サジェストキーワードと関連キーワードの違い
コンテンツマーケティングにおいてSEOでWebサイトへのアクセス件数を増やすには、まずビジネスに直接繋がるようなキーワードを選択することが大切です。そして、そのキーワードを入力して検索するユーザーの意図を考えながらコンテンツを制作します。
それでは、このキーワードを決める方法にはどのようなものがあるのでしょうか。狙いたいキーワードが決まっている場合は特に問題ないのですが、一般的には以下の4つのパターンでキーワードを特定していきます。
- 自社流入キーワードを調べ、ランクが低いキーワードの強化
- 競合サイトの流入キーワードを調べ、自社で狙いたいキーワードを選定
- 狙うべきキーワードとそのサジェストキーワードを選定
- 狙うべきキーワードとその関連キーワードを選定
本稿ではこのうち、サジェストキーワードと関連キーワードの違いについて解説していきます。2つのキーワードを混同している方も多いかと思いますが、それぞれの特徴があり、かつSEO効果も異なります。違いを明確に理解し、より質の高いコンテンツを作れるようにしていきましょう。
サジェストキーワードと関連キーワードの違い
サジェストキーワード
サジェスト(Suggest)とは「提案する」という意味で、検索エンジンにキーワードを入力すると自動的に表示される検索候補をサジェストキーワードといいます。試しに、「サジェストキーワード」と入力すると、検索エンジンでは以下のように表示されます。
これは、入力したキーワードに応じて検索エンジンが「よく検索されているキーワード」を検索候補として表している結果です。この機能があることで、ユーザーは入力の手間を省き、「これこれ!このキーワードで検索したかったんだよ」、「このキーワードで検索する方法もあるか!」と検索エンジンの利便性を高められます。詳細に関しては以下の記事をご確認ください。
関連記事:Googleサジェストとは?取得方法やツールを紹介
関連キーワード
何らかのキーワードで検索を実行すると、検索結果がずらりと表示されます。その画面の最下部までスクロールすると、「〇〇に関連する検索キーワード」の欄に10個のキーワードが表示されますが、これが関連キーワードです(Google検索の場合)。Yahoo!検索の場合は、検索結果画面の最上部と最下部に、虫眼鏡のアイコンの横に関連キーワードが表示されます。では、先ほどと同じように「サジェストキーワード」で検索を実行し、表示される関連キーワードを確認してみましょう。
すでにお気づきでしょうが、同じキーワードであってもサジェストキーワードの表示されるものと、関連キーワードに表示されるものが違っています。一致しているのは上記の例ですと「サジェストキーワード マップ」と「サジェストキーワード 削除」だけです。このことから、一方は単純な検索ボリュームで表示されているのではない、ということが分かります。
サジェストキーワードが表示される仕組み
SEO効果を高めるには、各キーワードが表示される仕組みを理解し、その上で適切なキーワードを選ぶことが大切です。まずは、Google検索を例に挙げてサジェストキーワードが表示される仕組みをご紹介します。ちなみに、Google検索では「オートコンプリート」と呼ばれています。
Google では、人気度や類似性などの要因に基づいて検索候補を表示します。検索候補を選択すると、そのキーワードを使用して検索が行われます。
検索候補のベースとなるもの
- 入力した検索キーワード
- 過去に行った関連する検索(Google アカウントにログインしており、[ウェブとアプリのアクティビティ] を有効にしている場合)
- 他のユーザーが検索しているキーワード(急上昇ワード検索を含む)。急上昇ワード検索は、ご利用の地域で人気を集めているトピックであり、1 日を通して変化し、ユーザーの検索履歴には関連していません。現在の急上昇ワード検索結果を取得するには、Google トレンドにアクセスしてください
Googleの解説によれば、サジェストキーワードはユーザーが検索した際に使ったキーワードによって変化するものであり、他のユーザーが検索しているキーワードも関係するものの、あくまで個々に変化するものだとされています。
実際に、過去に検索したキーワードと同じもので今検索をしても、過去に表示されたサジェストキーワードから変化している可能性が高いでしょう。それは、ユーザーが今までに検索したすべてのキーワードが反映されているからであり、検索履歴が積み上がることでサジェストキーワードが都度変わっていくからです。
関連キーワードが表示される仕組み
次に、関連キーワードが表示される仕組みについてもGoogleの解説を確認してみましょう。
検索候補は、人間の関与なしにアルゴリズムによって自動生成されます。このアルゴリズムは次のような特性を備えています。
- 他のユーザーが過去にそのキーワードを検索した頻度など、複数の要因に基づいています。
- ウェブ上のさまざまな情報を反映するように設計されています。多くの人気トピックに関連する予測が表示される場合があります。
これによると、関連キーワードは完全にアルゴリズムのみで自動的に表示されており、自分自身が検索したキーワードは反映されないことを示しています。さらに、Web上に存在しているあらゆる情報を反映するため、トレンドが強く影響し、検索したキーワードを含まない関連キーワードが表示される場合もあります。先ほどの例で言えば、「サジェストキーワード」と検索したにもかかわらず関連キーワードとして「グッドキーワード」が表示されています。
これは、「サジェストキーワード」に対するトレンドを表示している結果だと言えます。
SEOに効果的なのはどっち?
では、皆さんが1番気になっているであろう、SEO的に効果を発揮するのはどちらのキーワードか?について言及していきます。
単刀直入に言いますと、コンテンツマーケティングにおけるSEOで指標とすべきなのは、関連キーワードです。先の解説でも分かるように、関連キーワードは自分自身の検索結果を反映せず、単純な検索ボリュームやトレンド、その他の情報を考慮してアルゴリズムが自動的に表示しています。従って、ユーザーの興味・関心に触れる可能性が高いキーワードであり、かつビジネスに直接繋がる可能性も高いと言えます。
ただし注意点もあります。それは、表示されるキーワードにリアルタイム性が反映されていないことです。関連キーワード欄に表示されているからといって、現在進行形で検索ボリュームが高い、とは必ずしも言えません。なので、リアルタイムな検索ボリュームや人気のキーワード等を知りたい場合は、GoogleトレンドなどのWebツールや、TwitterなどのSNSを利用するのが最適です。
キーワードにこだわらない良質なコンテンツを
最後に呼びかけたいことは、コンテンツマーケティングにおいて適切なキーワードを選ぶことはとても大切です。しかし、キーワードを盛り込めば良質なコンテンツが作れるわけではありません。
Googleでは度重なるアップデートにより、キーワードに依存せずに良質なコンテンツを判断するためのアルゴリズムへと進化しています。昔のようにキーワード出現率を高めれば検索結果上位に表示されることはなく、「ユーザーにとって有益な情報を提供できているか?」が重視されています。
検索ユーザーの母数を確保するためにキーワードを意識することは大切ですが、キーワードに縛られた考えだけでは良質なコンテンツは生まれません。いつ何時でも、ユーザーにとって有益な情報を発信し、かつビジネスに直接繋がるような良質なコンテンツ作りを目指していきましょう。