富裕層の集客を成功させる、4つの集客手法とマーケティング戦略

日本における富裕層の世帯数が増加する中、富裕層マーケットを攻略することは、企業にとって大きな利益の獲得につながります。本記事では、富裕層の集客方法を知りたい方に向け、富裕層の特性と4つの集客方法およびマーケティング戦略を解説します。

富裕層向けの集客で意識しておきたいポイント

富裕層向けの集客で意識しておきたいポイント

「富裕層」に明確な定義はありませんが、野村総合研究所では、世帯としての純金融資産保有額が5億円以上の層を「超富裕層」、1〜5億円未満の層を「富裕層」と定義しています。

同研究所によれば、超富裕層と富裕層の世帯数は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が展開された2013年以降、それぞれ増加を続けています。また、超富裕層と富裕層を合計した2019年における世帯数は、2017年の126.7万世帯から6.0万世帯増加して132.7万世帯となり、2005以降、最多を記録しました。

野村総研ニュースリリース 2020年12月21日

上記の調査結果が示す富裕層マーケットの拡大は、企業にとってビジネスチャンスです。保有資産が豊富な富裕層を獲得できれば大きな利益が見込めますが、富裕層をターゲットに集客や営業を行う際には、富裕層の生態を見極めた上での慎重なアプローチが欠かせません。以下で意識しておきたいポイントを解説します。

富裕層の多い地域が存在する

富裕層を狙うのであれば、富裕層が多く住んでいる地域を知っておく必要があります。大和総研が2019年に公開した「高齢富裕層の地域別分布の推計」によると、富裕層の割合が高い都道府県は1位が東京都(約16%)、2位が愛知県(約14%)、神奈川県(約12%)でした。

全体的な統計としては、首都圏(東京、千葉、神奈川、埼玉)、名古屋圏(愛知、静岡、岐阜、三重)、関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)の三大都市圏で高い水準となっています。富裕層向けの商品やサービスを宣伝するのであれば、こうした富裕層の多い地域を重点的に狙うことで、効率的な情報発信が可能となるでしょう。

大和総研「激変 地銀のビジネス環境」No.3 高齢富裕層の地域別分布の推計(P.4)2019年4月5日

富裕層同士の交流が多くなる

富裕層は富裕層同士のつながりや交流を大切にします。また、富裕層は一般の消費者が参加できない会員制クラブなどクローズドな環境を好む傾向にあります。

したがって、そのような富裕層のコミュニティに一旦入り込めれば、周辺の富裕層の開拓も見込めます。ただし、他の顧客を無理やり紹介してもらおうとするのは逆効果です。そのような行為はむしろ相手の警戒感を強め、信頼を損ないます。相手はたとえ思い当たる人物がいたとしても、あえて紹介しようと思わないでしょう。顧客から信頼されていれば、相手の方から他の顧客を紹介してもらえるはずです。

信頼関係の構築が重要である

富裕層は商品やサービスを比較する際、自分で下調べを行い、納得した上で購入するかどうかを決める傾向にあります。そのため、強引なセールスは敬遠されがちですが、最終的には「○○さんが勧める商品だから購入する」と信頼できる人物の判断を参考にすることも少なくありません。

富裕層は、突然自宅に電話をかけてきたセールスマンよりも、自分でセミナーや勉強会などに出向き、そこで出会った専門家に意見を聞きたいと考えます。富裕層へのアプローチでは、ひたすら売り込みをかけるだけでなく、時には相手からのアクションを待ち、相談を受けた際には豊富な知識で疑問に応えられるようにしておくことが大切です。そこで顧客との信頼関係を構築できれば、また別の困りごとがあった時に頼ってもらえる可能性が高くなるでしょう。

富裕層向けの4つの集客方法とマーケティング戦略

富裕層向けの集客方法としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • ダイレクトメール(DM)
  • 広告出稿
  • 自社Webメディアの運営
  • SNS

ここではそれぞれの具体的な集客方法と、それらを活用したマーケティング戦略について解説します。

富裕層向けの集客方法1 ダイレクトメール(DM)を送付する

ダイレクトメール(DM)は、富裕層へのアプローチ方法として有効な手段です。ダイレクトメールとは、住所や名前などの顧客情報をもとに商品・サービスに関する情報を郵送で届けるマーケティング手法の一種です。企業が自社の製品・サービス案内をしたり、セールやキャンペーンといったお得な情報を告知したりする目的で利用されています。

ダイレクトメールは開封率が高い

メルマガでも情報発信はできますが、一斉送信が基本のメルマガでは「自分宛に送られている」と顧客に意識させることが困難です。そのため、せっかく送っても開封されないまま大量のメールの中に埋れてしまう、ということが少なくありません。

その点、ダイレクトメールは顧客の手元に直接届くため、中身を見てもらえる可能性が高いといえます。ダイレクトメールを送る際は、通知する内容が富裕層の興味関心にマッチしているか、時期は適切か、といった要素を考慮することで開封率を高めることができます。また、顧客の興味を引くデザインであることもポイントです。封筒やハガキの色を企業カラーにしたり、手書き風にしたり、担当者の写真を貼付するなど、企業に親しみを感じてもらえる工夫が開封率アップにつながります。

ダイレクトメールを有効活用しよう

ダイレクトメールはただ情報を知らせるだけでなく、受け取った顧客を次の行動へと誘導させる仕掛けを盛り込むことがポイントです。店舗で使えるクーポンやキャンペーン・イベントなどの告知であれば、顧客に来店を促せます。
また、送りっぱなしにするのではなく、顧客の反応や購入率などを調査することも重要です。得られたデータを分析すれば、次回送付時の判断材料にしたり、販売計画の立案に役立てたりもできるでしょう。

富裕層向けの集客手法2 広告を出稿する

これまで広告の出稿先といえば、テレビCMや電車広告といったマス向けのものが一般的でした。しかし、現在ではインターネットやデジタル技術が発展したことで、富裕層をピンポイントで狙った広告出稿も実現できるようになってきています。

高所得者をターゲットにしたWEB広告でアプローチ

インターネットの普及にともなって登場したのがWEB広告です。富裕層をターゲットにしている、もしくは富裕層が多く利用しているWEBメディアやスマホアプリに集中的に広告を配信すれば、効率的に商品やサービスをアピールできます。メディアによっては年収でセグメントをかけることも可能なので、より細かく狙いたいターゲットを絞ることができます。

WEB広告はテレビCMなどに比べれば広告単価が低めですが、一般消費者を対象とした広告よりは単価が高くなると考えておいてください。

近年は動画広告も増加傾向にある

これまでのWEB広告はバナー広告が主流でしたが、近年はスマホやタブレットの普及、Wi-Fiや5Gといった通信環境の整備、YouTubeに代表される動画プラットフォームの充実などが影響し、動画を活用した広告も増えてきました。動画は文字や画像だけでは伝えきれない情報をわかりやすく伝えられることから、バナーよりも訴求力のあるマーケティング手法として注目を集めています。

富裕層をターゲットにするのであれば、タクシー内の動画広告も高い効果が期待できます。助手席の後ろに取り付けられているデジタルサーネージに動画広告を流すことで、後部座席に座った乗客の注意を引きつけることが可能です。タクシーは乗車時間が比較的に長く広告が繰り返し流れるほか、電車と違って密室なので、音声付きで広告を流せるという利点もあります。

雑誌・情報誌などリアル媒体の広告出稿も有効

宝石や外車といった高額品を紹介している雑誌や、空港のスイートルームなどに設置されるフリーペーパーなど、富裕層向けのリアル媒体への広告出稿も有効です。富裕層向けと謳っている雑誌だけでなく、起業家や経営層向けのビジネス誌なども富裕層の読者を多く抱えている傾向にあるため、それらも出稿先として検討してみるとよいでしょう。ただ、手当たり次第に出稿しても思うような成果が出ない可能性があります。富裕層の中でも年齢層や年収、趣味・嗜好といった具体的なペルソナを固め、ターゲットが多く利用している媒体を狙うことが重要です。

富裕層向けの集客手法3 自社のWEBメディアを制作する

広告を出稿しても狙ったような反響が得られないようであれば、オウンドメディアを制作・運用する選択肢もあります。オウンドメディアとは、企業が自ら運営するメディアのことです。
コンテンツづくりの費用はかかりますが、富裕層に特化した独自のメディアが運営でき、自社商品・サービスの魅力を思う存分伝えられるので、ブランディング力の向上と効率的な集客が見込めます。また、蓄積されたコンテンツは企業の資産となるため、広告のように出稿期間しか集客効果が続かないということもありません。

コンテンツ制作を自社で担う場合、自社メディアを検索結果の上位に表示させるためにはSEO対策が不可欠です。キーワードの選定やサイトの構造、コンテンツの質など、検索エンジンに評価されるための要点を押さえ、富裕層のニーズを満たすコンテンツづくりを意識しましょう。

富裕層向けの集客手法4 SNSで宣伝する

SNSは、使い方次第で効果的な集客装置として機能します。代表的なSNSとしては、Facebook、Instagram、Twitterなどが挙げられます。いずれも主な利用者の年齢層には違いがあります。また、利用目的にも少しずつ違いがあるため、それらの特性を理解し、自社の商材やサービスと親和性の高いメディアを選ぶことが集客への近道です。以下で各SNSの特徴を詳しく解説します。

Facebook(フェイスブック)

Facebookは、中心的な利用者の年齢層が40〜50代とやや高めな傾向にあります。一つの投稿に書き込める文字量が多いため、商品・サービスの概要をじっくり読ませたい場合に向いているといえるでしょう。
宣伝のために利用する場合は企業用アカウントを使用します。Facebookには高精度なターゲティング機能を備えた広告配信機能があり、利用者の実名や性別、年齢、関心などを基にターゲットの属性を細かく指定することが可能です。さらに、InstagramなどFacebookと連動している外部のSNSにも広告を配信することができます。

Facebookの運用で集客を成功させるためには、プロフィール欄の情報を常に最新の状態にしておき、宣伝だけでなく企業のコンセプトや豆知識、顧客とのエピソードなども交えて投稿することがポイントです。また、FacebookはTwitterやInstagramとは違い日記やブログに近い媒体であり、1日に何度も投稿すると利用者に敬遠されてしまう可能性があるため注意しましょう。

Instagram(インスタグラム)

Instagramは画像や短尺動画の投稿をメインとしており、視覚的な訴求に強いSNSです。かつては10〜20代の若年層が中心に利用している印象でしたが、現在では30代はもちろん、40〜50代にも利用者が広がっています。

Instagramでは、アカウントの状態をビジネスアカウントに切り替えると、利用者の好みに基づいてタイムライン上に表示されるフィード広告や、ストーリーズ(投稿後24時間で消える動画)広告が利用できるようになります。さらに、2018年からはショッピング機能が追加されています。
これによりInstagramの投稿から商品の価格や詳細を確認できるようになったほか、購入ボタンをタップすればECサイトの購入画面に飛べるようになりました。そのため、集客やPRに活用する企業も増えてきています。

Twitter(ツイッター)

Twitterは140字以内の短文でつぶやきを発信する文章メインのSNSです。利用者層は10〜20代の若年層の比率が高めです。リツイート機能があることから拡散性が高く、話題の投稿が一気に広まって「バズる」こともありますが、その反対に炎上してしまった時の影響も大きくなります。匿名性が強いため、企業としては自社の商品・サービスに対する消費者のリアルな意見を収集する際にも役立てられるでしょう。

まとめ

富裕層の集客を成功させるには、ダイレクトメールやWEB広告、SNSを上手く活用する必要があります。ローカルフォリオの「広告運用サービス」は、予算配分の自動調整により、複数の広告媒体における費用対効果を最大化します。広告費が限られる場合でも安心してご利用ください。

お問い合わせ