クロス集計とは、アンケート調査において複数の設問に対する回答を、1つの表上に集計することを指す。またクロス集計に対し、設問ごとに回答を集計することを単純集計という。
クロス集計のメリットは、ある設問に対する回答の分布傾向や属性ごとの影響を視覚的に把握できることにある。統計に詳しくなくても数値の比較が容易であるほか、グラフに加工しやすい利点もある。
たとえば、ある商品に対する調査で「満足度」のほかに「年齢層」の項目を設けることで、その商品が受け入れられている年代とそうでない年代を知ることができる。アンケートの設定によって、設問者は特定のグループの嗜好をつかむことができるため、マーケティングにおいては最もポピュラーな手法の1つとして使用されている。
また、クロス集計において、項目数が3つ以上に及ぶものは「多重クロス」と呼ばれる。前出の例の場合、「満足度」と「年齢層」に「男女」を加えると、設問が3つとなり「3重クロス」と呼ばれる。ただし、設問数を増やすと個別の標本サイズが小さくなり、相関関係の分析が困難になる。