スピードアップデート(Speed Update)とは

Googleが2018年に実施したスピードアップデートとは、モバイルサイトの表示速度を評価基準として検索アルゴリズムに組み込み、検索順位に反映させるためのアップデートです。2018年の1月にスピードアップデートの構想がアナウンスされたものの、評価の判定基準は公表されておらず、実際に影響を受けたかどうかを確認できるツールの提供や方法論の確立はされてはいませんでした。また、サイト側でどのような技術が使われているかには関係なく、純粋に表示速度のみで判定され、このアップデートを機にモバイル向けのWEBサイトの中で表示速度が極端に遅い場合に限り、検索順位が下がるペナルティが発生します。

これまでGoogleはパソコン向けのWEBサイトの表示速度については重要な指標と認識し、検索順位への評価基準に採用してきました。それに対して、モバイルページについては明確なアナウンスがなく、パソコン向けのWEBサイトが十分な評価を得ていれば、モバイル上での表示が遅くても同様の評価を得ることが可能でした。しかし、このスピードアップデートの導入により、モバイル向けのページの表示速度が検索結果に影響する運びとなりました。ただし、Googleが明らかにしているように、このアップデートは表示速度が極端に遅いページにのみ適用されるため、実際にスピードアップデートが導入されたにもかかわらず、多くのページは影響を受けませんでした。

また、検索ニーズに対して大いに関連性が高いと評価されれば、仮に表示速度が遅くても、上位表示される可能性はあると説明されています。例えば、ユーザビリティを向上する目的としてCMSを導入し、複数の画像や動画を掲載して解説を行うページは、HTMLで作成された静的ページよりも一般的に表示速度が遅くなります。しかし、そのユーザビリティは動的ページの方が高いことが多く、単にモバイルにおける表示速度を優先的に評価してしまうと、検索エンジンのユーザビリティを損なう結果になってしまいます。そのため、関連性の高いリンクや検索ボリューム、キーワードなどの従来の評価基準と併せて総合的に判断されるとGoogleは示唆しています。

一方で、モバイルページの表示速度について明確な基準について公式の見解はありませんが、Googleはページが表示されるまで3秒かかると半数以上の閲覧者がサイトを離脱するというデータを発表しています。そのため、自社サイトの脱落率の軽減も視野に入れて、画像の圧縮やローカルへのデータ保存などページの表示速度の改善を行い、少なくとも3秒以内にモバイルページが表示される環境の構築を推進することが大切です。