SEOとSEMの違いとは?施策の使い分けについても説明

「SEO」と「SEM」の違いをご存知でしょうか。Webマーケティングに携わる方であれば、SEOの知識は必須ですが、SEMについてはよく理解していない方もいるかもしれません。そこで本記事では、SEOとSEMの違いについて解説します。

SEOとは

SEOとは

「SEO(Search Engine Optimization)」とは、ユーザーが検索エンジンで特定のワードを検索した際、検索結果上位に自らのWebサイトを表示させるための集客策、および「CV(コンバージョン)率」を向上させるための施策のことで、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれています。

CVとは、問い合わせや商品・サービスの購入など、サイト運営における「成果」を表す用語です。本来、SEOでWebサイトを上位表示させることは集客の一手段に過ぎず、最終的にはCVの達成を目指します。

ユーザーは検索結果を上から順番に眺め、自分の知りたい情報が得られそうなWebサイトを探します。当然、上位に表示されるサイトほどユーザーに見てもらえる確率が上がることから、SEOを成功させることはWebマーケティングを成功させるための鍵と言えるでしょう。

SEO対策≒Google対策

2020年12月現在の日本における検索エンジンの利用シェアは、Googleが約80%、Yahoo!が約12%、Bingが約9%、その他が1%と、Googleが圧倒的シェアを占めています。しかもYahoo!ではGoogleの検索アルゴリズムを採用しているため、SEOは実質的にGoogle対策と捉えてよいでしょう。

SEO対策の基本となる3ステップ

SEOは主に以下の3ステップで行われます。

1.キーワード設定

SEOの最初のステップは、キーワードを設定することです。そのキーワードが検索される数(検索ボリューム)を判断し、記事に含めるキーワードを細かく選んでいきます。検索ボリュームの大きいキーワードは競合も多くなりますが、そのキーワードと一緒に検索されているスモールキーワードも含めて、記事を制作するとよいでしょう。また、ユーザーがどんなキーワードからサイトに流入してきているのかを押さえておくことも大切です。

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2.内部対策

「内部対策」とは、ネット上にある膨大な量の情報を自動収集するGoogleのプログラム「クローラ」がサイト内を巡回しやすくし、コンテンツの中身をGoogleのデータベースに登録させるための施策全般を指します。具体的にはUI・UXの改善や、サイトマップの作成、内部リンクの設置、パン屑リストの作成、サイト構成の最適化などが挙げられます。

3.外部対策

コンテンツの内容を改善することと同様に重要なのが「外部対策」です。主に、外部のサイトからの流入を増やすことを指します。Googleでは、外部サイトでのリンク数(被リンク数)も検索順位を決定する際の評価指標としています。

コンテンツが有益であれば、そこへのリンクを、別のサイトが設定してくれることが増えるでしょう。つまり外部からの流入が増えるのです。できるだけ多く、それも信頼性の高いWebサイトにリンクしてもらうことが、自社サイトの評価を高めることにつながります。外部リンクを増やすには、SNSでの共有を促すためのボタンを設置したり、サテライトサイトを作成して、そこにメインのサイトへのリンクを貼り付けたりする方法が有効です。

SEMとは

「SEM(Search Engine Marketing)」とはWebマーケティングの一種で、検索エンジンに特化した施策全般を指します。上述のSEOもこのSEMに含まれます。SEO以外のSEM施策としては、「リスティング広告」が代表的です。

リスティング広告とは、検索結果の上部に表示される広告を指します。検索キーワードを指定して広告を表示させられることから、一般的には「検索連動型広告」と呼ばれており、ユーザーが広告をクリックすると課金される方式を用いているのが特徴です。

SEOとSEMの違い

SEMという用語をリスティング広告と同義のようにみなすケースも見受けられますが、厳密にいえば、それは正しくありません。上述の通り、SEMとは本来、検索エンジンに関連したWebマーケティング全般を意味し、SEOもリスティング広告もここに包括されます。

SEOのメリットとデメリット

SEOは広告と違い、基本的には無料です。一度制作したコンテンツはWebサイトの資産となり、検索結果で上位表示させられれば、中長期にわたって安定した集客が見込めます。それに加え、キーワードへの関心が強くCVにつながりやすいユーザーを集客できるほか、キーワード設定を工夫すれば幅広いニーズを捉えることも可能です。

反面、SEOでは効果が出るまでにある程度の時間を要します。そのほか、「コンテンツの制作に人的コストがかかる」「検索ボリュームの大きいキーワードは上位表示が難しい」「検索エンジンのアルゴリズムが変更されると順位も変わる恐れもある」、などのデメリットがあります。

そのほかのSEMのメリットとデメリット

そのほかのSEMのメリットは、ユーザーの目に止まりやすく集客に即効性があることや、予算と広告効果のバランスを調整できることが挙げられます。また、ユーザーが検索したワードに応じて、それに関連する広告を表示可能なため、ニーズの顕在化したユーザーにターゲットを絞れる点もメリットです。

一方で、広告の出稿にコストがかかり、出稿を停止すれば効果が得られなくなる点はデメリットです。ユーザーは広告よりも自然検索で上位表示されたサイトを好む傾向があるため、クリック率でいえばSEO施策で自然検索の表示順位を上げたほうが効果的である点も、留意すべきでしょう。

SEOとほかのSEM施策の使い分け

Webサイトへの集客を目指すにあたっては、目的に応じてSEOとリスティング広告に代表される、そのほかのSEMを使い分ける必要があります。

SEOは即効性が弱いため、中長期的に取り組まなければなりません。しかし、集客コストは抑えられるので、良質なコンテンツを制作して検索結果で上位表示できれば、継続的な効果が見込めます。

一方、リスティング広告などそのほかのSEMは、即効性こそありますが出稿期間しか効果が続きません。そのため、Webサイトの新規立ち上げ時や、期間限定のイベントや商品の訴求など、短期間で効果を上げたい場合に向いています。特にWebサイトの立ち上げ時は、コンテンツの数も限られることから、SEOで効果を上げることは困難です。

そこで、まずはそのほかのSEM施策を講じてサイトの知名度向上を図り、ある程度の集客力がついてきたら、流入数の多いキーワードをもとにしてSEO施策を展開するとよいでしょう。

まとめ

検索エンジンを利用したマーケティング施策を「SEM」といい、SEOもSEMのひとつに含まれます。SEO以外の手法としては、費用を投じて特定のWebサイトやWebページを検索結果の上位に表示させる、リスティング広告があります。SEOとそのほかのSEMにはそれぞれ長短があるため、Webサイトの成長フェーズや達成したい目的に応じて両者を使い分けることで、効率的なWebマーケティングが実現できるでしょう。

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