ソーシャルメディアマーケティング事例、各企業のFacebookへの取り組み
多くの企業がソーシャルメディアを活用したマーケティングに取り組んでいます。各企業のソーシャルメディアの活用は多種多様で、その取り組みは気になるものですよね?今回はFacebookに絞り上場企業や中堅・中小企業のソーシャルメディアマーケティング事例をピックアップし、その活用の実態や施策に関してご紹介します。
上場企業のソーシャルメディアマーケティング事例
まずは上場企業の取り組みから確認することにします。食品、電気、素材メーカーの三つです。
食品メーカー:レシピなど利用方法や活用方法を中心に展開
トマトケチャップを筆頭に、調味料や食品、飲料で知られる「カゴメ株式会社」の公式Facebookページが、どんな投稿を行っているか見ていきましょう。
カゴメ株式会社公式Facebook
https://www.facebook.com/KAGOMEJapan/
新商品が次々と発売されるだけに、やはりその紹介が多くあります。キャンペーン情報なども掲載され、定番の投稿が目立ちます。
その中で目をひいたのが、自社商品を使った料理の紹介です。詳しいレシピについては、自社サイトのコンテンツで解説する形になっていました。商品の紹介だけでなく、こうした利用方法を掲載するというのは、購買心理を高めてくれそうです。
成人式、受験などシーズンに合わせたレシピを紹介しているのも、企画がよく練られており好感度がアップします。自社のコンテンツにプラスしてFacebookで時間軸も加えて、上手に活用した事例と言えるでしょう。
なお、この公式Facebookページですが、カゴメの商品サイトのトップページにはリンクが見当たらず、企業サイトにリンクが設置されていました。
ソーシャルメディアの運営で気になるのが、自社サイトとの兼ね合いです。カゴメは商品サイトと同じドメイン内に、/company/というディレクトリを分けて企業サイトとしていますが、リンクの設置場所から見るとFacebookはコーポレート側の運営となっているのか、戦略的にそうしているのか定かではありません。
食品メーカー:参加者への呼びかけをリアルとデジタルで積極的に展開
ポッキーをはじめとするお菓子メーカー「江崎グリコ株式会社」も公式Facebookページを運営しています。
グリコ 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/GlicoGlobal/
内容を確認したところ、お菓子を使った食べ方のバリエーションがいろいろありました。
見ていて楽しいものが多いことが印象的です。情報を提供するよりも「(あなたオリジナルをつくって)コメントに画像アップしてね」など、ユーザーへの参加を呼びかけています。一方通行の広告と違い、これぞソーシャルメディアを使ったマーケティングの王道といえるでしょう。
なお、上の写真はパナップアートの企画ですが、これはリアルなイベントも行われていたようです。
参考)パナップアートでEXPOCITYをスマイルジャック!? 家族でパナップを彫って笑顔になろう!(Facebookからのリンクもあり)
ネットとリアルの垣根を無くしリアルイベントと連動した取り組みが増えています。ソーシャルメディアでもリアルイベントでもユーザー参加を呼びかける良い事例と言えるでしょう。
リアルイベント×SNSというのはデジタルマーケティングの大きなトレンドですので、大いに参考にしたいものです。
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電子機器メーカー:ブランド価値の最大化
「キヤノン株式会社」はカメラやビデオなどの映像機器のメーカーだけに、その特色が投稿にも出ていると予測しました。実際確認すると綺麗な写真がずらりと並びます。
キヤノン マーケティング ジャパン Facebookページ
https://www.facebook.com/CanonMJ/
まずは目をひくのが、カバー写真です。期待を裏切らない写真一点勝負となっています。このカバーがどういった写真に変わっていくのかを楽しむのも、ファンにとっては大きな魅力かもしれません。
これはアラスカ上空から撮影したオーロラの写真という事ですが、タイムラインの中にもこうした美しい写真が多く見られます。
これらの写真から受ける印象ですが、テレビCMと似たイメージのものが多い気がしました。共通の世界観にあるというのが、もしかすると選定の一つの基準になっているのかもしれません。ソーシャルメディアを企業活動のどこに位置付けるかは議論が分かれるところですが、あらゆる場面でブランドに一貫性を持たせることは大切なことです。
キヤノン SNS公式アカウント紹介ページ
https://canon.jp/corporate/profile/socialmedia
なお、キヤノンは自社サイト内にSNS一覧ページを設けていますが、そこに最新の投稿を読み込ませているのも目をひきます。企業全体で、ソーシャルメディアでの活動を積極的に行っている事がうかがわれます。自社サイトの更新感も出るので、良い案内の仕方と言えるでしょう。
電子機器メーカー:Facebookで動画を活用
数多くの商品展開をする総合電気メーカー「パナソニック株式会社」もキヤノンとは違った特徴がありそうなので、見ていきましょう。
パナソニック 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/panasonic.avmjapan/
カバー写真は早くも、2020年の東京オリンピックをテーマにしたものです。長期的な戦略も取っていく大手企業らしい展開と言えそうです。
パナソニックの投稿は新商品、自社サイトのコンテンツ紹介、テレビCM、イベント案内、キャンペーン情報、製品に関する重要なお知らせなど、比較的オーソドックスなものが目立ちます。数多くの商品があるので無数のニュースが生まれ、それだけで投稿ボリュームがいっぱいになるのかもしれません。
そんな中で目立ったのが、動画を多用している事です。動画と言えばYouTubeのイメージですが、数年前の時点で実際の閲覧はFacebookなどのSNSからの方が多くなっている、という報告がありました。Facebook上では動画を使った投稿も、積極的に活用していきたいものです。
素材メーカー:コンテンツへのリーチに活用
B2B企業のFacebook活用はあまり進んでいないかもしれません。そんな中で公式Facebookページを運用しているガラスメーカーとして世界トップクラスにある「旭硝子株式会社」を確認しました。
旭硝子 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/agc.jpn/
公式サイトのトップでも、最新のタイムラインの読み込みが行われています。投稿内容についても、展示会や各種イベント、記念行事やメディア掲載、工場見学の様子や海外展開などB2B企業らしいものが目立ちます。
その中でガラスにまつわる豆知識や実験動画などをスポット的に入れ、工夫しているのが分かります。豆知識は自社サイト、動画はYouTubeでしっかりしたコンテンツを作り、そこにFacebookの投稿から誘導する形になっています。コンテンツマーケティングの参考にもなりそうです。
素材メーカー:SNSマーケティングにも統一されたブランディング
繊維メーカーの「帝人株式会社」は、テレビCMも多くうち積極的なPR活動を以前から行っています。自社サイトも、かなりカラフルです。
余談になりますが、ドメインにも「DAKEJANAI」と入っているのがユニークです。さて、Facebookの方を見てみましょう。
DAKE JA NAI テイジンFacebookページ
https://www.facebook.com/dakejanai/
Facebookで目立つのが、#DAKEJANAIというハッシュタグの積極的な活用です。
ただハッシュタグを付けているだけではなく、「(このテーマに関わる)あなたの、“だけじゃない”を教えてください」というコミュニケーションが秀逸です。企業のキャッチコピー はブランディングの一環で何となく作って、後はどう活用して良いか分からない・・・という場合も少なくないので、SNSマーケティングとブランディングの両面から参考にしたい事例です。
帝人については、テーマを絞ったFacebookページもありましたので紹介しておきましょう。
テイジン内定者による就活情報 Facebookページ
https://www.facebook.com/TEIJIN.recruit/
ソーシャルメディアに限らず、BtoB企業がWebを活用する目的の大きなものが、「優秀な人材の確保」です。優良企業にも関わらず、BtoBという特性から若年層にその魅力が届かない場合も多々あるため、ネットを使ったPR活動には重きを置かれています。
内定者の活動報告にSNSを活用するというのは、有意義な取り組みだと思います。残念ながらこのFacebookページ自体の更新は現在されていないようですが、テーマを絞った企業のSNSというのも試していきたいものです。
中小企業のソーシャルメディアマーケティング事例
一般的に誰もが知っているような大企業に関してご紹介してきましたが、中堅・中小企業の取り組みはどうでしょうか?
中堅・中小企業は、大企業に比べてニュースも少ないためソーシャルへの投稿も滞ってしまいがちです。また更新しても自社商品やサービスの紹介がほとんどであったり、イベントの告知などテーマが不明瞭になりがちです。
ファッション:テーマを統一し世界観を演出
靴下の製造、販売を行う「タビオ株式会社」のFacebookページは、お洒落なカバー写真が目をひきます。
タビオ 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/Tabio.Japan/
業種がファッションという事でSNSとの親和性が高いというのもありますが、投稿にもお洒落な写真が多く、テーマや世界観が統一されているのが良い感じです。頻繁に更新されているわけではないようですが、テーマがブレて何を目的にしているのか分からないSNSより、遥かに有意義です。
B2B企業のソーシャルメディアマーケティング
B2Bの中小企業のソーシャルメディアマーケティング事例を探して見ましたが、これは!という事例がなかなか見つかりませんでした。やはり外部に知らせることができるネタが少ない事もあり、更新がほとんどされていない、ページはあってもSNSがブームになった数年前で止まっている、そもそもページ自体を開設していない、という企業が目につきました。
その一方でコンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングに取り組んでいる企業では、ブログの更新通知などでリーチの拡大に取り組んでおり成果を上げていることが予測されます。
今後のB2B企業のソーシャルメディア活動は試行錯誤を繰り返しながら発展していくことになるでしょう。