マーケットイン

マーケットインとは、消費者の要望やニーズを調査した上で、その結果を踏まえて商品を開発し、市場へ供給する販売戦略のことを指す。
マーケットインのメリットは、先に需要ありきで製品を開発するため、商品が全く売れないという失敗のリスクが低くなること。

デメリットとしては、顧客の期待を超える斬新さや画期的な発想が生まれにくい点が挙げられる。そのため、他企業も同じマーケットインの手法を取っていると、市場に似たり寄ったりの商品が多く出回ることになる。それによって市場のコモディティ化(市場参入時に高付加価値で差別化されていた商品の市場価値が下がり、一般化される現象)が進み、技術としての競争力も低下し、価格競争に陥る可能性がある。

逆の発想の販売戦略には、製品ありきで考えるプロダクトアウトがある。よいものなら売れるという考え方のもと、自社の技術や強みを生かした商品開発を行い、市場に提供するという販売戦略。
日本の高度経済成長期には、プロダクトアウトの発想が根強くあった。

しかし時代が進み、供給過剰となり良いものでも売れなくなるにつれ、マーケットインの考え方も取り入れられるようになる。一般的には両者の手法をバランスよく取り入れることが重要とされる。