「404エラーページ」とは、Webサーバーの中に指定されたURLに対応するデータが無い場合に、ページデータの代わりに「404 Not Found」というメッセージを返すWebページのことを指します。「404」はエラーの番号であり、http・https通信において発生するエラーの404番という意味です。主に、以下のようなケースで表示されます。
- ブックマークとして登録していたWebページがリニューアルなどでなくなった
- Webページにあるリンク先がリニューアルなどでなくなった
- URLのタイプミスで正しくWebページが表示されていない
- Webページにあるリンクの記述が間違っていて正しくWebページが表示されていない
- pdfや過去のカタログなどに記載したWebページがリニューアルなどでなくなった
- MAツールなどで設定していたナーチャリング メール内のリンクがリニューアルなどでなくなった
今回ご紹介するのは、404エラーページの意味ではなく、秀逸な404エラーページのデザインを行っているWebサイトについてです。実は、404エラーページは「404 Not Found」という素っ気ないものだけではなく、独自にデザインすることでちょっとお洒落でユニークな404エラーページにすることができます。
404エラーページがお洒落でユニークだと、たとえばWebページが表示されなかったとしてもユーザーの「残念感」が多少軽減されますし、ブランド色を出せる部分でもあるため、すべてのWebサイトが404エラーページのデザインに取り組むべきでしょう。それでは、デザインが秀逸な404エラーページをご紹介します。
404エラーページが秀逸なWebサイト11選
Amazon（米国）
米国Amazonの404エラーページでは、Amazon内で飼われている犬がランダムで表示されます。日本のAmazonの404エラーページは素っ気ないものなのでそのギャップに驚きますが、日本はWebサイトにおける404エラーページデザインが少ないということもあり、404エラーページをデザインしているWebサイトの方が少ないかもしれません。動物系の404エラーページは癒し効果もあるので、目的のWebページが表示されなくても何だか許せる気がします。
ANA
多くの航空会社が404エラーページをデザインしていますが、ANAの404エラーページが特に秀逸でしょう。爽やかかつ旅行に行きたくなるような文言が表示され、その下には「国内の旅に出る」「海外の旅に出る」というリンクが作られており、404エラーページからビジネスに繋げようという姿勢が素晴らしいですね。
NASA
NASA（米国航空宇宙局）の404エラーページでは、ブラックホールのような背景に英語で「あなたが探している宇宙物は、事象の地平線の向こうに消えました」という文言が表示されています。「事象の地平線」とは、光のような最大速度を持つ物体でも到達できなくなる領域（距離）のことで、ここより先の情報を人類は知ることができないと考えられています。つまり、「あなたが探しているページは存在しません」という一般的な文言を、少しもじった形になるでしょう。宇宙好きなら思わず「おっ！」となってしまうような404エラーページです。
WWFジャパン
WWF（世界自然保護基金）ジャパンの404エラーページでは、アクセスする度に絶滅した動物がランダムで表示されます。ユーザーが閲覧したかったWebページも、表示された絶滅動物も二度と見ることができない。404エラーページと絶滅動物をうまくかけてメッセージ性を強めています。必ずしても見ていてハッピーになるような404エラーページではありませんが、秀逸なデザインの1つです。
江崎グリコ
もうすぐで創業100周年を迎える江崎グリコの404エラーページでは、「404」の文字がポッキーで作られています。画面左にはグリコマークがあり、一目で江崎グリコと分かるようなデザインです。非常にシンプルかつダイレクトな404エラーページですが、上手くブランド色を出せています。
サクラクレパス
総合文具メーカーのサクラクレパスの404エラーページは、自社のブランドを高めるためにクレパスの特徴や歴史などについて学べるページへのリンクが施されています。主力商品を404エラーページに使用してユニークさを演出することで、ユーザーを飽きさせない仕掛けができますし、同時に商品や会社についてアピーすることができるでしょう。
東京ディズニーリゾート
東京ディズニーリゾートの404エラーページでは特にデザインに凝っているという印象はありませんが、日本語を含め7言語に対応しているというのがポイントです。2020年東京オリンピック開催時は日本のインバウンド需要が最大になると言われており、外国人観光客が日本のWebサイトを見る機会も多くなりそうなので、これからは404エラーページの多言語対応も必須になってくるでしょう。
https://www.tokyodisneyresort.jp/404
日清食品
シンプルでもインパクトの大きな404エラーページならば日清食品が秀逸です。404エラーページに表示されている眼鏡が光るおじさんは、チキンラーメンとカップヌードルを開発した日進食品の創業者です。404エラーページを見たユーザーにインパクトを与えると同時に、その歴史を感じさせます。
https://www.nissin.com/jp/about/nissinfoods/404
日本コカ・コーラ
日本コカ・コーラの404エラーページは「0」の部分を缶でデザインしており、シンプルながらコカ・コーラらしさが伺えます。404エラーページはシンプルでもまったく問題ありません。大切なのは多少なりともブランド色を出すことで、ユーザーのUX（User Experience）を損ねないことでしょう。
https://www.cocacola.co.jp/404
日本郵便
日本郵便はANAのように、さりげなくブランド色を表現している404エラーページです。やはり、シンプルながらもブランド色を出すことがとても大切であり、404エラーページをデザインすることで細部までのこだわりを演出できます。
http://www.post.japanpost.jp/404
ヤマト運輸
一方、ヤマト運輸の404エラーページは大きく動きを持たせて、猫を探し出すゲームを楽しむことができます。一見ゲームに気を取られがちですが、その他の情報もしっかりと充実しているため、秀逸な404エラーページの1つです。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/404error.html
404エラーページをもっと楽しもう！
404エラーページのデザインで大切なことは、Webサイトのデザイナーや運営者自信が楽しんでデザインすることだと思います。多少奇抜なデザインでも、お洒落でユニークなら何だか許せてしまう、それが404エラーページの魅力なので、ぜひこの機会に404エラーページのデザインに取り組んでみてください。
