手間を省けることもメリットです。設定した目標を達成できるサイトにするためには、検証と改善が欠かせません。そのためにA/Bテストや多変量テストを行いますが、検証を行うたびにデザイナーやエンジニアにパターン制作を依頼するのでは、コストが膨らんでしまいます。Googleオプティマイズは無料なのでコストを心配する必要がなく、しかも運営者自らの手で分析することが可能です。コストと手間を省くことで、時短にもつながるので、スムーズにPDCAを回せるようになります。このようにGoogleオプティマイズは、自社サイトの成長を促進するために欠かせないツールなのです。
さらに、Googleオプティマイズには、「操作性がいい」というメリットもあります。この手のツールは使い方が難しいと考えられがちですが、Googleが作れば操作もシンプルになります。初めて使用する方でも、あまり悩むことなく、直感的に操作することが可能です。
「Googleアナリティクスのウェブテストではダメなのか」という疑問を抱いた方もいるかもしれません。確かに、従来のウェブテストでも効果を検証することはできますが、違うパターンのページを用意しなければならず、しかもURLを分ける必要がありました。しかし、Googleオプティマイズでは、ブラウザ上でパターン制作ができるため、URLを分ける必要もありません。そのうえ、リダイレクトテストや多変量テストなど、よりハイレベルな検証も実装しています。
GoogleオプティマイズとGoogleアナリティクスは連携して使用することが可能です。これにより、自社サイトの管理が、よりスムーズになるというメリットも生まれます。すでにGoogleアナリティクスを利用している場合、間違いなく、導入を検討すべきツールだといえます。
Googleオプティマイズの導入方法
コンバージョンにつながりやすいサイトにするには、常に分析と改善を続ける必要があります。そのためには、Googleオプティマイズの導入は欠かせません。では、具体的にどのようにして導入をすればいいのでしょうか。
Googleオプティマイズのページにアクセス
まず、オフィシャルサイトにアクセスします。ページの下部に「利用を開始」というリンクがあるのでクリックしてください。
アカウントの作成
「メール登録を行いGoogleオプティマイズを最大限に活用」という項目があるので、それぞれの項目に入力して「次へ」をクリックしてください。利用規約に同意し、「お役立ち情報のメール配信」など初期の設定を終わらせれば、アカウントの作成も完了です。
なお、無償版を利用する際の注意点ですが、基本的な機能はほぼ使用できるものの、アカウント数は一つに制限されています。複数のアカウントで運用したい場合は、有料版の導入を検討する必要があります。
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Googleオプティマイズの使い方- A/B テスト
サイトの継続的な改善のために行うA/B テスト。Googleオプティマイズでは、誰でも簡単に、テストの「パターン作成」や「目標設定」などの操作を行うことが可能になっています。
テストを作成する
ボタンカラーだけを変更した、同一内容の二つのページを検証する前提でお話しします。このケースでは、まずはメインメニューからアカウントを開きます。テストページは「コンテナ名」をクリックすれば開くので、開いたら「テストを作成」をクリックしてください。テスト名と検証を行うページURLを入力し、「A/Bテスト」→「作成」の順にクリックします。
次にパターンを作ります。「パターンを作成」をクリックして任意の名前を入力後、「追加」を押します。複数の異なるパターンを作りたい場合には、このプロセスを繰り返してください。作り終わると、テストページの上部にあるパターンカードに新しいリストが表示されます。
なお、デフォルトの状態だと、全パターンが均等な比重になっています。そのため、テストのターゲットとなるユーザーにはどのパターンも均等に表示されることになります。詳細ページで比重をコントロールすることにより、トラフィック量を調整することが可能です。
テストの目標を設定
「目標」タブでテストの目標を設定します。メインの目標を選択し、「テスト目標を追加」をクリックします。1回の検証につき、あらかじめ選んでおいた目標を3つまで設定、その目標についてのレポートを確認できます。仮説と説明の入力が終わったら「保存」をクリックすれば完了です。
次に、ターゲティングタブで設定を行います。検証を行うためのパターンを表示するユーザーを指定し、割合も決めてください。特定の地域に住むユーザーのみを対象としたり、パソコンユーザーからのアクセスのみを対象としたり、さまざまな設定でテストが可能ですが、この設定はターゲティングタブ内の「対象」から行います。
パターン表示における条件は「条件」タブで設定します。表示するための条件も決めることができるので、その場合には「AND」をクリックしてルールをチョイスします。
実行とレポート
ここまで準備ができたら、いよいよテストです。始めるには「テストを開始」をクリックしてください。このとき、ステータスが実行中になっているかどうかを確認しましょう。実行中になっていれば、すでに検証が始まっていることを表しています。
テストは、基本的には2週間以上かけて行います。これには、ウェブトラフィックが変動する周期が1週間であることが関係しています。
実行しているテストの状況と結果は「レポート」に表示されます。詳細ページの上部にあるので、クリックしてみましょう。データは複数のカードに分けられているため見やすくなっています。ステータスはもちろん、ターゲットに対するパフォーマンスの結果もここで知ることができます。
Googleオプティマイズの使い方- リダイレクトテスト
デザインを大幅に変更したランディングページや、全面的にレイアウトを変えたページをテストするときにはリダイレクトテストが効果的です。テストを実施する前にページを数パターン用意し、さらにURLも準備する必要があります。
テストの作成
パターンが大きく異なる二つのウェブページを検証する、という前提で説明を進めていきます。まず、メインメニューからアカウントを開き、テストページにアクセスしましょう。「+」ボタンをクリックし、さらに「リダイレクトテスト」をクリックしてください。
任意の名称を入力する必要があるので、わかりやすい名前をつけておきましょう。次に、オリジナルとなるページのURLも入力し、ここで使うアナリティクスのビューも選んでください。ここまでできたら「作成」を選択します。
パターンを作る
新たにテストを作ると詳細ページが表示されます。ここで新しいパターンの作成ができます。まずは「新規パターンの作成」をクリックし、名前をつけてください。簡潔にパターン1、パターン2などで問題ありません。
次にリダイレクト先と説明を入力します。説明については省略しても構いません。ここまでできたら「追加」を選択してください。
テストを正常に行うためには、リダイレクト先は有効なURLを指定する必要があります。また、データをパターンページから取得するには、Googleアナリティクスの「ユニバーサルアナリティクストラッキングコード」「プロパティ番号」「クロスドメイントラッキング」が、対象のページすべてに含まれている必要があります。
テストの設定
パターンができあがったら、関連する設定を進めていきます。アナリティクスのビューからメインの目標を選び、「目標の追加」からサブの目標を入力します。仮説と説明を入力したら「保存」を押して完了。次に、テスト対象やパターンの比重を編集し、テストの実施条件やターゲティングルールなども決めましょう。
実施とレポート
「テストを開始」をクリックすると、テストが始まります。実行中のステータスに変われば、テストがスタートした証しです。通常、時間がかかることはなく、1分以内に更新されるケースがほとんどです。
リダイレクトテストを実施する期間ですが、「2週間経過」、もしくは「ベースラインを上回る確率が95%を超える」、これらのどちらかを満たすまで続けましょう。
成果の確認は「レポート」から行います。途中経過や、それぞれのパターンにおけるパフォーマンスも確認できます。
いくつかのパターンを用意した特定ページの比較を行う場合、Googleではパターンの正規URLを選ぶことを推奨しています。こうすることで、リダイレクト先のパターンが、オリジナルページの成果に影響を及ぼすことを回避します。
Googleオプティマイズの使い方- 多変量テスト
いくつか用意したパターンをテストし、もっとも成果が得られる組み合わせを見つけられるのが多変量テストです。それぞれのパターンがお互いに与える影響もチェックできるのが特徴で、ウェブサイトが秘めるポテンシャルを引き出すことに有効です。ぜひ実施してみましょう。
テストの作成
アカウントを開いたら、コンテナからテストページを開きます。「+」ボタンを押すと「多変量テスト」という項目が表示されるのでクリックしてください。任意の名前をつけ、エディタページを入力。さらに検証で使用するアナリティクスのビューを選び、「作成」をクリックします。
組み合わせを作る
エディタページでは新たなパターンの作成が可能です。パターンはセクションごとに作成します。セクションはページを構成している要素のことで、例えば、コンテンツとして使用している画像、リンクボタンなどがこれに該当します。
A/Bテストの場合は、画像なら画像だけ、ボタンならボタンだけ、のセクションが対象となりますが、多変量テストは、画像とリンクボタンなど、複数のセクションを同じタイミングでテストできることが特徴です。
組み合わせの選択ツールは「作成」をクリックすると表示されます。セクションとの組み合わせが可能になるので、二つ以上のセクション、パターンで作成してください。
新たなパターンを作る
セクションを選んだら、「新規パターン」をクリックしてください。名前を入力するフォームが表示されるので、任意で設定します。見出し1、2などわかりやすければ何でも構いません。次に「追加」をクリックします。組み合わせを作る数により、このプロセスを繰り返す回数も変わってきます。必要に応じて作業してください。終了したら「保存」をクリックします。
新たなセクションを作る
セクションを新しく作る場合は「新規セクション」から作成します。任意の名前をつけ、「追加」をクリックしてください。こちらも先ほどと同様、必要な数だけ繰り返し作業します。すべて終わったら「保存」を押してください。
なお、途中でパターン名やセクション名を変更する場合は、カーソルをうえにあててクリックすることで編集可能になります。
組み合わせの表示
「組み合わせ」のタブから、テストの対象となる組み合わせを表示することが可能です。それぞれの組み合わせが、どのような内容で表示されるのかプレビューすることができます。正しく設定されているかどうかここで確認しましょう。
テストとレポート
以上でテストの準備が整いました。ターゲットと目標の設定を行ったうえで、テストを実施しましょう。「テストを開始」をクリックして、多変量テストを開始します。ステータスが「実行中」になっていればテストがスタートしています。
テストを行う期間は、A/Bテストやリダイレクトテストと同じです。レポートに関しても、既出のテストと同様に「レポート」タブから確認してください。
Googleがサイトユーザーに無料で提供しているA/Bテストツールは、ご紹介したように、高度な検証を行うことが可能な、ウェブマスター必携のツールです。レポートを的確に分析することで、ウェブサイトのメンテナンスを効果的に行いましょう。
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