ナーチャリングとは?施策の4つのポイントやメリットを解説
現代の市場は情報通信技術の発達に伴って選択肢が多様化しており、競合他社との差別化が困難となりつつあります。そのため、顧客を獲得するためには、適切な情報発信と顧客の育成が大切です。そこで重要となるマーケティング戦略が「ナーチャリング」です。
本記事ではナーチャリングの概要や必要とされる理由などを解説した上で、マーケティング戦略におけるMAツール導入のメリットを紹介します。
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マーケティング手法の選択肢が増えた一方、新規顧客の獲得や、既存顧客の囲い込みの難易度がより一層上がってきています。インバウンドマーケティングで成果を上げるためにも、施策の実施や効果検証がしやすいツールの活用が必要です。
マーケティングツールの導入を検討している方へ、これまでHubSpotの導入支援および運用サービス、包括的なインバウンドマーケティング支援を行ってきたリードプラスが、HubSpotの機能やできることを簡潔にまとめた『HubSpotまるわかり完全ガイド』をお届けしています。
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ナーチャリングとは?
「ナーチャリング(Nurturing)」は日本語で「育成」や「養育」と訳され、特にマーケティングの領域では「顧客の育成」の意味で用いられます。ビジネスにおいて売上を拡大する方法は基本的に「新規顧客を獲得する」「顧客単価を高める」「購買頻度を上昇させる」の3つが考えられます。獲得した見込み客を顧客へと育成するためには、購買や成約へと導く戦略的なアプローチが必要です。
マーケティング戦略において見込み客の顧客化は最も重要な課題のひとつであり、「リード(Lead:見込み客)」を創出するための活動全般を「デマンドジェネレーション(Demand Generation:需要創出)」と呼びます。デマンドジェネレーションは「見込み客の獲得」「見込み客の育成」「見込み客の選別」という3つのプロセスから成り立っています。このうち「見込み客の育成」、つまり見込み客が製品やサービスを購入する意識を高めていく活動を「リードナーチャリング」と呼びます。
既存顧客のナーチャリング
ナーチャリングは見込み客の顧客化のみを指すのではなく、既存顧客との信頼関係を構築し、優良顧客へと育成するプロセスも含みます。先述のビジネスにおいて売上を拡大する3つの方法の中で、最もコストを要するのが新規顧客の獲得です。マーケティングの領域には「1:5の法則」と呼ばれる法則があり、新規顧客の獲得から販売へと至るまでにかかるコストは、既存顧客に対する販売コストの約5倍かかるとされています。
もちろん、新規顧客の獲得はマーケティング戦略における最重要課題のひとつです。しかし、同時に既存顧客との関係性を深め、より上位の商品・サービスへとつなげる「アップセル」や関連商品・サービスを組み合わせて提案する「クロスセル」を実践することで、コストを抑えつつ顧客単価と購買頻度を向上させることが期待できます。既存顧客へのナーチャリングでは、自社の製品やサービスに対する愛着心や信頼性をいかにして高めるかが重要な課題となるでしょう。
優良顧客のナーチャリング
見込み客を顧客化し、既存顧客を優良顧客へと誘導してもそれで終わりではありません。自社に対する顧客エンゲージメントや収益への貢献度が高い優良顧客でも、より優れた商品を提供する企業があれば、競合他社のサービスへ移行する可能性は十分に考えられます。優良顧客に対するナーチャリングで重要な課題となるのが、競合他社にはない優れた顧客体験です。
優良顧客に選ばれ続けるためには、製品・サービスの機能や価格といった「モノ」としての価値だけでなく、商品を選択する際の好奇心や高揚感、カスタマーサービスの応対品質、独自のプロモーション戦略など、感覚的価値や情緒的価値といった「コト」の付加価値を提供しなくてはなりません。自社ならではの創造的な顧客体験を提供しつづけ、優良顧客のさらなるファン化を目指して長期的に信頼関係を構築していくマーケティング戦略が求められます。
リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い
ナーチャリングとは、ビジネスにおいて売上を拡大する方法は基本的に「新規顧客を獲得する」「顧客単価を高める」「購買頻度を上昇させる」の3つの方法に活用できると前述しました。
しかしナーチャリングを行うためには、前提として「リードジェネレーション」が必要です。
そのため、よく混同されがちなリードジェネレーションとリードナーチャリングの違いについて解説をしていきます。
リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとは、見込み客(リード)獲得を指す言葉です。具体的には、さまざまなマーケティング活動によって、自社の商品やサービスの購入につながりそうな人を見つける活動、プロセスを指します。
具体的なリードジェネレーションの施策は後述しますが、例えば、下記の活動は全てリードジェネレーションの一部です。
- 問い合わせを増やすために顧客へチラシ、パンフレット
- テレマーケティングなどによってリード獲得
- SEO対策
現在では、それに加えてインターネットを利用した、オンラインでの見込み客獲得活動が主流になりつつあります。
リードナーチャリングとは
リードジェネレーションと混同されがちなワードのひとつに、リードナーチャリングがあります。リードナーチャリングとは、獲得した見込み客にさまざまなアプローチを行いつつ、自社の利益につながるよう育成する活動を指します。
リードナーチャリングは、企業の利益を最大化するために必要な活動です。たとえば、自社の資料をダウンロードした見込み顧客の中には、購買意欲の高い顧客もいれば、まだ購買意欲は高くなく単に情報収集をされているだけの見込み顧客もいます。リードナーチャリングは、購買意欲がまだ高くないお客様に対してアプローチして自社商品やサービスへの購買意欲を育てていく活動を意味します。例として、以下のような活動がリードナーチャリングに当たります。
- 導入事例の紹介
- ウェビナーの案内
- 無料トライアルへの誘導
- メールマガジンによる定期的な配信
リードナーチャリングを行わずに、獲得した見込み客を放置してしまうと、時間の経過とともに商品やサービスへの関心を失ってしまうおそれがあります。そのため、リードジェネレーションで獲得した見込み客と接点をもちつつ、商品やサービスの購入につながるよう段階的なアプローチを行うのです。
ナーチャリングの必要性が高まった理由
ここからは、現代のマーケティング戦略においてナーチャリングが重要視される背景について紹介します。主な理由としては、以下の4つが挙げられます。
- 中長期的なマーケティング施策が必要になった
- 顧客に合わせた適切なアプローチが必要となった
- 休眠顧客が増加している
- 新規コンタクトが取りにくくなった
1.中長期的なマーケティング施策が必要になった
現代は情報通信技術の発達によって顧客や消費者の情報リテラシーが高まり、従来の購買行動にWebメディアを活用した情報検索というプロセスが加わることで、競合他社との差別化が困難となりつつあります。
これまでは営業部の商談から契約までは短期的なアプローチで完結できていましたが、情報を検索する環境が整ってきたことで情報収集の時間が長くなり、契約までの期間が長くなる傾向にあります。特にBtoB商材の場合は、決裁が下りるまでにもプロセスが多く、商談以降も長期化します。
そのため、マーケティング戦略やプロモーション展開を短期的な「点」ではなく、中長期的な「線」で立案・策定しなくてはなりません。商談に持ち込む機会やサービスの成約確率を最大化するためにも、顧客との良好な関係を維持する施策が求められるのです。
2.顧客に合わせた適切なアプローチが必要となった
顧客や消費者の選択肢が多様化している現代では、積極的に売り込むプッシュ型のアプローチではなく、有益な情報を発信することで興味・関心を引くプル型のアプローチが好まれる傾向にあります。また、技術革新が急速に進むことで製品ライフサイクルが短命化していく傾向にあり、独自の顧客体験を提供するには顧客ごとに最適化された個別のアプローチが求められます。顧客ごとの潜在需要を的確に捉えるためには、コミュニケーションによって関係性を深めていくナーチャリングが必要となるのです。
3.休眠顧客が増加している
BtoBビジネスの領域では、過去に商談や取引があったものの、現在ではコンタクトを取っていない「休眠顧客」を抱える企業が少なくありません。BtoBビジネスの場合、取引金額が高額であるために予算稟議が長期化したり、新規サービスが必要になるまでの期間が空いてしまったりといった理由から、休眠顧客が増加していく傾向にあります。
ナーチャリングはこうした休眠顧客にも有効な施策です。休眠案件や失注案件を掘り起こすことで、新規顧客を発掘するよりも効率的なマーケティング戦略や営業戦略の展開が可能となるのです。営業部門で休眠顧客へのリソースが割けなくても、マーケティング部門でナーチャリングを実施すれば、営業の効率化につながるでしょう。
4.新規コンタクトが取りにくくなった
近年は働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症などの影響から、さまざまな分野でリモートワークの導入が進んでいるため、対面による営業活動の機会が減少傾向にあります。一方で現代人は日々多様な情報に触れているため、見込み客の発掘にオウンドメディアやSNSなどを駆使する方法は増えているでしょう。コンテンツマーケティングやメールマーケティングを通じて顧客接点の強化を図ることで、見込み客の発掘と見込み客の獲得につながる可能性が高まります。
ナーチャリングのメリット
ナーチャリングの実施によって、これまでのマーケティングと営業の連携が強化されたり、効率的なアプローチが可能になったりとメリットがあります。ここでは2つのメリットを紹介します。
- 長期の追いかけが効率的になる
- 営業活動が効率的になる
長期の追いかけが効率的になる
ナーチャリングが仕組化することで、中長期のマーケティング施策が実施でき、これまで逃してきたであろう長期案件の追いかけが効率的になります。
案件の追いかけは営業部の個人の裁量に任されていましたが、担当者が継続的にフォローし続けるのは限界がありました。ナーチャリングを仕組化することで、営業担当の感覚に頼らない非属人的で効率的なフォローが可能になります。
営業活動が効率的になる
ナーチャリングを実施することで、顧客の興味関心や行動が可視化され、これまでの非効率的な営業活動を効率化できます。
すべての見込みリストに対してテレアポや飛び込み等を行う営業方法は、現代のプッシュ型営業を嫌う顧客心理にはそぐわない方法で非常に効率が悪いです。ナーチャリングでは見込み度合いが上がった顧客に対応を行っていく仕組みなので、営業がリソースを投入すべき場所を見極め効率化することができます。ニーズが顕在化した最適なタイミングで情報を送ることができるため、顧客は不必要な営業を受けることがなく、営業部の業務は無駄が削減され、効率的に顧客へ接触していくことができます。
ナーチャリングのために情報を届ける手段
ナーチャリングの役割は「見込み客の顧客化」と「既存顧客の優良顧客化」であり、有益なコンテンツや優れた顧客体験の提供を通して顧客接点を強化し、購買行動へ促すことが本質的な目的です。そのためには市場調査や需要予測によって潜在的なニーズを分析し、顧客が求めているコンテンツを提供しなくてはなりません。その際に用いられるコンテンツの形式として、「ホワイトペーパー」「イベント・セミナー」の2つを紹介します。
ホワイトペーパー
マーケティング領域におけるホワイトペーパーは、ソリューションや業界の動向などをまとめた資料を指します。ホワイトペーパーの提供はコンテンツマーケティングの基本であり、ナーチャリングにおいても非常に有効な手法のひとつです。例えばWebサービスを提供している企業であれば、まずオウンドメディアやSNSなどを通じて有益な情報を発信し、自社のサービスに関心を持つ可能性が高い見込み客を媒体に集めます。その後、サービスの詳細な情報やベネフィットを記載したホワイトペーパーのダウンロードを促すことで、自社の顧客となり得る見込み客リストを獲得できます。
ホワイトペーパーが見込み客の抱える悩みや問題の解決につながる内容であれば、そのままサービスの成約へと至る可能性が高いため、いかにして潜在ニーズや消費者インサイトを把握するかが重要な課題です。ホワイトペーパーから成約に至らなくても、その後もメールマガジンやキャンペーン情報などを提供し、継続的にコミュニケーションを図ることで購買意欲の醸成やファン化を促す一助となるでしょう。
イベント・セミナー
イベントやセミナーの開催は、見込み客の獲得につながるのはもちろん、育成という観点においても非常に有効な施策です。会場へ足を運ぶというプロセスは、ホワイトペーパーのダウンロードや資料請求などよりもはるかにハードルが高く、たとえ無料であっても集客は容易ではありません。しかし、徹底的な市場調査や需要分析によって顧客の潜在ニーズを捉えられれば、非常に購買意欲の高い見込み客を集められます。
また、イベントやセミナーをオンライン上のチャネルを通して提供することで、集客の難易度を下げつつ濃い見込み客を集めることも可能です。さらにそのアーカイブを動画配信サービスでオンデマンド配信することで、より多くの見込み客にアプローチできる可能性が高まるというメリットもあります。有料レベルの動画であれば既存顧客のみに提供することで、顧客エンゲージメントを醸成するコンテンツとしても活用できるでしょう。
リードナーチャリングを適切に行うためのステップ
リードナーチャリングにはさまざまなアプローチ方法がありますが、一般的には「質の高いリードの獲得」「適切なマーケティングプラットフォームを用いる」「最適なタイミングで価値のある情報を提供する」「反応の確認」「商談に興味があるかどうかを見極める」という5つのステップを踏んでいきます。このようなステップに基づいたシナリオを用いて見込み客とコミュニケーションをとっていくことが、より多くの顧客化をすすめる近道となります。
リードナーチャリング(見込み客育成)の意味とは。質の高い見込み客を顧客化する概念
ナーチャリングの最適なステップについては「リードナーチャリング(見込み客育成)の意味とは。質の高い見込み客を顧客化する概念」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
ナーチャリングにおいて大切なポイント
では、ナーチャリングを実施する上で押さえておくべきポイントとしてどのようなことが考えられるでしょうか。ここでは4つの視点で解説します。
- ナーチャリングの目的を明確にする
- 顧客分析を行う
- 適切なフォローをする
- 顧客の声・事例をコンテンツに含める
1.ナーチャリングの目的を明確にする
ナーチャリングには大きく分けると「顧客接点の強化」と「購買意欲の醸成」という2つの軸があり、どちらを目的に設定するかで必要なアプローチが異なります。顧客接点の強化を目的とする場合は、見込み客の購買意欲が十分に高まるまで適切なコミュニケーションを取り続けなくてはなりません。購買意欲の醸成を目的とするのなら、自社の製品やサービスの独自性やベネフィットを的確に伝えるブランディング戦略の立案・策定が求められます。
2.顧客分析を行う
効果的なナーチャリングを実現するためには、顧客の抱える問題や悩みを把握しなくてはなりません。顧客を最終購入日・頻度・購入金額に基づいて分類する「RFM分析」や、顧客の購入傾向を分析する「CPM分析」、または見込み客の問題意識を4つのレベルに分類する「OATHの法則」などの手法を用いて顧客の潜在ニーズを分析する必要があります。Web解析ソリューションや市場調査、コンタクトセンターに寄せられた顧客の声など、さまざまなデータソースを用いて顧客を多角的に分析することが大切です。
3.適切なフォローをする
マーケティング戦略を最適化する上で重要な課題となるのがフォローアップです。見込み客は商品の購入へと至るポテンシャルを秘めているものの、獲得しただけでは単なるリストに過ぎません。見込み客を顧客へと導くためには、有益なコンテンツの提供や継続的なコミュニケーションによるフォローアップが必要です。また、既存顧客に対してもきめ細かなフォローを提供することで関係性を強化し、優良顧客へと育成する一助になります。
顧客ごとに最適化されたフォローアップを提供するためには、先述したようにナーチャリングの軸を明確化し、見込み客の潜在ニーズや顧客が抱えている問題を分析しなくてはなりません。そして、顧客ごとに最適化されたフォローアップを提供できれば、より強固な信頼関係の構築に寄与するでしょう。フォローアップを行う主な方法としては、「インサイドセールスによる人的フォロー」と「ツールを使用した自動的なフォロー」の2つが挙げられます。
インサイドセールスによる人的フォロー
インサイドセールスとは、相手先を訪問しない非対面による内勤型の営業活動を指します。主に、電話やWeb会議システムでのヒアリングやメールマガジンの配信などを通じて顧客とのコミュニケーションを図り、課題の明確化やサービスの提案、受注後のフォローアップなどを行います。インサイドセールスは客先への訪問や移動が不要になるため、営業活動を効率化できると同時に顧客接点を創出しやすい点が大きなメリットです。
ツールを使用した自動的なフォロー
顧客ごとに最適化されたフォローアップを手作業で行うのは容易ではないため、デジタルソリューションの活用は不可欠です。代表的なソリューションとしては、マーケティング活動の可視化・自動化に特化したMA(マーケティングオートメーション)、顧客情報を統合的に管理するCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、営業活動を総合的に支援するSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)などのツールが挙げられます。こうしたソリューションを活用することでフォローアップの自動化に寄与し、販売機会の損失を最小化するとともに効率的なナーチャリングを実施できます。
4.顧客の声・事例をコンテンツに含める
ナーチャリングにおけるコンテンツで必須なのが「顧客の声」や「活用事例」です。仮にホワイトペーパーをダウンロードした見込み客であっても、そのコンテンツを最後まで読み進めるケースは決して多くありません。「Not Read(読まない)」「Not Believe(信じない)」「Not Act(行動しない)」という3つの心理障壁を乗り越える必要があります。
例えば、見込み客の心に刺さるキーワードをコンテンツに盛り込むことで「Not Read」の壁を乗り越える可能性が高まりますが、消費者は売り手の声を警戒する傾向にあるため、それだけでは「Not Believe」の壁を破ることはできません。そこで必要となるのが「顧客の声」や「活用事例」です。特に見込み客と同業の声や事例を伝えることでコンテンツに説得力や信頼感が生まれるため、「Not Believe」を乗り越えて「Not Act」の壁を打ち破り、成約に至る可能性が高まります。
HubSpotのリードナーチャリングの方法とその事例
HubSpotではリードナーチャリングのプロセスを異なるゴール設定の元、異なるファネルに対して行っていることが多くあります。こちらの例では以下のようにリードナーチャリングの設計をしていると述べられています。(参照記事はこちら:How HubSpot’s Marketing Team Does Lead Nurturing)
- 新しいリードへのナーチャリング:新しく獲得したリードをナーチャリング。
- リードに対してのナーチャリング:リードが製品価格ページを訪れたりした場合などをきっかけとしたナーチャリングを行い、自社セールス担当者に対して自動化した内部通知を送っている。ゴールはリードを自社のセールスとの対話をすることができる状態にまで育成すること。
- キャンペーンナーチャリング:特定のオファーをダウンロードしたひとへ対して、関連したコンテンツを届ける、など。様々なゴールがありウェビナーに参加率を増加すること、リードをMQLにすることなどがある。
HubSpotではこのようにナーチャリングを分類分けして行っています。この理由として、正しい関係性を築くことで長い関係を見込み客や顧客と構築することが可能で、それを達成するためにはできるかぎり購買客目線での購買のプロセスに従ってナーチャリングを行うひとが必須だからです。
では、実際にはどのように上記の2タイプのナーチャリングを行っているか見ていきましょう。
ナーチャリングにはMAツールの導入がおすすめ
マーケティング戦略や営業活動の効率を最大化するためには、いかにして業務領域を自動化するかが重要な課題です。顧客ごとに最適化されたアプローチの実施は容易ではないため、優れたデジタルソリューションの活用が必須となるでしょう。そこでおすすめしたいのが、マーケティング活動の可視化・自動化に特化したMAツールの導入です。
MAツールとは?
MAツールはマーケティング領域に関わる業務を自動化し、効率化と生産性向上を図るソリューションです。例えば、Webサイトの訪問や資料請求の履歴、インターネット広告による顧客接点、過去の取引履歴などのデータを一元管理したり、見込み客の行動をスコアリングしたりする機能を備えています。マーケティング担当者の業務負荷は増加する中、顧客ごとに最適化された「One to Oneマーケティング」を実施する上で重要視されているソリューションです。
MAツールを導入するメリット
MAツールは見込み客の行動や既存顧客の購買プロセス全体を可視化し、さまざまなアクションを定量的なデータとして抽出できるという特性を備えています。これにより、マーケティング領域の業務を効率化するだけでなく、見込み顧客ごとのニーズに合わせた有益なコンテンツを継続的に提供することが可能です。自社の製品やサービスに対し、より大きな関心を持ってもらえるよう長期的かつ安定的にアプローチできるため、購買意欲の高い見込み客の獲得と、既存顧客の優良顧客化に寄与します。
MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説
MAツールの導入については「MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
まとめ
ナーチャリングとは、マーケティングの領域では「顧客の育成」を意味する概念であり、有益なコンテンツや優れた顧客体験の提供を通して顧客接点を強化し、購買行動へつなげることを目的として実施します。目まぐるしく変化する現代の市場において、競合他社にはない独自の付加価値を創出するために欠かせないマーケティング手法です。
はじめての方向けにHubSpot運用丸わかりガイドを無料配布中
マーケティング手法の選択肢が増えた一方、新規顧客の獲得や、既存顧客の囲い込みの難易度がより一層上がってきています。インバウンドマーケティングで成果を上げるためにも、施策の実施や効果検証がしやすいツールの活用が必要です。
マーケティングツールの導入を検討している方へ、これまでHubSpotの導入支援および運用サービス、包括的なインバウンドマーケティング支援を行ってきたリードプラスが、HubSpotの機能やできることを簡潔にまとめた『HubSpotまるわかり完全ガイド』をお届けしています。
ツールの導入を検討しているが、導入の決め手に悩んでいる、HubSpotでどんなことができるかわからないとお困りの方はぜひ参考にしてみてください。