【 フラり対談 】株式会社デコルテ
このコーナーでは、弊社会長の小林がフラりと「トップランナー」であり「変革者」であり「インフルエンサー」でもあるゲストの方々を訪問させていただき、目指すことや苦労話等を気負わないトークで展開しています。是非ご一読ください。
フォトウェディング全国展開のリーディングカンパニーは、なぜ地域別ブランドによる個別最適な集客施策にこだわるのか?
結婚という一生に一度の思い出を、高品質な写真と撮影を通じた感動体験と共に提供し、フォトウェディング市場の成長を牽引してきたデコルテ。全国で撮影スタジオを運営する同社は、それぞれの地域で異なるフォトスタジオブランドを展開し、地域ごとに異なる顧客ニーズにきめ細かく対応しながら、リードプラスの支援による顧客嗜好や地域特性などを踏まえた個別最適な集客施策で成果を挙げてきました。マルチブランド展開の意図や個別最適な集客施策の狙い、今後のビジネス展開などについて、同社 取締役 岩切大祐様にリードプラス 取締役会長の小林治郎が伺いました。
全国各地にフォトスタジオを展開するリーディングカンパニー
リードプラス会長 小林治郎(以下、小林):2001年に創業されたデコルテさんは現在、フォトウェディングやアニバーサリーフォトの撮影スタジオを北海道から沖縄まで全国展開されており、この分野のリーディングカンパニーとして知られています。
株式会社デコルテ
取締役
岩切 大祐 氏
株式会社デコルテ 取締役 岩切 大祐氏(以下、岩切氏):当社は写真撮影、なかでもお客様の人生の節目となる結婚という一大イベントを素敵な写真として記録するフォトウェディングを主力事業としており、そのほかにアニバーサリーフォトとしてお子様の記念写真(子供写真)などの撮影を行っています。フォトウェディングに関しては全国に約20店舗(スタジオ)を展開。お客様の人生の節目のイベントを写真で記録しながら、一人ひとりの生涯に寄り添うライフフォトカンパニーとしてサービスや店舗網を拡充しています。
また、私自身はデコルテで何でも屋みたいなことをしており、現場以外のことを主に担当しています。事業企画から人事、広告、集客、全国のスタッフが働きやすい環境にすることなど、会社がよくなることは、全部仕事という感じです。
リピートがないビジネスで新規顧客をいかに獲得し続けるか
小林:多くの人にとって結婚は人生に一度のイベントです。つまり、フォトウェディングはリピーターを作りづらいビジネスだと言え、常に新しい顧客を開拓して、各スタジオにタイムリーに集客していかなければならないという事業特性があります。その中で、デコルテさんはどのようなブランディングやマーケティングを心掛けておられるのでしょうか?
岩切氏:正直、このビジネスはブランディングが難しいですね。ほとんどの方にとって一度きりのことであり、それ以外のときは恐らく考えることもないのが結婚関連のサービスです。お客様が「やろう」と決めた際、いかにスムーズに「ここがいいんじゃないか」と思っていただけるようにするかが大切です。
小林:「初めてだから不安」という顧客に安心して選んでもらうまでのプロセスを、いかにスムーズに進めるかがポイントということですね。
岩切氏:そのために、SNSなどのクチコミを活用してお客様の生の声をお伝えしたり、スタジオの衣装や設備などもお客様の多様なニーズにお応えできるよう準備したりといったことにも力を入れています。
フォトグラファーやメイクアップアーティストを内製化する狙い
小林:フォトグラファーやメイクアップアーティストなどのプロフェッショナル職を社員として雇用する内製化も、顧客に安心して選んでもらうためのデコルテさん独特の制度ではないでしょうか?
岩切氏:お客様の大切なイベントをしっかりと演出/記録していくためには、社内で撮影技術や接客などを教育し、当社の品質を満たすためには、プロフェッショナル職の内製化が必要だと考えています。
また、当社社長の水間寿也もフォトグラファーですが、内製化には彼の思いも込められています。
一般にフォトグラファーは徒弟制度の世界であり、独り立ちするまでの収入が不安定で、なおかつ独立後は一人で全てをやらなくてはならず大変なのだそうです。
水間自身もその道を通ってきましたが、それは辛かったと話しています。そこで、フォトグラファーやメイクアップアーティストが安定した収入を得ながら学んで成長し、実力を付けてプロになった際にもしっかりとサポートが得られる環境を作りたかったのです。
小林:現在は約150名のフォトグラファー、同じく約150名のメイクアップアーティストを社員として雇用されているのですから敬服します。まさにフォトウェディングのプロフェッショナル集団ですね。
ピンチも成長の機会に。コロナ禍を経てサービスを拡充
小林:コロナ禍ではウェディング業界も甚大な影響を受けました。それはデコルテさんの事業も同様だと思います。
岩切氏:当初は本当に苦しかったです。2020年4月に緊急事態宣言が発布された際には、約2カ月間全スタジオを閉めました。スタジオや人件費などの固定費はなくならないので、どうなるかと不安でしたが、「今やれることを全てやろう」と腹を括りましたね。
例えば、それまではやっていなかったオンラインの接客をどう取り入れるか、どうすればお客様とスタッフがうまくコミュニケーションをとれるか、お客様との契約をオンラインでどう結ぶか、内金をどのようにいただくか、どんなオンラインツールを使うかなど、いろいろなことを一つひとつ検討して決めていきました。
これらの取り組みが報われ、緊急事態宣言が解除されてからは沢山のご予約をいただけたので良かったのですが、とにかく暗中模索でした。当社のビジネスはニッチなうえ、こんなに多くの社員や専門職を抱えているところはほかにありません。つまり、前例として参考にできるものがないため、常に自分たちでトライ&エラーを繰り返して最適解を探らなければなりません。当然、失敗も沢山あります。
全国の各地域に合わせてブランド/店舗を展開
小林:現在は婚礼需要も回復傾向にあり、デコルテさんもコロナ禍を経て拡充したサービスでより多くの顧客ニーズに応えていこうとされています。ところで、婚礼サービスは地域色が強いビジネスでもありますが、同様にフォトウェディングやアニバーサリーフォトも地域密着型のビジネスだとお考えですか?
岩切氏:そう思います。結婚式は自分が育った地域や住んでいる地域で挙げることが多く、フォトウェディングにも同様の傾向があります。当社の各スタジオでも近隣で人気の撮影ロケーションなどは常に把握し、地域のお客様のニーズにしっかりとお応えできるように準備しています。
小林:御社は地域ごとにスタジオのブランドを分けています ※1 。その狙いをお聞かせください。
岩切氏:地域密着施策の一環です。それぞれの地域で親しみを持っていただける名前を付けたいと思いました ※2 。
また、多数の店舗を展開しているビジネスでは効率性が最も重視され、ブランドは単一、Webページも一つだけとなり、個々の地域や店舗の施策を出しづらくなりがちです。
そのような弊害を避けるためにも、地域ごとにブランドを分けました。当社のWebサイトでは、お客様の近隣のスタジオがすぐにわかり、ご訪問いただいたり、ご予約いただいたりできるように心掛けています。
※1 北海道エリアは「SOLA(ソラ)」、関東エリアは「AQUA(アクア)」、名古屋エリアは「8(エイト)」、関西エリアは「TVB(ティブビ)」、九州/福岡エリアは「AN(アン)」、沖縄エリアは「SUNS(サンズ)」のブランドでフォトスタジオを展開。
※2 例えば、北海道エリアのSOLAは広大な北海道の空、名古屋エリアの8は名古屋にゆかりの深い数字である八、沖縄エリアのSUNSは沖縄の輝く太陽をイメージしている。
個々のスタジオを成功させることが会社全体を強くする
小林:デコルテさんは地域の特性に合わせてスタジオを展開し、それぞれを強くすることで、その集合体である会社全体を強くするという経営アプローチを実践されています。これを統率する岩切さんなど本部側には相当なご苦労があるのではないでしょうか?
岩切氏:正直に申し上げると、それはもう面倒くさいですよ(笑) 集客に関しても、やらなくてはいけないことがスタジオごとに異なるのですから。ただ、その面倒くさいところはリードプラスさんにご支援いただくことで、的確かつ効率的に手を打てていると感謝しています。
小林:ありがとうございます。スタジオごとに毎月の予算を大きく変えたり、各月の中でも予算や手法を変えたりされていますが、各地域のスタジオがしっかりと収益を上げて成長していくためには、そこまで細かくコントロールしていく必要があるということでしょうか?
岩切氏:私はそう考えています。地域によってお客様が求めるものや動きは異なりますし、近隣にどういった競合があるかはスタジオごとに違います。例えば、撮影用の衣装だけをとっても、好まれるドレスは地域によって違いますし、着数や単価も異なるので、各地域やスタジオの事情、時期に合わせて施策を最適化し続けなければなりません。
それに、それぞれのスタジオでは、店長とスタッフがお客様に喜んでいただくために頑張って準備してくれているので、どこかのスタジオの売り上げが良ければ他はいいという考えにはなりません。全てのスタジオを成功させてあげたいと心から思いますし、そのためにも地域ごと、スタジオごとに施策を細かくコントロールしていかなければならないのです。
多様な媒体の最適活用は豊富なノウハウ持つリードプラスに託す
小林:デコルテさんは、かつては雑誌などのマス媒体で大々的に集客をかけていらっしゃいました。その大部分をオンラインにシフトしたのも、地域ごとに機動的に集客をかけていきたいという狙いからでしょうか?
岩切氏:ご指摘のとおり、地域ごとに最適化する目的があります。もちろん、お客様に当社のブランドを認知していただくチャネルとして、マス媒体でも一定の露出が必要です。オンラインには、その刈り取りの側面もあると言えます。ですから、マス媒体とオンラインの使い分けもトータルでうまくバランスを取っていく必要があると思います。
小林:オンラインの世界はトレンドの移り変わりが激しいことから、御社も常に新たな媒体の活用にチャレンジされています。デジタルの世界ですから、その効果は全て数字でトラッキングできますが、その点も重要視されていますか?
岩切氏:時代によってお客様が見る媒体は変わりますし、フォトウェディングに関してはコロナ禍を機に多くの競合が新規参入してきました。お客様も競争環境も変わる中、当社だけが変わらずに済むはずがありません。常に新しい動きをキャッチアップするように心掛けています。
それに、私は常に正しい解はないと思っていますし、細かなCPA(顧客獲得単価)だけで判断していません。今日のお客様はさまざまな媒体、チャネルをご覧になっており、それらの中でトータルにどう見せていくかが肝心です。
そもそも、CPAや効率性だけにこだわったら、大半の施策はやらないという考えになるでしょう。しかし、それでは難しいと経験でわかっているので、今後もトータルで判断していきたいと思います。
小林:おっしゃるとおり、昨今は消費者の嗜好に応じて媒体やチャネルが多様化しており、それら全体のバランスを考えながら露出や集客を図ることが大切です。そこについては当社もしっかりとお手伝いさせていただきたいと思います。
岩切氏:私たちだけでは、新しい媒体のどこに出すべきかといったことはわかりませんので、リードプラスさんから逐一ご提案いただけるのは大変有り難いことです。それに、特定の媒体で結果を出したいわけではありません。沢山のお客様が各スタジオへお越しいただくことが目的であり、それを果たせればよいのです。そのための最適化はリードプラスさんにお任せしたいですね。
リゾートフォトウェディングでポストコロナの顧客ニーズに対応
小林:今後も事業拡大に向けてさまざまな施策を計画されているそうですね?
岩切氏:フォトウェディングに関しては、今後も全国にスタジオを増やし、当社のサービスをより多くの方にご利用いただきたいと考えています。
また、子供写真にも注力します。お子様は移動範囲が大人よりも狭いため、子供写真はフォトウェディングよりも個々のスタジオの商圏が狭くなります。ただし、リピートが期待できるので、お客様と末永い関係を築きながら当社のサービスをご利用いただけます。これまでもやってきたことですが、一層力を入れたいですね。
加えて、最近はコロナ禍の影響で「結婚式も海外旅行もしないけど、国内の新婚旅行先で記念写真を撮りたい」というお客様が増えています。そこで、リゾートフォトウェディングにも力を入れ始めました。軽井沢にスタジオをオープンしたほか、北海道の店舗も昨年にリニューアル。沖縄のスタジオの需要も伸びており、今年4月には宮古島にもスタジオを開きました。
小林:フォトウェディングとはまた違った集客施策が必要ですね?
岩切氏:各リゾート地に最適な施策を探っているところです。ただ、当社はお客様の住まいの近くにスタジオがあることが強みです。
他社はリゾート地にしかスタジオがないため、現地に行くまで、どんなフォトグラファーやメイクアップアーティストがいて、どういう衣装があるのかがわかりません。
それに対して、当社は高い技術とセンスを持ったプロにより内製しており、リゾートフォトでも同じクオリティを期待できるという安心感があります。
小林:それは決定的な違いです。地元で評判のフォトスタジオと同じクオリティなら、当然そこに頼みたいと考えるでしょう。
岩切氏:リゾートウェディングと比べれば安価だとは言え、私たち庶民にとっては高価な商品です。地元にスタジオを持つアドバンテージも生かしながら、オンラインとオフラインをうまく組み合わせてお客様をしっかりとサポートし、安心してご購入いただける商品を企画します。
小林:そのプロモーションや販売をお手伝いさせていただくことは、当社にとってもチャレンジです。今後も引き続き、全力でご支援させていただきます。本日はありがとうございました。
※ 本ページの内容は2023年4月時点での情報をもとに制作しております。