最近のGoogle検索結果画面の表示とロジックについてのレポート
誰でもGoogle検索結果で上位表示したいと思うのは当然です。単純に自社のWebサイトやブログで記事を出すだけでは上位表示できないかもしれません。特に最近ではGoogleがユーザーの利便性を考えて、色々なロジックで情報を表示するようになっています。
今回は最近のGoogleの自然検索結果についてレポートしたいと思います。特に、Googleの検索結果ページを構成する要素を紹介するとともに、どうすればそこに適切な情報が掲載されていくのかについて解説していきます。
一般的にSEOを考えた場合にすること
一般的にSEOを考える場合、検索順位を左右するロジックにばかり目がいきがちです。
例えば、次のようなものです。
- クローラーからページがどう見えているか
- 追加や変更されたページが正しくインデックスされているか
- コンテンツの中にキーワードや関連する語が散りばめられているか
- マークアップが適切か
これらが大切なのはもちろんですが、実際にユーザーが目にするのは「Googleの検索結果ページに表示された情報」です。
Googleの自然検索結果
Googleの検索結果ページ、正しくは「SERP(Search Engine Result Page)」という名称です。
SERPは検索結果と、Google広告の二本柱で構成されています。しかし日々次々と新しい要素が加えられています。
1.基本の検索結果
まずはもっとも基本となる、自然検索の要素について見ていきましょう。
「見出し」「URL」「ページの概要」の三つが掲載されます。
これは昔から変わりませんし、SEOのもっとも重要な部分です。
見出しはtitleタグから、ページの概要はdescriptionタグがそれぞれ表示されます。
通常これらのhead内の属性は、検索エンジンのロジックに対するものと理解されがちです。しかしこうしてユーザーが直接目にする部分ですから、それを意識してクリックしたくなるようなテキストにするのがコツです。
中にはクリックしたくなる≒宣伝文句のようなtitleやdescriptionを付ける方もいますが、自然検索の結果を見ているユーザーは必ずしもそうした情報を望んでいません。広告か自然検索か。そういった部分も意識しましょう。
現在は検索結果ページに情報が表示されたうえで、そのクリック率が順位に影響を与えるといった意見が多くなっています。ユーザーを意識してクリック率が高い適切なtitleとdescriptionを付けることは、SEOの基本でありとても重要です。
なおtitleやdescriptionに記述した内容が、そのまま掲載されないケースもあります。その場合はシステム側が記述内容をカスタマイズしたり、ページ内から情報を拾い生成します。
さてこの自然検索ですが、クリックしてページにいき、再び検索結果ページに戻るとクリック済みのページが四角で囲まれ、閲覧したかどうかがわかるようになっています。
さらに「他の人はこちらも検索」というサジェストが出てきます。
Googleの理想、それはユーザーが少ない手数(クリック数)で最適な情報にアクセスできるものです。
戻った時は四角く囲われて関連情報を表示
クリックしたのに検索結果ページに戻ってきたということは、そのページに必要とした情報がなかった。あるいは関連して知りたい情報が他にあると考えられます。(Googleも考えているはず)
Webコンテンツの企画者の視点から見ると、クリックを少なくして情報に行きつくという仕様は、ユーザーが自ページに来ないというリスクもあります。しかし逆の発想で「他の人はこちらも検索」の内容を吟味して、コンテンツの見直しや追加をおこなっていくための情報と捉えると良いでしょう。
パソコンとモバイルは文字数が違う
もう一つこの自然検索結果で重要なのが、スマートフォンとパソコンでは表示する文字数に差が出るケースがあるということです。
descriptionの適切な文字数はしばしば話題になりますが、パソコンほど多く表示されないことも多いので、伝えたいことは前半に書く、といったテクニックも身に着けると良いでしょう。
サイトリンク
自然検索結果は、ページによっては下に細かなジャンルへ直接リンクするテキストが出ていることがあります。
これは「サイトリンク」と呼ばれ、ユーザーの関心が高いとされるカテゴリがある場合は、自動的に生成され表示されます。
スマートフォンの場合はこのサイトリンクの行がスライドするので、結果的にはパソコンより多くの情報量を伝えることができるページもあります。
サイトリンクはGoogleにお任せ、また検索ごとに出方がいろいろなので明確な対策はしにくいですが、サイトの情報設計と各ページの内容が充実し、構造化データマークアップをされていれば出やすくなります。
2.各種検索結果
次はオーソドックスな自然検索結果以外の要素について見ていきましょう。
ユニバーサル検索
話題性のあるキーワードについては、ニュース検索が上部に表示されます。
ニュース以外にも関連する画像や動画が表示されるこの枠は、「ユニバーサル検索」と呼ばれます。
時事的な話題や人名で出ることが多いので、必ずしもビジネスにあった枠とはいえません。しかし情報によってはニュースリリースを出しメディアに掲載してもらい、ユニバーサル検索に出やすくするのも良いでしょう。
ユニバーサル検索は「画像」、「動画」、「地図」、「書籍」なども対象です。
オウンドメディアやコンテンツマーケティングに力を入れている場合は、ユニバーサル検索への表示に積極的に取組んでみるのも良いでしょう。リアル店舗のビジネスをしている場合は、Googleマップに情報を登録するのがマストです。
昨今のGoogleの取組みで考えれば、ユニバーサル検索で動画の存在感がますます高くなっていることも忘れてはいけません。
ナレッジグラフ
「ナレッジグラフ」は、検索ワードに関する知識が表示されるエリアです。パソコンでは上部の右側、スマートフォンは上部の広いエリアをこれが占めます。
ナレッジグラフが出そうな検索ワードに対しては検索順位の上部を取っても、実際の検索結果ページではかなり下の方の表示になるというのも認識しておくといいでしょう。
内容はWikipediaなど辞書的なサイトから取得されていることが多いですが、ジャンルによっては企業サイトからの引用もあります。また企業名で検索されナレッジグラフが出る場合もあります。この場合は企業への印象はかなり向上するでしょう。
ナレッジグラフでも店舗など、リアルビジネスに関する表示の可能性があります。対策としてはGoogleマイビジネスの情報をきちんと登録する、といったことなどがあげられます。
リッチリザルト
「リッチリザルト」は商品情報、レビューなどを検索結果に表示させることができます。
特定のマークアップをすることで表示されますので、ECサイトではチェックしておきたい手法です。
Googleはリッチリザルトに対応しているかの確認がおこなえるツールも用意しています。
https://search.google.com/test/rich-results?hl=ja
強調スニペット
「強調スニペット」は、~とは検索や質問と考えられる検索キーワードに対して、その答えを検索結果ページ内で返す機能です。これは意図的に自社からの情報を表示させることはできません。
強調スニペットにも見られたように、Googleは必ず該当のページを開くのではなく、適切な情報で検索結果ページだけで取得できるものはそこに表示する、という方向性を持っています。
ローカルパック
実店舗の検索結果については「ローカルパック」は必ず押さえておく必要があります。
場所だけでなく営業時間の表記、さらには検索した時間を基準に「まもなく終了」などの目安も出るので、非常に便利です。距離や評価など各種フィルタも充実しています。
これについてはGoogleマイビジネスへの登録、情報を充実させることで対策することができます。
昨今のユーザー行動はお店を利用する場合もネットで調べてから、というのがほとんどです。これから行くお店を探すという場合も、ローカルパックの機能なら満足度が高いものになっています。リアル店舗のSEOとして、ローカルパックに出る情報は必ず対策するようにしましょう。
広告スペース
検索結果ページを構成する大きな要素として、上で紹介したナレッジグラフやローカルパックのようなオーガニックな情報だけでなく、広告もあります。
基本的には自然検索結果と同じ体裁をしていて、いってみればネイティブ広告の元祖です。
ショッピング広告は画像がつき、よりリッチな見栄えとなっています。また価格や送料に関する言及もあるので、より関心をひきやすいフォーマットともいえるでしょう。広告の種類として新たに「ローカル在庫広告」のような、実店舗と連動したものも出ています。
SEOの解説をするこの記事で広告について触れるのは、それが同じフォーマット上に出るからです。
先ほどGoogle広告は自然検索結果と同じ体裁で表示されると書きましたが、広告の表示数によっては自然検索で上位を取っていてもかなり下の方になる、というケースがあります。
以前だとGoogle広告の掲載数は上にいくつまで、というのがほぼ決まっていました。しかし最近は検索ワード、タイミングによってさまざまな出方をします。
SEOによる自然検索の結果だけで集客をしていきたい、という声もよく耳にします。しかし商材やサービスによっては、広告と絡めた戦略を立てた方が効果的な場合があるというのは、これも一つの理由だからです。
たとえば海外旅行ツアーを販売する場合、各都市の情報を記事にしてユーザーの関心を高めていくというコンテンツ戦略はもちろん有効です。しかし「次の休みに海外旅行、イタリアのローマを中心に回りたい」と具体的に考えているユーザーにとっては、広告でダイレクトに訴求する方が効果的です。
SEOだけでなく、広告も組み合わせて検索結果ページを集客の柱としていきましょう。
まとめ
Googleの検索結果ページがサイトのトップページ、あるいはLPだと言われることがあります。
ユーザーは検索というアクションをして、出てきた検索結果を見て、どのページにアクセスすればいいかを考えます。最初の接点になる、という意味ではトップページやLPと考えるのは適切でしょう。
それだけに検索結果ページに出す情報がユーザーに支持される、というのは大切なポイントです。かつてのSEOはとにかく検索順位をあげる、ということに偏っていましたが、見出しや説明文でユーザーが欲している情報にピッタリ合う、と思わせることも重要です。
そうすることでクリック率があがれば、比例して検索順位の上昇に影響する可能性は大です。クローラーや検索エンジンのロジックだけに合わせるのではなく、ユーザーが何を考えているのかを知ることがますます大切になっています。
その意味では最後に紹介した広告との組合せも、積極的に取り入れた方が良い施策と言えるのかもしれません。インバウンドマーケティングはユーザーに気づいてもらう手法ですが、実際のビジネスでは多少なりとも広告と組み合わせて運用されています。
SEOと広告を組合わせ、Googleの検索結果ページを有益な自社のトップページにしていきましょう。