インプレッションとは?PVやリーチ、セッションとの違い

Webマーケティング、Web広告といった分野に関わっていると「インプレッション」という言葉をよく耳にします。しかし、似たような言葉で「PV(Page View)」や「セッション」、「リーチ」なども存在します。皆さんはこれらの明確な違いに関して説明できますでしょうか。実は弊社内でもこれらの言葉が飛び交っていますが、お恥ずかしながら それらを正確に理解していないために微妙な会話の「ずれ」などが発生していました。

今回は、インプレッションって何?という方に向けてその詳細に関して解説していきます。

インプレッションとは?

インプレッション(Impression)」という言葉自体の意味は「印象」や「刻印」といったものです。Webマーケティング分野、Web広告分野においては「広告が表示された回数」を示します。

Web上でのマーケティング戦略でリスティング広告やDMP広告を活用するのは今や一般的な施策です。

リスティング広告:検索エンジンでの検索結果に応じて表示されるテキスト形式の広告。

DMP広告:DMP(Data Management Platform)を活用して、大規模な広告ネットワークの中で特定のターゲットにリーチするための広告。

これらの広告施策では、「どれくらいのユーザーが広告を目にしたか?」という指標が非常に重要であり、基本的にはインプレッション数が多いほど広告施策効果が高くなります。ただし、広告施策とビジネス上の目的がただしく接続されていないと、いくらインプレッション数が多くなっても広告施策効果が高くならないということもあります。

インプレッションは「imp」や「imps」と表現されることが多く、広告が1回表示されたら「1imp(1imps)」、広告が2回表示されたら「2imp(2imps)」という単位でインプレッション数をかぞえます。

ちなみに、TwitterやFacebookなどのSNSでは、広告だけでなく通常の投稿が表示された回数もインプレッションという単位で数えることがあります。たとえばFacebookでは同じ投稿であっても、別の人がシェアをしたことで再度ニュースフィードに表示されると、表示された回数に応じてインプレッション数が計測されます。

Webサイトのリニューアル時に絶対おさえておきたいSEO対策10のポイント
サイト流入/見込み客/売上向上のための 25のWebサイト必須項目

従って、「インプレッション」という言葉を使用するシーンによってその意味合いが違うので注意しましょう。

インプレッションとCTRの関係

リスティング広告やDMP広告によって商品やサービスの存在を知ってもらったり、あるいは広告施策から直接売上に繋げたりしたい場合、まずは「ユーザーに広告を見てもらう」ということが大前提になります。そのため、インプレッションは広告施策における重要指標の1つだと言えます。

しかし前述のように、インプレッション数が多いほど広告施策が高くなるわけではありません。極端な話しでいえば、お金をたくさんかけて広告が多くのターゲットに表示されるようにしても、広告自体とビジネス上の目的がまったく乖離していれ、いくらインプレッション数が伸びても広告施策からの売上等を得ることはできません。

そこで、インプレッションともう1つ別の指標に注目する必要があります。それが「CTR(Click Through Rate:クリック・スルー・レート)」です。CTRはいわば「クリック率」のことで、表示された広告をどれくらいのユーザーがクリックしたかを表し、以下の数式で求められます。

CTR=広告が表示されクリックされた回数÷インプレッション数×100

たとえば、広告が10,000人のユーザーに表示され、そのうち500人のユーザーが広告をクリックすれば[500ユーザー÷1,000回×100=5]で、CTRは5%となります。ちなみに、リスティング広告における一般的なCTRは、広義のキーワードでは1%、狭義のキーワードでは10%程度と言われています。

このように、たとえインプレッション数が高くてもCTRが低ければ、その広告はユーザーから興味を持たれていないことになります。もちろん、インプレッション数とCTRだけではなく、他の指標も併せて広告施策効果を測定することが大切です。

インプレッションとPVの違い

Webマーケティング分野、Web広告分野では「インプレッション」と「PV」を混同している方が意外と多いかもしれません。PVとは、「そのWebページが何回表示されたか?」を表しています。Webサイトを運営していて、そこに広告を掲載している場合、「インプレッション数=PV数」と考えがちですが実際は違います。

たとえば同じWebページの中に3つの広告が掲載されていれば、ページの表示回数は1PVだとしても、広告の表示回数は3imp(imps)ということになります。インプレッションもPVも「表示された回数」という意味では一致していますが、何を表しているかは明確に違うので注意しましょう。

インプレッションとセッションの違い

Webマーケティング分野、Web広告分野における「セッション(session)」とは、「Webサイトに訪れてからそのWebサイトを離脱するまでの一連の行動」を表す指標です。コンピュータ用語としての「プログラムが作動して終了するまでの動作」からきています。たとえば、ユーザーがWebサイトに作成して以下のような行動を取った場合を想定します。

  1. 何らかのきっかけでWebサイトを訪れる
  2. Webサイトの中でいくつかのページを見る
  3. 他のWebサイトに移動する(Webサイトに離脱)

以上の一連の動作を「1セッション」を数えます。ただし、セッション数を計測する際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 同じWebサイト内で別のページに移動してもセッションは途切れない
  • 同じWebサイトでも30分以上経過してから別のページに移動したらセッションは一度途切れて、新しいセッションとして数えられる
  • Webサイトをいったん離れても、30分以内に同じWebサイトに戻るとセッションは途切れずに継続される

Webサイト上で複数のページを表示したとしても、セッションが途切れない限りセッション数は1であり、インプレッションとイコールで繋がることはほぼありません。そのため、PVと同様に「インプレッション数=セッション数」と混同してしまわないよう注意しましょう。

SNSにおけるインプレッションとエンゲージメントの違い

先ほど、SNSにおけるインプレッションは「投稿が表示された回数」を説明しました。これを「エンゲージメント(Engagement)」と混同している方も多いかと思いますので、ここでその違いを説明します。

エンゲージメントを直訳すると「契約」や「約束」という意味です。SNSにおいては、「ユーザーとの繋がり度合い」を示す指標として重視されています。ではこのエンゲージメントがどのようにして測定されるかというと、主に投稿に対してユーザーが起こしたアクションの総数を参考にします。このアクションの内容は、SNSごとに違います。

Facebook:いいね、シェア、コメントなど

Twitter:リツイート、いいね、URL、ハッシュタグ、ユーザー名のクリックなど

そして、ファン数に対して1投稿あたりに得たエンゲージメントの割合を「エンゲージメント率」として表し、この指標が高いほどブランドとユーザーとの繋がりが深いことを示します。多くのSNSではエンゲージメント率がインプレッション数に大きな影響を与えると言われ、インプレッションよりも重要な指標として位置づけられています。

何事も正しく理解し、複数の指標を参考にしよう!

いかがでしょうか?Webマーケティング分野、Web広告分野では実にさまざまな指標が用いられています。大切なのことは、それぞれの意味を正しく理解した上で、データを活用しより改善していくことなのでしょう。

グロースドリブンデザイン入門