高齢者・シニア層の集客を成功させる5つの手法とは
日本は世界で最も高齢化率の高い国であり、人口減少と相まって市場競争力の低下が懸念されています。しかし、裏を返せばシニア市場の需要拡大と捉えることも可能であり、巨大なビジネスチャンスが広がっていると考えられるでしょう。そこで今回は高齢者・シニア層の集客を成功させる5つの手法について解説します。
現在の日本は超高齢化社会に突入
現在の日本は超高齢化社会へと変容しています。先進諸国の高齢化率を比較すると、1980年代までの日本は決して高い水準ではありませんでした。ところが1990年代に突入すると中位にまで上がり、2000年代には最も高い水準にまで上昇しています。基本的に国全体の高齢化率は発展途上国よりも、先進国のほうが高い水準になる傾向にあります。世界の高齢化率が高い国を見るとイタリア、ポルトガル、フィンランド、ギリシャなどが挙げられますが、日本は世界で最も高齢化率が高い国となっているのです。
全人口に対して高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%で「高齢社会」、そして21%を超過すると「超高齢化社会」と呼ばれます。日本の総人口は2021年2月時点で1億2562万人です。その内、65歳以上の高齢者数は3616万5000人であり、総人口の約28.8%を占めています。2060年には総人口が9000万人を割り込み、高齢化率は40%を超える水準になると推計されています。
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202102.pdf
超高齢化社会と共に大きな問題となっているのが人口の減少です。戦後、日本の総人口は増加し続け、1967年に1億人を超えました。しかし2008年の1億2808万人をピークとして減少に転じ、今後その流れは加速していくと予測されます。超高齢化社会と人口減少も相まって、日本の市場は大きな転換期を迎えようとしています。今後はシニア層をターゲットとした経営戦略の構築が不可欠といえるでしょう。
高齢者・シニア層の集客を成功させる5つの方法
20世紀後半に起きたIT革命によって社会構造は大きな変革を遂げました。あらゆる産業がデジタル技術の恩恵を受けて発展し、集客においてもWebサイトやSNSなどの活用が必須です。いまやIT技術を活用したWebマーケティングなくしてビジネスは成り立ち難いでしょう。しかし、シニア層に対する集客を成功させるためには新聞広告や折り込みチラシなど、従来のマーケティング手法が不可欠です。高齢者のインターネット利用率は上昇傾向にあるものの、シニア市場の集客において成功のカギを握るのはアナログ媒体の活用です。ここでは高齢者・シニア層の集客を成功させる5つの方法について解説します。
新聞広告
シニア層をターゲットとしたマーケティング戦略において、最も重要となるのが新聞広告です。若者の新聞離れが進んでいるものの、シニア層にとっては今もなお重要なメディアであるといえます。総務省が発行する「令和2年版情報通信白書」によると、2019年における20代の新聞閲読率はわずか5.7%であり、30代でも10.5%ほどしかありません。これに対し、60代の閲読率は57.2%と高くなっています。シニア層にとって新聞は今もなお大きな役割を担う媒体なのです。
新聞広告を使ったマーケティング戦略には大きなメリットがあります。それは新聞というメディアに対する信頼性の高さです。新聞は日々の情報源として幅広い層に支持されており、社会的信頼性と公共性の高いメディアといえます。そのため、新聞に掲載されている商品やサービスは信頼性が上昇しやすい傾向にあるのです。企業イメージそのものの向上にもつながるため、ネット社会となった現在でも新聞は非常に重要な広告媒体といえるでしょう。
フリーペーパー
フリーペーパーは新聞ほどの発行部数はないものの、地域性やジャンルに特化したものが多く、ニーズに合わせてピンポイントな訴求が可能な広告媒体です。実際にシニア向けの人気フリーペーパーも多数存在します。マーケティング戦略において重要なポイントのひとつが、ターゲットとの接点をどこで図るかという点です。フリーペーパーは一般的にコンビニや駅構内などに置かれています。しかしシニア層をターゲットとするなら、病院や介護施設、地元の飲食店や温泉施設など、高齢者が利用する施設にフリーペーパーを配布することで、より高い成果を得られるでしょう。
折り込みチラシ
シニア層への訴求手段として、折り込みチラシは非常に有効なマーケティング戦略です。新聞とセットで配布される折り込みチラシは、情報をスピーディーに拡散させたい場合に有効な広告媒体といえます。配達地域や配布する日時の指定が可能なため、特定の地域やターゲット層に対してタイムリーかつピンポイントな訴求が可能です。また、折り込みチラシはメインターゲットに向けたデザインとすることで、より高い広告効果が期待できます。たとえば若年層をターゲットとするなら、洗練された美麗な広告デザインが求められるかもしれません。しかしシニア層に向けた訴求では、親しみやすさや視認性に優れた広告デザインが好まれるでしょう。
会員誌
会員誌とは、オンラインでいうメルマガのような、特定の人たちにのみ配布されるクローズドメディアです。ファンクラブの会報誌や、通販サービスの会員に発行される通販カタログなどが挙げられます。その他にも健康や日々の暮らしにフォーカスした会員誌、クロスワードパズル誌のような趣味に関連するものなど、さまざまなジャンルが存在します。配信先が限定されるため、ターゲティングが容易であるという点が大きなメリットです。
会員誌を発行する目的は2つあります。1つ目の目的は「利益の最大化」です。顧客が購入した商品やサービスに関連する情報誌を提供することで、アップセルやクロスセルにつながります。2つ目の目的は「ファン化」です。会員誌でシニア層が求めるコンテンツを定期的に配信することで、企業と顧客との間にコミュニケーションが生まれます。そして継続的なコミュニケーションによって企業への信頼度が向上し、顧客のファン化へとつながるでしょう。
インターネット集客
シニア市場を想定した集客において重要となるのは、アナログ媒体を活用した広告戦略です。とはいえ、WebサイトやSNSを活用したインターネット集客も無視できません。近年、60歳以上のインターネット利用率が大きく上昇しており、スマートフォンの利用者も増加傾向にあります。またシニア層向けのSNSも普及しています。したがって、これからのマーケティング戦略ではWebを活用したオンラインでの訴求も不可欠です。しかし若年層や中年層と比較した場合、まだまだインターネットの利用率は高くありません。Webメディアにディスプレイ広告やバナー広告を出稿しても効果は薄いでしょう。そこでおすすめしたいのが、Webメディアとアナログ媒体を融合したマーケティング戦略です。アナログ媒体での広告出稿を主軸に据えながら、Webメディアによるマーケティング活動も併用することで、より高い成果につながるでしょう。
また、高齢者の家族をターゲットにして広告を出し、家族を通じて高齢者の集客につなげるといった方法も考えられます。
高齢者向け集客を行う際のポイント
シニア層への集客を成功させるためには、押さえておくべきポイントが2つあります。それが「ワード選び」と「ターゲティング」です。ここでは高齢者向けの集客を行う際のポイントについて解説します。
ワード選びに注意する
広告において最も重要な要素はキャッチコピーです。キャッチコピーとは、ターゲットの購買意欲をかき立てるための印象的な宣伝文句を指します。広告戦略ではターゲットに突き刺さるキャッチコピーをいかにして生み出すかが非常に大切です。それだけにワード選びは慎重になる必要があります。高齢者は年寄り扱いされることを嫌う人も多く、「高齢者」や「シニア」という単語を不用意に使用すると不快感を与える可能性があります。シニア層向けの広告作成では、高齢者という印象を与えすぎないようなワード選びの工夫が必要です。
ターゲティングが重要
マーケティング戦略における最重要課題はターゲティングです。ターゲティングとは市場細分化を行い、ターゲットを明確に絞り込む戦略を指します。以前は65歳以上の高齢者をシニア層と一括りにしていました。しかし超高齢化社会となった現代では健康状態や趣味嗜好など、さまざまな要素によってシニア層が細分化されているのが実情です。たとえば時間と資産に余裕のある高齢者は「アクティブシニア」と呼ばれ、反対に要介護状態にある高齢者は「パッシブシニア」と呼ばれます。その中間に位置する在宅志向の強い高齢者は「ノンアクティブシニア」と呼ばれます。同じシニア層であってもそれぞれには大きな違いがあるため、集客においても異なるマーケティング戦略が求められるでしょう。
まとめ
超高齢化社会の日本において重要となるのが、シニア市場を想定したマーケティング戦略です。シニア市場の集客方法にお悩みなら「株式会社ローカルフォリオ」のサービスを利用してみてはいかがでしょうか。ローカルフォリオは集客への取り組みを総合的にサポートする企業です。詳しい情報を知りたい方は下記URLをご覧ください。