LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTV(ライフタイムバリュー)とは、「1人の顧客が、自社商品やサービスを一生涯で購入する金額の合計」を意味するマーケティング用語です。同じ意味の言葉として「顧客生涯価値」があります。

LTV(ライフタイムバリュー)では、顧客が長期間にわたって何度も自社商品やサービスを購入することが重要になります。つまり、「顧客の自社商品やサービスに対する愛着 = 顧客ロイヤルティ」が高いほど、LTVは高くなる傾向があるのです。

市場競争が激しくなってくると、顧客1人あたりの獲得競争も激化していきます。「一度購買体験をした顧客に、いかに継続利用してもらうか」を考えるためにも、LTV(ライフタイムバリュー)は効果的な指標といえます。

なお、LTV(ライフタイムバリュー)を算出するにあたっては、ある一定期間に一定以上の頻度で購買可能な商品、またはサービスであることが重要です。たとえば住宅販売など、リピート購入しづらい商品に対しては適用されることが少なくなります。

LTV(ライフタイムバリュー)の計算式は、一般的に「平均購買単価 × 購買頻度 × 継続購買期間」となります。LTV(ライフタイムバリュー)の概念としては、顧客が”生涯を通じて自社商品やサービスを購入する金額”となっていますが、実際に生涯にわたり購入額を計算することは困難です。 よって、一定のところで「継続購買期間」に区切りをつけて計算します。

たとえば、文房具店で平均購買単価が500円・購買頻度が年10回・年間に10%の顧客が離脱しているとしましょう。

年間の離脱率が10%ということは、1人あたりの継続購買期間は「1 / 0.1 = 10年」となります。したがって「500 × 10 × 10 = 50,000円」で、文房具店のLTV(ライフタイムバリュー)は50,000円であるといえます。

これは、顧客を1人獲得すると、その後50,000円の売上が見込めることを意味します。店頭にのぼり広告を出したり、リスティング広告を出稿したりして、費用をかけて新規顧客を獲得している場合、先ほどのLTV(ライフタイムバリュー)からは除きます。これによって費用を差し引いた数値が算出されます。

なお、LTV(ライフタイムバリュー)が明確になれば、顧客1人あたりの獲得費用(CPA)を明確にすることもできます。売上高に対する粗利の比率を意味する「粗利率」をLTV(ライフタイムバリュー)にかけることで、CPAの上限値が明確になります(LTV × 粗利率)。

LTV(ライフタイムバリュー)を上げるには「平均購入単価を上げる」「購入頻度を上げる」「継続期間をのばす」の3点がポイントとなります。3点のどのポイントに対して改善施策を進めていくのかを明確にして、自社商品やサービスを展開していきます。