ブランディングって何?どんな効果があるの?

“ブランド”と聞いて皆さんは何をイメージしますか?プラダやグッチなどの時計やスーツといった、いわゆる“ブランドモノ”が思い浮かぶという方は多いかと思います。しかしブランドとは本来、それらの高級品を表す言葉ではありません。

簡潔に言えば「ある商品と別の商品を区別するためのデザインやシンボル、あるいは名称やキャッチフレーズ」などが本来のブランドの意味です。このブランドを形成するための活動を“ブランディング”といいます。今回は、ブランディングの基礎知識からどのような効果があるのか?に焦点を当ててお話します。

ブランディングとは?

「カステラといえば?」といきなり質問されて、「文明堂!」と答える方はおそらく9割を超えるでしょう(年代にもよると思いますが・・・)。これはカステラの製造販売という分野において、文明堂が高度なブランディングを実施しているからです。

「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」というフレーズが繰り返されるテレビCMをご覧になったことがあるでしょうか?これは1960年代から1990年代にかけて放映されたCMで、現在では文明堂ホームページのCMギャラリーからご覧になれます。

文明堂は質の高いカステラを製造販売することはもちろん、このCM放映によって一気にブランドを形成したと言っても過言ではありません。そのため20代後半以上の方ならば誰もがカステラと聞けば文明堂を思い浮かべることでしょう。

この文明堂のように「カステラなら文明堂」というブランドを形成することをブランディングといいます。CM放映以外にもブランディング手法は色々とあり、むしろ現在ではデジタル上でのブランディングが高い効果を発揮しているため、中小企業でも積極的にブランディングへ取り組んでいます。

ブランディングの目的は「こういうモノが欲しい、ああいうものが必要だ」と消費者や顧客が考えた際に、自社製品やサービスを思い起こしてもらうことが最大の目的です。文明堂の事例でいえば、デパ地下で何か甘くて美味しいお土産でも買っていこうと考えた際に「文明堂のカステラを買っていこう」と考えそれを行動に移します。

さらに、ブランディングを通じてファンを作るということも大切な目的です。消費者や顧客が自社製品やサービスに対してファンになってくれれば、継続的に購入・利用してくれますし製品やサービスに対して積極的なフィードバックが得られます。

そうなることでマーケティング施策はもっと効果的になりますし、売上アップにもつながっていくでしょう。

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ブランディングの効果

ブランディングを実施することでの具体的な効果についてご紹介します。

売上アップや利益増加になる

ブランディングによる直接的な効果といえば売上アップやそれによる利益の増加です。前述のように消費者や顧客が何かを欲したり必要とした際に、自社製品やサービスを連想することが多くなれば自然と販売数や利用回数は上がっていきます。そのため売上アップに繋がり、ひいては企業の利益増加にもつながります。

競合優位性が手に入る

皆さんの会社があるITシステムを導入する際に、まったく同じ機能と効果を持ち、コストもまったく同じの製品Aと製品Bがあったとします。製品Aは業界での導入実績も多くブランドが確立されており、一方製品Bはあまり有名ではない企業が提供しているとして、皆さんはどちらの製品を選びますか?ここで製品Aを選ぶ方が多いのは、その企業にブランド力があるからです。

ブランド力があれば別の製品やサービスと比較された際にも優位性を保ち、消費者や顧客に選ばれやすくなります。こうしたブランド力を身に付けることができるのもブランディングの効果です。

優秀な人材を確保できる

ある分野においてブランドを確立している企業の場合、たとえ大きな会社でなくとも優秀な人材が集まりやすくなります。高いブランド力は人を惹き付ける効果がありますし、そこで働きたいと考える人も多くなります。そのためブランディングは売上アップなどの効果だけでなく、慢性的な人材不足問題を乗り切るための対策にもなるのです。

良質なフィードバックが得られる

ブランディングによって自社製品やサービスのファンが増えれば、その分良質なフィードバックを得られるチャンスです。ファンというのは自分が好きになった製品やサービスについて少なからず改善案を考えたり、欠点を真剣に考えてくれます。そうした消費者や顧客から良質なフィードバックを得られれば、継続的な改善に取り組みより高度なブラディングへ繋げることができます。

以上のように、ブランディングによって企業は様々なものを手に入れることができます。ブランディング自体にコストや労力はかかりますが、それ以上に大きな成果を得ることも可能なのです。

ブランディングの方法

ブランディングを実施するには色々な方法があります。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとはWebサイトを利用して色々なコンテンツを発信し、消費者顧客にとって有益な情報を届けるというマーケティング方法です。使用するコンテンツはテキスト記事やグラフィック、動画コンテンツなど多様にありますが、総じて言えることは「有益な情報を発信し続けることが大切」ということです。

消費者や顧客が何かについて情報を得たいときはインターネット検索を利用します。検索結果に自社コンテンツが多く掲載され、消費者や顧客がコンテンツに触れ、そこで何らかの問題を解消したりニーズを満たすことができれば、Webサイトに対する信頼が高まっていきます。これはそのままブランディングに直結していきます。

コンテンツマーケティングが一般化した現代では、Webサイトを通じて引き合いを獲得したり、それによってアウトバウンドセールスを廃止したという企業が多数存在します。

ソーシャルマーケティング

ソーシャルメディアは今やインターネットユーザーに欠かせないプラットフォームです。Twitterは国内で4,500万人以上のユーザーが使用していますし、Instagramも年々ユーザーが増加しています。このソーシャルメディアを基盤としてブランディングを実施している企業も少なくありません。

ソーシャルマーケテイングによるブランディングの効果は、ユーザーと対話しつつブランドを形成していけるという点です。企業とユーザーがかなり近い位置でコミュニケーションを取るため、ユーザーの潜在意識に植え付けるようなブランディング施策が大変高い効果を発揮します。

デジタル上のブランディングとしては以上2つの方法が現在の主流です。他にもランディングページを作成したり、リターゲティングを実施したりと色々な方法があります。従来のようにテレビCMを放映するマスマーケティングも効果的ですが、最近ではコストバランスが悪いと考えられ中小企業は積極的に取り組んではいません。デジタル上ならばコンテンツ発信にコストはかかりませんし、継続的に高い効果を生み出すこともできます。

ブランディングで経営課題を解決

企業によって抱えている経営課題は様々ですが、その課題をブランディングという今まで検討していなかったアプローチで解決できるケースは少なくありません。人材不足解消などはその最たる例でしょう。モノを作るだけでは売れなくなった時代、今後はブランディングがさらに重要な位置づけを持つので、この機会に自社のブランディングについてご検討してみてはいかがでしょうか。