1:29:300の法則とは、「ビジネスにおける1件の大きな失敗は、顧客から寄せられる29件のクレームと、さらにその裏に潜んでいる。あがってはこないけれども、見逃してはならない小さなクレーム300件によって起こる」という考え方。主に、ビジネスの失敗発生率の算出に活用される。
もとは、米国のハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)が、労働災害の統計の分析から導き出したもので、保険会社の経営に役立てられていた法則。「ハインリッヒの災害トライアングル定理」「傷害四角錐」とも呼ばれる。
いずれにせよ、目で見えている重大な惨事やビジネスの失敗は氷山の一角に過ぎず、その背景には幾千もの「不安全行動」「不安全状態」と呼ばれる危険な行為や不満状態が隠されていることを示している。
インターネットの普及した現代において、クレームはWEBを通して捉えやすくなっている。この状態をチャンスとみなし、いかにしてビジネスの成功につなげるか、ビジネスパーソンの手腕が問われる。