コンテンツマーケティングにおける購買行動モデル DECAXとは?
マーケティング担当者の方で、コンテンツマーケティングを実践しているけれど、顧客がどのように購買に至るのか具体的にイメージできないという方はいないでしょうか?
なぜ、見込み客の購買行動が分からないかというと、DECAXと呼ばれる消費行動モデルを知らないからでしょう。今回は、コンテンツマーケティングを実践している方に、「DECAX」と呼ばれる購買行動モデルを過去の購買モデルと一緒に振り返りながらご紹介したいと思います。
マスメディアが主流の購買モデル「AIDMA」
ラジオやテレビ、新聞広告などのマス広告が主流の時代に、頻繁に利用されていたのが「AIDMA」と呼ばれる購買行動モデルです。下記の英語の頭文字をとることで、AIDMAとなります。
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(購買)
あらゆる購買モデルの中でも基本的な考え方として、日本で最も認知されていると思われるのがAIDMAの購買モデルです。「Attention(注意)」では、見込み客が興味を持ちそうな商品やサービスをテレビやラジオ、新聞広告などを利用して紹介します。
「Interest(興味)」では、消費者が商品やサービスの説明を受けることで興味を持つ事を表します。「Desire(欲求)」では、興味をもった商品やサービスを手に入れたい、または、買いたいと考える欲求を表します。ここまでは、インターネットが普及した現代でも、共感できる購買行動でしょう。しかし、次の「Memory(記憶)」という購買行動に関しては、違和感を覚えてしまうのではないでしょうか。この時代はインターネットが普及していないため、見 込み客がほしいと思っても、その場でネット注文をすることができません。そのため、忘れないように記憶しておくことを表す購買行動だからです。そして、「Action(購買)」では、記憶しておいた商品やサービスを実際に購入します。
インターネット時代の購買モデル「AISAS」
マス広告が主流だった頃は、「AIDMA」の購買行動モデルを利用すれば、コンバージョンに至るまでの流れを、ある程度把握することができていました。しかし、インターネットの利用者が増加するにつれて、「AIDMA」の購買行動モデルに限界が表れるようになりました。そんな時に、登場したのがインターネット時代の購買行動を表した「AISAS」と呼ばれる購買モデルです。
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Action(購買)
- Share(情報共有)
Attention(注意)からInterest(興味)までは、以前と同様の購買行動を表します。しかし、新たに登場した「Search(検索)」が、「AISAS」の購買行動モデルの最大の特徴となっています。これは、見込み客がインターネットを利用して検索する行動のことを表しています。そして、検索した情報で十分な情報が得られたら、「Action(購買)」に移ります。次に、自分が購入した商品やサービスについて、みんなに知ってもらうためブログなどを通して「Share(情報共有)」を行います。
「AIDMA」の時代は、マスメディアから流れてくる広告を受けて、購入するか購入しないか決定していました。しかし、インターネットが登場した結果、ただセールスを受けるのではなく、自分で検索し買うべきかどうか判断する ようになったということです。このあたりから見込み客の情報に対する向き合い方が大きく変わっていきます。
ソーシャルメディア時代の購買モデル「AISCEAS」
スマートフォンの利用者が一気に増えるようになり、TwitterやFacebookなどの情報交換アプリケーションが一般生活の中で深く浸透するようになりました。例えば、日用雑貨店に来店し、可愛い動物の文房具を購入するとすぐにソーシャルメディアにアップし、日々の出来事を共有するような人を見かけたことがありませんか?それだけ、ソーシャルメディアが一般の人たちにの生活に馴染んでおり、なくてはならない存在となっているということです。そういった購買行動を含めた購買モデルのことを「AISCEAS」と言います。
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(購買)
- Share(情報共有)
訪問者は、インターネットを利用して「Search(検索)」した後、ソーシャルメディア上に公開された情報を参考にしながら「Comparison(比較)」します。比較した後、最終的に本当に購入しても問題ないのか、納得できる買い物となるのか「Examination(検討)」します。
つまり、「AISAS」と呼ばれる購買モデルに、ソーシャルメディアの特性を考慮して、「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を追加したのが、「AISCEAS」という購買モデルだということです。
コンテンツマーケティング時代の購買モデル「DECAX」
年々市場規模が増加傾向にあるマーケティングの手法として、コンテンツマーケティングと呼ばれるものがあります。
文章や動画、ソーシャルメディアなど、ビジネス展開におけるコンテンツ形式を問わず、多様性に優れていることから多くの企業から注目を集めており、実践する企業が増えています。
しかし、一方で多様化されたコンテンツマーケティングの手法は、消費者の購買行動を把握しづらいという声も挙がっています。そんな現状を解決するために、考案されたのが「DECAX」と呼ばれる購買モデルです。
- Discovery(発見)
- Engage(関係構築)
- Check(確認)
- Action(行動)
- eXperience(体験と共有)
「DECAX」の購買モデルを理解すれば、コンテンツマーケティングによって見込み客がどのようにコンバージョンに至るのか、その過程が具体的に分かるようになります。「DECAX」の購買行動は、「Attention(注意)」ではなく、「Discovery(発見)」から始まります。
例えば、山田さんは、インターネットマーケティングに深い知見を得るためにウェブ解析士という資格試験に興味を持ち自ら公式サイトを「Discovery(発見)」します。
一般社団法人ウェブ解析士協会が提供する資格取得系のコンテンツをいくつも閲覧することで、山田さんは信頼関係を築き上げていきます。これが、「Engage(関係構築)」に該当します。しかし、それではお金を払っても良いと思える程は信用できないので、「Check(確認)」を始めます。あとは、同じ流れでコンバージョンに至ります。
「Discovery(発見)」がコンテンツマーケティングの始まりを表す
「AIDMA」や「AISAS」の購買モデルのベースとなる「Attention(注意)」が、「Discovery(発見)」に変更されました。つまり、今まで売り手主体だった購買モデルが、買い手主体に変わった瞬間であり、いかに訪問者が主体的に動いているかが明確に分かる最も優れた購買モデルとなっています。新しく登場した「Discovery(発見)」について簡単に説明しておくと、これは、消費者がマスメディアなどによって情報を与えられるのではなくて、意識的にインターネットを利用して発見していくことを表しています。
「DECAX」で準備するものとは?
従来の購買モデルであれば、お客様に対して用意していたものは、セールス内容が書かれた広告です。しかし、「DECAX」で想定されるユーザーは、広告を求めているわけではありません。読んでいて参考になる情報であり、価値のある面白いコンテンツです。現代は、コンテンツマーケティングが主流であり、「Discovery(発見)」から購買行動が始まるので、今一度、手持ちの施策を見直してみた方が良いのかもしれません。
「DECAX」を基礎として、購買モデルを考える
上記で紹介した「DECAX」を利用したからといって、購買行動がすべて表せるわけではありません。自社で扱う商品によっては、「AIDMA」の方がぴったりくるかもしれません。しかし、どちらにしても、購買行動を意識せずに施策を考えても良い結果を生みだすことができないため、コンバージョンまでの過程を日頃から意識しておくと良いでしょう。