日本国内で導入・検討されることが多いCDP、DMPを一挙ご紹介

データをためる、統合する、活用するといった役割で、CDP(Customer Data Platform)の導入が広がっています。まだ導入をしていない企業でも、検討をしている所は多いでしょう。

CDPはCustomerという言葉からわかるように、顧客データを軸にした仕組みです。この顧客データを軸にするという箇所にこだわらなければ、近しいものとしてDMP(Data Management Platform)があります。

仮にDMPを使っていても、顧客データを軸にすればCDPと同じことといえます。しかしDMPがアドテク、つまり広告のツールという認識が強いため、業界的にCDPという言葉に置き換える動きになっています。

この記事ではCDPとDMPが役割的にはほぼ同じとみなし、日本の市場で検討がよくおこなわれたり、実際に導入されている具体的なCDP、DMPを紹介していきます。

プライベート

DMPは自社のデータを扱うものが、プライベートDMPという呼ばれ方をします。Webのログベースでは1st Party Cookieによるデータです。CDPと呼ぶ場合は、ほとんどがこのプライベートDMPを指します。ですのでプライベートCDPという言葉はないのですが、つまりは自社が取得したデータを格納、活用するものをこの章では扱っていきます。

連携に強み

プライベートの中で大きく分かれ、データの収集と統合機能に優れるもの、またデータを活用する機能に強みを持つものがあります。最初にデータの収集、連携に強みを発揮するCDP、DMPを紹介していきましょう。

トレジャーデータ(Arm Treasure Data eCDP)

https://www.treasuredata.co.jp/

CDPで絶対に外せない存在、それがトレジャーデータです。CDPという言葉の推進も、大きくはこちらが担っています。

膨大なデータ量の蓄積、それに連携や統合をさせることができる大規模プラットフォームです。巨大なデータベースやビッグデータと呼べばイメージしやすいでしょうか。導入のしやすさも大きく支持される理由です。

最近はデータの出所が明確な、1st Party Cookieとの連携でもメリットが多くあります。MAツールやBIツールなど連携先も豊富で、CDPの機能を存分に使いたい、巨大なデータを管理、活用したいという場合には検討した方が良いCDPです。

Tealium(ティーリアム)

https://tealium.com/ja/

トレジャーデータに近しい機能で猛追しているのが、Tealiumです。特徴はトレジャーデータとほぼ重なります。こちらもあらゆるデータの蓄積が可能です。タグマネジメント、リアルタイム連携といったところは特に力を入れています。日本法人もあるので、より手厚いサポートで導入や運用もやりやすくなるのではないでしょうか。

CXENSEDMP(シーセンスDMP)

パーソナライゼーションソフトウェアを提供する企業、シーセンスのソリューションの一つです。

機能的にはやはりリアルタイム性などに定評があります。プライベート連携や膨大なデータ量の格納ができるCDP、DMPとして日本ではトレジャーデータが飛び抜けて高いシェアを持ちます。Tealium、CXENSEも外資系でシェア拡大を狙っているはずですから、機能とともに条件面についてもよく話を聞いて、比較検討をしていくといいでしょう。

機能に強み

続いては機能に強みを持つCDPです。こちらはCDPという呼び方はまだあまりしておらず、DMPという呼称の方が多く使われているようです。またDMPというよりも、機能面が訴求されることが多いので、DMPという伝え方自体もあまりされない傾向があります。一般的にはレコメンド、MA、それらを含めた統合型ソリューションといった形で、実はデータを扱うDMPが一体になっている、という説明がされます。

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バイヤーペルソナテンプレート

b-dash(ビーダッシュ)

https://bdash-marketing.com/

b-dashはテレビCMなど積極的な広告、また展示会には必ずといっていいほど出展をおこない知名度をアップさせている、勢いのあるツールです。

機能的にはMAやWeb接客、ABテストやBIなど幅広い機能を持っています。そのためDMPというよりも、さまざまな施策実行と分析ができるソリューションとして認識されています。廉価版も発売され、最近はコスト的にも導入しやすくなっています。

アクティブコアプライベートDMP

https://www.activecore.jp/marketing-cloud/private-dmp/

アトリビューション分析を世に広めた立役者、アクティブコアもプライベートDMPの提供をおこなっています。メール配信やレコメンドなど幅広く対応できるソリューションです。セグメントやターゲティングで施策の実行、分析ではAIなど機能の進化も多く見られます。

Rtoasterはレコメンドが中心なので、それを使う業種であればぜひ検討したいツールです。逆にレコメンドをあまり必要としない業種、業界では他のツールとフラットな視点でメリット、デメリットを比較するといいでしょう。B-dashは機能が多いので自社に必要な内容をよく整理し、使えるツールかどうかをよく確認するようにしましょう。

その他

連携、あるいは機能のどちらにも属さないCDP、DMPもあります。

Adobe Audience Manager(アドビオーディエンスマネージャー)

https://www.adobe.com/jp/analytics/audience-manager.html

ご存知Adobeが提供するDMPです。最近はCDPという呼び名に移行しています。

Adobeアナリティクスで取得した1st Party Cookie、それに2nd Partyや3rd Partyを組合せ、Adobeのソリューション群を使いさまざまな施策が可能になります。

Adobeのマーケティングソリューションは、このAudience Managerをセットで推進しようとしているようです。ただし日本での導入は予算の関係などもあり、それほど多くはないようです。

Quick DMP

http://quickdmp.ayudante.jp/

アユダンテ株式会社が提供する、分析に強いDMPです。カスタマイズしての導入が基本なので、自社の業務に合わせて内容を変えていくことになります。施策実行ではなくレポーティング、BIツールのTableauとの連携など分析寄りのDMPです。

ここまで紹介してきたCDP、DMPを中心に日本では40~50個程度のソリューションが使われています。

パブリック

1st Party以外のデータを扱うDMPもいくつか紹介しておきましょう。

AudienceOne®(オーディエンスワン)

https://solutions.dac.co.jp/audienceone

パブリックDMPとして日本国内でトップクラスのデータ量を持つのが、博報堂系企業が提供するAudienceOneです。2兆レコード以上という膨大なデータ量となっています。

IM-DMP

株式会社インティメート・マージャーが提供。やはり多くのデータ量を持ち、日本では先ほどのAudienceOneかこのIM-DMPがパブリックとしてはメジャーどころとしてよく知られます。

juicer(ジューサー)

https://juicer.cc/

無料で使えるDMPとして、多くの利用者を獲得しています。分析やABテスト機能に強みを持ち、最近は機械学習機能なども取り入れ進歩をアピールしています。

この他セゾンDMP、Yahoo!DMPなどビックデータを保有する企業がパブリック、あるいは広告配信のDSPとセットでさまざまなサービスを展開しています。

データの価値としては1st Partyがもっとも高いですが、それだけでは量が足りません。そのためパブリックDMPや2nd Party、3rd Partyのデータをどう組み合わせたり活用するかがカギになります。

CDPを持つ方法

CDP、あるいはDMPを持つ方法は、ここまで紹介した既成のツールを導入するというのがまず第一の方法としてあります。

もう一つの方法として、自社で開発するというのもあります。最近はGoogleやAmazon、Microsoftのクラウドサービスを使って構築をおこなえるので、以前より費用感やスピードは負担がかかりにくくなっています。

とはいえ専門のエンジニアを抱える必要があり、基盤構築や機能の設計やディレクションをしなければいけませんので、それなりの工数はかかります。ただしその後の自社に合わせた柔軟性や拡張性を考えれば、オリジナルで持つというのも選択肢としてはありでしょう。

まとめ

CDP、あるいはプライベートDMPといったデータ基盤を持つことの根本的な目的は、サイロ化したデータの収集と統合です。サイロ化とは企業内の各部署にデータが点在し、統合されていないことを表しています。

たとえCDPやDMPという入れ物がどんなに優れていても、サイロ化したデータを集めて統合することができなければ役に立ちません。箱だけ用意されて中身がスカスカ、という状態だからです。もちろん統合してからの施策が重要であることは言うまでもありません。

ですからCDPの導入プロジェクトとはツール、ソリューションを単に入れるだけでなく、データの収集と統合、そして活用をおこなう動きも必須です。それを考えると各部署を横断的に調整してくれるデータのスペシャリストも、導入パートナーが必要な存在となってくるでしょう。

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