YMYLとは?SEO対策はどうすればよいの?
自社サイトを運営している場合、SEO対策はアクセスを増やすためにも必須です。SEO対策にはさまざまなものがありますが、「YMYL」と呼ばれるものに関しては、特に情報の信頼性や専門性、権威性が重視されます。当記事ではYMYLとは何か、またYMYLに該当する場合の対策方法などを解説します。
YMYLとは
「YMYL」は「Your Money or Your Life」の略称で、直訳すると「あなたのお金や人生」を意味します。Googleのガイドラインでは、今日特に配慮すべき分野として提示さているものです。具体的には、そのジャンルの情報を配信することによる、影響の度合いが大きなものが含まれます。例えば宗教や人種、ほかにも医療や投資といった人の生命および財産に直接関わるものなど、その範囲は非常に広く、多くのテーマで考慮する必要があります。
YMYL重視の背景
YMYLが重視されるようになった背景には、大きく2つの要因が挙げられます。1つは、Googleがよりユーザー視点に寄った評価を行うようになってきていること。そしてもう1つは、過去に情報の不正確さなどに起因する問題があったということです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
評価基準の更新
現在ではAIも駆使し、人が見たときの評価に近い本質的な評価ができるようになってきていますが、従来はそうではありませんでした。良質なサイトであることを評価するための基準が今と少し異なっており、どちらかといえば機械的な判断が可能なものでした。そのためテクニック的な要素が強く、被リンクを購入することや隠しテキストを含ませるなどの行為によって、対策を講じている運営者も多くいたのです。しかしこれは、検索エンジンへの対策にしかなり得ず、ユーザーのためになるものとは言えません。
現在では技術的な革新もあり、評価基準が更新され、閲覧した者が信頼できる情報であるかどうかを実質的に判断する方向へと変わってきています。こうした流れを受け、特に信頼性および正確性が必要なYMYLのジャンルが重視されているのです。
不確かな情報への懸念
情報の不正確さなどに関する問題としては、キュレーションサイトなどによる信憑性の薄い情報が多数出回っていたことなどが挙げられます。従来の基準によれば、中身の品質が低くてもSEO対策を施すことで上位表示できていたため、問題あるサイトでも多くの人に閲覧される状態にあったのです。実際、他サイトで投稿された画像やテキストを勝手に利用したり、専門性を持たない者による情報配信が行われたりしていました。
特に医療や法律、金融などYMYLにあたる分野では、不確かな情報が拡散されることで人の命や財産に多大な影響を与えかねません。こうした問題が背景にあるため、今YMYLが重視されているのです。
YMYLのジャンル
続いては、YMYLの主なジャンルについて見ていきましょう。
医療
1つは、すでに挙げている「医療」分野です。病気や人の健康に関わること、薬、栄養など、また病院に関わることなども広く該当し得ます。これらの情報を間違えたまま発信すると、内容によっては人体に重大な悪影響を及ぼす可能性すらあるのです。そのため、正確な内容が記載されているページを上位表示する必要性が特に高い分野であると言えます。
お金
「お金」に関しても幅広くYMYLに該当します。例えば税金に関することや、保険・投資・ローン・年金のように人の生活に密接する内容などです。影響の度合いが非常に大きな内容も含まれ、特に不動産購入などでは情報の正確性が強く求められています。
お金に関連する分野には「ショッピング情報」も含まれます。通販が多く利用されるようになった昨今では、これも人の生活に欠かせない情報となっています。しかしながら、適切な使い方を把握しきれていない利用者も依然多いのが実情です。トラブルが発生しないよう、できるだけ利用者に寄り添った、正確な情報を届ける必要性が高い分野と言えます。
法律
「法律」の分野もYMYLに該当します。人の権利義務関係に関わるものゆえ、知らなかったでは済まされないのが法律です。しかし、その内容は専門的かつ複雑で、仮に不確かなことが書かれていたとしても、一般のユーザーは真偽を疑うことすらできません。そのため離婚や養子縁組、相続、遺言といったさまざまな法律問題にも高い正確性が求められています。
そのほか、多数の分野にてYMYLに該当する可能性があります。選挙や社会サービス、政治情報などはもちろん、ジェンダー・国籍・仕事に関わることなど多岐にわたります。
YMYLとE-A-T
SEOの観点では「E-A-T」が非常に重要です。これは専門性を表す「Expertise」、権威性を表す「Authoritativeness」、そして信頼性を表す「Trustworthiness」の頭文字をそれぞれ取った言葉です。YMYLに限らず、SEO全般で重要視される考え方で、近年では特に運営者が気をつけなければならないポイントとされています。
これらすべてについて高いレベルに持っていこうとすれば、正確な情報であることはもちろん、より説得的な情報も付加させることが必要です。例えば、できるだけ正しいことをアピールするため、正確性が担保される公式ページから引用したことを記載したり、執筆者や監修者がその分野に精通した専門家である旨を記載したりすることが、その手段として考えられます。
さらに、当該サイトの目的や運営者、およびコンテンツ作成者の情報・評判なども重視されます。情報自体にだけ着目するのではなく、「誰が運営するものなのか」といったことも判断材料となるのです。そこで、運営者情報を記載したページを設け、訪問してきた人が確認できる状態にすることが、以前より求められるようになっています。
YMYLに関わるサイトでのSEO対策
ここでは、YMYLに関わるサイトを運営するうえで、サイト運営者が取るべき具体的なSEO対策について解説します。
検索意図を踏まえる
まずは、アクセスの確保およびユーザーの満足度を高めるため、検索意図を踏まえたものを作りましょう。このことはあらゆるテーマに共通し、もちろんYMYLでも欠かすことのできない基本的な対策です。訪問してくる人がどのような情報を求めているのか、よく考えたうえで作業を進めていきます。
正確性を意識する
繰り返しになりますが、記載する内容はできる限り正確なものでなくてはなりません。悪意がなくても、間違って事実と異なることを盛り込んでしまうと、評価を落としてしまいます。
そこで対策としては、自社が専門とする分野で勝負をするか、そうでない場合には専門家の力を借りるとよいでしょう。その場合、記事中に専門家が作成あるいは監修した旨を記載すると、ユーザーを安心させられます。
情報の充実を図る
SEO対策では、単一のページだけ質を向上させるのではなく、サイト全体の評価を上げることが大切です。そのため運営者や著作者情報などを載せて、全体によい影響が及ぶようにします。ほかにも問い合わせページの設置や、必要に応じて利用規約を作成することも有効です。
情報の根拠に注意する
正確性を保つために、「どの参考元を信用するのか」という点にも注意しましょう。例えば引用や参考にした情報に関しては、出典を明確に示すべきです。できるだけ公的機関を参考にするよう心がけ、出典元を見たユーザーが不安になるようなところは典拠としないようにすべきです。専門家が運営しているなど特段の事情のない単なる個人ブログや、誰が運営しているかわからないメディアは避けたほうが無難でしょう。
更新を心がける
情報の「更新」も重要な作業です。新たに発覚したデータから情報の真偽が変わってしまう可能性がありますし、ユーザーもより新しい情報を期待しています。場合によっては、新たな事実によって過去の情報が無意味と化すこともあります。速やかに情報を更新できるよう、最新情報のチェックは欠かさないようにしましょう。
まとめ
今日の検索エンジンは、小手先で対応したコンテンツではなく、より本質的に優れた内容を高く評価するようになってきています。特に、YMYLに該当する分野では正確性などが重要視されているため、コンテンツ作成においては出典元などに配慮しなければなりません。もしくは専門家に監修してもらい、情報の信頼性と専門性を高めるとともに著作者情報なども記載するようにしましょう。企業として、ユーザーが安心して情報を得られるようなサイト作りを心掛けることが大切です。