コンテンツマーケティングは質だけではない!サイト自身も重要という話
Googleなどの検索エンジンで上位に表示されるためには「質の高いコンテンツ」が重要というのは知らない人はいないほど有名でしょう。しかし、本当にそれだけで良いのかという疑問がわくことがあります。いろいろなサイトを見てみると、上位表示されるサイトは「そのWebサイト自体も良いもの」である可能性が高いのです。
この記事では、そんな「良いWebサイト」に焦点をあてた検証をおこなってみたいと思います。
重要性に関する仮説
まずはコンテンツマーケティングをおこなっているWebサイトで、どういった部分が重要になりそうか仮説を考えていきましょう。
Webサイトのネーミング
コンテンツマーケティングでは、一般的に記事のタイトルが重要になります。SEO的にはタイトルに「キーワードが含まれている」ことが、特に重視されます。タイトルは検索結果に表示されますので「クリックして読んでみたい」と思ってもらえることも大切です。
そして、そんな記事を掲載するWebサイトの名前も大切ではないでしょうか。「このサイトなら自分にとって必要な情報がありそう」ということに加え「読んでみたい」といった感情も動くことが必要そうです。
Webサイトのロゴ(ファビコン)
Webサイトの名前とともに、ロゴも大切です。名前そのものが、ロゴ風になっているケースもあるでしょう。またロゴはWebページに掲載されているだけでなく、ファビコンに使われていることも多くあります。
スマートフォンでGoogle検索をした場合には、ページタイトルや概要ととともに、ファビコンが表示されます。ユーザーが検索画面から自分にとって必要な情報かどうかを判断するための大切な情報、となっています。
ファーストビューの画像
ファーストビューの画像でその記事の興味や関心をそそられて、読んでみたいとなるかも重要なポイントといえそうです。
記事コンテンツづくりのテクニックとして、合間にイメージや図表などのアクセントを入れることは大切です。ファーストビューに置く画像は、関心を高めるという表紙的な役割も担っていそうです。
ドメイン・URL
ユーザーが目配りを必ずするとは限りませんが、ドメインやURLも検索結果に表示されるので、そのWebサイトを構成する大切な要素と考えていいでしょう。
検証
上記でご紹介した要素を中心に、次の章から検証を進めてみましょう。
検証については、一つのビックワードを決め、それと関連語を組み合わせていくつかの検索をしていくようにして進めていきます。またここでピックアップする対象としては、自然検索結果の3位以内に出てくるサイトとします。
1.「ふるさと納税」
近年、話題にのぼることも多い「ふるさと納税」。
これについて調べてみたいと考える人が多く検索する、「ふるさと納税 種類」という組み合わせでまずは見ていきましょう。
「ふるさと納税 種類」の検索結果画面
ここでは2番目に表示された、「ふるさとチョイス」のページを見ていきましょう。検索結果の3番目も、同じくふるさとチョイスのページです。
まず検証の3つのポイントについて見ていきましょう。
サイト名は「ふるさとチョイス」、ロゴもこの名称をもとに作られていますので、ここでは一緒に見ていきましょう。
まずネーミングでいくと、「ふるさと」という言葉を使うことでふるさと納税との関係性、専門性を感じられるようになっています。書体も筆書きのような形で、どこか懐かしさ、親しみやすさを感じさせますね。それが単純に書かれてあるだけでなく、一文字ひと文字の角度を変え、踊っているような変化をつけているのにも注目です。ちょっと楽しげ、ワクワク感が演出されています。このような見せ方をすることで、前向きに調べていこうという気になります。
ページ上のロゴではないですが、ファビコンはハンコのような丸で囲った「ふ」の文字。これも印象深いですね。Googleの検索結果上で、楽しさと専門性を感じさせてくれます。
グラフィックで彩られたファーストビューも、賑やかな雰囲気を伝えてくれています。
「ふるさと納税とは」の見出しフォントは、あたたかくて優しい雰囲気ですね。このページで紹介する内容を短くまとめてアナウンスしてくれているので、必要な情報が書かれてあるかどうかについてもすぐに把握ができます。
ここではドメインについても触れておきましょう。
サイト名そのままだと「-choice」とつくはずですが、「furusato-tax.jp」なのが少し気になる点です。サイト名そのままではなくても、このほうがふるさと納税のサイトというのは伝わります。
なお3番目に表示されたのは、次のページです。
ふるさと納税で「住民税」はいくら安くなる?(ふるさとチョイス)
ふるさと納税とは?の下層にあるテキストのみのページなので、見た目の印象は先ほどと比べて薄れます。しかしそれまでに「ふるさとチョイス」の名称、ロゴに接していれば、近しい親近感や信頼が感じられるはずです。
次に「ふるさと納税確定申告」というキーワードで検索した場合には、ふるさとチョイスのページが1番目に出てきました。
「ふるさと納税確定申告」の検索結果画面
最初に「ふるさと納税 種類」で接した時よりも、検索結果画面を見た時に「ああ、あのサイトの記事か」と安心感が出てよりクリックをしやすい気持ちになるのではないでしょうか。
タイトルでサイト名は見切れてしまっていますが、スマホだとファビコンで同じサイトの記事とわかる人も多いはずです。
2.「スキューバダイビング」
次は、「スキューバダイビング」をもとに検索してみましょう。
まずは「スキューバダイビングライセンス種類」という組み合わせです。
「スキューバダイビングライセンス種類」の検索結果画面
自然検索結果のトップ3に、異なるファビコンが並びました。1番目に表示されたページから見ていきましょう。
ダイビングライセンス(Cカード)の種類は1つだけじゃない?(パパラギダイビングスクール)
パパラギダイビングスクールが提供する、記事コンテンツです。
これはスクール内の記事ですから、サイトのネーミングとロゴは同所のものです。青色をベースにした、爽やかなイメージがスキューバダイビングをすぐに連想させてくれますね。
ファーストビューの画像も同じです。ライセンスの種類という検索ですが、ユーザーはお堅い情報を求めているのではなく、「スキューバダイビングをしたい」という欲求の方が先にあるはずです。たとえばライセンス証のようなかっちりとした画像を置くより、こうしたスキューバダイビングの楽しさを伝えるような画像の方が、よりユーザーの気持ちには合うのではないでしょうか。
二番目に表示されたページも見てみましょう。
ダイビングライセンスの種類を紹介、Cカードを取得して世界中の海を体感しよう(ダイビング&スノーケリングショップAQROS)
こちらもスキューバダイビングの爽やかなイメージが伝わってくるページです。
AQROSというのはショップの名称のようですが、それとは別にあるロゴがユニークなのが目をひきます。「価格とサービス」と大きくロゴ内にあるのがこのショップの特徴を、それだけではなく「人と海を繋ぐ」となっているので、マリンスポーツの楽しさそのものを伝えてくれるサイトという印象を受けます。
続いては「スキューバダイビング魅力」という組み合わせで検索してみます。
「スキューバダイビング魅力」の検索結果画面
ここでは検索結果の2番目に表示された、ブログサイトを見ていきたいと思います。
ダイビングの魅力 〜何が楽しいの?〜(Diver Lounge)
まずはサイト名とロゴからです。
Diver Loungeというサイト名であることから、ダイビング好きな人たちが集うサイト、ということが伝わってきます。筆記体でサイト名を記載しているのも、印象的ですね。もしこれがブロック体で記載されてあったら、サイトから受けるイメージがガラリと変わるはずです。
このサイトで特に注目したいのは、ロゴマークでしょう。ダイバーの姿を描いているので、専門サイトであることが直感的に伝わってきます。またファビコンにこのままの形が出ているのも、ユニークです。
ファビコンは小さいのでロゴをそのまま使えないことも多いですが、この場合はあらかじめファビコンにも使う想定だったのでしょうか。検索結果画面に表示された時から、クリックしやすくなるような仕掛けです。
このページは、深い海の底の画像をファーストビューに使っています。まさにこれからスキューバダイビングの魅了を知りたい、という気持ちによく合う画像です。
タイトルの上に「ダイビングって、楽しいの?」とあるのも、短いながらこの記事を読むとその魅力がわかるのではないか、という期待がわきます。
記事ページが検索結果の上位に出るのは、多くが「ユーザーが何かしら『知りたい』という欲求を持っている」という検索の時です。この記事はそうした欲求に応えますよ、というのがタイトル個所に記されているので、非常に効果的といえるのです。
まとめ
重要なポイントを記しておきましょう。
まずサイトの名称、ロゴ、それにファーストビューの画像については、ユーザーのインサイトに合った形で提供することです。
例えば「ふるさと納税」は税金であっても、ユーザーはお役所のようなお堅い情報を求めているわけではありません。スキューバダイビングの場合は知識を得たいと思いつつ、スキューバダイビングの「爽やかさ」「楽しさ」を伝えることが検索ユーザーの気持ちにマッチします。
このように質の高いコンテンツとは、テキストの内容とともにサイト全体や記事ごとの見せ方や演出というのも重要なポイントになります。
もし内容的には良い記事を提供しているのに検索順位がアップしないという場合には、こうしたことを見直してみるのもいいのではないでしょうか。