なぜHubSpotとSalesforceのデータ連携が重要なのか?メリットとETLでの設定方法

「顧客情報を一元管理したいけど、マーケティングはHubSpot、営業はSalesforceを使っている…」そんな悩みをお持ちの企業様も多いのではないでしょうか?

HubSpotはマーケティングオートメーションに強く、SalesforceはCRMとして高い評価を得ています。どちらも優れたツールですが、別々に運用していると、どうしても情報が分断され、顧客対応にズレが生じてしまうことも多いです。

そこで注目したいのが、HubSpotとSalesforceのデータ連携です。
このデータ連携によって、HubSpotで獲得した見込み顧客情報をSalesforceに自動で反映したり、Salesforceでの商談状況をHubSpotで確認したりすることが可能になります。
連携によるメリットとして、以下のようなものがあります。

  • 情報の一元管理とパーソナライズ化
  • マーケティング部門と営業と間の連携強化
  • データ分析の強化、効率的な業務改善 など

このブログでは、HubSpotとSalesforceのデータ連携の具体的なメリットと実際にETLでの連携方法をご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、貴社のビジネス成長にお役立てください!

HubSpotとSalesforceをETLでのデータ連携の重要性

HubSpotとSalesforceの具体的なデータ連携のメリット

HubSpotとSalesforceのデータ連携のメリットとして、以下の5点があげられます。

1. 顧客情報の統合と一元化

情報の重複を防ぐ: 顧客情報がHubSpotとSalesforceの両方に分散している場合、情報が重複したり、古い情報が残っていたりすることがあります。連携することで、一元化された正確な顧客情報を取得し、データの整合性をたもつことができます。

360度の顧客ビュー: 顧客のウェブサイト閲覧履歴、メール開封率、営業活動履歴など、様々なデータを統合することで、顧客一人ひとりの行動や興味関心を深く理解できます。これにより、よりパーソナライズされた情報をお客様へ提供することが可能になります。

2. マーケティングと営業の連携強化

シームレスなリード移管: HubSpotで獲得したリード情報をSalesforceに自動的に連携することで、営業チームはすぐにフォローアップを開始できます。これにより、リードの機会損失を減らし、商談成立に貢献します。

共同での顧客情報管理: マーケティングチームと営業チームが同じ顧客情報を共有することで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になり、顧客に対する一貫性のある対応が可能になります。

3. データに基づいた意思決定

データ分析の強化: 連携されたデータを活用することで、より詳細な顧客分析が可能になります。顧客の行動パターンや購買履歴を分析し、効果的なマーケティング施策や営業戦略を立案することができます。

効率的な業務改善: データに基づいて、営業プロセスやマーケティングキャンペーンの改善点を見つけることができます。これにより、業務効率を向上させ、ROIの最大化を目指せます。

4. 自動化による業務効率化

手作業の削減: リードのスコアリング、営業活動の記録、レポート作成などの作業を自動化することで、担当者はより戦略的な業務に集中できます。

エラー削減: 人手によるデータ入力ミスを減らし、データの正確性を高めます。

5. スケーラビリティの向上

ビジネス成長に対応: 企業が成長するにつれて、顧客データは増加します。HubSpotとSalesforceの連携は、スケーラブルなソリューションであり、ビジネスの拡大に合わせて柔軟に対応できます。

HubSpotとSalesforceのデータ連携方法

HubSpotとSalesforceの連携する方法は大きく2つに分かれます。

  1. HubSpot社が提供するアプリをHubSpotにインストールしてデータ連携する。
  2. ETLツールを使ってデータ連携をする。

HubSpotとSalesforceのデータ連携方法

1.については、HubSpotおよびSalesforceの設定をするだけで簡単にデータ連携ができる分、カスタマイズ性が乏しいです。標準的なオブジェクトどうしなら比較的簡単に連携が可能となります。また、アプリの制約上カスタムオブジェクトどうしをデータ連携するとなると制約があるため注意が必要です。

2.については、ETLツールの導入と設定が必須となります。導入難易度が高い分、制約が少ないためカスタマイズ性は向上します。現在のETLツールはノーコードで設定が可能となっているものが多いため、導入難易度は下がりつつあります。

どちらを採用するかは、データ連携するオブジェクト、データの連携頻度、データ量、データ加工の必要性から検討する必要があります。

次章では、Zapierを用いた実際の設定例についてご紹介します。

参考情報(HubSpot社のSalesforce連携アプリ)
HubSpotのSalesforce連携をインストールする:
https://knowledge.hubspot.com/ja/salesforce/install-the-hubspot-salesforce-integration
HubSpotとSalesforceの連携:
https://www.hubspot.jp/products/salesforce

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法

HubSpotとSalesforceのデータ連携の例として、Zapier(https://zapier.com/)を用いた連携方法を紹介します。

前提条件として、Zapier、HubSpot、Salesforceのそれぞれのアカウントがあることとします。
例)HubSpotのコンタクトの電話番号が変更になったら、Salesforceのリードの電話を更新する。

Zapsの作成

画面左側のZaps をクリックし、画面が切り替わったら「Create Zap」クリックします。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-01

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-02

Triggerの設定

TriggerはHubSpotを選択します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-03

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-04

Trigger eventはContact Recently Created or Updatedを選択します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-05

Actionの設定

ActionはSalesforceを選択します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-06

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-07

Action eventは「Update Lead」を選択します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-08

Salesforceのレコード検索の追加

このままでは、Salesforceのレコードを絞り込むことができないので、レコードの検索を行います。今回は、メールアドレスが同じレコードを取得します。

1と2のステップの間の「+」をクリックし、Salesforceを選択します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-09

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-10

Action eventは「Find Record」を選択します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-11

Configureをクリックし、
Salesforce Objectにリード、Field to Search Byにメール、Search ValueにHubSpotのEmailを設定します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-12

⑤Update LeadのConfigureを設定

Update LeadのConfigureをクリックして設定します。
Lead to UpdateにFine RecordのSalesforceIDを設定します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-13

今回は電話番号を更新するため、電話にHubSpotのPhone Numberを設定します。

ETLツール(Zapier)でのデータ連携の設定方法-14

以上で、Zapierの設定は終了となります。

まとめ

HubSpotとSalesforceの連携は、顧客情報の統合、マーケティングと営業の連携強化、データに基づいた意思決定、業務効率化、スケーラビリティの向上など、多くのメリットをもたらします。これらのメリットを最大限に活用することで、企業は顧客満足度向上と収益増に繋げることができます。

また、ETLツールを用いることでノーコードかつ簡単にHubSpotとSalesforceのデータ連携を構築することが可能となります。

このブログを参考に、ぜひHubSpotとSalesforceデータ連携をおこなってみてください。