パンダ・アップデートとは
海外では2011年、日本では2012年7月に実装されたパンダ・アップデートとは、低品質なサイトの検索順位を下げ、良質なサイトを上位に表示することを目的としたGoogleのアルゴリズムアップデートの呼称です。
当時はWebサイトの規模やドメインオーソリティの高さが検索順位に影響を与えていたため、ユーザーに価値を提供しない低品質なコンテンツを提供するサイトがWeb上に溢れ、掲載上位を占めていました。しかし低品質なWebサイトを上位に掲載するアルゴリズムがユーザーの満足度を低下させてしまうと危惧したGoogleは、低品質なコンテンツを掲載するサイトの評価を下げるアルゴリズムを導入しました。これがパンダ・アップデートです。
過去に類を見ない規模のアルゴリズムの改変により、米国における全検索結果の11.8%に影響を与えることになりました。パンダ・アップデートは当初、手動で更新されていましたが2013年3月からは通常のアルゴリズムに統合され、現在も月1回程度の頻度で自動アップデートが行われています。対象になる低品質コンテンツには自動プログラムにより生成されたコンテンツや、他のサイトと内容が重複しているコンテンツ(無断複製)、大半が広告でできているコンテンツ、外部からリンクを得られていないコンテンツが該当します。
自動プログラムにより生成されたコンテンツは検索キーワードを含むものの、プログラムによって自動で作成された結果、文脈がなく理解ができない文字の羅列となっているため、ユーザーに価値を提供することができません。また、同じ内容のコンテンツが検索結果に表示されても、ユーザーの利益にはならないため、あまりにも内容が重複しているコンテンツは低品質だとみなされます。そして、内容が薄く、広告を載せるために作られたようなコンテンツも情報のやりとりを目的とするインターネットにおいて不適切とみなされます。加えて、Googleのアルゴリズムは、外部から非リンクの数を第三者のサイトからの評価・支持と認識しています。そのため、リンクを得られていないコンテンツは、ユーザーからの評価も悪いコンテンツだと認識されることがあります。
パンダ・アップデートのパンダは、動物のパンダに由来しているわけではなく、このアップデートの中心人物となったGoogleのエンジニアNavneet Panda氏の名前からきています。低品質なコンテンツを提供するコンテンツ・ファームを取り締まるためのアップデートだったため、もともとはファーマー・アップデートなどとも呼ばれていましたが、パンダ・アップデートという名称で定着しました。