カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、消費者が商品に対して興味を抱いていない状態から購買意欲を抱かせ、最終的に購入にいたるまでの流れを指す言葉です。そして、カスタマージャーニーにおける消費者の行動の移り変わりを指す図表を「マップ」と呼びます。マーケティングにおいては的確なカスタマージャーニーマップを作り上げ、実践していくことが重要です。

カスタマージャーニーを知ることのメリットは「消費者目線」を得られる点です。企業側の目線しかないとどうしても「売りたい商品」「やりたい宣伝」を優先してしまい、消費者の需要を見逃してしまいがちです。カスタマージャーニーによって企業は消費者心理に近づくことが可能です。また、「現場の連携」にもカスタマージャーニーは重要でしょう。マップを参照することにより従業員は、自分の担っている仕事の役割を理解します。そして、ほかの部署との関係を意識しながら作業を行えるようになります。

売上向上につながるマップを作るには消費者のペルソナを設定しなくてはいけません。消費者の年齢や性別、職業からライフスタイルにいたるまで細かく仮定し、具体的な接し方をイメージします。そして、ペルソナが高確率でとるだろう行動や言動を仮想し、スタッフ間で共有します。ペルソナが商品・サービスに対してぶつけてくる疑問や不満を事前に解決しておくことが、マップ作りに役立つでしょう。なお、ペルソナは「理想の顧客」ではありません。あくまでも商品に対する典型的な客層がペルソナになるので注意しましょう。

なお、マップ作りにおいては「根拠」も大切です。ペルソナの行動パターンを正確に割り出すには根拠が必要です。アンケートやモニタリング、ヒアリング調査などを重ねてできるだけ多くのデータを収集します。そして、データからペルソナに近い消費者たちが選ぶ特定の傾向を解析し、文章にしていきます。

ここまできたら、いよいよペルソナとの「タッチポイント」を作り出しましょう。タッチポイントとは、ペルソナが商品・サービスと接触する場所です。Webコンテンツがタッチポイントになることも多くなっているものの、いまだに実店舗も無視できない働きを見せています。

Webコンテンツでは単なる商品・サービスの紹介に終わらず、購入までの道筋がはっきり見える構造にしましょう。そして、カスタマージャーニーマップは一度作ったら終わりではありません。実際の反響を確認しながら、反省点や修正点を探し、その都度アップグレードしていくことが求められます。